NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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図らずもオスガキをわからせた昼休み。

「それでー……あなたはどうして、ニコさんにまとわりついてるんですか?」

 

 昼休みの屋上、ジト目を向けるエマ。

 もちろん俺……じゃなく、何故か俺の右腕に抱き着いてやがるユミルの奴にだよ。

 

「あは☆ いいじゃないですか☆ それに、ちゃんと昨日の約束は守ってますよね☆」

 

 確かにそれはそのとおりだが、だからといって俺にくっつくことを許可した覚えもない。

 こんなことなら、ヨゼフィーネだけでなく俺達への接触も禁止するようにしておくべきだった。

 

「ぐぬぬ……エマ殿だけでは飽き足らず、今度はユミル殿もでござるか……!」

 

 分かりやすくハンカチを(くわ)えて嫉妬するフーゴ。

 俺はノーマルなので、むしろコイツにユミルを押しつけたいんだが。

 

「いいから離れろ! 俺にそんな趣味はねえんだよ!」

「ええー☆ こんな可愛い後輩が甘えてるんだから、もっと優しくしてくださいよ☆」

「後輩じゃねーだろ。あんまりしつこいと、わからせるぞ(・・・・・・)

「ん゛あ゛っ゛☆」

 

 待て。なんで急に恍惚(こうこつ)の表情でビクンビクンしてやがるんだよ。しかも男のくせに、声は完全に女子(CV.山田○ぇみ子)に成り下がってるし。

 まさかとは思うが、たったあれだけの言葉で絶頂したなんてことはないよな……?

 

 などと考えたところで、俺は思い至る。

 そういえばコイツのスキル、【わからせられ】だった。

 

 ひょっとして昨日ユミルがお漏らししたのも、わからせられて感じ過ぎてしまったってこと?

 

 だけど待ってくれ。昨日のことは、エマがやったことだ。

 俺は何一つ、コイツをわからせてないんだが。

 

「も、もう……っ☆ センパイずるいよお……っ☆」

 

 息も荒く、熱を帯びた視線で見つめるユミル。

 見た目が美少女と呼ぶに相応しいメスガキだからといって、この俺がそう簡単に道を踏み外すと思うなよ。

 

「うるさい。さっさと離れろ」

「あうっ☆」

 

 半ば強引に押し退けると、ユミルは尻もちをつき、その拍子で制服がはだけた。もはや狙ってやってるとしか思えない。

 

「グ、グフフ……ユミル殿、大丈夫でござるか?」

「触るな☆ キモい☆」

 

 ここぞとばかりに慌てて助け起こそうとするフーゴだが、その表情は醜悪そのもの。下心を微塵(みじん)も隠そうとはしない。

 それが分かっているからなのか、ユミルはいかにも不快ですといった様子で、ぺしん、と伸ばされたフーゴの手を無情に払いのけた。

 

「うわあああああん! ニコラス殿おおおおおおお!」

「お前も来るな!」

 

 今度は泣かされたフーゴが抱き着いてるが、どうして俺はこんな役回りなのだろうか。

 前世で俺、そこまで悪いことしたっけ?

 

「むうううう! 皆さん離れてくださいー!」

「ブヒッ!?」

「わわっ☆」

 

 結局、エマが物理の力で二人を放り飛ばし、守るように俺にぴったりとくっついてきた。

 あれ? 前世の悪行を思い返していたが、ここにきて実は徳を積んでた感じ?

 

「いいですかー! 二人は、絶! 対! に! ニコさんの半径一メートル以内に入らないでください!」

「ブヒイ……」

「えー☆ 独り占めはずるいよ☆」

「うるさいですー!」

 

 落ち込むフーゴと文句を垂れるユミルに威嚇(いかく)しつつ、エマは譲らないとばかりに俺の左腕に抱きしめた。

 何これ、最高かよ。

 

 すると。

 

「フン……騒がしいと思えば、また貴様等か」

 

 屋上の扉が開け放たれ、現れたのはランベルト皇子。

 その隣には、申し訳なさそうにペコペコと頭を下げる性女ソフィアの姿も。

 

「何か用です? ヨゼフィーネ様はここにいませんけど」

 

 本当は一緒に昼食を摂るつもりだったが、残念ながらヨゼフィーネ様は午前中に実家から急遽呼び出しがあったらしく、取り巻きのローザを連れて早退してしまった。

 ひょっとしたら、早速兄上が動いてくれた可能性もあるので、俺は彼女が戻ってくるのを心待ちにしている状況。

 

「あの女などどうでもいい。それより、これから俺はソフィアと昼食を共にするのだ。目障りだから失せろ」

「随分な物言いですね。学院内において、殿下にそのような権限はないはずですが」

 

 第二皇子だからといって、学院では同じ生徒なのでこんな命令を受けなければいけない(いわ)れはない。

 そもそもこの男が次期皇帝に選ばれる可能性は、ゲーム内の全ての結末を踏まえれば皆無であることは証明されている。

 

 しかもフリートラント家の次男坊である俺は、わざわざ媚び(へつら)う必要もないわけで。

 

「とにかく、俺達が邪魔だっていうなら、別の場所に行ったらどうです? いちいち相手しているほうが疲れるでしょう?」

「この……っ!」

 

 こめかみに青筋を立て、今にもキレ散らかしそうなランベルト皇子。

 そんな調子で皇位継承争い、大丈夫そ? ゲームではどのエンドでも負け確だけど。

 

「ソフィア! 行くぞ!」

「あ……っ」

 

 ソフィアの腕を強引に取り、ランベルト皇子は大股で歩いて屋上から出て行った。

 

「ランベルト殿下は、何しに来たんですかねー」

 

 二人が去った後の屋上の扉を見つめエマが(つぶや)くが、おそらくあの男は、ヨゼフィーネの関係で用があったんだろう。

 まあ、彼女が実家に帰ってしまった件について、話をしたかったってところかな。

 

 だけど俺が塩対応したから、癇癪(かんしゃく)を起こして今に至るというわけだ。

 皇帝になりたいなら、もうちょっと短気な性格を直したほうがいいと思うぞ。

 

「そんなことより、俺としてはいい加減エマの弁当をゆっくり堪能したいんだが」

「! そうですよねー! はい、あーん!」

「ちょ!?」

 

 俺がそう言うと、エマは一転してぱああ、と顔を輝かせ、から揚げを俺の口へこれでもかというほど詰め込む。

 俺の口の大きさは人並みなので、お願いだから加減してほしい。このままだと窒息死してしまう……って。

 

「あ、あの……」

 

 なんとソフィアが屋上に戻ってきて、おずおずと声をかけてきたんだけど。

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