NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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寝取ったのはやんごとないイケメン間男。

「つまりレーア以外の女子生徒には、手を出したってことだよなぁ?」

「っ!?」

 

 語るに落ちるとはこのことだが、そんなことよりも、俺にとって何よりも重要なことが一つある。

 

 それは――。

 

 ――レーアが、ユリアンの奴に寝取られたことが確定したってことだ。

 

 だけど、実はユリアンがレーアを寝取った間男だってことは、薄々感じていた。

 どうしてかって? ゴブリンに襲われそうになったところを、まるでタイミングを狙っていたかのうように助けに来たってのもあるが、何より。

 

(アイツは、俺のことを知っているみたいだったしな)

 

 そう感じたのは、魔物討伐を終えてダンジョンを出ようとした時の、アイツの一言。

 

『……君には見損なったよ。貴族として誰よりも戦闘教練に励む責任感の強い子息だと聞いていたのに、ね』

 

 つまり俺のことを知る誰かが、ユリアンに教えたということ。

 加えて、俺が誰よりも魔物討伐に執心(しゅうしん)していたことを知っているのは、一人しかいない。

 

 そう……幼い頃から一緒にいた、婚約者のレーアだけ。

 

 ただ、どういうつもりで俺のことをユリアンに教えたのかは分からないし、ゲームでもそんな描写はなかった。

 まあ、ゲームではあくまでもヒロインの寝取られこそがメインなわけだから、間男がヒロインを(おとし)めるシーン以外のやり取りなんて、NTR好きのエロゲユーザーは興味ないもんな。

 

 いずれにせよ。

 

「急がないと、だな……」

 

 直近で確認したレーアのステータスは、アナルセック〇も解禁になるほど開発度が進んでいた。このままでは、もうまもなくユリアン寝取られエンドを迎えることになってしまう。

 そうなれば、あいつは散々(もてあそ)ばれた挙げ句、ユリアンの実家であるレッツェル侯爵家の客の、中年のおっさん達の肉便器になる未来しかない。

 

「そのー……ニコさん、そろそろ……」

 

 気づけばエマが、眉根を寄せて俺の顔を(のぞ)き込んでいた。

 ……そうだな。まずは、このゴブリンを処分しないと。

 

「悪い悪い。それじゃゴブリン討伐を果たしたってことで、教官室まで凱旋するとしようか」

「はい」

「グフフ……拙者達は、ゴブリンから大勢の女子を守った英雄でござるよ。特に拙者の作った魔導具が決定的な役割を果たしたのでござる。きっと女子達も、拙者に感謝してあんなことやこんなことを色々……」

 

 俺が務めて軽い口調でそう告げると、フーゴの奴は間男よろしく、早速ろくでもないことを妄想しているようだ。やっぱりコイツ、ゴブリンと一緒に処分しておいたほうがいいんじゃないだろうか。

 

 それよりも。

 

「ニコさん……」

 

 お願いだからエマ、そんな顔でこっちを見ないでくれ。

 俺なら、大丈夫だから。

 

     ◇◆◇◆◇

 

 間男のゴブリン……もとい、戦闘教練の教官イーヴォ=ツンペを学院に突き出してから、今日で三日。

 結論から言うと、ゴブリンは教官をクビになっただけでなく、大勢の女子生徒を食い物にした悪質な犯罪者として裁かれることとなった。

 

 今は余罪を追及するため帝国の警察機関が総力を挙げて捜査しているらしく、ゴブリンの所業の全てが白日の下に(さら)される日は遠くないだろう。

 

 というか、二一七人もの女子生徒に手を出したら、極刑間違いなしだもんな。

 

「だから言っただろ? あの場面では、内緒にしておくのが一番だって」

「まったくでござる……もしあそこでニコラス殿の忠告を無視していたら、きっと拙者の最高傑作が没収されていたでござるよ」

 

 俺は超小型高性能カメラで撮影したレーアとゴブリンの一部始終のやり取りについて、あえて証拠として提出しないことにした。

 わざわざそんなことをしなくても、ゴブリンを追い詰めることは可能だったし、ここであえて切り札(・・・)(さら)す必要はないと判断したのだ。

 

 それに。

 

「俺達が動くまでもなく、ユリアンの奴が学院側に訴えていたからな」

 

 ゴブリンの身柄を教官室に届けた時点で、学院は事態を把握していた。

 きっとレーアを連れて行ったその足で、教官に報告したんだろう。

 

「ですけどー……どうして学院は、簡単に婚約者やあの男の話を信じたんでしょうか」

「それは……」

 

 言うまでもない。ユリアンという男が、無条件で信じざるをえない人物だからだ。

 きっと学院も、あの男の身分――皇室の落胤(らくいん)であることを知っているのだろう。

 

 その上で、あの男の扱いについても帝国から何らかの指示を受けているのかもしれない。

 

 さて、そのことをエマに教えれば話は早いが、大丈夫だろうか。

 もちろん彼女には全幅の信頼を置いており、決してぞの情報を漏らすということを懸念してのものではない。

 

 ユリアンの身分を知ってしまったことで、エマに危害が及ぶかもしれないことが問題なのだ……って。

 

「エマ……?」

「んふふー、教えていただかなくても大丈夫ですよ。きっとニコさんのことだから、わたしのために教えないほうがいいと、そう判断されたんですよね?」

 

 おいおい、全部お見通しかよ。

 彼女とはレーアの寝取られを知ってから仲良くなったので、付き合いとしてはまだ十日程しか経っていないっていうのに、今じゃレーアよりも俺のことを理解してくれてるんだが。

 

 だったら。

 

「……いや、問題ない。ただ、この話をするならこの場に呼んだほうがいい人がいる」

「それはー……誰、ですか?」

 

 エマが上目遣いでおずおずと尋ねる。

 ひょっとしたらレーアを呼ぶと思っているのかもしれないが、誰か知ったら驚くだろうな。

 

 だって。

 

「エマのクラスメイトで友人の、ヨゼフィーネ=ヴァイデンフェラー様だよ」

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