NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが 作:ぜんはいざ
「ええと……こんな感じでよかったか?」
「はい」
物陰から姿を見せたエマが、ゆっくりと頷いた。
つまり、屋上までヨゼフィーネの後をつけていたのは、最初から俺一人じゃなかったってことだ。
「ヨゼフィーネ様、これでわたし達に相談してくれますかねー……」
「うーん……」
彼女の性格を考えれば、自分の弱みなんて絶対に見せないだろうな。
悪役令嬢らしく、やたらとプライド高いし。
実際、『ルミナスの壊れた日々Ⅷ』でも、ヨゼフィーネは間男の寝取られが進行している際も、誰にも打ち明けたりはしなかった。
もちろん脅されているっていうのもあるが、自分より下の存在である間男に屈しているなんて、彼女にとって切腹ものの恥だもんな。
「いずれにせよ、馬鹿皇子とのことは、なるようにしかならないと思うぞ」
「そう、かもしれませんねー……」
取り巻きまでするくらいだ。エマにとってヨゼフィーネは、特別な存在であることに間違いない。
だからエマは、何もできないことにもどかしさを感じているんだろう。
そんなの。
「エマらしくない」
「え……?」
「だってそうだろ? 寝取られたレーアと婚約破棄する時は、これでもかっていうほどお節介を焼いたっていうのに、まさかこのまま、指を
「あ……」
そうだよ。エマは俺が苦しんでいることにただ一人気づいてくれで、ずっと
そんな彼女が、ランベルト皇子に堂々と浮気されているヨゼフィーネを見て、ただ黙っているだけなんてあり得ない。
何より。
「俺はこのまま黙っているなんてごめんだ。大切な友達を二人も、そんな顔にさせやがったんだからな」
ああ、そうだ。
レーアとの一件でみんなが助けてくれたように、今度はこの俺が助ける番だ。
そもそも『ルミナスの壊れた日々Ⅷ』にあるのは、純愛エンドを含めた間男との寝取られエンドだけ。つまり寝取られしかない。
ヨゼフィーネとサレ夫のランベルト皇子が結ばれるハッピーエンドは存在しないが、今となってはそんなエンドがなくて正解。
婚約者の前で堂々と浮気をするような男、ヨゼフィーネに相応しくない。
「そういうことだから、俺に何ができるか考えてみる。だからエマにも……っ!?」
「! もちろんですー! わたしにも是非、お手伝いさせてください!」
俺が言い切る前に、エマは少し興奮した様子で俺の手を取る。
一気に詰め寄ってくるもんだから、勢い余ってHカップのおっぱいがメッチャ押し潰されててヤバイ。幸せかよ。
だけどまあ、やっぱり彼女はこうじゃないとな。
「じゃ、二人の婚約が破談になる方法を考えるとするか」
「はい!」
俺とエマは、互いに不敵な笑みを浮かべ頷き合った……まではよかったんだが。
「それでー」
「っ!?」
「まさかとは思いますけどー、ヨゼフィーネ様のことを好きになったから、邪魔者のランベルト殿下と婚約破棄をさせようとか、そんなことを考えてるわけじゃないですよね?」
ニコニコ笑顔ながらもハイライトの消えた瞳で尋ねるエマに、俺はねじ切れそうになるくらい全力で首を横に振った。
◇◆◇◆◇
「まあまあ! ニコ、お帰りなさい! いきなり帰ってくるなんて驚いたわ!」
その日の夜、実家の玄関で母上に思いきり抱き締められた。
何も連絡せずにいきなり帰ってきたら、こんな反応になるのも当然か。
何せ母上ときたら、俺や兄上にゲロ甘だからな。
「ヤコブ、今日の夕食は特別豪華にしてね♪」
「お任せください。坊ちゃまがお帰りとあれば、料理長も腕によりをかけることでしょう」
深々とお辞儀をし、この場を離れるヤコブ。
表情からは分かりづらいが、どうやら彼も俺の帰宅を喜んでくれてるっぽい。
(あ、そういえば)
まだヤコブのステータスを視たことがないことに気づき、俺は
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名前:ヤコブ=エルザー
性別:男
年齢:53
種族:人間
職業:フリートラント家執事長(暗殺者)
スキル:【俺の後ろに立つな】
経験人数:130人
開発度(口):51
開発度(胸):13
開発度(膣):0
開発度(尻):69
好感度(ニコラス):999
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職業はともかく、このスキル、大丈夫そ?
背後に立った瞬間、ぶん殴られそうなんだけど。
好感度ステータスは上限値が謎に限凸してるし、尻の開発度は安定のアナルセ〇クス開放済だし、もはや何も言うまい。
「ところで、兄上は……」
「ニコが帰ってきたことは伝わっていると思うから、すぐに帰ってくるんじゃないかしら」
母上の言うとおり、兄上は俺が実家に顔を出すと必ずといっていいほど帰ってくる。
皇宮勤めだし、きっと忙しいはずなんだけどなあ……。
それが分かっていて、帰ってきたんだけど。
「それで? アレクシスに何か用事でも?」
「はい。実は友達のことで相談があって……」
そう……ランベルト皇子の側近である兄上に、ヨゼフィーネが婚約破棄できないか相談しようと思ったのだ。
優秀な兄上なら、きっと最高の答えを考えてくれるだろうしな。
そうして応接室で母上の雑談に付き合いながら待つこと三十分。
「まったく……俺は暇じゃないんだがな」
などと悪態を吐きつつも、兄上は帰ってくるなりどこかそわそわした様子で応接室に入ってきた。