NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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暴君ヤンデレが引き下がるはずがない。

「……本当に、何とも思ってないんですよねー……?」

「な、何度も言わせないでくださいまし!」

 

 ダミアンが国外追放になってから、今日で一週間。

 俺の席にやって来たヨゼフィーネが、仄暗(ほのぐら)い笑みを浮かべるエマに疑いの目を向けられ、恐怖に怯えながら否定していた。

 

 悪役令嬢と取り巻きAの立場が逆転しているようにも思うけど、この二人は主従というより友達の関係なので、これはこれで正解なのだろう。知らんけど。

 というか、ランベルト皇子とも婚約破棄したんだし、わざわざうちの教室に足を運ばんでもとは思う。

 

 ちなみに、そのボンクラ皇子については皇帝から謹慎を言い渡されたらしく、皇宮で大人しくしているそう。

 それも処分が下るまでの間の暫定措置に過ぎず、追って正式に皇籍を剥奪されて、臣籍降下なら御の字。最悪平民に落とされるかもとは、兄上の談だ。

 

(そうなったら、ヨゼフィーネの実家が色々とやらかすんだろうなー)

 

 言ってしまえば、帝国最大の勢力を誇るヴァイデンフェラー家の令嬢が、いくら相手が第二皇子とはいえ顔に泥を塗られたわけで。

 なら、当たり前だけど許すはずがないよな。待っているのは、悲惨な末路だろう。

 

「ぐぬぬ……やっぱり許せないでござる。どうしてニコラス殿ばかり、ハーレム主人公みたいな扱いを受けるでござるか……っ」

「あは☆ キモブタセンパイの嫉妬、ウケル☆」

 

 フーゴとユミルも、呼んでもいないのに当たり前のように(そば)にいるし。

 同性の友人枠が間男しかいないなんて、つらすぎるんだが。

 

「……ニコラス氏、大人気。でもボクとしては、フーゴ氏やユミル氏と一緒に腐海に沈んでくれると嬉しい」

「どこに需要があるんだよ!?」

 

 ローザの呟きに、俺はツッコミを入れずにはいられない。

 そもそもお腐れ様なら、普通はイケボなスパダリイケメンのBLを求めるんじゃないのか? 少なくとも俺×フーゴじゃ、真夏の夜の○夢以下だろ。

 

 などと今日もやかましく迷惑千万な友人達に囲まれて、俺は呆れて溜息を吐いていると。

 

「ヨゼフィーネ=ヴァイデンフェラーはいるか!」

 

 甲冑を身に(まと)った男が、血相を変えて教室に飛び込んでくるなり、そう叫んだ。

 帝国の紋章が入っていることから、おそらくは帝国騎士か……?

 

「わ、わたくしならここにおりますが……」

「! 今すぐ来るんだ!」

「ちょ!? な、なんですの!?」

 

 いきなりヨゼフィーネの腕をつかんだと思うと、帝国騎士は強引に引っ張って教室を出ようとする。

 

 だけど。

 

「んふ♪ 帝国の騎士だからって、そんな乱暴しちゃ駄目ですよね……?」

「ぐああああ!?」

 

 エマに思いきり腕を(ひね)られ、帝国騎士が悶絶した。

 

「ええと、何があったんです? いきなりヨゼフィーネ様にこんなことするなんて、下手をしたら極刑もの……」

「お、お前達こそ邪魔をするな! 帝国の命運がかかっているのだぞッッッ!」

「「「「「は……?」」」」」

 

 帝国騎士の放った言葉に、俺達は一斉に呆けた声を漏らした。

 え? なになに、どういうこと?

 

「オマエこそ黙ってくださいー。……それとヨゼフィーネ様に乱暴することに、なんの関係がある」

「ヒッ!?」

 

 エマの殺気にあてられ、帝国騎士が悲鳴を上げた。

 ただ、怯え方が尋常じゃない気が……。

 

「あ、気づいちゃいましたー? ……なら、言っている意味も、下手な真似をしたらどうなるかも、分かっていますよね? もちろん余計なことは言うな」

 

 帝国騎士は壊れた人形のようにかくかくと何度も頷き、大人しくなる。

 だけど、エマの言う『余計なこと』って、一体なんだろう? ……きっと気にしちゃ駄目なやつだな。気にしない気にしない。

 

「それでー、どうしてヨゼフィーネ様を連れて行こうとしたんですか?」

「そ、それは……」

「早く言え」

「はは、はい!」

 

 エマがすごんだ瞬間、帝国騎士は直立不動になってメッチャいい返事をした。

 これ、完全に調教済じゃん。

 

「カ……カロリング王国の大軍が、ルミナス帝国の領内に侵攻して……」

「「「「「っ!?」」」」」

 

 帝国騎士の言葉に、俺達は一斉に息を呑んだ。

 まさかあの暴君ヤンデレ、そこまでするのかよ。というか一介の王太子のくせに、軍まで動かせるって、カロリング王国もアイツに権限与えすぎ。

 

「でもー、それがヨゼフィーネ様に何の関係があるんです? そんなの、帝国が追い返せばいいと思いますけど」

 

 エマは不思議そうに尋ねるが、あの国が戦争を仕掛けた理由なんて一つしかない。

 ダミアンは、何としてでもヨゼフィーネを手に入れたいんだよ。

 

「……カロリング王国から、停戦条件として『ヨゼフィーネ=ヴァイデンフェラーを差し出せ』と要求がありました」

 

 ほらな?

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