NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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実家に報告。つらい。

「うわー……クッソ恥ずかしい……」

 

 ようやく落ち着いた俺は、両手で顔を(おお)いうつむいている。

 もう十六歳……いや、前世の年齢を足すと四十歳を超えているというのに、人前でみっともなく号泣するなんてさあ……。

 

「ぐす……えへへ、そんなことないですよー。悲しい時は、泣いたっていいんです。それに……わたしでよければ、いつでも胸をお貸ししますから」

 

 (こぼ)れた涙の(しずく)を指で(ぬぐ)いつつ、そう言って微笑むエマ。女神かな? それともママかな?

 いずれにせよ、貸してもらえるという言質(げんち)をいただいたので、その時は全力でHカップのおっぱいに飛び込む所存。

 

「ぐぬぬ……羨ましいでござる……っ。婚約者が寝取られたのに、どうしてニコラス殿にはエマ殿みたいな美少女が次に控えているでござるか……!」

 

 フーゴから怨嗟(えんさ)の声が聞こえてきたが、無視だ無視。

 やっぱここは、サレ夫と間男では積んできた徳に差があるってことだろう(ドヤ)。

 

「それで、これからどうなさいますの? ニコラスがおっしゃったように、あの男もすぐにはわたくし達に手を出してきたりはしないと思いますけど、油断はできなくてよ?」

「もちろん、これから実家に帰って婚約破棄について報告するよ。ついでにユリアンの素性についても話そうと思う」

 

 そうすれば、きっと家族がなんとかしてくれるはず。

 何せうちの家族、みんな只者じゃないっぽいし。

 

 父上なんて侯爵で【百年に一人の逸材】だし、母上は暗殺ギルドの長で【九尾狐狸精(きゅうびこりせい)】、兄上も第二皇子の側近で【神算鬼謀】だからな。職業とスキルがクッソヤバイ。

 

「……まあ、心配しなくても大丈夫ですわ。あなた達には、このわたくしが絶対に手を出させたりはしませんもの」

 

 どこか覚悟めいた表情でそう告げるヨゼフィーネ。こういうところ、仲間思いで格好いいと思う。

 だというのに、婚約者であるランベルト皇子ときたら、ずっと彼女を放ったらかしじゃねーか。そんなだから、間男に寝取られたりするんだよ。

 

 間男の一人は、既に俺が排除したけど。

 

(まあ、婚約破棄の報告ついでに、兄上に頼んでランベルト皇子に苦言を(てい)してもらうとしよう)

 

 俺と違って優秀な兄上は、学院在学中から頭角を現して、ランベルト第二皇子の側近に抜擢された。

 父上も近々兄上に家督を譲るみたいなことを考えてるって話もあるし、持つべきものはできる兄上だよな。全力で実家に寄生する俺は、将来も安泰である。

 

「それじゃ、俺はちょっと実家に帰る……といっても家族は全員、帝都のタウンハウスにいるし、明日は普通に学院に来るけどな」

「そのー……ニコさん、わたしも一緒に……」

「大丈夫だって。さすがにこれ以上エマの世話になったら(ばち)が当たるよ」

 

 おずおずと申し出てくれたエマに、俺は肩を(すく)めやんわりと断る。

 ありがたいけど、言ったとおりもう迷惑はかけたくないしな。

 

「そうですかー……でも、何かあればいつでもおっしゃってくださいね?」

「もちろん。その時はお願いするよ」

 

 みんなと別れた俺は、そのまま学院を出て家族が滞在するフリートラント家のタウンハウスへと向かった。

 

 ただ。

 

「……んふ♪ 大丈夫ですよー。明日の朝には、全部終わりますから」

 

 俺は何も聞いてない。聞いてないぞ。

 

     ◇◆◇◆◇

 

「坊ちゃま。もうまもなく、アレクシス様もご帰宅なされるようです」

 

 自分の部屋で緊張のあまり体育座りをしている俺に、執事のヤコブが報告する。

 いつも思うけど、兄上はちゃんと様付けなのに、どうして俺には未だに〝坊ちゃま〟呼ばわりなんだろうか。

 

 確かにこの世界でも、前世の世界と同じく十八歳から成人になるけど、それでも俺だってルミナス皇立学院の生徒だぞ? そろそろ大人として扱ってほしい今日この頃。

 

「わ、分かった。それじゃ俺も、応接室に行くよ」

 

 これから俺は、レーアと婚約破棄をすること。そして皇室の落胤(らくいん)であるユリアンに目をつけられたことを、家族に報告する。

 

 うあー……みんな、なんて思うかなー……。

 レーアの有責とはいえ、貴族間の契約を反故にするんだから、いい顔はされないよなー……。

 

 しかもだよ。ユリアンという皇帝も触れたくない爆弾の処理まで丸投げするんだ。下手したら俺、勘当されちゃうかも。

 

 不安で吐きそうになるがなんとか(こら)え、俺は応接室の中に入る。

 

「うむ……来たか」

「あらあら、今日はどうしたのかしら?」

 

 相変わらずゲンドウポーズの父上が俺を睨み、母上は頬に手を当てぽわぽわした感じで尋ねる。

 さて……言っておくが、父上はともかく母上に嘘なんて通用しない。だから、ありのままに話すだけ……なんだけど。

 

(いや、言いづらいなー……)

 

 だってさあ、『婚約者を間男に寝取られたので、婚約破棄したいです!』とか、『間男が皇帝の兄貴の息子らしくて、メッチャヤバイ奴に目を付けられました!』なんて言ったら、下手をしたら卒倒しちゃうんじゃないか?

 

 とはいえ、言わないなんて選択肢はないし、覚悟を決めるか。

 

 ということで。

 

「そのー……俺、レーアと婚約破棄したいんですけどー……」

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