NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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彼のご家族にお会いした ※エマ=バルツァー視点

■エマ=バルツァー視点

 

「駄目ですねー。わたし、どうしても許せないんですよ。……大切なニコさんを傷つけるきっかけを作った、そのクソバカ皇帝を」

 

 そう告げてわたしは、バトルアックスを女性へと向けた……んですけど。

 

(どういうこと……?)

 

 わたしに向けられていた殺気が嘘のように霧散し、女性はどこか(うかが)うような視線を向けました。

 他の二人も、お互いに顔を見合わせています。

 

「あらあら……ひょっとして、うちのニコの知り合い?」

「え……?」

 

 おそるおそる尋ねる女性の問いかけに、私は思わず呆けた声を漏らしてしまいます。

 だけど、それも仕方ないですよね?

 

 だって、女性の口からニコさんの名前が出たんですから。

 

「あ、あのー……ニコさんのこと、ご存知なんですか……?」

 

 今度は逆に、わたしのほうから尋ねてみます。

 もし敵だったのならもちろん叩き潰しますけど、そうじゃなくて普通にニコさんのお知り合いだった場合、下手をすればわたしのしたことがニコさんにバレてしまいます。

 

(そんなことになれば、ニコさんが幻滅してしまうかも……っ)

 

 それだけは絶対に避けないといけません。

 その時は、全力で口封じをしませんと。

 

 わたしは女性の答えを祈るような気持ちで待ち、緊張から喉を鳴らしました。

 

 そして。

 

「私の名は〝サビーネ=フリートラント〟。ニコの母親で、隣にいる二人は、父親で侯爵の〝ユルゲン〟と、長男のアレクシスよ」

「え……?」

 

(えええええええええええええええええええええ!?)

 

 思わず叫んでしまいそうになったのを(こら)えたわたしは、すごく偉いと思います。

 だけどだけどだけど、まさかニコさんのご家族が、クソバカ皇帝を取り囲んでいるなんて普通思います? 思いませんよね。ね!

 

「あ、あのあのー……その、お母様や皆さんがこちらにいらっしゃるのは……」

「……この無能(・・)のせいで大切なニコが傷つけられたから、ちょっと懲らしめてやろうかと思ったの。もちろん、そこのクソガキ共も含めてね」

「「「ヒッ!?」」」

 

 そう言った瞬間、お母様は凍り付きそうな殺気をクソバカ皇帝、それにクソ女達に向けました。

 なるほど……ご家族の皆さんも、わたしと同じ目的だったんですね……。

 

 だけど、わたしが『お母様』って言った瞬間、視線が鋭くなったのを見逃しませんでした。

 これはいきなり印象最悪だったかも……終わりました……。

 

「それで、あなたのことも教えてくれないかしら」

「あ……す、すみませんー。わたしはニコさんの同級生の、エマ=バルツァーですー」

 

 本当は『恋人です』って言えたら最高ですけど、まだ婚約破棄したばっかりですし、そうなるのはこれからですからねー……早くニコさんを独占したいです。

 

「まあまあ、そうだったの。じゃあここに来たのも、私達と同じ目的、ってことでいいのかしら?」

「きっとそうだと思いますー……わたし、そこにいる連中が死ぬほど許せませんので」

「「「ヒイイイイッ!?」」」

 

 わたしはこれ以上ない殺気を向けると、三人は耐え切れず絶叫しました。

 やっぱりクソ共の声はいつ聞いても耳障りですね。腐ってしまいそうです。

 

「あらあら……無能とはいえこの男、一応は皇帝よ? ただの(・・・)令嬢にすぎないあなたが、そんなことを言ってもいいのかしら」

「いいんですー。事実は事実ですし、何ならこの国を滅ぼしたっていいですし。というか、ニコさんを傷つけるような国、滅んで当然ですよね?」

 

 お母様も意地悪ですね。わたしが本気だってことくらい分かっているのに、あえてそんなことを言うんですから。

 だけどわたしの答えに満足したのか、ちょっと嬉しそうに見えるのは気のせいじゃないですよね?

 

「それにしても……あの子も隅に置けないわね。そこの汚物みたいなガキのせいで傷ついちゃったけど、いつの間にかこんなお嬢さんを捕まえているんですもの」

「あ……えへへ……」

 

 お母様にそんなことこれっぽっちも思ってないことは分かっていても、そう言われたら嬉しいに決まってます。

 だからわたしは、どうしても口元が緩んでしまうわけで。

 

「さて……それで君はニコの友人ということだが、皇帝陛下が何をしたのかは知っているのか?」

 

 お母様から引き継ぐように、今度は隣にいたオールバックのお兄様が尋ねました。

 だけど、やっぱり兄弟だからニコさんの面影あります。もちろんニコさんのほうが断然素敵ですけど。

 

「そこにいるクズカスの父親、つまりクソバカ皇帝の兄を謀殺したあとクズカスをレッツェル侯爵に丸投げして、だけど実はクズカスが父親の死の真相を知っていて、クソバカ皇帝はそのことで脅されて野放しにしていたということは」

「ふう……やはり(おおむ)ね知っていたか」

 

 わたしが答えると、お兄様は眉根を寄せ大きく息を吐きました。

 だけどお兄様の口振りだと、まだ何か秘密のようなものがありそうです。

 

「君の言うとおり、皇帝陛下は帝位を手中に収めるために実の兄を謀殺したまではいいが、そのことへの罪悪感から兄の息子であるそこのゴミをあえて見逃し、レッツェル侯爵に預けたのだ」

 

 そういうことですか。

 つまり、最初から禍根を残さないようにするためにあのクズカスを始末していれば、こんなことにはならなかったということですね。

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