NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが 作:ぜんはいざ
「……まだ来ませんねー」
放課後、俺達は生徒会室から少し離れた場所にある、屋上へと繋がる階段の踊り場で、レーアとユリアンが現れるのを今かと待ち構えていた。
「もう午後の授業が終わって三十分以上経っていますわ。さすがにまだ来ないのは、おかしいのではなくて?」
しびれを切らしたヨゼフィーネが、こちらにジト目を向ける。
どうやら俺が、デマをつかまされたのではないかと疑っているようだ。
「わたしもはっきりと聞きましたから、間違いないですー。婚約者と副会長は、きっと来ると思いますよ」
「そ、そう? ならいいですけど……」
おい、俺とエマじゃ扱いが全然違うんだが。ひょっとして俺、そんなに信用ない?
ヨゼフィーネから受けた扱いに、ほんの少しだけ凹んでいると。
「っ!? 来たでござる!」
生徒会室の中の様子をチェックしていたフーゴが叫ぶ。
受信装置である水晶玉には、確かに二人の姿が映っていた。
「……それで、どうしますの?」
「俺とエマは、二人の会話を聞くために生徒会室に近づく。ヨゼフィーネ様達はこのまま中の様子を監視。フーゴ、録画は任せたぞ」
「もちろんでござる!」
「いつになったらわたくしのこと、呼び捨てにしてくださるんですの!?」
どん! と力強く胸を叩くフーゴに送り出され、俺とエマは生徒会室へと向かう。
ヨゼフィーネが何かを言っているが、無視しておこう。様付けのほうが悪役令嬢らしいから、絶対に呼び捨てにしてやらない。
そして。
「この中で、二人が……」
レーアとユリアンが、どんな会話をしているのかは分からない。
……いや。最悪、中でおっ
(覚悟、決めただろ。何ビビってるんだよ)
俺は前世の記憶が蘇って、レーアのエロステータスを見て寝取られていることを悟り、婚約破棄をすると誓った。
それに、『ルミナスの壊れた日々Ⅲ』ではサレ夫の救済エンドが存在しない。
だから俺には、レーアを見限るという選択肢しか残されていないんだ……って。
「エマ……?」
「大丈夫、大丈夫ですよ。わたしは最後までニコさんの隣にいるって、誓ったじゃないですか」
いつもの間延びした話し方じゃないのに、その声は温かくて、優しくて、とても心地よかった。
だけどそれ以上に、くじけそうになる俺の心に勇気の火を
「そうだな。俺にはエマがついていてくれてるんだし、さっさとこんなくだらない茶番を終わらせて、昨日のやり直しをしないとな」
「はい!」
ようやく顔を上げて軽口を叩く俺に、エマは
これでゲームじゃ
「さあ、行こう」
エマに周囲を見張ってもらい、その間に俺は生徒会室の扉にそっと耳を当てる。
すると。
「ふふ……本当に、君の婚約者は馬鹿だな。寝取られた大事な彼女が、今もこうして僕の指示に従って、裸を
「…………………………」
……どうやらユリアンは、レーアに裸になるように強要したようだ。
この後、いよいよ行為に及ぶんだろう。
「それで、婚約者を裏切っている気分はどうだい?」
「どうって……」
「まあ、身体は正直だね。今すぐにでも僕に抱いてほしくて、うずうずしてるんだろう? その証拠にほら、床がもう大変なことになっている」
レーアの開発度は、あと一回でもセ〇クスしたら完堕ちする。
どれだけ心が拒否したいと思っても、既に身体が抗えないところまで来ていることは分かっていた。
だが、俺はそれを止めたりはしない。
ちゃんと証拠として映像を収めて、それを突きつけて婚約破棄をしないといけないのだから。
すると。
「……あなたは復讐のために、こんなことをしているんですよね」
「復讐? 一体誰に」
「あなたをここまで追いつめた帝国に、そして、あなたを傷つけたレッツェル侯爵に」
「…………………………」
間男の一人であるユリアン=レッツェルの公式設定は、帝国の裏で暗躍するレッツェル侯爵家の子息で、表では生徒会副会長を務める人格者、裏では父親同様に様々な悪事に手を染めているというザ・悪人。
皇室の
今のレーアの言葉から察するに、帝国もユリアンの存在を持て余しているんだろう。
加えて、レッツェル侯爵家でもぞんざいな扱いを受けている様子。
尻を含めた開発度を考えると、ひょっとしたら養父であるレッツェル侯爵あたりに、身体を差し出していた可能性もあるかも。
そんな境遇だから、レーアに限らず女子を寝取っては酷い目に遭わせて、どうすることもできない現実への怒りと
同情? そんなもの、するはずないだろ。
ユリアンの奴がどんな目に遭って、どうやって生きてきたかなんて興味ないし、それで人の婚約者を寝取りやがったんだから、むしろ地獄に落ちろと思ってるよ。
実際ゲームでも、救いようのないクズだったことは知ってるし。
「くだらないね。いいから君は、黙って僕の言うとおりにすればいい。そうすれば、
何偉そうに言ってやがる。
オマエ等に待っているのは、破滅だけなんだよ。
「さあ、来るんだ」
「はい」
低い声でユリアンが呼ぶと、レーアは
さあ、あとは本番が終わるのを待つだけ……っ!?
「ニコさん、最後まで待たなくても大丈夫ですよ」
見張りをしていたはずのエマがいつの間にか