NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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外伝のヒロインは性女でサキュバスハーフである。

 前世で大ヒットしたNTR系同人エロゲの『ルミナスの壊れた日々』シリーズには、本編の十作品に加え、外伝作品が二つ存在する。

 

 これは、過去のルミナスシリーズに登場したヒロインやサレ夫、それに間男のその後について語られるアフターストーリー的な要素に加え、本編シリーズとは異なり、ヒロインではなく間男を主人公にした内容となっている。

 

 しかも攻略対象の寝取られヒロインは三人登場し、さらにはサブヒロインが別に二人用意されており、エロゲユーザーの中には『外伝こそ至高』と言う奴が現れるほど高い評価を得ていた。

 もちろん、つけられていたタグは『寝取られ』ではなく『寝取り』だ。

 

 そんな外伝の一つである『ルミナスを黒く染める日々』に登場するソフィア、なんだが……。

 

(本当に、どういうことなんだよ!?)

 

 などと心の中で盛大にツッコミを入れざるを得ないほど、俺は絶賛混乱中である。

 ソフィアは三人の寝取られヒロインの中でも清楚キャラの位置づけで、ルミナス皇立学院の生徒達からは『聖女』と呼ばれたりしている。

 

 ……いやまあ、本当に『聖女』ではあるんだけど。

 

 実はソフィア=レルナーは、ルミナス帝国が国教と定めている『ロムレス正教』が認定した『聖女』なのだ。

 

 それも、彼女の容姿を見れば嫌でも納得してもらえるとは思う。

 

 輝くホワイトブロンドの姫カットロングに、陶磁器のような白い肌。

 整った目鼻立ちに、エメラルドのような緑の瞳。

 

 そう……ヒロインだから当然ではあるものの、『聖女』の名に相応しい絶世の美少女である。

 

 さらに、同人エロゲよろしくおっぱいのサイズはFカップ。

 安産型の大きなお尻も相まって、とにかく叡智なことこの上ない。

 

 性格? 『聖女』なんて二つ名がある時点でお察しだろ?

 

 だからこそ、どうしてランベルト皇子と一緒にいるのか理解できない。

 いくらアフターストーリーありの外伝とはいえ、交わることのない本伝のサレ夫と外伝のヒロインである彼女との間に、接点なんて何一つないはずなんだが……。

 

「でで、殿下! その……その女は、どういうことですの!?」

 

 誰よりも真っ先に声を上げたのは、言うまでもなくヨゼフィーネ。

 滅多に学院に顔を出さない婚約者が、いきなりどこの馬の骨とも知らない……いや、『聖女』は有名人なので知ってはいるが、とにかく他の女を連れているんだから、こんな反応をするのも当然だ。

 

「……別に、貴様には関係ないだろう」

「っ!?」

 

 ヨゼフィーネを一瞥(いちべつ)したランベルト皇子は、ぷい、と顔を背け、ソフィアへと向き直ると。

 

「騒がせてしまってすまない……どうか許してはもらえないだろうか」

「いえ……ですけど、あの御方は殿下の婚約者様なのでは……」

「気にすることはない。所詮は父上が勝手に決めたものだ。俺は望んでいないというのに、な」

 

 目を伏せ、申し訳ない表情を見せるソフィア。

 一方のランベルト皇子はというと、ヨゼフィーネに対するものとはまるで正反対の、柔らかい笑みを浮かべた。

 

(ああ、そういえばそうだったな)

 

 その姿を見て、俺は思い出す。

 ランベルト皇子が、実はヨゼフィーネにメッチャ嫉妬していることを。

 

 『ルミナスの壊れた日々Ⅷ』において、どうしてランベルト皇子は皇立学院にほとんど姿を見せず、ヨゼフィーネを寝取られてしまったのか。

 もちろんカール第一皇子との皇位継承争いに躍起(やっき)になり、学院に出席している暇がないからというのも理由の一つではある。

 

 だが何より、ヨゼフィーネ自身の才能と、彼女の実家であるヴァイデンフェラー公爵家をよく思っておらず、顔を合わせたくないというのが本音だ。

 

 まあ、学業はおろか、政治や経済、語学に至るまでヨゼフィーネに何一つ勝てないランベルト皇子。

 しかも皇子の後ろ盾はヴァイデンフェラー公爵家であるため、強く出ることもできない。

 

 そういう事情があって、ランベルト皇子はヨゼフィーネと距離を置き、その間に寝取られてしまうわけだが。

 

「いや、婚約者なんだから、気にしないと駄目だろ」

「ニコラス!?」

 

 ヨゼフィーネの驚きの声で、俺は我に返る。

 やべ、つい心の声が漏れてしまった。

 

「……貴様、名をなんという」

「たった今、ヨゼフィーネ様が言ったじゃないですか。俺のこと、ニコラスって」

「っ!」

 

 あーあ。どうして俺、わざわざ(あお)ってるんだか。

 ヨゼフィーネとランベルト皇子の仲なんて、それこそ二人の問題なわけだし、部外者が首を突っ込んでどうする。

 

「貴様! この俺が誰だか分からないのか!」

「知ってますよ。授業にもろくに出ないで皇位継承争いに必死になっているのに、残念ながら敗色濃厚なランベルト殿下ですよね?」

 

 実際ゲームでは、ヨゼフィーネがどの間男との寝取られエンドを迎えても、ランベルト皇子は皇位継承争いに敗れ失脚する。

 当たり前だよな。彼女が寝取られれば、必然的にヴァイデンフェラー公爵家からの支援も途絶えるのだから。

 

 そしてこの男は、ようやく気づくんだ。

 全てが終わってしまった時、自分の手には何一つ残っていないことを。

 

 まあ、どうしてヨゼフィーネが寝取られてしまったのかについては、永遠に気づけないんだけどな。

 

「こ……この……っ!」

 

 俺の煽りが効いたのか、顔を真っ赤にして肩を震わせるランベルト皇子。

 今にも殴りかかってきそう。

 

「……んふ♪」

 

 背後から聞こえた、エマの(わら)い声。

 とりあえず、このまま放っておいたら地上最強の生物の無双乱舞が始まる予感がするので。

 

「っ!?」

「まあ落ち着いてくださいよ。殿下だって、これ以上味方を減らしたくないでしょう? 例えばアレクシス=フリートラントっていう側近の一人とか」

 

 機先を制した俺はランベルト皇子の肩に手を置くと、そう耳元でささやいた。

 

 言わずもがな、兄上はこの男の秘書官を務めている。

 なら、この局面で優秀な右腕を()がされるというのは、ランベルト皇子にとって大きな痛手になるだろう。もちろん、俺にそんなことができる権限なんてないけどな。

 

 それでも、ハッタリとしては充分だ。

 

「とにかく、上を目指すのなら、もう少し上手く立ち回ることを覚えるべきですね」

 

 ランベルト皇子の肩を軽く押し、俺は距離を置いた。

 さすがにここで逆上して手を出せばまずいと思ったのか、この男も自制する。

 

 といっても、その表情はこれ以上ないくらいキレ散らかしているけど。

 

「く……っ! ソフィア、行こう」

「は、はい……」

 

 勢いよく(ひるがえ)り、足を踏み鳴らして教室から出て行くランベルト皇子。

 ソフィアは申し訳なさそうに、ぺこり、とお辞儀をして、あの男の後を追った。

 

 でもって俺は、恒例のステータスをオープンするわけで。

 

――――――――――――――――――――

名前:ランベルト=フォン=ルミナス

性別:男

年齢:16

種族:人間

職業:ルミナス帝国第二皇子(学生)

スキル:【道化師】

経験人数:1人

開発度(口):66

開発度(胸):79

開発度(膣):0

開発度(尻):82

好感度(ヨゼフィーネ):0

――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

名前:ソフィア=レルナー

性別:女

年齢:16

種族:サキュバスハーフ

職業:男爵令嬢(学生、性女)

スキル:【搾精】【聖属性魔法】

経験人数:696人

開発度(口):100

開発度(胸):97

開発度(膣):100

開発度(尻):100

好感度(ヨゼフィーネ):30

――――――――――――――――――――

 

 こんなの聞いてない。




お読みいただき、ありがとうございました!

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