NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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お待たせしました。
ヨゼフィーネ編開始です。


第二章 ヨゼフィーネ編
ゴミスキルがレベルアップした模様。


 やあみんな。

 俺こそが泣く子も黙る悲しきサレ夫、ニコラス=フリートラントだ。

 

 前世でプレイしたNTR系同人エロゲ、『ルミナスの壊れた日々Ⅲ』に登場する寝取られヒロインで幼馴染で婚約者の、レーア=クライネルトと婚約破棄してから、今日で一か月。

 

 おかげさまで俺は傷心も()やされ、今では平穏無事な学院生活を送っている……こともできず。

 

「ニコラス殿! どうか拙者を助けてほしいでござるうううううッッッ!」

「ぐふうっ!?」

 

 朝っぱらからゲームに登場するキモオタデブ枠の間男で、今では不本意ながら友人に格上げしたフーゴが、教室にやって来るなり鳩尾(みぞおち)に頭突きをかましやがった。

 おかげで俺は今、息も絶え絶えである。

 

「ゲホ……お、落ち着け。いきなりなんだっていうんだよ……」

「聞いてほしいでござるううううう!」

 

 半べそをかくフーゴの話によると、一つ上の先輩で名実共にコイツの女王様のリタ=アイスナーが、最近冷たいらしい。

 いや、それを俺に言ってどうしろっていうんだよ。

 

 あれか? 童貞(サレ夫)の俺に対する、非童貞(豚)のマウントか?

 

「知らん。というか、何で朝からお前のプレイ自慢を聞かされなきゃならんのだよ」

「プレイじゃないでござる! 本当に様子が違うのでござるよ! わざと放置されているわけでもなく、すれ違いざまに唾を吐きかけたり、(すね)に蹴りを入れられたりするでござるし……」

「やっぱりプレイじゃねーか」

 

 どれだけコイツの話を聞いても、俺には平常運転としか思えない。

 女王様と豚の関係なんて、そんなもんだろ。

 

「と、とにかく! 何とかしてリタ様の機嫌を取らないといけないでござるよ! その、何かよい知恵はないでござるか……?」

「ないな」

「酷いでござる! 酷いでござる!」

 

 即答してやったら、フーゴは保育園児みたいにぐるぐるパンチで殴りかかってきた。腕が短いから、頭を押さえてやれば全然届かないけど。

 

 などと無駄にじゃれ合っていると。

 

「お二人共、朝からどうしたんですかー?」

 

 現れたのは、同じくゲームでヒロインの取り巻きAとして登場する――といっても、NPC《ノンプレイヤーキャラ》だが――エマ=バルツァー。

 

 何を隠そう、彼女はヒロインに負けないくらい美少女で、【地上最強の生物】という、背中に鬼を飼っている最強スキルをお持ちなのだ。

 それ以上にHカップおっぱいという、破壊力抜群の最強装備に目を奪われてしまいがちだが。

 

 そんなエマは、レーアとの婚約破棄の一件以降も、こうやって毎朝教室に顔を出してくれている。

 

 いやもう本当に、彼女には頭が上がらないな。

 エマがいなかったら、きっと俺は寝取られのショックで今も引きこもっていただろうし。

 

「エマ、おはよう」

「おはようございますー。それで、フーゴさんが怒ってるみたいですけど……」

「エマ殿、聞いてほしいでござる! ニコラス殿が酷いことを言うでござるよ!」

 

 エマを味方につけようと、ここぞとばかりに訴えるフーゴ。

 だが、そう上手くいくかな?

 

「なるほどー……ですけど、こればかりは分からないですね。やっぱりここは、フーゴさんがリタ先輩とよく話し合うしかないんじゃないですか?」

「むむ……そうでござるか……」

 

 事情を聞いたエマに諭され、フーゴは肩を落とす。

 だけど俺は、これはただのプレイだとしか思えないので、何も問題ないと思うけどな。

 

「まあとにかく、エマのアドバイスに従って、今日の放課後にでも二人で話し合ってみろよ」

「……そうでござるな。ただ、一つだけ言わせてもらうと、ニコラス殿も最初からそうやって真面目に相談に乗ってほしかったでござるよ」

 

 俺はいたって真面目だというのに、なんだその言い草は。

 そもそも、ちょっと童貞卒業してるからってマウント取りやがって。(言いがかり)

 

 すると。

 

 ――キーン、コーン。

 

「お、それじゃまたな」

「はい! それじゃ、お昼休みにまたー!」

 

 始業開始のチャイムとともに、二人は自分達の教室に戻って行った……んだけど。

 

(そういえば、今朝はヨゼフィーネが来なかったな……)

 

 『ルミナスの壊れた日々Ⅷ』に登場する寝取られヒロインの悪役令嬢キャラ、ヨゼフィーネ=ヴァイデンフェラー。

 彼女は婚約者でサレ夫のランベルト皇子が出席しているか、毎朝この教室にやって来てはチェックしているのだが、今日に限って顔を見せていない。

 

 これはいよいよ、彼女もサレ夫に愛想を尽かしたってことだろうか。

 

「いやいや、まさか」

 

 ゲームにおいて、ヨゼフィーネはランベルト皇子にどれだけ冷たい仕打ちを受けても、健気に毎日教室に通い詰めていたんだ。

 だから今日は、たまたま都合が合わなかっただけだろう。

 

(昼休みにでも、エマに聞いてみるか)

 

 そう考えた俺は、気持ちを切り替え授業に集中した。

 

     ◇◆◇◆◇

 

「ヨゼフィーネ様が休み?」

 

 昼休み。俺はエマの手作り弁当を食べながら、思わず聞き返した。

 ゲームでも皆勤賞だった彼女にしては、珍しいこともあるもんだな。

 

 え? どうしてヨゼフィーネが毎日学院に通っていたかって?

 そんなの言うまでもなく、ランベルト皇子が万が一出席した時に、逢えるようにするためだよ。

 

「そうなんですー……わたし達も心配で」

 

 そう言って眉根を寄せうつむくエマ。

 隣では、エマと同じくNPC(ノンプレイヤーキャラ)で取り巻きBのローザ=ビアホフが、勝手に俺の弁当から奪ったエビフライを頬張りながら頷いた。

 

 フーゴ? アイツは最近冷たいという女王様のご機嫌取りのために、ここにはいないぞ。

 

「だけど、ヨゼフィーネ様も同じ寄宿舎で暮らしているんだし、学院が終わったら様子を見に伺えば……」

「それがー……」

 

 エマ曰く、ヨゼフィーネは昨日から実家であるヴァイデンフェラー公爵家の、帝都のタウンハウスに帰っているとのこと。

 なら、確認しようがないなあ……。

 

「ま、まあ、休んだといってもまだ今日だけなんだし、とりあえずは明日まで待ってみようぜ」

「そうですねー……」

 

 とりあえず、ヨゼフィーネの話はこれでおしまいにして、俺はエマの弁当を楽しむことにした……だけど。

 

 ――パパパパーパーパーパッパパー♪

 

『おめでとうございます。【ステータスオープン】がレベルアップしました』

 

 どこかで聞いたことのあるようなメロディーとともに、そんな台詞(せりふ)(ボカロ声)が脳内で流れたんだけど。




お読みいただき、ありがとうございました!

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