NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

46 / 106
婚約破棄、家族にあっさり受け入れられました。

「そのー……俺、レーアと婚約破棄したいんですけどー……」

 

 俺は恐縮しながら、おそるおそる告げた。

 その瞬間、父上の表情が険しくなる。

 

「それは何故だ? そもそもレーアとの婚約は、お前の希望だったはずだが」

「…………………………」

 

 父上の言うとおり、実はレーアとの婚約はこの俺が望んだもの。

 幼馴染で初恋の相手でもあったから、俺は七歳の時に両親に頼み込んだんだよなー……。

 

 今となっては、まさかこんなことになるなんて思わないだろ。

 

「あらあら、別にいいじゃない。私は賛成よ」

 

 ありがたいことに、母上は理由も聞かず無条件で賛成してくれた。

 ぶっちゃけ母上がOKなら一〇〇パーセントこの問題は解決したも同然。何せうちの家、なんだかんだで母上が一番偉いからなあ。

 

「……そうだな。サビーネがそう言うのであれば、私も否やはない」

 

 ほらな? 結局のところ、父上は母上にベタ惚れなのだ。

 よしよし、このまま兄上が参加する前に、この話は決着させ……。

 

「アレクシス様がご到着なさいました」

「っ!?」

 

 くっそう、兄上が間に合ってしまったか。

 母上はよかったけど、きっと兄上のことだから婚約破棄の理由を激詰めされるんだろうなあ……メッチャ気が重い。

 

「ニコ、今そこでヤコブから話は聞いたぞ。お前、レーア嬢との婚約を破棄したいそうだな」

 

 切れ長の目をさらに細めた兄上は、部屋に入ってくるなり俺を睨む。

 うう……仮に嘘を言っても母上に見透かされてしまうし、これはもう観念して一から説明するしかないのか。

 

「……はい、レーアと婚約破棄したいです。何故なら……」

「大事な話だからと、皇宮から急ぎ駆けつけてみれば……」

 

 説明しようとする俺の言葉を(さえぎ)り、兄上はこめかみを押さえて軽く溜息を吐く。

 ただでさえ兄上は忙しいのに、色々と迷惑をかけて申し訳ない……。

 

「まったく、本当にくだらん。父上、母上、私は急ぎ皇宮へ戻ります。……色々とやるべきこと(・・・・・・)がありますので」

「うむ」

「まあまあ」

 

 やっぱり兄上は、俺の婚約破棄に心底呆れたのだろうか。

 俺が理由を話そうとしても聞く耳も持たないとばかりに(さえぎ)ってしまうなんて、よっぽどだろうし。

 

 そうだよなー……昔のこととはいえ自分から婚約を望んでおいて、今度は破棄したいなんて言ったら、こんな反応になるのも当然だよなー。

 

 まあ、それは置いといて。

 

「あのー……兄上、忙しいところ申し訳ないんですけど……」

「……なんだ?」

「実は、ランベルト殿下のことですけど……その、たまには学院に出席して、婚約者のヨゼフィーネ様に顔を見せていただけるようにお伝えいただけませんか? 彼女、ずっと待っておられるので」

 

 レーアとユリアンの一件では、ヨゼフィーネには色々とお世話になった。

 これくらい恩返ししておかないと、それこそ(ばち)が当たるからな。

 

 それに、俺はもうこんな結果になってしまったが、彼女にはちゃんと幸せになってもらわないと。

 

「……分かった。殿下には私から言っておく」

「よろしくお願いします」

 

 振り向きもせず部屋を出て行く兄上。

 俺はその背中を見送るが、とりあえずこれでレーアとの婚約破棄と、ユリアンの……あ、言うの忘れてた。

 

「ところで父上。話は変わるのですが、レッツェル侯爵家のユリアンという子息をご存知ですか?」

「レッツェル侯爵家のユリアン、だと?」

 

 ユリアンの名前を出した途端、父上の視線がメッチャ鋭くなったんだけど。

 これ、ひょっとしてアイツの正体知ってるってこと?

 

「はい。レーアとの婚約破棄をお願いしておきながら、さらにこんなことを言うのは恐縮なんですが、実は彼と揉めてしまいまして……」

「それで?」

「バイデンフェラー公爵家の令嬢であらせられるヨゼフィーネ様にお聞きしたところ、どうやらユリアンという男、色々と訳あり(・・・)のようで、それで……」

 

 ちょっと歯切れの悪い説明の仕方だが、これだけで察してくれるだろう。

 雰囲気からして、ユリアンの素性を知っていそうだし。

 

「まあまあ、ニコは何も心配する必要はないわ。貴族の揉め事は、たとえ子息だったとしても家同士で解決するのが正しいもの」

「そ、そうですか」

「そうよ。だからあとは、私達に任せておきなさい」

 

 そう言うと、母上は胸を叩く。

 でもエマに匹敵するほど大きいため、ぽよん、というオノマトペのほうが相応しいと思う。

 

 何が大きいのかって? つまりはアレだよ。あのバブみ(あふ)れるおっぱいだよ。

 

「ニコよ、話はそれだけか?」

「え、ええ、まあ……」

「なら今日は、部屋でゆっくり休め。あとはこちらで片づけておく(・・・・・・)

「は、はい。よろしくお願いします……」

 

 俺は深々と頭を下げると、父上と母上が見つめる中、そそくさと部屋を出て行った。

 というか、メッチャ緊張した、けど……。

 

「婚約破棄のこと、ほとんど追及されなかったな」

 

 家族のみんなのことだから、きっと根掘り葉掘り聞いてくると思ったんだけどなあ……。

 実際、レーアと婚約したいって言った時は、父上も母上も、あの兄上でさえも尋問レベルで問い(ただ)してきたっていうのに。

 

「ま、俺としては助かったけど」

 

 婚約者を間男に寝取られましたなんて、さすがに家族には言いづらい。

 色々な意味で、救われた気分。

 

 【ステータスオープン】のスキルを手に入れ前世の記憶が蘇ってからいろんなことがあり過ぎたからだろうか。

 

(もう眠すぎて、目を開けてるの無理)

 

 自分の部屋に戻った俺は、溜まっていた疲れが一気に襲ってきて、ベッドで横になるなりそのまま夢の中に落ちていった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。