NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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一人目の間男はチャラ男である。

 家族への地獄のような報告を終えた、次の日の早朝。

 俺は実家の馬車に乗り、ルミナス皇立学院へと向かっていた。

 

 今さらだけど、転生先の実家が太くてメッチャ感謝。やはり持つべきは金持ちの実家だな。

 前世ではブラック企業の社畜だっただけに、今世は全力で実家に寄生してニートになろうかと、本気で思案中。

 

 ……まあ、転生したのがNTR系同人エロゲのサレ夫なので、プラマイゼロどころかむしろマイナスではあるんだけど。

 

「それより、まずは誰に接触するかな……」

 

 俺は『ルミナスの壊れた日々Ⅲ』のヒロインであるレーアが既に寝取られていることを知り、間男に全力で仕返しをすると決めた。

 とはいえ、寝取られの事実を知ってからの今日であるため、四人の間男のうち誰が彼女を寝取ったのかが分からない。

 

 しかもだよ。このゲーム、展開によっては複数の間男が同時進行でヒロインを寝取る展開も無きにしも非ずなので、一人を特定しただけじゃ意味がないのだ。

 

 つまり。

 

「……四人の間男を各個撃破しつつ、レーアをあそこまで開発した奴を特定しないと」

 

 あーもう。前世でこのゲームをプレイしている時は、むしろ同時進行できるほうがシナリオやシーン回収のためには都合がよかったけど、いざリアルでそれに対処しなければいけなくなると、クッソ面倒くさいな。

 

 そうは思いつつも、それしか方法がないんだから、俺の選択肢なんて最初から決まってるけど。

 

 ということで。

 

「ふむう……」

 

 昼休みになり、俺は(あご)をさすりながら一人食堂の様子を見まわしている。

 何故かって? もちろん、間男を観察するためだよ。

 

 ありがたいことにターゲットの一人は今、学院でも素行が悪いと有名な連中と昼メシを食いながら駄弁っていた。

 そいつの名は〝ロルフ=プロイス〟。一言で言い表すとチャラ男である。

 

 ご多分に漏れず色黒金髪でアクセサリーをジャラジャラ身に着け、制服も胸元を無駄に大きく開けて話し方もメッチャ軽い。

 NTR系同人エロゲでチャラ男は鉄板キャラ。アイツを見ていると、むしろ実家のような安心感さえ覚えてしまう。

 

(……さて、チャラ男のエロステータスはどうなっているかな)

 

 俺はチャラ男に気づかれないよう会話が聞こえる距離まで慎重に近づき、【ステータスオープン】を使用すると。

 

――――――――――――――――――――

名前:ロルフ=プロイス

性別:男

年齢:16

種族:人間

職業:男爵子息(学生)

スキル:【エロ孔明】

経験人数:0人

開発度(口):0

開発度(胸):0

開発度(膣):0

開発度(尻):0

好感度:30

――――――――――――――――――――

 

 ……あれ? 思ってたのと違う。

 

 ゲームでは『あいつも他の女どもと同じように、俺好みにヒイヒイ言わせてやるぜ』とか『あんな奴より俺のほうがいいだろ?』とか、やたらと勝ち誇っては威勢のいいことを言ってたはずなのに、これはどういうことだろうか。

 

 というか、スキルが【エロ孔明】ってなんだよ。俺よりゴミスキルじゃないか。

 まあでも、コイツがシロだってことは分かった。なんといっても、経験人数ゼロでエロの知識だけは無駄に豊富なエロ孔明だもんな。

 

 すると。

 

「やっぱロルフはすげーわ。俺達だったら、ぜってーそんなこと思いつかねー」

「ぎゃはは、確かに。お前、一体どんだけ女喰ってきたんだよ」

「まーな。俺くらいになれば、ヨユーっしょ」

 

 少し揶揄(からか)いつつもチャラ男に尊敬の眼差しを向ける、ガラの悪い生徒達。

 チャラ男もチャラ男でまんざらでもないようで、調子に乗り胸を張ってドヤ顔してやがる。エロ孔明のくせに。エロ孔明のくせに。

 

 だけど。

 

「俺も転生して、チャラ男の本性を知るなんてな」

 

 要はゲームでのチャラ男の姿はブラフで、ただエロ知識が豊富なだけの悲しきイキリ童貞というのが本当の姿だということ。

 

 俺はステータスを見たおかげで理解することができたが、前世でゲーム中のチャラ男の態度や行動で見抜けなかったのは事実。

 まさかアイツにこんな裏設定が潜んでいたなんて……あの同人サークル、やってくれる。

 

 などと妙に感心する俺……だったんだが。

 

「でもよー……お前、本当にヤるのか?」

「決まってんだろ。あんなエロい女、俺が慰めてやらねーでどうすんだよ」

 

 興味津々で尋ねる連中に、チャラ男は(あご)でくい、と、テーブルでランチを楽しみながら談笑している女子生徒達のグループを指し示す。

 その輪の中に、レーアの姿があった。

 

「さすがだぜ。狙った女に婚約者がいようがいまいが、お構いなしかよ」

「だけどロルフよぉ……あの女の婚約者っていったら、侯爵家だぜ? 男爵家のお前ん()じゃ、もしバレたらとんでもねーことに……」

 

 ガラの悪い連中の一人が、心配そうに尋ねる。

 そうだそうだ。悪いことは言わんからやめておけ。

 

「バッカ、だからスリルがあっていいんじゃねーか。大体、あんな陰キャ野郎にあの女はもったいねーっての。俺みたいな男じゃなきゃ釣り合わねえだろ」

 

 どこまでも余裕の態度を崩さないチャラ男。

 そもそも女子と会話した経験があるのかすらも怪しいのに、本当に行けるのかよ……と思ったが、よく考えたらコイツ、ゲームではしっかりレーアを寝取ってるんだよなあ。問題なく攻略できるので証明終了(Q.E.D.)

 

 などと考えていると。

 

「あのー」

「あばばばば!?」

 

 突然背後から声をかけられ、俺は咄嗟(とっさ)に振り向く。

 

 そこには。

 

「こんにちはー。ところであの人がどうかしましたか?」

 

 ヨゼフィーネの取り巻きAでアナニスタで地上最強の生物、エマ=バルツァーがニコニコした様子で俺を見ていた。肩書き多いな。

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