ージュラの森シス湖近くー
リムルは、はみはみ、シュナ、シオン、ゴブタ、ソーカ、ハクロウ、ランガを伴って水遊びに来ていた。
シュナやシオンは典型的な水着姿だ。シュナは兎も角、シオンは身体にある2つのメロンが危険な程に飛び出している。
ソーカは背中が上から下にかけて露出している水着だ。ゴブタは海パン。リムルは全身水着、ハクロウは動きやすい装束だ。
そして、我らが、はみはみはと言うと胸とパンツが一体化した際どい衣装だった。紅魔族は一部例外を除いて女性の胸は大きい傾向がある。はみはみも例に漏れず、紅魔族随一の発育のあの娘には負けるが、ご立派な物を持っていた。
この水着は全て、ドワーフ三兄弟の内の上二人の力作だ。シュナとシオン、はみはみに熱心に水着の良い点をプレゼンし、無事に来てくれた。
その代わり、シュナとシオンはリムルの際どい水着を頼んだ。2人は了承し、元男のリムルとしてはNGな水着を着せられる所だったのだが…リムルは自前のスキルを駆使して水着擬きを着ていた。その光景に、2人はがっかりしていた。
◆
一連のやり取りを異界から見ている者たちがいた。イフリートとヴェルドラだ。
ヴェルドラが生中継の様子を見ているとイフリートが言う。
「あの…王手です」
「え?」
そう言われ、見てみると将棋盤ではヴェルドラの王が王手に陥っていた。それを見てヴェルドラは話を逸らすことを考えた。
ヴェルドラはシュナやシオンの服装を咎める。
「何だあの服装は?丸出しではないか?」
「あれは水着と言うそうです。水中を泳ぐのに適した服装らしいです」
「にしても、防御力を考えておらぬな。しかし、その点ではリムルはしっかりガードしている」
ヴェルドラの言葉にイフリートは頷いて言う。
「そうですね。知性が無い魔物は露出が多く、知性がある魔物は露出をさける傾向にあります。ですが、知性があり過ぎると一周回って露出が多くなる傾向がありますね。まあ、あくまで個人的な意見ですが」
そして、イフリートは続けた。
「しかし、はみはみ殿は人間ですが薄着ですね。恐らく、聖人なので並大抵の攻撃は効かないからあの服装なのでしょう」
その言葉にヴェルドラは納得する。
そして気づく、イフリートは上半身裸だが下半身は着ている。それに対してヴェルドラは竜形態なので実質裸である。
ヴェルドラは封印から抜け出したら服を着ようと決意するのだった。
◆
リムルとゴブタ、はみはみは準備体操をしていた。それに対して異議を唱える者がいた。
「リムル様!何でコレとか」
「コレを…」
「「着てくれないんですか?」」
そう言うシオンとシュナが手に持つ水着は布面積が極端に少ない所謂ビキニであった。
「なんで俺の水着が、お前らよりヒラヒラしてたり、スケスケなんだよ」
「みんなの水着はガルム氏とドルム氏の特注ですよ!」
シオン曰く、ねちっこく説明したらしい。リムルと、はみはみは下心丸出しのオッサン2人にため息をついた。
「お前らも…それで良く着る決心がついたな」
「では、シオンさんか、はみはみさんに着てもらいましょう!その方が2人も浮かばれるッスよ!」
「さぁ!さぁ!さぁ!」
水着をもって2人に近づく。
リムルは冷静に言う。
「いや、はみはみ、はまだしもシオンは色々とはみ出しそうでヤバい」
「おっぱいのない人は黙っててくださいッス!」
その刹那、リムルとシオンとはみはみのキックやブローを受けて、ゴブタは海に投げ出された。
◆
「ソーカさん、どうしたのですか?」
「いえ、私は護衛として付いてきたのでこの様な格好は恥ずかしく…」
ソーカは広げた羽根を収納する。その様子を見てシュナは面白い物を見たような目をする。
「まあまあまあ、初々しい!恥ずかしがることはありませんよ!とても良くお似合いです!今日は遊びに来たのですから、気にせず楽しむべきです」
シュナの説得に、海に投げ出されたゴブタが戻ってきて同調する。コイツ…無敵か?!
「そうっすよ!お尻とかすっごく綺麗じゃないすか!尻尾とかどうしたんすか?」
堂々とセクハラをするゴブタに、ソーカは気弾を放ってゴブタを海にもう一度投げ飛ばした。
◆
ゴブタは驚異の生命力で海からすぐ戻ると、はみはみの元に来ていた。
「はみはみさんも凄いっすね!」
「ふふん!そうだろう?なんたって私は紅魔族随一の発育の娘に迫る勢いだったからね」
「うっひょ〜!はみはみさんより大っきい人がいたんすか?」
「そうだよ。それはもう見張るレベルだったよ」
「すげぇっす!その大きさを拝見…」
そう言ってゴブタは思いっきり、はみはみの胸をもんだ。その瞬間、はみはみは思いっきり海に投げ飛ばした。今度は尋常じゃない距離だ。まあ、リムルは魔王種かつ手加減している。それに対して、はみはみは聖人だ。手加減しているとは言え飛距離が伸びるのは当然だろう。
ゴブタはセクハラをするのは辞めようね。
◆
ゴブタとリムルは一緒に準備運動をしていた。リムルはゴブタのタフさに苦笑いしていた。上位魔人3人に加えて、聖人の投げ飛ばしを食らったのに無事なのだ。驚くのも当然だろう。
「ふっ。タフじゃなきゃ女の子とは遊べないっす」
そう言ってゴブタはドヤって視線を変える。そこには水を掛けて楽しむシュナ、シオン、ソーカ、はみはみの姿があった。
ゴブタは4人のもとに向かうが、シオンの立てた浪に流され、ソーカの立てた浪にも流され、はみはみは『セイクリッド・クリエイトウォーター』を、シュナも魔法で空高く打ち上げられた。
ゴブタは数十メートルの高さから体を仰向けにして水中に落下した。コンクリート並みに硬くなるはずの水面に叩きつけられた。
ゴブタは楽しそうに水をちょっとした高波になるレベルの波を立てて遊ぶ4人を見て、リムルの肩を借りながら、言った。
「これが上位ランクの世界…」
「よせ、お前はよくやったよ」
リムルに慰められるゴブタであった。
◆
ゴブタは口から水を出していた。そんな様子を見て呆れたリムルは近くにいたハクロウに聞く。
「ハクロウは泳がないのか?」
「ホッホッホッ。老いぼれには冷や水はちと酷でしてな。若い者の様にはしゃげません。今日は釣り糸を垂らしてのんびり海を眺めようと思います。謂わば、命の洗濯ですな」
「な〜に、天下の剣豪様が年寄り臭い事を!」
ザッパァーン!
海で大きな水音がする。リムルや、はみはみ達が音のする方向を見ると、途轍もない大きな魚がいた。
「たまには年甲斐もなく、はしゃぐのもアリですかな…夕食をお楽しみに」
「アレ食えるのか?」
元日本人の感性でも食べられるか疑問の尽きないリムルであった。
◆
「うぉっ!ちべてぇ!リムル様!スイカ割りしましょうよ!」
ランガが日陰で涼んでいる中、ゴブタが顔に冷たいスイカを当てて言う。
「いいねぇ!お前ら!戻ってこいよ!」
「「「「はーい」」」」
こうして、ハクロウとランガを除いた皆でスイカ割りをする事になった。
初陣を飾るのはシオンだ。シオンは目隠しをして棒を持ち、皆の掛け声に合わせて10回転する。
スイカを探すシオンだが、難航している。外野が茶化す中、シオンは思案する。
(スイカ…スイカは丸い…丸いは…リムル様…スイカではなく私の愛するリムル様のつもりで…精神を研ぎ澄まし…)
一気に振り被った!しかし、不可解な点が2点ある。1つはスイカを割ったにしては轟音が響いた事、いつの間にか棒ではなく剛力丸を振りかざしている事だった。
シオンは、その様子を見て「外してしまいました)と言うが、実は…
「スイカは爆発四散しましたよ」
「お前…俺のつもりでとか言ってたよな」
「そもそもいつの間に剛力丸に持ち替えたんですか?」
シオンの行動に引くリムル達であった。
◆
ハクロウは一人、崖の上で釣糸を垂らしていた。一方、砂浜ではソーカが恋愛傘でソーカとソウエイの名前を書いて、慌てて消したり、ゴブタとランガがスイカ片手に砂浜を駆け回っている。(何か砂浜とは思えぬ轟音が響いたが気の所為だろう)
はみはみは、1人海を見ながら名乗りを挙げている。そんな中シュナとリムルはパラソルの下にいた。リムルはスイカを食べながら言う。
「にしてもおっきいな。まるで海みたいだ」
「私海って見たことないんですよね。塩辛いって本当ですか?」
「塩辛いぞ。そしてデカい。多分、ジュラの森よりデカいだろうな」
「リムル様、溶けちゃいますね」
「機会があったら皆で行きたいな」
「楽しいでしょうね…」
(そう、世界は広くきっと楽しい…)
そう思うリムルだが、ふと気づいた。
「え?何?スライムって塩駄目なの?」
「はい。スイカにはお塩ですよね。でもお気をつけ下さいね」
「何が?!」
因みに、スライムに塩をかけると水分が外に放出されて
ドロドロに溶けるか硬くなってしまう。まあ、リムルには自然影響耐性があるので多少は耐えれるだろう。
◆
ージュラの大森林、
美しい花々と水がある自然の楽園で、3体の
「そんなに慌ててどこへ行くのですか!お姉さま!」
「Aランク超えの強力な魔物の集団が不穏な動きを見せています。これは他の魔物たちにとって大変な脅威…私が直接出向いてその者達と交渉して参りましょう」
「それなら、私たちも…」
そう言う
「あなた達までここを離れては誰が森を管理するのですか?。万が一、私が戻れなかったら、ヴェルドラ様の命を守り森を管理するのですよ。森の治安を乱す者はこの私が許しませんわ!」
そう言って、トレイニーは魔物の集団に向けて
◆
ソーカとリムルは砂浜で立派な日本風のお城を作っている時だった。突如として、お城にハイビスカスの花が置かれた。次の瞬間、険しい顔をしたトレイニーが現れていた。
「トレイニーさん?」
「リムル様、勝手な行動は困りますね」
「勝手な行動?」
「あなた方が如何に友好的とは言え、Aランク超えの強大な魔物、それが集団で行動するなど森の管理者として容認できません」
事実、シュナ、シオン、ソーカはAランクを下回っているゴブタを圧倒している。ソーカはリムルを護衛するべく動くが、リムルはそれを抑えた。
「それで…本音は?」
「また私だけを除け者にしようとしてもそうはいきませんよ!」
トレイニーは立派なオーソドックスな水着を着用していた。リムルは一言…
「似合ってますね」
「さっき『うわっ』て言いましたよね」
お見通しのトレイニーさんであった。
◆
ハクロウは1人、釣糸を垂らしていた。そこに、ゴブタが現れた。
「師匠!みんなあっちで楽しくやってるっす。こんな所で釣り糸垂らしていた待ちぼうけなんて勿体ないっすよ」
「何、眺めて待つのも一興よ」
ゴブタがハクロウの視線の先をみていると、そこにはシュナやシオン、はみはみやソーカ、トレイニーの水着姿があった。
「ほほぅ…師匠実はムッツリだったんすね。如何にも目がスケベだし」
ハクロウは鬼の形相(実際に鬼だが)でゴブタをみるが、その時にはゴブタは既に逃走していた。
そして、釣りを続けてハクロウは見事大物を釣り上げたのだった。
◆
ハクロウは釣り上げた大物を皆に見せていた。リムルがどう調理するか悩んでいると、シオンが挙手をして言った。
「はい。私も料理お手伝いしますよ。せっかくの綺麗な景色を見ながらのお食事ですもの。腕が鳴ります」
これを聞いた皆の心は一つになった。
「シオンさん!綺麗な貝殻っすよ!」
「シオンさん!えっと、戦いの話教えて下さい!」
「シオンよ!今こそタッグ技を編み出そうではないか!」
「一緒に揚げ芋食べません?」
「魔法談義しませんか!?」
ゴブタ、ソーカ、ランガ、トレイニー、はみはみが言う。それに続いてリムルが上目遣いで言う。
「俺…お前と湖畔を少しお散歩したいかな…」
「やだ…私…大人気?」
数十分後…
とても美味しい食事が生まれていた。シオンは、「私…何もしていませんが…」と言うが、皆口裏を合わせたかのように「いやいやいやいや、はっはっはっ!」と笑うのだった。
◆
ソーカ、シュナ、シオン、はみはみが酒を飲みながら恋バナに花を咲かせていた。
ソーカがソウエイに恋心を抱いていることを話すと、シオンが「やめたほうが良い」が言うが、シュナはフォローする。まあ、その後に「気の所為だった」と言うシュナの言葉にソーカは涙した。
そんな話を聞いて、はみはみは思う。自分にはそんな恋心を抱く相手もおらず、無縁の生活をしていた。しかし、はみはみは、300年近く生きている。恋心抱く相手を作っても良いのではないかなと思っていた。
まあ、同じ紅魔族はダメ男ばかりなのでそれだけは断固拒否する所存である。
◆
はみはみは、酒盛りをした後、夜明け前に起きて皆で海に見える夜明けを見ていた。
はみはみは、この光景を見て皆と過ごす日々を嬉しく思うのだった。
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