NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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パワハラ間男は〝不運〟と〝踊〟っちまってる。

「だから……俺達、この生徒会室に潜んで、会長を追い出そうとしている人を見つけ出してやります」

 

 俺は白々しくも、握り拳を作ってパワハラ男に訴えた。

 自分で言っておいて気持ち悪いが、全ては鍵を入手するためだ。

 

「待て。貴様、何が目的だ」

「もちろん、引き続き会長に学院を守ってもらうためです」

 

 胡乱(うろん)な目を向けるパワハラ男に、俺は臆面もなく答える。

 こんなことを言ってる自分がメッチャ痛い奴だってことは、ちゃんと自覚しているぞ。穴があったら入りたい。

 

 (あご)に手を当て、考え込むパワハラ男。

 

 そして。

 

「……いいか。生徒会室の中にあるものを勝手に触ったり、ましてや持ち出したりすることは断じてするな」

 

 よし! これで生徒会室の鍵を手に入れたぞ!

 これがもしヨゼフィーネのやり方で鍵を手に入れていたら、きっとこのパワハラ男、ヘイトを溜めまくって彼女に手を出していたかもしれないからな。

 

 それに。

 

「もちろんです。犯人を見つけ出して、速やかにご報告しますよ。それと……」

 

 俺は自分にできる精一杯の爽やかな笑顔を作り、パワハラ男に近づくと。

 

「……会長が生徒会費を私的に流用している件に関しては、俺だけの秘密にしておきます」

「っ!?」

 

 そう……この男、十八歳にしてギャンブルにはまり、とても人には言えない額の借金を抱えているのだ。

 

 ヨゼフィーネがパワハラ男に狙われたのも、パワハラを指摘されてプライドを傷つけられたことに(くわ)え……おっと、字を間違えた。エロゲ脳がすぎるな。

 それに加えて、ギャンブルによる借金を(とが)められ、学院や実家にバレるのを恐れてのもの。正真正銘のクズである。

 

「貴様……っ!」

「俺としては、これからも会長とは仲良くしたいと思っていますよ」

 

 キーホルダーに指をかけて鍵をくるくると回し、俺はにやり、と口の端を持ち上げた。

 

 あ、そうそう。

 

――――――――――――――――――――

名前:バルトゥール=アルメハウザー

性別:男

年齢:18

種族:人間

職業:侯爵子息(学生、生徒会長)

スキル:【〝不運(ハードラック)〟】

経験人数:16人

開発度(口):2

開発度(胸):61

開発度(膣):0

開発度(尻):29

好感度:30

――――――――――――――――――――

 

 コイツ、やっぱり他の生徒も毒牙にかけてやがったか。

 ひょっとしたら、生徒会役員の誰かも被害に遭っているだろうな。

 

 それにしても、スキルが【〝不運(ハードラック)〟】って、壊滅的にギャンブルに向いてないだろ。〝(ダンス)〟っちまう未来しか見えねーよ。

 

 まあ。

 

(コイツの悪事もフーゴのカメラでキッチリ(とら)えて、すぐに追い込んでやるけどな)

 

「ニコさん!」

「ああ」

 

 笑顔のエマが上げた小さな両手にハイタッチをすると、パン、と子気味良い音が生徒会室に響いた。

 

 ……ヨゼフィーネも両手上げてるってことは、同じくハイタッチしたいってことでOK?

 

     ◇◆◇◆◇

 

「グフフ……今回も拙者の魔導具が火を噴くでござるよ」

 

 生徒会室で超小型高性能カメラを設置しながら、悪い顔をして下品に笑うフーゴ。

 というか、そのカメラにそんな機能はない。できるのは盗撮だけだ。

 

 パワハラ男? もうとっくに自分の教室に戻っていて、ここにはいないぞ。

 そもそも今は、午後の授業が始まったところ。今頃は俺に生徒会費の私的流用をバラされやしないかと、戦々恐々としていることだろう。震えて眠れ、クズ野郎。

 

「よし。あとはこのまま、放課後を迎えるだけだな」

「それはよろしいですけど……ユリアン達がここに来るまで、わたくし達はどうしますの?」

「それは……」

 

 少なくとも昨日の会話では、放課後になるまではその二人が生徒会室にやって来ることはない。

 つまり、俺達はそれまで手持ち無沙汰ということになる。

 

「……まあ、あとは証拠の映像を撮るだけだから、最悪俺だけでも……」

「何を言ってるんですかー。最後まで一緒ですよ?」

「はは、そうだったな」

 

 少し頬を(ふく)らませ、怒った仕草を見せるエマ。そんな彼女に、俺は苦笑する。

 彼女はきっと、俺を一人にさせまいと、気を遣ってくれているのだろう。

 

「拙者もでござる! この魔導具の威力を最大限発揮するためには、拙者の力が必要不可欠でござるぞ!」

「わたくしを忘れないでくださいませ! 最後までお付き合いするのが、その……と、友達ですわよ!」

「……新作に活かすためにも、見届けるしかない」

 

 フーゴ達三人も、結局は一緒にいてくれるようだ。

 ローザだけ目的がちょっと違うけど、そこはお腐れ様。俺の寝取られをネタにして、BLでも描くつもりだな。

 

 そんなみんなに、俺は。

 

「……本当に、ありがとう。今日で全部、終わらせるから」

 

 心からの感謝を込めて、深々と頭を下げた。

 

「お礼を言うのは早いですー。……全部終わったら昨日のやり直し、ちゃんとしてくださいね?」

 

 どこか悪戯っぽく微笑むエマが、俺の顔を(のぞ)き込む。

 まったく……そんなの当然だろ。

 

「ああ、もちろん」

 

 俺は顔を上げると、精一杯笑って(うなず)いた。

 

 レーアの寝取られを知ってからずっと(そば)で支えてくれた、この最高に素敵な取り巻きAに。

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