インターホンを鳴らす
「こんにちはー!私は小野 紬さんの元担任である伊藤 花紗音という者です。本日は今後の進路相談などを兼ねて紬さんに面会したいのですが」
「・・・ちょっと待っててください」
男の声がインターホン越しにきこえた。
花紗音はびしっと身だしなみをチェックする。
玄関から出てきたのは綾乃のお父さん、光瑠をフラッシュバックさせられるほど似ているその顔
「あ、こんにちはー!すみません、お時間いただいちゃって」
「いえいえ、これから撮影もありますので二時間だけ」
そうして案内されたのは狭い部屋。
ドアを開けるとなにやら英語で書かれた辞書を読んでいる紬がいた。
「こんにちは紬さん」
先生と生徒の関係で会話しろとジェスチャーを取る花紗音。
しっかりとその意味を読み取った紬も表情を変えて返事をする
「花紗音先生!?お久しぶりですね、まさか会えないかと思ってしまいましたよ」
綾乃のお父さんが部屋を出ていくとすぐさま紬は防音シートをスーツケースから取り出し壁に貼り付ける
「花紗音姉さん!助けに来てくれたん?」
「それがねぇ、今は助けられないんだよ」
「どういうこと?」
話を聞くと弁護士さんとの話し合いにて現在また挑んだとしても負けてしまうということ。
ならば光瑠の殺人事件はどうなったかという話では
「資料ではゲーム内での死亡事故だと」
「なんだってぇ!?」
手がかりもなし現在はSAOサバイバーたちの支援のためいろいろ大忙しで追いついていないということ。
「情報不足が第一、第二にそういった対応をしてくれる人たちが大忙しだということだね」
「こりゃどーしよーねぇ」
「・・・そうだこれプレゼント、アミュスフィア」
「あみゅすふぃあ...あぁ!第二のフルダイブのやつね、けど僕もう燃え尽きているっていうか...」
「じゃぁその気になったらやりなよ」
アミュスフィアを金庫といっても過言ではないスーツケースに大事にしまう。
そして紬は何かを思い出したかのようにメモを取り出しそこに中学校名を書き出す。
「この中学校に行ってみて、運が良ければトラルとライアに会えるかも」
「あのカップルか、了解」
その時、足音が聞こえたので速攻で防音シートを片付け話題を進路相談に戻す。
「やっぱりIT系のスキルを高めてSAO事件について詳しく調べたいんですよね」
「なんと!それは私も協力しなくちゃだめだね」
ドアが開き、桜が声をかける
「ツムー、撮影の時間だよー。」
「それじゃぁ私はこれにて」
「いや待ってそこの先生、あなたも素材になりそうだから今回の撮影手伝って」
「は?」
花紗音は紬とほぼ同じリアクションをした。
◇◇◇
撮影終了後、やっぱりこの家庭は狂っているなと思った花紗音。
家全体が撮影する場所、両親もにっこにこで彼女を手伝っている。
「そうだ、紬さんの進路について親御さんとも相談を」
「何ってるの?ツムはもう私の彼氏よ?だから進路は私の撮影のための素材」
「なるほどー」
そして花紗音は逃げるように去った。
その後桜は紬へと視線を戻す。
「もしかしてツムちゃん、個性豊かなお友達ほかにもいるの?」
「いるわけないよ...二年間もSAOに閉じ込められていたのだから。」
「ライアーだね」
「そういうならダウトだよ…」
「なにそれ古…」
紬は部屋に戻りアミュスフィアを取り出す。
そして装置をセットしてはパソコンでデータの設定を行う。
セットが完了したら渡されていたALOのソフトを導入し、オリジナルの南京錠で部屋のカギを閉める。
そしてアミュスフィアを装着し大きく深呼吸をする。
「二年ぶりだな…こういうのは」
SAO内の楽しい思い出がよみがえってくる。
「リンクスタート!」
そう言い紬はALOへとダイブした
◇◇◇
ALOの初期設定画面、種族とかいろいろ決める場所。
「種族はー、ケットシーがいいな近接戦闘に特化してそうだし」
名はもちろんリリル。
「旧データの引継ぎ…?SAOのやつか…」
リアルバレは防ぎたい、それならステータスだけ引き継げばいい…
しかしアバターを作るのは苦手だ。
「あぁコンバートしとくか…アルゴ姉さんがALO始めたときに分かりやすいように…多分燃え尽きてやってないだろうけどね」
がっかりしながらケットシーを選択、データを引継ぎケットシー領の首都フリーリアへとやってきた。
しかしこの瞬間一つ思い出したのである。
「あ、僕の顔桜のせいでネットで広まってるんだった」
そのことを忘れていた、素早く店と店の間に隠れては現在のお金を確認する。
素顔を隠せるお面を買える店がないか
「あぁお面ほしぃ」
「あげますよ、」
「あぁありがとう……って誰!?」
後ろを振り向くとこれはまたイケメンプレイヤーが一人
するとそのプレイヤーはリリルの耳元で囁く
「紬さん、ですよね。結です。看護師の。ここではリサンというプレイヤーネームです」
「リサン!?なにこの確率…ってかお面ありがとう」
そのお面は簡易的な作りのものだったが十分に顔を隠せる。
早速装備し自分の容姿を確認する。
可愛らしい黄金色の尻尾が見える、触ると一応感覚があり変な気分になったので即効触るのをやめた。
「珍しいですね、リサンさんVRゲームやるイメージありませんでしたよ」
「実はRPG好きでしてね…」
「なるほど、じゃぁチュートリアルお願いしますね」
「了解です」
アルゴさんって確かMMOトゥデイでしたっけ?を書いているって話は聞いたことがあります