NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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間男と女王様を脅してみる。

「それはすごいわね。まさか、そんなことができるなんて」

「グフフフフ……これさえあれば、お風呂もトイレも、全部(のぞ)き放題ですぞ」

 

 バッチリ悪だくみしていたよ。

 しかも会話の内容から察するに、フーゴが発明した超小型高性能カメラの魔道具ということで間違いないだろう。

 

「それで、お前はこの私に何をさせたいの?」

「もちろん、寄宿舎のあらゆる場所に設置してほしいのでござる。お風呂場とか、脱衣所とか、トイレとか、さらには女子の部屋に……」

「……豚の分際で偉そうね? そもそもこの私をこき使おうなんて」

「ブヒ!? めめ、滅相(めっそう)もございませんぞ! せ、拙者はあくまで、リタ様とのプレイをさらに楽しむために……」

「なら、他の女性の部屋にこれを仕掛けるとか、必要ないんじゃない? 私の部屋だけで充分でしょ?」

「…………………………」

 

 ごもっともな女王様のお言葉に、俺はうんうんと(うなず)く。

 だけど、ゲームでもフーゴの奴がどうやってカメラを仕掛けていたのか疑問に思っていたが、まさか女子生徒の協力者がいたなんてな。

 

 絶対に女子とは縁遠い間男だと思っていただけに、これは盲点だった。

 

「ニコさん、どうしますかー?」

「決まっている。隣の部屋に乗り込むぞ」

「え、ええー!?」

 

 エマは驚いているが、少なくとも今フーゴの手には超小型高性能カメラがあり、俺はそれを押収するのが目的。

 なら少々強引でも、このチャンスを逃す手はない。

 

 ということで。

 

「そこまでだ」

「「っ!?」」

 

 扉の向こうで、二人の息を呑む音が聞こえた。

 まさかいかがわしい宿屋で、鍵のかかった扉越しに声をかけられるなんて思いもよらなかっただろうからな。

 

 というか、こんなところで声をかけるとか、マナー違反もいいところだからな。そういう目的の場所だから余計に。

 

「…………………………誰?」

「この声に聞き覚えありませんか? 先日道端で声をかけた者ですよ」

 

 おそるおそる尋ねる女王様に、俺は軽い口調で答える。

 できる限り余裕の態度を見せとかないと、付け入られて隙を与えてしまうしな。

 

「確か……豚のお友達とか……」

「せ、拙者に友達などおりませんぞ! 学院の連中は女王様以外全て敵であります!」

 

 なるほど、フーゴはやはりボッチだったか。

 『ルミナスの壊れた日々Ⅲ』でも、イベントシーンだけでなく通常パートでも、誰かと一緒にいる場面は一切なかったからな。切ない。

 

「そんな寂しいことを言わないでくださいー。同じクラスメイトじゃないですかー」

 

 緊張感の欠片もない間延びした口調で、エマが訴えかける。

 その瞬間、部屋の中ではフーゴに詰問する女王様の声が。きっと自分の他に女子の影があることが許せないんだろうな。

 

 まあともかく、こんないかがわしい宿屋の廊下でやり取りしても、他の客に迷惑になるし、こっちもこっちで居たたまれない。

 

 なので。

 

「言っておくが、俺達は二人が女子生徒の裸やいかがわしい場面を盗撮しようとしていることは分かっている。このことが学院に知れれば、二人はどうなるだろうな」

「「っ!?」」

 

 ハッタリを利かせるために、そう言って脅してみる。

 あとは二人がどう出るかだが、もし無視するのであれば、恥も外聞もなくここで騒ぐ所存。

 

「…………………………」

「…………………………」

 

 扉を挟み、沈黙が続く。

 すると。

 

「……お主達の目的は、何でござるか……?」

 

 それを先に破ったのは、フーゴだった。

 

「とにかく、扉越しで話をしていても(らち)が明かない。まずは俺達を中に入れてくれ」

「…………………………」

 

 俺の言葉を受け、扉の向こうで二人は相談しているのか、ひそひそとした話し声が聞こえる。

 

 そして。

 

「この部屋は駄目でござる。お主達の部屋に行くから、部屋番号を教えるなり」

「そう言って、逃げるつもりじゃないだろうな。そんなことをしたら、速攻で学院に……」

「そ、そんなことはしないでござるよ! 早く部屋番号を言うでござる!」

 

 フーゴの反応を見るに、さすがにここにきて下手な真似をしようとは思わないだろうと考えた俺だが、一応確認の意味を込めてエマを見ると、彼女も(うなず)いてくれた。

 

「分かった。俺達の部屋は隣だから、すぐに来い」

 

 そう伝えると、俺とエマは自分の部屋へと戻る。

 

「フーゴさん達は、どうしてお部屋に入れてくれなかったんですかねー」

「ソウダネー」

 

 きっと俺達に見られたら困るような、色々と恥ずかしい道具が転がっているか、それとも自分達が恥ずかしい格好をしているか、あるいはその両方だろうな。

 

 そうして二人を待つこと十数分。

 

「……待たせたでござる」

 

 ようやくやって来たフーゴ達は、部屋に入るなり俺達を(にら)みつける。

 ただ、女王様のほうは部屋の中を見渡すなり、首を(かし)げていた。何かおかしなところとかあったか?

 

「わざわざこの宿屋を利用しておきながら、二人は何もしていないの?」

 

 おっと。女王様は何の変化もないこの部屋の様子に、逆に疑問を抱いたようだ。

 この部屋がそういう行為をすることを目的としたもの。男女二人で来ておきながら何もしていない俺達に、女王様なら疑問を持ってもおかしくはない……のか?

 

「そりゃそうですよ。俺達の目的はあくまで、二人との接触なんですから」

 

 俺はさも当然とばかりに女王様に告げる。

 まだ納得してはいないようだが、それ以上追及してくるようなことはなかった。

 

「な、なら、拙者達に何の用でござるか。言っておくけど、やましいことは何も……」

「いやいや、やましいことについて俺達に指摘されたばかりだろ。そもそもトイレや風呂場にカメラを仕掛けるなんて」

「カメラ? それはなんでござるか?」

「お前が作った、女子を(のぞ)き見するための魔道具のことだよ」

 

 カメラという用語が前世のものだったのでフーゴは首を(かし)げたが、俺が魔道具のことだと補足するなり女王様を(かば)うようにして身構えた。

 どうやら例の超小型高性能カメラは、女王様が持っているようだ。

 

「あ、あれは拙者とリタ様が個人的に楽しむために作ったものでござる! 決して悪いことは……」

「本当か? ならどうして、他の女子の部屋に仕掛けようなんてことを語っていたんだよ」

「盗み聞きはよくないでござるよ!?」

 

 別に盗み聞きしなくても、最初から分かっていたさ。

 お前はあわよくば、他の女子の痴態もそのカメラに収めたいと考えていることをな。

 

 そしてゲームでは、撮影した女子の中にレーアがいた。

 

「じょお……ゲフンゲフン。リタさんは、そのことについてどう思っているんです?」

「……私以外の女に使おうというのは、豚の分際で許せないわ」

 

 そう言うと、忌々(いまいま)しげにフーゴを(にら)んだ。

 おや? ひょっとしてこれ、女王様の嫉妬ってやつじゃないか? キモオタ枠の間男のくせに許せないんだが。

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