NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが 作:ぜんはいざ
「お気をつけなさい。切れるのは素晴らしいことですけど、切れすぎると身を滅ぼしますわよ?」
ヨゼフィーネはお互いの鼻先が触れてしまうのではないかというほど顔を近づけ、不敵な笑みを浮かべてそう忠告した。
でも、一つだけ言わせてほしい。
ルミナスシリーズ一を誇るIカップのおっぱいが、俺の胸にむぎゅむぎゅと押しつけられている事実を。
ひょっとして、身を滅ぼすというのはこのことを指しているのだろうか。だけど手放したくないこの感触……って!?
「…………………………」
「ヒッ!?」
エマの絶対零度の視線に気づき、俺は名残惜しくもヨゼフィーネから慌てて離れた。
もしあのままの状態が続いていたら、せっかく転生したのに俺の命はここで尽きるところだっただろう。
「ヨゼフィーネ様ー。……あまり不用意にニコさんに近づいちゃ駄目ですよ?」
「っ!? き、気をつけますわ……」
さすがのヨゼフィーネであっても、エマのハイライトの消えた藍色の瞳で見つめられたら、蛇に睨まれた蛙状態。サッと目を逸らし、彼女はコクコク、と頷いた。
「ぐぬぬ、うらやまけしから……んっんー。それでニコラス殿、ユリアン殿が皇兄殿下のご子息だと分かったとして、どうだというのでござるか? 結果的にゴブリンが片づいたのはユリアン殿のおかげなのでござるから、この件はもう終わりでよいと思うでござるが……」
血の涙を流しそうな勢いで歯ぎしりしながら睨んでいたフーゴだったが、咳払いをして気を取り直し、真っ当なことを言い出した。そういうキャラじゃないんだから、無理するなよ。
だけど……さて、どうしたものか。
なんで俺がユリアンに
俺は……たとえあの男が皇室の
そんなの、
だけどここでそのことを告げたら、既に事情を知っているエマはともかく、みんなを巻き込むことになってしまう。
さすがに俺の私情で、そんなこと……って。
「エ、エマ!?」
「んふふー。もちろんわたしは、最後までお付き合いしますよ」
俺の手を取り、
目的を知っていて、何をするかも分かっていて、引き下がらないことも理解していて、それでもなお一緒にいてくれるっていうのかよ……っ。
「……馬鹿、じゃね?」
「そうかもしれませんねー。でも、それはニコさんもですよ?」
「言えてる」
「えへへ」
「ははっ」
俺とエマはお互いにそんな軽口を言って、思わず吹き出す。
というか、なんで彼女がただの……いや、地上最強の生物でアナニスタなんだから只者じゃないか。とにかく、どうして取り巻きAなんて扱いなんだよ。
ルミナスシリーズの……いや、前世でプレイしてきたどんなエロゲヒロインよりも、クッソ可愛くて最高過ぎるんだが。
制作した同人サークルには、今すぐヒロインを交代……いやいや、そんなことしたら、今度はエマが寝取られてしまうじゃん。やっぱり却下だな。
「そういうことだからフーゴ、あの魔導具はしばらく借りとくぞ。……あ、万が一没収とかされてしまったら、その時はごめんな」
「ブヒヒヒヒ!? それは困るでござるよ! あれは一点ものの最高傑作だって、何度も言ってるでござろう!」
短い手を振り回しながら猛抗議するフーゴ。所詮は見た目ハンプディダンプティのキモオタなので、ちょっと手を伸ばして頭を押さえてやれば、簡単に止められるんだが……って!?
「そんなの、絶対に認めないでござるううううッッッ!?」
「ぐふうううッッッ!?」
なんとフーゴの奴、全体重を乗せてぶちかましやがり、パイナップル頭が俺の
「いいでござるか! あの魔導具には拙者の夢と希望と、友情と努力と勝利が詰まっているのでござるのですぞ! だから……だから、たとえ
さっきからござるござると、何回ござるって言うつもりだよ。
しかも盗撮に夢とか希望とか、ましてや週刊少年漫画雑誌のコンセプトまで詰め込んでるんじゃねーよ。
「お前馬鹿か。というか馬鹿だろ」
「馬鹿馬鹿うるさいでござる! 無謀な戦いに二人だけで挑もうとする大馬鹿に、そんなこと言われたくないでござる!」
まったく、この盗撮キモオタめ。いつまで俺の後方仲間面するつもりだよ。
……まさか敵になるはずの間男が、ガチで友人枠に格上げされることになるなんて思わないんだが。
「エマ」
「はい」
俺の言いたいことを理解したエマが、持っていた魔導具……超小型高性能カメラをフーゴに渡した。
「どうなっても責任取らないからな。退学どころか、最悪逮捕されることも覚悟しとけよ」
「その時は全力で裏切るでござる♪」
コイツ……きゅるん! ってウインクしやがった。
間男のそんなポーズ、罰ゲームでしかないんだよ。
だけど、その…………………………ありがとな。