NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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「婚約破棄する」って言ってやった。

「ニコさん、最後まで待たなくても大丈夫ですよ」

 

 見張りをしていたはずのエマがいつの間にか(そば)にいて、ぽん、と背中を叩きかぶりを振った。

 

「待たなくても大丈夫、っていうのは……」

「そのままの意味です。既に婚約者は裸のようですし、それを強要した副会長も映像に映し出されているはず。なら、浮気の証拠としては充分だと思いますよ」

「それは……」

 

 確かにエマの言うとおりだ。

 寝取られの証拠としては、これだけで足りる。

 

 だというのに、どうして俺は本番行為まで証拠にしないといけないと思ったんだろうか。

 

「……ニコさんは、きっと最後まで信じたかったんだと思います。本当は、婚約者が浮気なんてしていないって。最後までしなければ、浮気にはならないって」

「…………………………」

 

 エマの言葉に、俺は何一つ反論できない。

 ああ、そうだな。俺は今もまだ、レーアは寝取られていない、まだやり直せるかもしれないって、そんなあり得ないことを無意識に望んでいたんだろうな。

 

 そんなの、ステータスを見た時からあり得ないことは分かってたはずなのに。

 自分で関係を終わらせるって、そう決めていたはずなのに。

 

「……ありがとう。おかげで目が覚めた」

 

 俺はそう告げると、パシン、と両頬を叩いた。

 

「さあ、行こう。あの二人に、引導を渡してやる」

「はい!」

 

 エマと(うなず)き合い、俺は扉に手をかける。

 

 その時。

 

「お゛ん゛ッッッ!?」

 

 まるでタイミングを見計らっていたかのように、レーアの獣のようなオホ声(CV.乙◯ゅい)が生徒会室の中で響いた。

 いや、セ〇クスするのはいいけど、放課後とはいえまだ生徒も一部残ってるんだぞ? 聞かれたらどうするんだよ。

 

 などとどうでもいい心配をしてしまった俺だが、気を取り直して勢いよく扉を開ける。

 

 そこには。

 

「「っ!?」」

 

 俺達の登場に息を呑む、レーアとユリアン。

 だというのにユリアンの奴、乳首つまんだままな上に、丁寧に転がしちゃったりなんかしてるんだが。

 

 そのせいで見ろ。レーアが感じるままにオホ声を出すべきなのか、それともシリアスパートに移行していいものか、考えあぐねてるじゃねーか。

 というか、俺もこの空気をどうすればいいのか分かんねーよ。

 

「コホン……えーと、とりあえずオマエ、その手を放せよ」

 

 俺は咳払いをして指摘すると、ようやく自分が何をしていたのかを理解したユリアンが、ゆっくりと乳首をリリースした。

 ゲームでは散々見てきたレーアの乳首ではあるが、まさかこんな形でリアル乳首を拝むことになるとは思いもよらなかったよ。チクショウ。

 

「それで、だ。オマエ……ユリアンは、レーアが俺の婚約者だってことが分かっていながら寝取りやがった。そういうことでOK?」

「…………………………」

 

 俺が問いかけるも、ユリアンは無言で俺を睨むだけだった。

 まあ、別に答えなくても事実はそういうことなんだけどな。

 

「次にレーアだけど、オマエはずっと前からコイツと関係を……」

「ち、違うの! こんなことをされたのは今日が初めてだし、それに、大事なところはちゃんと……」

「いいから黙れよ」

「っ!?」

 

 俺の言葉を(さえぎ)って寝取られヒロインよろしく嘘偽りだらけの言い訳ムーブを始めたレーアだが、俺は聞いていられなくて低い声でやめるよう告げた。

 レーアもこれ以上は逆効果だと考えたようで、うつむいて押し黙る。

 

「というか、今日が初めてなんてあり得ないだろ。さっきまでの会話は丸聞こえだったし、何ならオホ声も(さら)してるじゃねーか。もう少し音量小さくしろよ」

「……っ!」

 

 ユリアンとの会話よりも、さっきのオホ声を俺に聞かれたことを知り、レーアが顔を真っ赤にする。むしろなんで聞かれていないと思った。

 あとオマエ、今全裸だからな。少しは隠せよ。

 

「ハア……とにかく、レーアとは婚約破棄だ。もう二度と、俺の前に現れないでくれ」

 

 言った。言ってやった。

 前世の記憶が蘇って、コイツのエロステータスを見てしまったその日から誓った言葉を、とうとう言ったんだ。

 

 ゲームとは違い、サレ夫の俺自らの手で、関係を終わらせたんだ。

 

「……そう簡単に、婚約破棄なんてできるはずがないだろう」

「は……?」

 

 さっきまで忌々(いまいま)しげに俺を睨んでいたユリアンだったが、今度は余裕の表情を浮かべ、(あお)るように告げた。

 コイツ、何言ってるんだ?

 

「そもそも僕達が浮気をしていたなんて、証拠はどこにある? 君達が見たのだって、精々がこの女の乳首をいじっていたところだけ。……それに、だ。君達の証言を信じる奴が、この国にいると思うか?」

 

 ああ、なるほど。

 きっとコイツは、自分が皇室の落胤(らくいん)だから、国家権力でもみ消せるとでも考えているんだろうな。

 

 だが、残ね……。

 

「フフフ……甘いですわ! ええ、それはもう、うちのシェフが作るお菓子よりも甘すぎでしてよ!」

 

 勢いよく扉を開け放ち現れたのは、Iカップを勢い余ってブルンと振るわせた悪役令嬢――ヨゼフィーネ=ヴァイデンフェラーその人だった。

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