NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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NPCの取り巻きが色々NPCしてない件。

――――――――――――――――――――

名前:エマ=バルツァー

性別:女

年齢:16

種族:人間

職業:辺境伯令嬢(学生)

スキル:【地上最強の生物】

経験人数:0人

開発度(口):0

開発度(胸):0

開発度(膣):0

開発度(尻):100

好感度:0

――――――――――――――――――――

 

 ええー……何だよこのステータスは。

 というか、スキルが【地上最強の生物】ってなんだよ。背中に鬼の(かお)でもあるのか?

 

 それに、経験人数はゼロなのに、尻の開発度だけがカンストしてるんだけど。

 つまり取り巻きAはアナニー好きのアナニスタってこと?

 

「あら……あなた、今度はエマに目移りしているのかしら」

 

 取り巻きAのステータスに驚愕していると、ヨゼフィーネが含み笑いで謎に(あお)ってきた。

 ひょっとして、何か勘違いされてる?

 

「い、いや、そういうわけじゃ……」

「エマが美少女なことは否定しないけど、婚約者のいる身で他の令嬢に目移りしてると勘違いされますわよ? ねえ、エマ」

「そうですねー。わたし、勘違いしちゃいました」

 

 悪戯っぽく尋ねるヨゼフィーネに、取り巻きA――エマは少し間延びした声でにこにこしながら答えた。

 いやいや、勘違いしたとか嘘だろ。というか、そっちが先に俺を見てきたんだが。

 

 すると。

 

「……これは責任を取るしかない。もちろんニコラス氏が」

 

 今まで空気のような存在だった取り巻きBが、仄暗(ほのぐら)い笑みを浮かべて何か言ってきたんだけど。

 というか彼女も、よく見……なくても美少女だな。

 

 おさげにした深紫の髪にアメジストの瞳。何より眼鏡っ子というのはポイントが高い。

 スタイルに関しては……いや、乳に貴賤はないぞ?

 

 ということで、俺は取り巻きBのステータスを確認してみる。

 

――――――――――――――――――――

名前:ローザ=ビアホフ

性別:女

年齢:16

種族:人間

職業:侯爵令嬢(学生)

スキル:【お腐れ様】

経験人数:0人

開発度(口):0

開発度(胸):16

開発度(膣):23

開発度(尻):0

好感度:30

――――――――――――――――――――

 

 ステータス的には、まあ普通なんじゃないだろうか。

 胸と膣の開発度も、ちょっとオナニーを(たしな)む程度みたいだし。

 

 ただ、スキルが【お腐れ様】というのはいただけない。

 男をターゲットにした同人エロゲの世界に、BL要素は必要ないんだよ。

 

 スキル授与式の時の神官? 知らんな。

 

「あらあ……まさかわたしだけでなく、ローザにまで目移りしたんですか?」

 

 頬に手を当て、エマがおっとりした口調で告げる。

 ニコニコしてるけど、細められた目が笑っていないように見えるのは気のせいだろうか。きっと気のせいじゃないな。

 

「ま、まさか! いつもヨゼフィーネ様と一緒にいるから、ちょっと気になっただけだし!」

「ですよね。ニコラスさんはそんな人じゃないって、わたしは(・・・・)知って(・・・)ますから(・・・・)

 

 いやいや、君に俺の何が分かるんだよ。

 俺だってチャンスがあれば、可愛い女子とお近づきになりたい今日この頃。

 

 ……前世では残念ながら二次元しか彼女はいなかったし、転生した今は婚約者を寝取られたけど。

 

 とはいえ、俺は空気が読めるので余計なことを言ったりはしない。

 何より、エマの目は今も全く笑っていないのだから。

 

「……ならいい。言っておくけど、エマを泣かしたら埋めるから」

「メッチャ物騒なことを言い出したんだけど」

 

 取り巻きの二人、ゲームじゃドットキャラのNPCのくせに、ヒロインや間男より全然キャラが濃いんだが。

 その証拠に、ヒロインのヨゼフィーネや間男のテオが完全に空気ですが何か?

 

     ◇◆◇◆◇

 

「さてと、どうするかなあ……」

 

 その日の放課後、俺は帝都にある実家のタウンハウスへ向けてトボトボと歩く中、これからのことを考えていた。

 

 何度も言うが、この世界はNTR系同人エロゲの世界。サレ夫である俺にとってのバッドエンドは、間男にヒロインを寝取られることのみ。

 つまり、脳破壊こそされるものの、悪役転生もののラノベみたいに死亡エンドは存在しない。

 

「そういう意味では安全だけど、いかんせんゴミスキルだからなあ……」

 

 この世界はスキル至上主義社会。メッチャ優秀なチートスキルを持っている奴は、平民であっても将来が約束される。

 一方で、クソの役にも立たないゴミスキルだった場合は、周囲から馬鹿にされ、貴族の中には勘当されてしまう奴もいるとかいないとか。

 

 俺の【ステータスオープン】はエロゲ仕様のため、言うまでもなくゴミスキル。これからの将来に不安しかない。

 

「だけど、レーアとは婚約破棄ってことになるかな」

 

 基本的に『ルミナスの壊れた日々Ⅲ』の寝取られパターンは、脇の甘いレーアが間男に脅迫されて身体を差し出し、最後はタイトルどおり壊れて快楽堕ちするというもの。

 なので悪いのは間違いなく間男なんだけど、だからといってそれを許して、あるいは見なかったことにしてレーアと結婚しても、絶対に後で苦しむことになる。

 

 俺も、レーアも。

 

 まあそういうことだから、レーアとの婚約破棄は既定路線として、いくつか問題がある。

 家族にレーアとの婚約破棄を申し出たら、絶対にその理由を追及されるだろうし、俺としてもできれば言いたくない。

 

 とはいえ。

 

「いざという時のための証拠集めと……あとは、間男にそれなりに痛い目に遭ってもらわないと」

 

 さっきも言ったとおり、このゲームは間男がレーアを脅迫して無理やり寝取るんだから、少なくとも前世の世界では百パーセント犯罪。それを黙って見過ごすわけにはいかない。

 というか、婚約者を寝取られて泣き寝入りなんて、できるわけないだろ。

 

「よし。まずは家族にそれとなく婚約破棄できそうか感触を(うかが)いつつ、レーアを寝取った間男を特定して、制裁するとしよう」

 

 ゲームに登場する間男は四人。前世でイベント全開放した俺なら、どこでイベントが発生するか、間男の行動パターンから思考、性癖まで全て知り尽くしている。

 どの間男が寝取ったのか特定するのも、証拠を揃えるのも難しくない。

 

 何せ俺は、NTR系だけでなく、泣きゲーからイチャラブ、凌辱からリョナまで、何でもプレイしてきたんだ。

 たとえラノベみたいにゲームシナリオとは違う予想外の展開が起きたとしても、俺なら全方向対処可能。このエロゲマエストロを舐めるなよ。

 

 俺は気合いを入れるために両頬を叩くと、拳を強く握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………チクショウ」

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