NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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二人目の間男はメスガキ……いや、オスガキである。

「ルミナス皇立学院の男子生徒が、こんなところでみっともなく喧嘩してるなんて、ダサ☆」

「っ!?」

 

 突然、背後から俺達を(あお)る声。

 俺はこのボイスに、聞き覚えがある。

 

 おそるおそる、振り返ってみると。

 

「あは☆」

 

 いたのは、同じく学院の制服を着た、ウェーブのかかった少し長めのボブの小さな女子生徒っぽい奴だった。

 

「グフフ!? お、お主は誰でござるか!?」

 

 フーゴが今までの喧嘩そっちのけで前に出ると、挙動不審な様子で尋ねる。

 威勢のいい物言いだが、こみあげる笑いを抑えることができず、生来の間男としての変態(づら)を隠し切れない様子を見るに、きっとコイツの好みのタイプだったんだろう。女王様に言いつけてやろ。

 

 ちなみに、突如現れたこの女子生徒っぽい奴は、確かに見た目は可愛い。

 

 ツインテールにまとめたウェーブのかかった栗色の髪を揺らし、幼い顔立ちに相応しいぱっちりとしたヘーゼルの大きな瞳。

 つぼみのような小さな唇と、ぷにぷにのほっぺ。

 

 身長一三〇センチ(公式設定)の幼児体型で、その(あお)るような言葉遣いからも分かるように、まさにメスガキ。

 フーゴがよだれを垂らし、ゲスい顔をするのも致し方なしというもの。

 

「んー、三〇点☆」

「さ、三〇点でござるですと!?」

「そ。返し方がクソザコっぽいし、見た目もダサダサだし、チンチクリンだし、デヴだし、見るからに弱そーだし☆」

「ブヒイイイイッッッ!?」

 

 散々罵倒(ばとう)されているにもかかわらず、顔を紅潮させどこか嬉しそうなフーゴ。

 この男が女王様の飼い豚ってこともあるけど、それ以上にメスガキの(あざけ)りは、コイツにとってご褒美でしかない。

 

 俺? 俺は別にメスガキは守備範囲……内だが、目の前の奴に関してはナシよりのナシだ。

 

 だって。

 

――――――――――――――――――――

名前:ユミル=キルシュテン

性別:男

年齢:16

種族:人間

職業:伯爵子息(学生、男の娘、メスガキ)

スキル:【わからせられ】

経験人数:12人

開発度(口):89

開発度(胸):52

開発度(膣):0

開発度(尻):92

好感度(ヨゼフィーネ):100

――――――――――――――――――――

 

 コイツ、男なんだもん。

 

 しかも『ルミナスの壊れた日々Ⅷ』に登場する、まぎれもない間男の一人でもある。

 ヨゼフィーネへの好感度がカンストしている時点で、エロゲ紳士ならすぐにお気づきだろう。

 

「とりあえずフーゴは放っておいて、お前はどうして俺達に(から)んできた」

「えー、つれないなあ☆ こんなところで同じ学院の制服を見かけたから、興味が湧いただけだよ☆」

「嘘だな」

 

 メスガキ改めユミルの言葉に、俺は即座に否定する。

 きっとコイツは、俺達がヨゼフィーネの友達だってことを知った上で、接触してきたに違いない。

 

 どうしてそう思ったかって?

 それは、コイツが誰よりも『綺麗なもの』が好きだからに他ならない。

 

 『ルミナスの壊れた日々Ⅷ』でも、ユミルは『綺麗なもの』に何よりも執着しており、それを手に入れるためならどんな手段も選ばない男。

 そんなコイツに目を付けられたのが、ヨゼフィーネだ。

 

 ゲーム内でのユミル(いわ)く、『ヨゼフィーネ様は気高く美しい、まさに理想の女性』だそう。

 『綺麗なもの』に誰よりも憧れるコイツにとって、喉から手が出るほど欲しい存在。かよわい後輩女子を装って近づき、彼女を巧みに騙して寝取るのである。

 

 何より厄介なのは、ヨゼフィーネを手に入れてからのコイツの行動。

 朝から晩まで飽きることなく(もてあそ)び、興味本位で無邪気に傷つけ、壊れてしまって輝きを失えば、興味を失いボロ雑巾のように捨てる。

 

 経験人数が十二人ってなっていたところを見るに、ほぼ全員が犠牲になったんだろうな。

 

 ちなみにユミルは、『綺麗なもの』であれば性別なんて関係ない。

 尻の開発度がここまで進んでいるのは、つまりそういうことだ。

 

「とにかく、俺達も暇じゃないんだ。フーゴを揶揄(からか)って遊ぶのは、また今度にしてくれ」

「えー☆ つれないなあ、センパイ☆」

「うるさい」

 

 やはりコイツ、俺達がヨゼフィーネの知り合いだと知った上で近づいてきやがったな。

 というか、同い年のくせに『センパイ』呼びしてる時点で、ゲームと同じように後輩女子キャラでいくつもりか。

 

 とにかく、このまま関わり合いになるのはお断り。

 なのでユミルに向けて犬を追い払うような仕草を見せ、エマとフーゴを連れてこの場を離れる……んだけど。

 

「おい、なんでついてくるんだよ」

「センパイの気のせいじゃないですか☆ たまたまぼくの用事と同じ方向ってだけですよ☆」

「はい嘘松」

「酷いっ☆」

 

 ハア……面倒くさい。

 コイツのことだから、俺達がヨゼフィーネと接触するか、あるいは彼女を寝取るための有益な情報を得るまでは離れないつもりだろうな。

 

「ニコさん、どうしますかー?」

「とりあえず無視だ。間違っても相手したら駄目だぞ。特にフーゴ」

「ど、どうしてでござるか!? 後輩の女の子を仲間はずれにするような、酷い先輩にはなりたくないでござるよ!?」

「言っとくが、コイツは男だぞ? しかも同い年のな」

「ブヒヒヒヒ!?」

 

 ユミルの正体を明かしてやると、フーゴは豚らしく醜い鳴き声を漏らした。

 まあ、メスガキとしてこれだけのクオリティを見せられたら、そんな反応も頷けるというもの。

 

 一方で、エマはといえば変わらずニコニコ笑顔。

 彼女は最初から、ユミルの正体に気づいていたんだろうか。

 

「……やだなあ、性別とか年齢なんて些細なことだよね☆」

「お前と一緒にするな。俺達はいたってノーマルだ」

 

 口を尖らせるユミルにそう言い放つ横で、フーゴがバツの悪そうに顔を逸らした。

 

「おいおいフーゴ。お前、男の娘もイケルのか?」

「どど、どうでござろうなあ。拙者、よく分からないでござるよ」

 

 フーゴは(とぼ)けるが、その視線はユミルに釘付け。

 むしろより変態性が増したように感じるのは、俺の気のせいだろうか。気のせいじゃないな。

 

「別に人の趣味にケチをつけるつもりはないが、コイツに関わるとろくなことにならないから、放っておけ」

「ブヒイ……やっぱり仲間はずれにするのはよくないでござるよ……」

 

 メスガキならぬオスガキだと分かっても、なおユミルをメンバーに加えようと試みるフーゴ。

 ひょっとすると、間男は同じ間男に()かれる習性があるのかもしれない。どこのニュータイプだよ。オールドタイプの俺には分からんわ。

 

「ハア……好きにしろよ」

「! も、もちろんでござるよ!」

 

 溜息交じりに投げやりに返事をすると、フーゴは瞳を輝かせ喜色満面になる。

 

「よかったでござるな! これで拙者達と一緒に……」

「あは☆ 臭いから近寄らないでくれるかな☆」

「酷いでござる!?」

 

 どさくさに紛れて抱き着こうとしたフーゴの腹に蹴りを入れ、ユミルが笑顔で(あお)った。

 フーゴも言葉では(なげ)いているのに、どうして恍惚(こうこつ)の表情を浮かべてるんだよ。

 

「その、いいんですかー……?」

「さあな、俺はもう知らん」

 

 フーゴとユミルのやり取りを眺めつつ、俺とエマは肩を(すく)めた。

 




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