NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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ゴブリンの必勝の寝取り策、発動。

「……お前達が一位のようだな」

 

 全チームが魔物討伐を終え、ゴブリンが苦虫を()み潰したような表情で俺達に告げる。

 レーアを寝取るために、以前から俺に嫌がらせをして女子からの評判を下げようとしていた奴だ。さすがにこれだけの討伐数だと、ゴブリンも何も言えないらしい。いい気味。

 

「いやあ、エマのおかげで戦闘教練の単位は間違いなくS判定をもらえそうだな」

「えへへー……これくらいなら、お安い御用ですー」

 

 両頬を押さえ、嬉しそうに身体をくねくねさせるエマ。これだけの反応を見せておきながら、俺への好感度はゼロ。ここまできたら、あのステータスがバグっているとしか思えない。

 

 何より。

 

「……個人の能力に依存した評価結果なんて、僕は認めない」

 

 (いま)だに納得できないのか、悔しそうに唇を()んでいるユリアンの好感度のステータスは『(バー)』。数字ですらなくなってしまった。

 少なくともあの項目に関しては、その仕組みが判明するまでは一切当てにしないほうがいいだろう。

 

 なので。

 

「私達は、全然討伐できなかったよ……」

 

 こうやって落ち込んだ様子で頼んでもいないのに報告に来たレーアも、額面どおり俺に好感を持っている保証は一切ないということだ。

 とにかく、俺は【ステータスオープン】のスキルを手に入れてから、振り回されっぱなしなんだが。

 

「さて……それで、お前達のこの成績はなんだ?」

「「「「…………………………」」」」

 

 レーアのチームのメンバー達が、ゴブリンに詰め寄られ押し黙る。

 見たところ魔物の討伐数は一。それもダンジョンに現れる魔物で最弱とされるゴブリンである。

 

 というか、どうせ討伐するなら、目の前で下卑た笑みを浮かべ偉そうにしているほうのゴブリンを討伐してほしかった。

 

「このままでは俺も、お前達に単位をやるわけにはいかないなあ?」

「っ!? ま、待ってください! 今回はメンバーが悪かっただけで、いつもは……」

「なによ! それじゃ私達が悪いっていうの!」

「そ、そういうことじゃねーよ!」

 

 ゴブリンの言葉に、レーアのチームのメンバー達は一斉に言い争いを始めた。

 単位がもらえないかもしれないとなると、さすがになりふり構っていられないようだ。なかなか(みにく)い。

 

「グフフ……拙者達はエマ殿と同じチームで何よりでござったな」

 

 そんな連中の様子を眺めながら、フーゴがどこか勝ち誇ってそんなことを耳打ちした。

 チーム分け直後は俺のこと許していないだのなんだの言ってたくせに、いつの間にか友人気取りでいやがる。というか、女王様以外は全員敵認定のボッチじゃなかったのかよ。

 

 だけどさあ……フーゴもそうだが、正真正銘の友人枠であるテオといい、なんで俺の周りには間男ばかり集まってくるんだろうか。

 あれか? 俺がサレ夫だからか? だとしたら理不尽過ぎるんだが。

 

「もちろん俺としては、生徒全員に留年することなく卒業してほしい。だが、さすがに成績を誤魔化すことはできない。……なら自分達が何をしなきゃいけないか、分かるな?」

「ヒッ!?」

 

 そう言ってゴブリンがぽん、と肩を叩くと、チームの一員である女子生徒の一人が軽く悲鳴を上げた。

 きっとゴブリンの意図を正確に読み取り、留年を回避するためには大事な膜を差し出すしかないと、そう思ったんだろう。

 残念ながら正解……じゃないんだよな。

 

 何故なら。

 

「その……教官、今回の魔物討伐での失敗の原因は私です。だから、私を指導してください」

「レーア!?」

 

 女子生徒を(かば)うように割って入ったレーアが、思い詰めた表情でゴブリンに告げる。

 そうなんだよなあ……『ルミナスの壊れた日々Ⅲ』でも、同じように仲間を(かば)って身代わりになり、ゴブリンの個人レッスンを経てキッチリ寝取られるというのが、ゴブリンルートなのだ。

 

 もちろんゴブリンのほうも最初から狙いはレーアで、女子生徒の肩を叩いたのはあくまでもブラフ。全てはレーアをおびき出して罠にかけるためである。

 ゴブリンの奴、狙いどおりの展開になったからか、レーアをいやらしい目で見て舌なめずりしやがった。

 

 ただ。

 

(これだけじゃ、ゴブリンがレーアを寝取った間男なのかどうか、判断がつかない)

 

 一連のやり取りを見た限りでは、レーアの反応もゴブリンの様子も、どちらとも取れる。

 見極めるためにも、もう少し注視する必要があるな。

 

「殊勝な心掛けだ! お前のその意気に免じて、チーム全員の単位についてしっかり考慮してやろう! ……放課後は補習だ」

「はい……」

 

 興奮した様子のゴブリンとは対照的に、レーアはうつむきその表情に影を落とす。

 このままではレーアは、間違いなくゴブリンの奴にその身体を好き放題にされてしまう。

 

 まあだけど。

 

「ニコさん、どうするんですかー?」

「……さすがにあのクズ教官を、のさばらせるわけにはいかないだろ」

「でござるな」

 

 エマの問いかけに俺がそう答えると、何故かフーゴまでが後方仲間(づら)して(うなず)く。

 お前、ゴブリンと同じく間男の一人だってこと、すっかり忘れてるだろ。

 

 とはいえ、【特級魔法技師】のスキルを持つフーゴが役に立つのは確か。

 例の超小型高性能カメラを作ったのはフーゴであり、その使い方や故障など万が一が起きた場合の対処も、コイツがいればどうにでもなる。

 

 あのカメラこそが、間男の寝取りの証拠をつかむための切り札なのだから。

 

 そういうことなので。

 

「戦闘教練の授業は終わったが、学院に潜む魔物……いや、ゴブリン退治といこうか」

「「おー!」」

 

 俺、エマ、そして仲間になったつもりのフーゴは、拳を掲げて気勢を上げた。

 周囲から完全に浮いてしまっている俺達に、生徒達が冷ややかな視線を向けているが、気にしたら負けだ。

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