NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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Iカップの悪役令嬢が、仲間になりたそうにこちらを見ている。

「ハア……まったく、三人で何を盛り上がっているのかしら」

 

 そんな俺達のやり取りを見ていたヨゼフィーネが、溜息を吐く。

 ここまでの会話を聞いていたら、彼女だって俺達がユリアンに敵対しようとしていることくらい察しがつくだろう。

 

 きっとヨゼフィーネは、同じ皇族の一員として俺達を止め……。

 

「そういうことなら、このわたくしがいないと始まりませんことよ!」

「は……?」

 

 ヨゼフィーネは突然Iカップの胸を張り、不敵な笑みを浮かべ尊大に言い放った。

 もちろん俺は、呆けた声を漏らしつつもその巨大なおっぱいに釘付けである。

 

「当然ではなくて? わたくしは先帝の兄君が興したルミナス帝国で最大の権力を誇る、ヴァイデンフェラー公爵家の令嬢ですのよ? 皇兄殿下のご落胤(らくいん)だからといって、わたくしの前で好き勝手させるわけにはまいりませんもの」

 

 そう言ってくすり、と(わら)うその表情、その姿。

 まさしく悪役令嬢そのものなんだが、『Ⅷ』で間男に寝取られてメスブタと化す姿を知っているだけに、どうにもコメントしづらい。

 

 というか。

 

「え、ええとー……ヨゼフィーネ様は、俺達が何をするつもりなのか、ご存知なのですか……?」

「知りませんけど、ユリアンと敵対するつもりであることは分かってますわ。だからこそ、ユリアンの素性をわざわざわたくしに尋ねたんでしょう?」

 

 こっちの思惑なんてお見通しだったらしい。

 どうやら無知なのは、エロに関してだけのようだ。

 

 彼女の言うとおり、俺はあえてヨゼフィーネにユリアンのことを尋ねた。

 俺から聞くより、皇族の一員であるヨゼフィーネから説明してもらったほうが信憑(しんぴょう)性があるからな。

 

 ……なんていうのは建前で、本当はヨゼフィーネを巻き込むため。

 彼女であれば皇室の落胤(らくいん)であるユリアンと同格。仮にあの男が……あるいはその周囲が俺達に危害を加えようとしても、ヨゼフィーネも加担しているとなれば、おいそれと手を出せなくなる。

 

 そうすれば、俺の個人的な問題のために危ない橋を渡ると言ってくれた、エマとフーゴを守れると思ったんだ。

 

「フフ……あなたの選択、間違っていなくてよ。むしろこうしてわたくしを巻き込んでくださったことに感謝いたしますわ」

「それは……」

「だってそうでしょう? わたくしなら絶対に大切な友人に手を出させるつもりはありませんし、何より、もし何も知らなくて大切な友人が傷つくことになったら、それこそわたくし自身が許せませんもの」

 

 公爵令嬢としての誇りを(たた)えた表情でそう言い放つヨゼフィーネを、俺はとても眩しく思えた。

 彼女がルミナスシリーズ以外のエロゲに登場していたら、きっと最高のヒロインだっただろう。寝取られヒロインなのが心底惜しい。

 

「だから、わたくしにもお教えくださいな。ユリアンがあなたに何をして、これから彼とどのように戦うつもりなのかを」

 

     ◇◆◇◆◇

 

「そう……だったんですのね……」

 

 俺達は場所を移し、既に人気のない学院の食堂でこれまでのこと、そしてこれからのことを話した。

 まさか俺の婚約者が寝取られていて、そのために証拠を集め、レーアとの婚約破棄、そしてユリアンへの断罪をしようと考えているとは思いもよらなかったようで、エマ以外の全員が複雑な表情を浮かべている。

 

 あれ? ヨゼフィーネと取り巻きBはともかく、フーゴの奴には話してなかったっけ?

 俺は不思議に思い記憶を辿(たど)ってみると、確かに説明したことないわ。

 

「だから俺達は、これからレーアとユリアンを監視して、二人が接近した時を見計らい、証拠を集めようと考えています。ありがたいことに、こっちにはフーゴが作った魔導具があるので」

「グフフフフ……拙者の魔導具なら、どんな些細な証拠も見逃さないでござる。もちろん、二人がいかがわしいことをする瞬間もバッチリ保存でござるよ」

 

 調子に乗ったフーゴがそんなことをほざいたが、当然ながら女子三人はドン引きである。

 むしろこの男に超小型高性能カメラを持たせてはならないと、改めて思ったことだろう。

 

「……魔法技師としての才能を含め、宝の持ち腐れとはこのことを言うんですのね」

「……フーゴ氏、今度ボクにも貸してください」

「ローザ!?」

 

 隣にいたローザのまさかのおねだりに、呆れていたヨゼフィーネが思わず声を上げた。

 ああ、なるほど。ヨゼフィーネは彼女がお腐れ様であることを知らないんだな。

 

「言っておくが、魔導具を男に使っても犯罪だからな」

「……ちょっと理不尽だと思う」

「理不尽じゃないから」

 

 不満たらたらの取り巻きBはさておき、これから俺達が何をしようとしているのかを共有できた。

 あとは、決行に移すのみ。

 

「確かにユリアンとあなたの婚約者が浮気をしているのは許せませんわ。証拠を集めて二人に罪を償わせるのも理解できる。ですけど、あなたはどうしてそんなに(あせ)っているのかしら」

「俺が(あせ)っている……ですか?」

「ええ」

 

 ヨゼフィーネはそう尋ねるが、そんなの決まっている。

 

「ヨゼフィーネ様ならご存知でしょう? ユリアンの実家……レッツェル侯爵家がどういう家なのかを」

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