NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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これをデートと呼ばずして何と呼ぶのか。

 ということで、やってきましたその日の放課後。

 俺達は引き続きレーアとユリアンの尾行を……しているわけではなく。

 

「えへへー、ニコさんとお食事ですー♪」

 

 そう。俺とエマは、何故か夕食のために帝都の繁華街に来ていた。

 いや、確かにメシ奢るって言ったよ? だけど、まさかその日のうちになんて誰が思うだろうか。思わないよな? な!

 

「えーと、それでエマは何が食べたいんだ?」

「そうですねー……わたしは何でもいいですー」

 

 なるほど。何でもいいということは、エマが満足するような店を俺が選べってことだな。童貞にはなかなかハードルが高い。

 というか、童貞関係なく難しいぞこれ。

 

 こう言ってはなんだが、俺だって前世はともかく転生後はレーアとデートをしたことがないわけではない。

 レーアにせがまれてというのもあるが、帝都のそれなりに有名なレストランやカフェに行ったりとかしたので、店の情報もいくつかある。

 

 だから、既に行ったことのある店の中からチョイスすればいい……んだけど。

 

(……エマをレーアと行った店に連れて行くなんて、さすがにあり得ないだろ)

 

 これは別に、レーアとの過去を大事にしたいとかそういうのではなく、むしろエマをレーアと同じ扱いをしたくないというのが正しい。

 だってそうだろ? 寝取られた婚約者と同じ店に連れてくなんて、それこそエマに失礼だ。

 

 ただなあ……そうすると、俺にはデートに使う店に関しての手札が一つもないわけで。

 こんなことなら、テオにでも帝都のレストランの情報を聞いておくんだった。

 

 などと頭を悩ませながら通りを歩いていると。

 

「お、美味(うま)そうな匂いが……」

「本当ですねー……」

 

 見ると、強烈に鼻と胃袋を刺激する匂いを漂わせる屋台があった。

 い、いやいや、これからエマを食事に連れて行くんだぞ? なのに、こんな屋台で立ち食いとか、無駄に腹を(ふく)らませてどうするんだよ。

 

 そう思い、俺は必死に我慢する……んだけど。

 

「じー……」

 

 俺よりもエマが耐えられないようで、屋台を眺めながら指を(くわ)えている。何なら美少女にあるまじき、よだれまで垂らして。

 

「えーと……ちょっと予定とは違うが、その……食べてみるか……?」

「! はい! ぜひともー!」

 

 おずおずと提案してみると、エマはメッチャ瞳を輝かせ、何度も頷いた。

 

 ということで。

 

「おじさん。その串二つね」

「はいよ!」

 

 屋台のおじさんに声をかけ、今まさに目の前で焼いている肉の串を注文する。

 たれの焼ける香ばしい匂いが(たま)らず、俺とエマは待ちきれないとばかりに喉を鳴らした。

 

「熱いから気をつけなよ!」

 

 おじさんから串を二本受け取り、一本をエマに渡す。

 彼女は藍色の瞳をキラキラと輝かせ、食べていいかを確認するかのように俺を見つめた。

 

「じゃあ、食べようか」

「はい! いただきまーす!」

 

 俺のその言葉を合図に、エマは肉串にかぶりついた。

 

「んふふー! 美味しいですー!」

「だな!」

 

 肉串はすごく香ばしく、噛むとじゅわっと肉汁が(あふ)れ出して最高に美味い。あの匂いに散々やられた後だけになおさらだ。

 

 だけどさあ……一応、美少女と二人で食事といったら、普通はデートってことだろ?

 なのに屋台の肉串ってどうなの?

 

 なんて考えたりもしたんだけど。

 

「ニコさーん、最高ですー!」

 

 満面の笑顔で言葉どおり何度も美味そうにかぶりつくエマを見たら、むしろこれで正解なんじゃないかって、そう思ったんだ。

 

(そういえば、レーアとこうして買い食いなんて、一度もしたことないかも)

 

 つまりこれは、俺にとっても初めての体験。

 それをエマみたいな美少女とできるなんて、実は最高なんじゃね? ……って。

 

「エマ、どうした?」

「んふふー……ニコさん、今すっごくいい笑顔してましたよー」

「え……? ちょっ!?」

 

 どこかによによしたエマに指摘され、急に恥ずかしくなって顔を隠してしまう。

 きっとそれって、今この状況を、俺が楽しいと思っているからなんだろうな。

 

 それこそ、レーアと一緒にいる時以上に。

 

 あーもう。いくら何もやましいことはしていないとはいえ、こうやって実質デートみたいなことをして心から楽しんでしまってたら、何というか浮気してる気分。いや、実質浮気だろ。

 

「ニコさん! 次はあれが食べてみたいですー!」

「お、おいおい……」

 

 そんな俺のくだらない心配なんて、笑顔のエマに手を引っ張られてしまえばすぐに霧散し、別の屋台でまた買ったりしては彼女と一緒に食べて顔を(ほころ)ばせてしまう。

 

 そうして、予定とはちょっと……いや、全然違うが、俺達は夕暮れのデートを楽しんだ。

 

 それなのに。

 

「あれ、は……」

 

 視界に入った二人の男女が、繁華街の路地裏へと消えていく。

 間違いない。

 

 あれは。

 

「レーア……それに、ユリアン……」

 

 婚約者とイケメン間男もまた、同じように繁華街でデートをしていた。

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