NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが 作:ぜんはいざ
「さすがにここまで話が大きくなると、俺達の手には負えないかもな」
ソフィアと別れ、俺はエマにそう話した。
もちろん関係者は全員ルミナスシリーズの登場人物だし、前世の知識チートを活かして学院の生徒としての
というかこのゲーム、何気に裏設定がハードモードなんだけど。
制作した同人サークルには、初心に戻ってエロゲ本来の趣旨を振り返ってほしい所存。
ゼロ年代に流行した泣きゲーでは、結構こういう重い設定は見受けられたけどな。
「じゃあ……」
「困った時の実家、だな」
最近何でも実家(特に兄上)に丸投げしている自覚はあるが、それもしょうがない。
それに、ボンクラ皇子の従者である兄上には、むしろつかんだ事実を報告しないわけにはいかないだろう。
「そういうことだから、その……」
「?」
言い淀む俺を見て、エマが首を傾げる。
そりゃそうだろうな。俺もなんでこんなに照れてしまうのか、自分でも分からんぞ。
とにかく。
「よ、よかったら、うちの実家に来てみないか……?」
レーアとの一件で一番お世話になったエマには、改めて家族を紹介しておきたいと、前々から思っていた。
だから、今回のことを報告するという
「行きます! ぜひご一緒させてください!」
「うおおおおっ!?」
俺の手を取り、上気させた顔を思いきり近づけるエマ。
二つ返事でOKしてくれたのは嬉しいけど、ちょっと距離感がヤバイ。
だって、俺がほんの少しでも顔を前に出したら、その……キスしてしまう距離なんだが。
「じゃ、じゃあ、明日の放課後にでも付き合ってもらおうかな」
「はい!」
藍色の瞳を輝かせ、エマは
そんな彼女に見惚れつつ、何気に彼女をお誘いすることに成功し、俺は心の中で何度もガッツポーズした。
◇◆◇◆◇
「き、きっと家族も、エマを歓迎してくれると思う」
次の日の放課後。俺はエマと一緒に馬車に乗って、帝都にある実家のタウンハウスへと向かっていた。
家族に紹介するというのはなかなか緊張するが、これはお礼を言うためだから。決して他意はない。(謎の言い訳)
ちなみに、ヨゼフィーネについては四六時中一緒にいるようにローザにお願いし、フーゴにはランベルト皇子を、ユミルにはダミアンの監視を頼んでいる。
もちろん何かあれば、すぐに実家のタウンハウスに連絡するよう伝えた上で。
「そ、そうですねー……そうだといいんですけど」
いつものエマとは違い、かなり緊張している様子。
ま、まあ、いきなり家族を紹介したいなんて言ったら、こうなるのも当然か。
そして。
「ここが、フリートラント家のタウンハウスだ」
無事到着し、俺は先に馬車を降りて右手を差し出す。
前世はともかく、俺だって腐っても侯爵子息。女子をエスコートする際のマナーは心得ているとも。
……残念なのは、その理由が全てレーアのためだったということだけど。
(ま、まあでも、結果的にこうして活かすことができたんだから、よしとしよう)
せめて寝取られる前に前世の記憶が戻っていればと思うが、今さらそれを言ったところでどうしようもない。
もう踏ん切りもついたわけだし、俺は前向きに考えるようにしていた。
それもこれも。
「ニコさん……?」
「……いや、エマのおかげだなー、と思って」
「きゅ、急にどうしたんですかー!」
「ぐはっ!?」
つい本音を漏らしてしまった俺の肩を、エマが照れ隠しに叩いた。
その威力に思わず骨が折れたかと思ったが、一応は無事のようだ。これからは気をつけよう。そうじゃないといずれ○ぬ。
「と、とりあえずこっち……」
痛みを
エマは興味津々なようで、屋敷の中を興味深そうに眺めていた。
すると。
「まあまあ! お帰りなさい!」
案内を終え応接室を出て行ったヤコブと入れ替わるように、ニコニコ笑顔の母上が勢いよく扉を開けて現れた。
この時間だといつもは夕食の時まで顔を合わせないんだが、今日はエマが来ているからだろう。わざわざ応接室まで足を運んでくれたというわけだ。
「ただいま帰りました。そ、それと……皇立学院の友達のエマです」
「は、
「あらあら……こちらこそ、
二人共笑顔であることは間違いないが、心なしか引きつっているようにも見える。
それに動きもぎこちないし、目も合わせていないような。
初対面だから、緊張してるのかな……。
「そのー……実は彼女には、レーアのことで色々と助けてもらって、なので是非ともみんなに紹介したいと思って、招待しました」
「まあまあ、そうだったの……ニコがお世話になったわね」
「あ……い、いえー……」
エマの手を取り、しみじみと告げる母上。
彼女も少しは緊張が和らいだのか、頬を緩めてようやく目を合わせ……って。
「うふふ……」
「んふふー……」
あれ? おかしいな……二人の間だけ景色というか空気が、ぐにゃあ、と歪んでいるように見えるんだけど。
それに、ちょっと悪寒がする。風邪かな?
「ところで、父上……は領地にいるとして、兄上は……」
「もうすぐ帰ってくるわ。だけど、アレクシスを気にしてるってことは、また何かあったの?」
「は、はは……」
少し呆れた表情の母上の指摘に、俺は愛想笑いを浮かべることしかできない。
俺もこんなにトラブル続きなのはどうかと思うが、それもこれも全シリーズが一堂に会したNTR系同人エロゲを作った同人サークルが悪い。
その時。
「まったく……今回も面倒事か」
ヤコブに通され、兄上がこめかみを押さえながら応接室に入ってきた。