NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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一人目の間男は学院の校医である。

――――――――――――――――――――

名前:ヨゼフィーネ=ヴァイデンフェラー

性別:女

年齢:16

種族:人間

職業:公爵令嬢(学生)

スキル:【悪役令嬢】

経験人数:0人

開発度(口):0

開発度(胸):8

開発度(膣):5

開発度(尻):0

好感度(ニコラス):た、大切なお友達でしてよっ!

――――――――――――――――――――

 

 この際、好感度ステータスの表示がおかしいのはどうでもいい。

 そんなことより。

 

「嘘だろ……っ」

 

 ヨゼフィーネの開発度が僅かに進んでいることに、愕然(がくぜん)とした。

 

「ニ、ニコさん、どうしたんですか!?」

 

 そんな俺の様子がおかしいことに真っ先に気づいたエマが、慌てて駆け寄る。

 いつもの間延びした口調ではないことからも、本気で心配してくれているんだろう。

 

「い、いや、何でもない。それよりヨゼフィーネ様」

「な、なんですの!?」

「昨日の実家の用事っていうのは、何だったんだ?」

 

 エマに心配させないために俺はすぐに取り(つくろ)うと、ヨゼフィーネに努めて軽い口調で尋ねた。

 だが、彼女の開発度が僅かとはいえ進んだということは、間男の誰かが接触したということ。

 

 なら、ヨゼフィーネが寝取られてしまう前に、即座に間男を排除しないと。

 

「大したことではありませんわ。ヴァイデンフェラー家の後継者をどうするかについて、会合が行われただけですもの」

「いや、結構な問題なのでは」

 

 拍子抜けしたとばかりに軽い口調で答えるヨゼフィーネに、俺はすかさずツッコミを入れる。

 彼女の実家は皇室の血を引く、帝国で最も権力のある貴族家。そこの後継者問題となれば、国にとっても一大事なのだ。

 

「本当は、わたくしが跡を継ぐことができればよろしいのですけど……」

 

 そう言うと、ヨゼフィーネは軽い溜息を吐く。

 彼女としても頭が痛いところだろう。

 

 何せランベルト皇子は、兄である第一皇子の〝カール=フォン=ルミナス〟と皇位継承争いの真っ最中。

 戦いに勝利して次期皇帝の座を手に入れた場合、ヨゼフィーネは皇妃となり家を出なければならない。

 

 きっとヴァイデンフェラー家はランベルト皇子の最大の支援者だろうし、彼女が家に残るという選択肢は考えられないんだろうな。

 

 え? ゲームではどうだったのかって?

 

 後継者争いにかまけて婚約者を放ったらかしにしていたせいで、ヨゼフィーネは寝取られてしまい、支援者だったヴァイデンフェラー公爵の不興(ふきょう)を買って結果敗北。

 その後は色々と冤罪(えんざい)を吹っかけられて、極寒の地に幽閉されるっていう、サレ夫らしい結末を迎えるんだよな。

 

 そう考えると、同じサレ夫としてちょっと可哀想な気もするけど、全てはヨゼフィーネを(ないがし)ろにしたツケが回ってきたわけなので、自業自得ともいえる。

 

 いずれにしても、ヨゼフィーネにとって一番良い結果になればいいけど。

 一応、彼女の友達ポジになった手前、そんなことを考えてしまうわけで。

 

「それで、その場に同席していたのは……」

「当主であるお父様とお母様、わたくし、それに親族達ですわよ」

「他にはいなかったか? 例えば皇立学院の関係者とか」

「? いませんけど……どうして学院の関係者が関わってきますの?」

「わ、悪い。今のは無視してくれ」

 

 怪訝(けげん)な表情を浮かべるヨゼフィーネに、俺は慌てて取り(つくろ)う。

 

 ルミナスシリーズの全作品に共通していることではあるが、ヨゼフィーネがヒロインを務める『ルミナスの壊れた日々Ⅷ』に登場する間男は四人。その全員が、皇立学院の関係者。

 だが、彼女の実家に縁がある間男となると、実は生徒会長のバルトゥールしかいない。

 

 そしてバルトゥールは、生徒会室の鍵を入手する際に、既に間男の座からご退場いただいている。

 

(じゃあ間男がヨゼフィーネに手を出したタイミングは、昨日じゃない……?)

 

 確かに俺は、レーアと婚約破棄をして以降、ヨゼフィーネをはじめ、ルミナスシリーズの関係者のステータスを確認しなかった。

 むしろ謎にスキルレベルが上がったから、興味本位で久々にステータスを視たんだ。こんなことなら、もっとマメに確認しとくんだったな。

 

「えーと……念のため確認だが、その会合には生徒会長もいた?」

 

 とりあえず、可能性を完全に排除するために、まずは生徒会長が関わっていないことを確認してみる。

 排除したと安心しきっておいて、あのクズ会長に寝取られましたなんてことになったら、目も当てられないからな。

 

「いいえ、いませんわ。だって彼、母方の家系ですし、ヴァイデンフェラー家の将来に関わる資格はありませんもの」

「なら、レーアの寝取られの証拠をつかむために生徒会室の鍵を借りて以降、あの人に会ったりとかは?」

「していませんわ。特に用事もありませんし」

 

 なるほど。生徒会長はシロ、と。

 となると、やはり残る三人の間男の誰かということで間違いなさそう。

 

「もう……変なことを聞くニコラスですわね。ひょっとして、わたくしが休んだから心配してくれていますの?」

 

 くすり、と笑いつつも、どこか嬉しそうなヨゼフィーネ。

 そんな彼女を見て、今日も【悪役令嬢】のスキルが仕事していないなと思う俺だったんだけど。

 

「じー……」

「っ!?」

 

 エマがハイライトの消えた藍色の瞳で、こちらを見つめているんだが。

 

「……まあいいですー。あとで(・・・)、色々お話ししてくださいねー?」

「は、はは……」

 

 逃がさないとばかりにジト目で見つめるエマに、俺は頬を引きつらせた。

 とはいえ、さすがに彼女に話さないという選択肢はないかー。

 

 これまでエマは、たくさん助けてくれて、支えてくれたんだから。

 

 それに。

 

「…………………………」

 

 どこか寂しげな表情を浮かべるヨゼフィーネを放っておかないためにも、エマの力を借りないと。

 

     ◇◆◇◆◇

 

「……というわけで、ヨゼフィーネ様にちょっかいを出している男がいるみたいでな」

 

 休み時間の校舎裏。俺はエマだけを呼び出して、ヨゼフィーネに間男の魔の手が伸びていることを説明した。

 もちろん【ステータスオープン】の真の能力も、ここがNTR系同人エロゲの世界でヨゼフィーネが寝取られヒロインだということも伏せた上でだが。

 

「なるほどー……だからニコさんは、あんな反応をされたんですねー」

 

 ようやく合点がいったようで、エマは納得顔で頷いた。

 

「それでー、ニコさんはヨゼフィーネ様に言い寄ろうとしている男の人の、目星はついているんですか?」

「ああ」

 

 生徒会長のバルトゥールを除いた、三人の間男。

 その中でも、最も有力なのは。

 

「……おそらく、校医の〝ヴァイト=メンシュシャウエン〟だと思う」




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