NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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死んで楽になれると思うな ※エマ=バルツァー視点

■エマ=バルツァー視点

 

 つまり、最初から禍根を残さないようにするためにあのクズカスを始末していれば、こんなことにはならなかったということですね。

 

「ですけどー、そうするとクソバカ皇帝は結果的にクズカスに脅されることになって、自分の首を絞めた結果になったってことになりますよね?」

「まさか。そこのゴミが脅したところで皇帝陛下が屈したりすることはない。好き放題にやらせていたのは、結局のところ陛下自身の負い目によるものだ」

「あー……」

 

 やっぱりこの皇帝、本当にクソバカですね。

 自分で実の兄を殺害しておきながら、悪いと思ったから息子だけ内緒で助けたとか。

 

 そのせいで、ニコさんが……っ!

 

「っ!? ヒイイイイイイイイイイイイッッッ!?」

「まあまあ、落ち着いてちょうだい。とにかく、この無能は同じ皇族のヴァイデンフェラー家にだけそのガキの出自についてこっそり伝えて、それ以外……長年お付き合いのある私達にすらも、内緒にしていたのよね。これって立派な裏切り行為だと思わない?」

 

 いつの間にかわたしの隣にいたお母様が、ぽん、と肩を叩いてなだめます。

 ふう……ニコさんのご家族の前だっていうのに、怒りのあまりつい我を忘れてしまいました。気をつけないと

 

 だけど、わたしに悟られることなく、こんな懐まで入られたのは初めてです。

 お母様、やはり侮れませんね。

 

 悲鳴を上げていたクソバカ皇帝ですか? お漏らしして床を汚してますけど何か?

 

「じゃあ、どうするんですかー? わたしとしては、このクソバカ皇帝を含め全員ぐちゃぐちゃになるまで叩き潰さないと気が収まらないんですけど」

「あらあら、駄目よそれは」

「……どうして?」

「この無能には、身の程を分からせた上で死ぬまで皇帝の座にいてもらわないと。大事な二人の子供の将来のためにも、ね?」

「ははは、はい! このフリードリヒ=フォン=ルミナス、なんでもやらせていただきます!」

 

 再びめりこむくらい床に額を押しつけて、全力で()びるクソバカ皇帝。

 ひょっとしたら助かるかもしれないと思って、必死ですね。

 

「わざわざ帝国を相手取ることも覚悟で、この皇宮まで乗り込んできたくらいだもの。だったら、ニコのためにどうすればいいか、分かるわよね?」

「……不本意ですけど、確かにそのほうがニコさんにとって都合がいいかもです」

 

 お母様のおっしゃるとおり、ここで怒りに任せてクソバカ皇帝を潰しても、帝国が滅んだらニコさんにご迷惑がかかってしまうかもしれません。

 ……それ以上に、ここでわたしが我儘(わがまま)を言ってしまってご家族に嫌われたら、ニコさんにまで嫌われてしまうかもしれないんです。それだけは絶対に嫌です。

 

「じゃあー、クズカスとクソ女はどうするんです? クソバカ皇帝と違い、ニコさんにとって害しかないです。むしろここで……」

「あらあら、本当にいいの? ただ消す(・・)だけなんて、それではあの子の苦しみの十分の一、いえ、一万分の一にも満たないわね」

「…………………………」

 

 悔しいですけど、お母様のおっしゃるとおりです。

 わたしがどれだけコイツ等をミンチにしても、それでニコさんの悲しみ、苦しみが癒えるわけじゃないんですから。

 

「だから、ね?」

「ちゃんと報い(・・)を受けさせるべきじゃない? それも、死ぬまで、ね」

 

 そう言うとお母様は、にたあ、と口の端を吊り上げ、わたしに耳打ちしました。

 ああ……なるほどです。確かにそれが一番かもしれません。

 

 気づけばわたしも、お母様と同じように口が三日月のようになっていました。

 

「ぼぼ、僕達をどうするつもりだ! こ、殺したって何もいいことなんかないぞ!」

 

 それまで死刑宣告を待つ囚人のように、わたし達のやり取りを恐怖に染まった顔で聞いていたクズカスが立ち上がり、そんなことを(のたま)ってるんですけど。

 なんですかコイツ。全身を震わせて、しかもお漏らしまでしてみっともない。

 

「心配しなくても大丈夫よ。オマエは絶対に殺さないし死なせない。そんな楽になれるなんて思わないことね」

「あ……ああ……ああ……」

 

 お母様の氷よりも冷たい声に、クズカスは安堵したのか、それとも観念したのか、よく分からない表情で床にへたり込みました。

 少なくとも自分の人生が終わりを迎えたことは、理解したみたいですね。

 

 すると。

 

「お、お願いします! 私はどうなってもいいの! だから……だからユリアンだけは、助けてください……っ!」

 

 ……このクソ女、本当に虫唾が走る。

 やっぱり駄目です。今すぐ目の前から消さないと気が済まない……って。

 

「だから言ってるじゃない、このクソガキは殺さないって。……もちろん、オマエもな」

「ヒッ!?」

 

 お母様に髪をつかまれ、恐怖で顔を引きつらせるクソ女。

 今のコイツの言葉にキレたのは、わたしだけじゃなかったみたいです。

 

「楽しみにしてちょうだい。きっとオマエ等、すぐに殺してくれって思うから」

「んふふー♪ わたしも楽しみです」

 

 わたしとお母様は、これから地獄すら天国に思えるような仕打ちを受けるクソ女達を見下し、ただただ(わら)ってやりました。

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