NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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寝取られの証拠をつかむために。

 ――キーン、コーン。

 

 放課後になり、俺は他の生徒よりも一足早く教室から出る。

 

 すると。

 

「ニコさーん!」

「ニコラス殿、遅いでござるぞ」

 

 笑顔でブンブンと手を振るエマと、腕組みしながら小言を言うフーゴが待ち構えていた。

 というか、まだ授業が終わった直後だっていうのに、なんで二人はそんなに早いんだよ。さては授業を途中で抜けてきただろ。

 

「それより、首尾はどうだ?」

「もちろんバッチリでござる! 拙者の最高傑作が、ニコラス殿の婚約者の痴態を余すことなく……」

「お前は全部終わるまで見守り続けるつもりなのかよ」

 

 いよいよ自分の作った超小型高性能カメラが出番とあってはしゃいでいるのかもしれないが、レーアとゴブリンの寝取られ現場を最後まで撮影してたら駄目だろ。そうなる前に阻止するんだってこと、ちゃんと理解してる?

 

「ですけどー、ゴブリンが婚約者に手を出そうとする瞬間までは収めないと、証拠にならないですよ?」

「もちろん分かってる。だから手を出そうとする直前……つまり言い逃れできない場面で、中に踏み込んで止めるぞ」

 

 フーゴみたいに二人の行為が終わるまで待つつもりはないものの、それでもレーアがそれなりに酷い目に()うことに対し、エマはあまり躊躇(ちゅうちょ)ない様子。

 戦闘教練のチーム分けの前に二人はいがみ合っていたし、少なくともエマは、レーアのことをあまりよく思っていないのだろう。

 

 いや、別に二人に仲良くしてほしいなんて思ってないし、寝取られの証拠を集めて婚約破棄をしたら、俺とレーアの関係も晴れて終了。今後は赤の他人だ。

 つまりは俺も、レーアを守ってやる必要はない。

 

 それでも。

 

(……一応は俺、まだ婚約者だし)

 

 ああもう。本当に俺、中途半端な奴だよな。

 レーアに対しても寝取られたとはいえ、間男に身体を差し出したことが許せないくせに、馬鹿みたいにあいつのいないところでは、こうやって余計な気を遣ってみせたりして。

 

 あの好感度のパラメーターだって既に信用できなくて、好感度一〇〇というのも当てにならないと理解しているのに。

 

 何より――レーアは既に、ゴブリンに寝取られた後かもしれないのに。

 

「……ニコさん、行きますよ」

「ちょ!?」

 

 エマにいきなり手を引かれ、俺は驚きの声を上げてしまう。

 どうやらレーアが教室から出てきたようで、その足でゴブリンのところに向かうのだろう。だから見逃さないために、あいつを尾行しないといけないのは分かるんだが……。

 

「そ、そのー……エマ、怒ってる……?」

「怒ってなんかないです」

 

 そう言うと、頬を(ふく)らませてぷい、と顔を背けてしまった。

 なんだよ。やっぱり怒ってるんじゃないか。いつもの間伸びした話し方じゃないし。

 

 ハア……まずはゴブリン退治をして、あれこれ考えるのはそれからだ。

 

「よっし。二人とも、見失うなよ」

「それはわたしの台詞(せりふ)ですー」

「そうでござるよ! 急に偉そうにしないでほしいでござる!」

 

 俺の言葉に、二人がほぼ同時にツッコミを入れる。

 だけど、ついさっきまでの怒りのようなものは消え、エマの表情にはいつもの笑みが戻っていた。

 

     ◇◆◇◆◇

 

「この中ですねー」

 

 レーアが向かった先は、体育館の隣にある剣術部の部室。

 ルミナス帝立学院では教育の一環として部活動が奨励されており、それぞれの部に部室が与えられている。

 

 戦闘教練の教官であるゴブリンは、剣術部の顧問を務めていた。

 

「ニコラス殿の読みどおり、でござるな」

 

 感心した様子でフーゴは俺を見るが、なんてことはない。

 ゲームでもゴブリンは部室にレーアを連れ込み、ここで寝取っていた。俺はただ、そのことを知っていただけのこと。

 

 まあこのあたりは、前世の記憶様様だな。

 

「グフフフフ……あの部室には既に魔導具を設置済み。あらゆる角度から、二人の様子を見ることができますぞ」

「ついでに撮影して保存ができる、だろ?」

「……どうしてそれを知っているでござるか」

 

 コイツ、俺が指摘しなかったら、撮影したレーアのあられもない姿を、コレクションにするつもりだったな?

 下手をしたらその写真を使って、レーアを脅すことまで考えていたかも。

 

「んふふー。そんなことをしたらどうなるか、分かりますよね……?」

「ブヒ!? ももも、もちろんでござる! 絶対に悪いことはしないでござるよ!?」

 

 いつもとは少し違う、仄暗(ほのぐら)い笑みを浮かべたエマに(にら)まれ、フーゴはこれでもかというほどキョドっている。

 戦闘教練でのエマの戦う姿を見てしまったら、嫌でもビビるよな。

 

「とにかく、中の様子がどうなっているか確認しよう」

「そ、そうでござるな」

 

 さすがは制作者。フーゴは慣れた手つきで、部室に設置されている超小型高性能カメラのリモコンを操作する。

 

「この水晶玉に、撮影した部室の様子が映し出されるでござるよ。もちろん、証拠として残すための保存機能もバッチリでござる」

「さっきはそのことを内緒にしようとしていたけどな」

「それは言わないでほしいでござる!」

 

 フーゴは後ろめたそうにしつつリモコンのスイッチを入れると、水晶玉に映像が浮かび上がる。

 そこには、いやらしい笑みを浮かべたゴブリンと、既に下着だけになり胸元を両腕で隠すレーアの姿があった。

 

「なあ、中の会話は拾えないのか?」

「残念ながらそこまでは無理でござる……」

 

 そう答えて心底落ち込むフーゴ。きっとコイツ、映像だけでは飽き足らず、(あえ)ぎ声も堪能したいんだろうな。もちろん俺もしたい。

 だけど、こうなると仕方ない。

 

 俺達は音を立てないように気をつけて部室に近づき、あえて裏に回って壁に耳を当てる。

 これなら万が一扉を開けられても、姿を見られることはないからな。

 

 すると。

 

「単位が欲しいんだろう? なら俺の言うとおり、さっさと裸になれ」

「…………………………」

 

 ゴブリンはそんなことを告げると、おもむろに自分のズボンを一気に下ろしやがった。

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