NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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取り巻きAは性女を調子に乗らせない。

「私……実はサキュバスの血が半分流れているんです」

 

 きっとこの事実を打ち明けるのは、勇気が要っただろう。

 何せ彼女は、ロムレス正教の『聖女』なのだから。

 

「その……驚かれないんですね」

「へ? あ、ああいや、もちろん驚きましたよ。まさかそんな事情があるなんて」

 

 おっといけない。

 実は最初から知っていたなんて、口が裂けても言えないんだから、上手く(とぼ)けないと。

 

「そ、それで、サキュバスの血があることと、どのような関係が?」

「そうでしたね。なので、本来のサキュバスほどではないものの、定期的に男性のアレをいただく必要がありまして……」

 

 合わせた両手で口元を押さえ、ソフィアは恥ずかしそうに訥々(とつとつ)と話し始める。

 

 やはり本にあったとおり、彼女は最低でも三日に一回は白い液体を飲まないといけないようで、摂取方法は上の口でも下の口でも、あるいは後ろの口でも構わないらしい。そうなの?

 

 で、ロムレス正教の教会内にいた時は、神官達に気づかれないように、定期的に帝都に繰り出しては、適当に男を捕まえていたとのこと。

 何より、搾精をする時にはサキュバスの姿に変わるので、自分が聖女だとバレることもないんだと。

 

「じゃあサキュバスの尻尾とか、髪とかは……」

「変身した時にだけ現れます。もっとも、髪色に関しては一般的なピンクではなく、何故かバイオレットですけど」

 

 今の言葉で、彼女が完全にシロだということが判明した。

 やはり謎の女は、ダミアン一択ということ。

 

「つ、次にですけど、どうしてボンクラ……ゲフンゲフン。ランベルト殿下とそういう関係に……?」

「それは、ただ私の脇が甘かったということでしかないです……」

 

 どうやら彼女、ロムレス正教の行事が続いて教会を抜け出せなくなったことがあり、男の精が欠乏してしまい、我慢できずに神官の一人を誘惑してしまったらしい。

 その現場を、同じく第二皇子として行事に参加していたボンクラ皇子に、見つかってしまったということだそうで。

 

「……サキュバスの姿のままであればいくらでも言い逃れできたんですけど、最悪なことに人間の姿に戻る瞬間を見られてしまい……」

「ああー……」

 

 つまりソフィアは、そのことをボンクラ皇子に脅迫されてしまったというわけか。

 

「それからはランベルト殿下に命令されて、皇位継承争いでもロムレス正教に支持に回るよう教会内で働きかけをするようにとか、その……身体も差し出せって……」

「なんですかそれ、酷いですー!」

 

 ぎゅ、と守るように自分の身体を抱きしめるソフィアを見て、エマが憤る。

 ウーン……確かに酷い話ではあるんだけど、昨夜のことを扉越しに盗み聞きした限りでは、むしろ楽しんでいたような……。

 

「あう……サキュバスに変身してしまうと、その……理性が崩壊するというか、全力で求めてしまうというか……」

 

 なるほど。これもサキュバスの特性ってやつか。

 そう考えると、色々と厄介だなあ……。

 

「ということは、学院内ではボンクラ……いやいや。ランベルト殿下から搾精してるってことでいいんですか?」

 

 そう尋ねた瞬間、ソフィアは露骨に目を逸らした。分かりやすいな。

 

「じ、自分からならともかく、ランベルト殿下は強要するんです! しかも時々、知り合いという男性ともそういった行為をさせるんですよ!」

「知り合い? ……まさか、ダミアン……?」

「ご存知なんですか!?」

 

 はいはい、そういうことな。

 あの野郎……まさかの3Pまでしてやがったのか。だから暴君ヤンデレの開発度も、あんなに進んでいたってことか。

 

「ハア……色々と情報があり過ぎて頭が痛いですが、これで飲み込めました。ランベルト殿下の思惑も、どうしてヨゼフィーネ様の前で見せつけたりなどしたのかも」

 

 要はあのボンクラ、まだ次期皇帝の座を諦めていないらしい。

 そのためにロムレス正教とカロリング王国を味方につけ、皇位継承争いを優位に進めようと画策したんだな。

 

 ボンクラにしては考えたじゃないか……と言いたいところだが、そのやり方は到底認められないような(から)め手ばかりだし、失敗すればそれこそ破滅しか残されてないってこと、気づいていないのか?

 

 何より、ダミアンの力を借りようとしたのは悪手と言わざるを得ない。

 億に一つの可能性もないが、奇跡が起きて皇帝の座をつかんだとしても、そんな後ろ暗いネタを暴君ヤンデレに握られてしまっては、その後の外交で痛い目に遭うことは必至。

 

 ヨゼフィーネに関しても、婚約破棄に至ることが最低条件。できれば彼女の有責にしたかったというところか。

 そうすれば、むしろあのボンクラは被害者の立場を取れるし、場合によってはヨゼフィーネが公爵家を勘当され、暴君ヤンデレも彼女を(さら)いやすくなる。

 

 実際、『ルミナスの壊れた日々Ⅷ』でも、どの寝取られエンドを迎えたとしてもヨゼフィーネは実家から縁を切られているしな。

 

 

 本当に、余計な真似をしてくれる。

 

「こ、ここまでお話ししたんです。だから、できれば私としても、見返りをいただき……っ!?」

「言葉には気をつけましょうねー。……まだ死にたくなければ」

「ヒッ!?」

 

 ソフィアのエメラルドの瞳が妖しく光った瞬間、|仄暗い笑みを浮かべたエマが低い声に殺気を乗せて告げた。

 地上最強の生物に睨まれては、たとえ性女……間違えた。聖女でも、どうなるか分からない。

 

 というか。

 

(久しぶりにこんなエマを見たなー)

 

 思い返せば、生徒会室でレーアにビンタした時以来だろうか。

 それだけソフィアに怒ったということだろう。

 

「見返りに関しては、ボンクラ……もう言い直すのも面倒だ。あの男が二度と近づかないようにするということで」

「は、はいい……」

 

 すっかり腰が砕けてしまったソフィアは、地面にへたり込みながら壊れた人形のように頷く。

 よく見ると、お漏らしをしてしまっている模様。だが安心してくれ。どんな奴でもエマの殺気を受けたらこうなるから、恥じゃない。

 

「では、ありがとうございました」

 

 俺はわざとらしくも(うやうや)しく一礼し、エマと裏庭を後にした。

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