NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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不気味な笑い声が聞こえた気がする。

「…………………………」

「…………………………」

 

 昼休みも残りあと五分に差し掛かり、食事を終えた生徒達がいなくなって人気(ひとけ)もまばらになった食堂で、俺とエマはこれ以上ないくらい、すん、としていた。

 どうしてかって? 食堂から去る前のチャラ男達の会話が、あまりにもアホらしかったからだよ。

 

 いや、だってさあ……アイツ等、作戦会議だなんだと言いながら、結局はチャラ男の奴はずっと自慢にもならない自慢話を延々としゃべっていて、周りの連中もうるさいくらい(はや)し立ててるだけで終わったんだぞ?

 

 んで、最終的な結論は、『まあ俺が放課後にあの女を校舎裏に連れ出して、その場で既成事実作っちまえば楽勝っしょ!』ってことらしい。頭悪すぎじゃないかな。

 

 何より。

 

「実戦を経験せず机上の空論でしかないエロ孔明の童貞のくせに、なんであんな大見栄を張れるんだよ……っ」

 

 アイツのエロステータスを見てしまったばっかりに、チャラ男の言葉が全て嘘であることが丸分かり。(あわ)れ過ぎて思わず涙が(こぼ)れ落ちそうになったぞ。

 前世の俺も、高校生とか大学生の時に同じく苦い経験をしたからこそ。

 

 だけどそういうのって、聞いてる側には全て見抜かれてるんだがな。

 前世ではチャラ男のステータスが分からないから、エロ孔明の童貞だったなんて知らずいつものテンプレチャラ男だと信じてしまったが……って。

 

「あのー……ニコラスさんは、あの人について詳しいんですねー」

「あ……」

 

 やべ。エマの前で失言してしまった。

 表情こそ笑顔だけど、メッチャ胡乱(うろん)な目を向けてきてる。

 

「い、いや、同じ男だからかなー……ああいうのって、言っていることが本当かどうか分かってしまうんだよなー……」

 

 頭を()き、適当に誤魔化す俺。

 だけどアイツのステータスを見ていなかったとしても、きっとすぐに気づいただろう。

 

 アイツと俺は、エロ孔明の童貞という点で似た者同士だから。

 

「そうですかー。でも、ニコラスさんとは全然違いますよ。あの人みたいに、そんなすぐ嘘だと分かるような見栄を張ったりしませんから」

「…………………………」

 

 俺の言葉を信じてくれた上で、そんなことを言ってくれるエマ。

 前世の記憶を思い出した結果、その言葉の破壊力に心が(えぐ)られてしまい、俺は血を吐きそうになった。つらい。

 

「あ、そういえば、俺も呼び捨てにしてるんだから、エマも俺のこと呼び捨てにしてくれていいからな」

「んふふー、ありがとうございます。でも、わたしは『ニコラスさん』ってお呼びするほうが好きなので」

「そ、そう……」

 

 ダメージを負ったメンタルを回復するために話題を変えてそう言ったものの、エマはどこか嬉しそうにしつつやんわりと断った。

 まあ別に、呼び方なんて好きにすればいいと思う。可愛い女子からなら、どんな呼ばれ方でも嬉しいし。たとえ〝ゴミ〟とか〝ウジ虫〟だったとしても、もはやご褒美でしかない。

 

「それで、どうしますかー?」

「んー……」

 

 レーアに手を出す前に、チャラ男を呼び出してそんなことはやめるように説得するのも一つの手だが、アイツがその程度で諦めるような男じゃないことを、『ルミナスの壊れた日々Ⅲ』をプレイした俺は知っている。

 むしろ引っ込みがつかなくなって逆上し、もっと過激なことをしかねない。

 

「あの様子だと、二、三日中には何かしらの動きを見せると思うから、まずはチャラ男を監視して、レーアに手を出そうとしたところを押さえ、現行犯で捕まえるのがいいんじゃないかな」

「そうですねー。そうすれば言い逃れもできなくて、あの人を学院から排除できますし。………何なら捕まえるのをわざと失敗して、あの男にクソ女を痛い目に遭わせるように仕向けることもできますし(ボソッ)」

「? 何か言った?」

「いいえー、なんにも」

 

 そう言うと、エマは笑顔でかぶりを振った。

 少し不穏な言葉が聞こえたような気がするが、気のせいか。気のせいだということにしておくべきだ。

 

 そして。

 

 ――キーン、コーン。

 

「あー……昼休みが終わってしまいましたー……」

 

 昼休み終了のチャイムが鳴り、エマはあからさまに落ち込んだ表情を見せる。

 ひょっとして、俺との会話が終わってしまって寂しいとか……って、いやいや、そんなことあるわけないだろ。サレ夫の分際で自惚(うぬぼ)れるな、俺。

 

「と、ところで、放課後も付き合ってくれたりするのかな……?」

「! もちろんですー! 授業が終わり次第、すぐに教室に伺いますから!」

 

 少し照れながらおずおずと尋ねてみると、エマの表情は一変。ニッコニコで俺の手を取った。

 なんだよこれ。クッソ可愛いかよ。(二回目)

 

「じゃあ、また放課後」

「はい! また放課後ー!」

 

 ブンブンと全身で手を振るエマと別れ、俺は教室に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………んふ♪」

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