NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが 作:ぜんはいざ
「暇でござるなー」
「だなー」
レーアと婚約破棄をしてから一週間後の昼休み。
どういうわけか俺は、よりによってフーゴの奴と中庭で日向ぼっこをしていた。
ついこの間までレーアの寝取られの証拠を集めるために、色々と動き回っていたからなあ。
それが何もすることがなくなったので、気が抜けてしまったというわけだ。
「証拠を押さえたのはよかったものの、魔導具を召し上げられてしまったのはつらいでござる……」
そう言ってフーゴは、肩を落とす。
婚約破棄の次の日、俺達は学院にユリアンとレーアの所業について報告したんだが、教官の奴等は露骨に顔をしかめ、嫌そうに俺達が提出した証拠を取り上げやがったんだよな。
わざわざユリアンとレーアのやり取りの映像を録画した水晶玉を渡したところ、『それだけだと証拠にならない』とか抜かして、むきになったフーゴが、ついうっかり超小型高性能カメラのほうまで見せて説明したら、速攻没収となったわけである。
「まあまあ。何ならもう一度、あの魔導具を作れば……」
「無理でござるよ……あれを作るのに、拙者のお小遣い二年分もかかったでござるよ」
「そうかー……」
フーゴのお小遣いがいくらなのかは分からないが、コイツだって腐っても伯爵子息。結構な額なんだろうなあ。
俺の小遣いをフーゴに出資すればいい? 嫌に決まってるだろ。
すると。
「あー! こんなところにいたんですねー!」
頬を
言わずもがなエマである。その後ろには、お腐れ様の姿も。
「もー。勝手にいなくなったりしないでくださいー」
「悪い悪い。だけど、なあ……?」
「そうでござる。さすがに拙者達、あんなの見ていられないでござるよ」
そう……今日の俺の教室は、ちょっとしたカオスとなっていた。
なんと始業式以来一度も出席しなかった第二皇子のランベルトが、顔を出したのだ。
そのためヨゼフィーネは狂喜乱舞。朝から授業そっちのけで俺の教室に居座り、ずっとランベルト皇子にべったりなのである。
ランベルト皇子は嫌そうな顔をしていたが、それでもヨゼフィーネは嬉しそうに甲斐甲斐しく世話をしていた。
そんな彼女の健気な姿を見た俺やフーゴをはじめとした男性陣、みんな怒りの形相をしていたぞ。皇子だか知らんが何様のつもりだふざけんなコンチクショウ。
とはいえ。
(兄上に今度会ったら、ちゃんとお礼を言っておかないとな)
あのランベルト皇子が嫌々ながらも学院に出席したのは、きっと兄上が俺の頼みを聞いて働きかけてくれたおかげに違いない。
なんだかんだで兄上、お願いするとすぐに叶えてくれるんだよな。感謝感謝である。
そして、誰もが気になっているレーアとユリアンについてだが、言わずもがな二人仲良く退学していった。
残念なのは、学院側から処分を受けて退学になったんじゃなくて、あくまでも自主退学となったことかな。
できれば自分達の報いを受ける形で消えてほしかった。
まあでも。
(既にアイツ等の恥ずかしい映像自体は、学院中に出回っちゃったんだけどなー)
俺達が学院側に証拠を提出した翌日、どういうわけか学院の講堂で、あの日のこと……つまりユリアンがレーアの乳首をコリコリしている映像が、一般公開されやがった。
最初にそれを発見した生徒が教室でその話をすると学院中に瞬く間に広がり、全生徒が講堂に押し寄せる事態となった。
学院側はすぐに映像を止めて火消しに
もちろんレーアに俺という婚約者がいたことはクラスの連中の誰もが知っているので、アイツの寝取られも明らかとなったわけだ。
それからというもの、クラスの連中……特にテオから慰めや同情の声が相次いだけど、俺からすれば
そんなこともあって、ランベルト皇子に関係なく、あの日以来こうして教室から逃げてフーゴと一緒にいるわけなんだが。
「それで、そのー……ニコさんは、もうお昼は食べちゃいましたー……?」
いつになく恥ずかしそうに、もじもじするエマ。
一体どうしたんだろうか……。
「いや? 俺達も中庭に来たばかりだし、これからだけど?」
「! だったらよかったですー!」
ぱああ、と満面の笑みを浮かべたエマは、後ろ手に持っていたものを地面に置く。
それは。
「うおお……! まさか、これは……!」
「んふふー。今日は早起きして、頑張っちゃいましたー」
言うまでもない。
男子なら必ず一度は憧れる、女子の手作り弁当というやつである。
「そ、その、食べてもいい……?」
「もちろんですー! だってその……ニコさんのために作ったんですから……」
…………………………ぐはっ。
駄目だろそれ。童貞にはメッチャ効く。
幸せダメージがシャレにならないんだが。
「ぐぬぬ……っ! どうしてニコラス殿だけ、こんな美味しい思いをするでござるか……!」
「……むー、ボクも食べたい」
眉間にしわを寄せ、ぎりぎり、と歯ぎしりをするフーゴと、指を
悪いがやらん。これは全部俺のものだ。
「大丈夫ですよー。皆さんの分も、ちゃんと作ってありますからー」
「本当でござるか!?」
「……さすがママ。一生寄生するしかない」
なんだよ、ちゃんと抜かりないのかよ。
というか、弁当は俺のために作ってくれたんじゃないのかよ。危うく
あとローザ、エマは君のママじゃない。
「ニコさん、美味しいですか……?」
「バチクソ美味い」
顔を
すると。
「えへへー……」
両手を合わせて口元に当て、頬を染めて
なんだよこれ。クッソ可愛いんだが。死ぬほど可愛いんだが。
「ニコさんこれも! これも食べてくださいー!」
「ちょ!?」
弁当を褒められて勢いに乗ったエマは、俺の口の中に次々とおかずを詰め込む。
俺は喉を詰まらせて窒息しそうになる……んだけど。
(くっそ、幸せかよ)
いよいよ苦しくなって意識が遠のいていく中、嬉しそうにおかずを近づけるエマの笑顔を見て、俺はそう思った。