ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)   作:蜜柑ブタ

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 初っ端から原作クラッシュです。
 ネルフと初号機の扱いが悪いです。シンジが可哀想。
 使徒も酷い目にあいます。

 ゴジラ無双と、オリキャラとオリジナルメカゴジラ無双です。


序章

序章  ゴジラ復活、第三新東京の危機!

 

 

 

 

 

 

 

 

 1900年代中頃。最強の怪獣王、または水爆大怪獣と呼ばれることとなる怪獣ゴジラと人類の戦いが始まった時代である。

 相次ぐ水爆実験の影響でジュラ紀の恐竜の一種であるゴジラザウルスは、放射能をエネルギーとして操る怪獣となり東京を一夜にして廃墟にしてしまった。

 ゴジラに続けといわんばかりに、世界各地で様々な怪獣達も復活、あるいは生まれてきてゴジラほどではないが暴れ回った。

 この問題に、人類は紛争も戦争も止め、手と手を取り合い地球防衛軍を誕生させた。

 ゴジラは、ひとりの科学者が作ったオキシジェンデストロイヤーという物質によって海で分解され死亡したが、新たに出現した同種の怪獣が現れた。

 オキシジェンデストロイヤーを開発した科学者は、オキシジェンデストロイヤーの製法をすべて破棄し、ゴジラを殺せる分だけのオキシジェンデストロイヤーを使用した後自殺したためオキシジェンデストロイヤーは二度と手に入らなくなった。

 これにより二代目に代替わりしたゴジラと人類の長い戦いの始まりとなった。

 他の怪獣とゴジラとの戦いもありながら、ゴジラは、人類の犯した恐ろしい罪(=核実験)を断罪するかのように破壊を続け、様々な兵器や策を巡らせ戦いを挑んでくる地球防衛軍と戦いを繰り広げた。

 そして約35年前、南極でのゴジラとの戦いが人類側にとって歴的勝利といえる結果を残した。

 南極でたまたま起こった地震により地割れに落ちたゴジラを、初代・万能戦艦・轟天号が氷山をミサイルで爆撃し雪と氷でゴジラを生き埋めにして封印したのである。

 ゴジラが封印された南極の地域をエリアGと定め、そこにゴジラを監視するための施設を建設し、そして約20年間もの間、地球防衛軍はゴジラを封印し続けた。

 その間にもゴジラ以外の怪獣は暴れるので地球防衛軍が怪獣と戦いを繰り広げた。

 そしてゴジラが封印されてから約20年の月日が経ったとき、地球全土を滅亡の危機に瀕するほどの大きな大災害が発生した。

 セカンドインパクトと呼ばれるその災害は、南極を消滅させ、海を赤く染め上げた。

 封印されていたゴジラもゴジラを監視していた地球防衛軍の施設との往信が途絶えたことでゴジラの生死は完全に分からなくなった。

 南極が消滅し、洪水、津波、海水面上昇、噴火、地殻変動、地軸の変動などの災害、約20億人の人類が死滅し、日本などは四季がなくなって年中夏の季節になった。

 この大災害のせいか怪獣達も姿を消し、一番の問題であったゴジラも南極消滅時に死亡したと多くの者達が結論付け始めたため、対怪獣組織が大半を占めていた地球防衛軍はその存在意義を失い、解散されることとなった。

 それが今から約15年前の出来事である。

 セカンドインパクトの余波による影響か、常人を越える身体能力と特殊能力を持つミュータントが世界各地で確認されるようなり、ミュータントの社会的地位を保証しその力を社会に活かすため、通称M機関と呼ばれる組織が発足された。

 M機関のミュータント達は、セカンドインパクトで壊滅した地域の復興に大きく貢献しミュータントへの偏見や差別がなくなるのにそれほど時間はかからなかった。

 セカンドインパクトという大災害を乗り越え、人類は変り果てた世界に適応していった。

 

 それは束の間の平和であった。

 

 

 第三新東京に近い海を見渡せる高台で、金と赤が入り混じった髪を持つ若い男が海の向こうを眺めていた。

 まるで何かがこちらに向かって来るのが見えているかのように。

 

「そうか、やっぱり許せないよな…。分かるよ。」

 

 男は、そう誰かに向って言うように呟くと高台から飛び降りた。

 普通の人間なら怪我してもおかしくない高さであったが、金と赤の髪のその男は、怪我することなく平気であった。

 何事もなく高台から飛び降りてまた海の方を見た。

 その時。

「ツムグ! ここにいたの? 探したわよ。」

「音無博士。いよいよですか?」

「笑い事じゃないわよ。今どういう状況なのか、あなたが一番よく分かってるはずよ、ふざけないで!」

 悪戯っぽくニヤニヤ笑うツムグと呼ばれた赤と金の髪の毛の男を、音無と呼ばれたモデルと見紛うほど若くて美しい女性が叱った。

 ツムグは、笑みを消し、再び海の方を見た。そしてスウッと目を細め、不快そうに表情を少し歪めた。

「はい…、あなたの言う通りですよ。何せ俺は…、G細胞完全適応者だから。」

「例の兵器の準備は整っているわ。あとは、あなたの準備よ。来なさい。35年前の戦いの続きが始まるわ。」

 音無がそう言うと、ツムグは、音無を見て、口の端を釣り上げて笑い、彼女に連れられてどこかへ行った。

 遥か先の海で、海面を盛り上げながら黒い皮膚と青白い光を発する巨大生物の背びれがちらりと見えた。

 

 

 

 

 

 一方そのころ。

「35年ぶりか…。短い平穏だったなぁ。」

「バカ言うな。セカンドインパクトがあったんだぜ? 怪獣の方がよっぽどマシだった!」

「ああ、悪かった。さっきのは訂正するぜ。」

「まあ、おまえの言い分は分かるぞ、熊坂。俺らは、最前線で怪獣と戦ってきた同志だからな。」

「何をやってる! ゴジラがすでに東京湾に侵入したんた! ミュータント部隊の配置を急がせろ、熊坂!」

 高い階級であることを示すバッチを付けた軍人が熊坂ともう一人の軍人に怒鳴った。

 

 軍用トラックの中では。

「いよいよ怪獣王とご対面か…。怖いか? 尾崎?」

「…正直、怖いよ。でも戦わなければ沢山の犠牲が出てしまうんだ。逃げるわけにはいかない。」

 尾崎と言われた青年は俯いてはいるが、その目には強い意志を宿していた。

「おまえらしいな…。」

「風間、ムチャだけはするな。嫌な予感がするんだ。」

 風間と呼ばれた青年は、尾崎の様子に呆れていたが、尾崎は顔を上げて風間に向ってそう言った。

「そんなの関係ない。戦うだけだ。」

「風間!」

「尾崎…、“カイザー”だからっていい気になるなよ。」

「二人とも落ち着いてください!」

 同じトラックに搭乗している仲間が二人を止めに入った。

『総員に次ぐ! Gが東京湾に侵入! 熊坂の指示に従い、戦闘配置に付け!』

『ミュータント部隊出撃せよ!』

 M機関は、この日をもってミュータント達が社会奉仕する組織という皮を脱ぎ去った。

 

 

 

 

 第三新東京近くの国連の兵器格納庫では。

『椎堂ツムグ、機龍フィアに搭乗しました。』

『DNAコンピュータに異常なし! 椎堂ツムグとの遺伝子共鳴により機龍フィアの全システムが想定範囲内以上の出力を出しています!』

『暴走の兆しはなし。全システムが、椎堂ツムグの精神状態でシンクロは非常に安定しています。凄い…、3式とは比べ物にならない安定感です!』

 

『報告! 第三新東京に、使徒と呼ばれる未知の生体が接近!』

 

「使徒…、N2地雷をもってしても外表に多少のダメージしか与えられなかったらしいな?」

「怪獣でしょうか?」

「いや、そのような報告は受けていない。何の前触れもなく現れたとか。戦自によると、ネルフは、エヴァンゲリオンという人型兵器でしか使徒は倒せぬと言っているらしい。エヴァンゲリオンについてはネルフが極秘事項として一切開示を許さない構えのようだ。」

「何が極秘だ! この非常時に隠し事など! だいたいなぜエヴァンゲリオンとかいう兵器でなければ倒せないという結論が出るのだ!?」

「ネルフについては、各国も手を焼いているそうだ。なにせやることなすこと秘密、秘密、秘密、しかもネルフは独自の権限であらゆる無理を押し通してきたのだ。だが、それも今日で終わりであろうな。」

「さよう。あの怪獣王が復活したとあっては、あの忌々しい老人達も我々に口出しはできんであろうな。」

「そうですな、彼らもゴジラと人類の戦いを知る数少ない先人の一部なのなのですから。」

「実に不愉快ですがね…。地球防衛軍解散後にあの老人達にはどれだけ好き勝手され、どれだけ尻ぬぐいをさせられたことか…。」

「これを機に彼らには、今までの清算をしてもらいましょう。」

「なんならいっそのこと完全に無視して、こっちがあっちを切り捨てたことにしましょうか?」

 ハイテク技術を結集したと思われる指令室にて50代以上の司令官達がそんなことを話し合っていた。

『報告! 新生・機龍コードフィア型、出撃準備完了しました!』

「しらさぎで第三新東京へ輸送しろ。ゴジラに第三新東京を廃墟にさせるな!」

『了解!』

 

 

 第三新東京に向って来る使徒を迎撃しようとエヴァンゲリオン初号機の出撃準備を整えている間に、彼らの知らぬところですでに歴史から姿を消していた組織が動いていた。

 そして海から陸地へ上陸した100メートルは軽くある黒い巨体の生物が、凄まじい雄叫びをあげ、脇目も振らず第三新東京へ進撃した。

 

 使徒サキエルと初号機に乗った一人の少年の初陣のその日が、35年前の悪夢、最強の怪獣王ゴジラの完全復活の日となった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 初号機の中にいるシンジは、目の前にいる使徒サキエルを前にしてコントロールレバーを握る手が震えていた。

 幼いとき母を失い、父に捨てられ、14歳になって突然『来い』という手紙とも呼べない手紙を送られて第三新東京に来た。

 そして葛城ミサトの迎えでネルフにつくなり、久しぶりに会った父ゲンドウからエヴァンゲリオンに乗るよう命令された。

 何の説明もなく親子の情などなく、ただ命令され受け入れられるわけがない。当然拒絶したシンジだったが、するとゲンドウは、予備が使えなくなったと言い、重傷の綾波レイを運び込んできて、彼女に初号機に乗るよう命令した。

 痛々しいその姿と父に捨てられ人との繋がりに飢えていたシンジは、逃げちゃだめだと自己暗示をかけ、初号機に乗ることを承諾した。

 そして血の味するLCLという液体に苦闘しながら初号機の発信準備を整え、凄まじいG(ジー)がかかる射出装置で地上に出された。

 そんなに距離が開いてない場所に不気味に佇み、顔が二つ(N2地雷で顔がもう一個できた)、二本足であるが体の形は人間とはかけ離れた異形。

 ネルフに行く途中で車越しに見たが、軍の攻撃でもまるでびくともせず、地形が一瞬で変わるほどの爆弾でもびくともしなかった怪物と戦う羽目になるなんて微塵も考えてなどいなかった。

 逃げちゃだめだと自己暗示をかけ初号機に乗って出撃したものの、ただの14歳の少年でしかないシンジは、今激しく後悔していた。

 恐怖と不安で心がいっぱいになってしまっているシンジは、初号機と使徒周りに黒いつなぎのジャンプスーツを身にまとい、常人では持ち運びさえできないような兵器を担いで走る人影があったのだが、ネルフのカメラにも映らぬよう動いているためネルフ側も彼らの存在に気付くことができなかった。

『エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!』

 指令室にいるミサトがそう指示を出し、オペレーターが射出機から初号機の拘束を外そうとした。

 

 その時だった。

 

 35年前。それ以前に生まれて物心つくぐらいの年代なら一度は聞いたであろう、そしてもっとも恐ろしい恐怖そのものの存在を強制的に認識させられる、あの雄叫びが第三新東京に響き渡った。

 その雄叫びにビクッと体を大きく跳ねさせたサキエルが雄叫びがした方に振り返り。

 シンジも雄叫びの正体が何なのか知ろうと周りを見回す。この雄叫びは聞き覚えがあった。確か学校の授業で見た映像で…。

 ネルフ司令部では、35歳以下の者達は雄叫びに驚き、48歳のゲンドウは聞き覚えがある雄叫びにその正体がなんであったか思い出そうとしたり、60歳の冬月に至っては現実を理解できず震えあがり顔面蒼白して腰を抜かしかけていた。

「どうしたのだ?」

 色々あって幼少期の記憶があまりないゲンドウは、冬月の様子を訝しんで尋ねた。

「い…、碇……。そんな…、馬鹿な……、あれは……、あれは35年前に南極で封印されて、セカンドインパクトで死んだはずでは…!」

 冬月は、現実を理解したくないといわんばかりに首を振り、震えていた。

「あれとはなんだ?」

「そうか、おまえは当時13歳だったな…。しかしそれぐらいの年代なら覚えているはず…、いやそんなことは今はどうでもいい! それよりもっ」

『報告! 巨大な生命反応あり! 高濃度の放射線量を測定! 測定値計測不能!』

 冬月が何か最後に言い終わる前に緊急の報告が総司令室に響いた。

「モニターに映せ。」

「よせ、碇!」

 淡々と指示を出したゲンドウに、冬月が思わずまったをかけた。

 そしてモニターに映ったのは…。

 100メートルをはあろうかというほど巨大な黒い怪獣が、第三新東京の周りを囲う山を乗り越え、武装ビルをなぎ倒しながら使徒と初号機に接近していく光景だった。

「ああ…、あああ……、ご…ゴジラ…!! ゴジラだ!!」

 冬月は、ついに床にへたり込んでしまった。

 ゲンドウは、最初モニターに映った怪獣の姿に目を見開いて驚いていたが、怪獣が再び雄叫びをあげたのを聞いて、ついに幼い頃の記憶が戻り、一気に顔色が悪くなり、硬直して大量の汗をかきはじめた。

 一方、ゴジラの恐怖を知らない若年層が占める指令室では。

「なんなのよ、あれ! 新手の使徒!?」

「いいえ、違うわ。使徒じゃない。まさか、セカンドインパクト以来、姿を消した怪獣? でも、なぜ今ここに…。」

「巨大生物が使徒に接近!」

「これって…、使徒が…怯えてる?」

 オペレーターのマヤがサキエルの様子を見てそう呟いた。

 モニターに映っているゴジラが接近してきたことに、サキエルがオロオロと手を彷徨わせて後退していっているのだ。

 しかし大きさが20メートルも違うため、歩幅が違う、しかもゴジラは、かなりの重量級のであるため歩くたびに道路が陥没し、小さいクレーターができ、離れた場所にある武装ビルがドミノ倒しのごとく倒れ、歩いた後にはゴジラの足跡が深く残る。

 あっという間に距離を詰められたサキエルは、体をガクガクと震わせゴジラを見上げている。

 サキエルを見おろすゴジラが雄叫びをあげた瞬間、その片手が凄まじい速度で振り下ろされ、サキエルの右肩が腕ごと粉々になった。

 ちなみにATフィールドはちゃんと張られていた。しかしゴジラの手が接触した瞬間ATフィールドは、紙を破いたように簡単に裂けてしまい、威力を殺すことすらできずゴジラの一撃がサキエルに直撃することとなった。

 右側の肩と腕を失い、ゴジラの腕力でそのまま地面に顔面から叩きつけられたサキエル。

 よろよろと顔をあげ、残った左腕と両足の膝でゴジラから逃げようとする様は人外とはいえ可哀想に見えるほど弱々しいものだった。

 怒りと破壊の権化であるゴジラが戦意を失った相手を見逃す慈悲などない。

 ゴジラの背びれが青白く輝き、ゴジラの口が大きく開いた。

 そしてゴジラの破壊活動を見たことがある者には最悪の光景でしかない、ゴジラの主力攻撃である放射熱線がサキエルを跡形もなく焼き付くし、第三新東京に大穴をあけた。ギリギリで貫通はしなかったがかなりの範囲が消し飛んだ。

 サキエルを殺し終えたゴジラは、口を閉じ、今度はまだリフトオフされていない状態の初号機を睨んだ。

「ヒィッ!」

 ゴジラがこっちを見たことにシンジは、悲鳴を上げた。

 サキエルがゴジラにあっという間に殺されたのを口を開けた状態で放心して見ていることしかできなかったが、ゴジラの凄まじい殺意が込められた目が自分の方に向けられて正気に戻ったシンジは、本能で今度はこちらが殺される番だというのを理解してしまった。

 夜の闇の中でも燃え上がる怒りの炎で光らせる鋭いゴジラの目を、シンジは見てしまった。世界を焼き滅ぼそうとするほどの怒りと凄まじい殺意に満ちた恐ろしいその目を。

「あ…、う…、う、うわあああああああ! 助けて、助けてぇ! 誰か、誰かぁぁぁ!」

 恐怖のあまりエントリープラグの天井を叩き、エントリープラグの中で喚くシンジ。

 そんなことなどお構いなしでゴジラがゆっくりと初号機に接近していく。

「不味い、あの怪物、初号機まで! リツコ、どうしよう!」

「射出機を下ろして!」

「ダメです! 怪物の重量で起こる地響きと、先ほどの熱線の衝撃で射出機と射出口が変形して動きません!」

「なんですって! シンジ君、逃げて!」

 ミサトが咄嗟に叫ぶが射出機に拘束された状態の初号機は動こうにも動けないのだ。そのことが完全に頭から抜けていた。

 ゴジラが低く唸り声をあげなら、両手で初号機を掴もうと両腕を伸ばした。

 その時、初号機の後ろの上空から複数の熱線が飛んできて、ゴジラの顔面と肩に直撃した。

 ゴジラは、鳴き声を上げ、後退り、初号機から離れた。

 初号機から離れた直後、初号機とゴジラの間にゴジラと同じぐらいの巨大な鉄の塊が降ってきた。

 ゴジラは、慌てて後退すると、ゴジラがいた場所すれすれの位置にゴジラとよく似た形をした銀色と赤のカラーのロボットが着地した。

『着地成功。今からゴジラさんと交戦する。さっさと後ろの粗悪なオモチャと乗ってる子供を保護しろってんだ。』

 ゴジラと似た形をした機械。新生・機龍コードフィア。以下、機龍フィアのパイロット椎堂ツムグが通信機に向ってそう言った。

 機龍フィアの出現で驚いていたゴジラだったが、すぐ敵と認識し、雄叫びをあげながら機龍フィアに掴みかかった。

『3式と一緒にするなよ。ゴジラさん!』

 掴みかかってきたゴジラの腕を逆に掴み、機龍フィアは、ゴジラの超重量の巨体を放り投げた。

 第三新東京の外付近まで投げられたゴジラは、すぐさま起き上がり、熱線を吐いた。

 機龍フィアは、初号機を庇うように前に立ち、熱線をもろに受け止めた。

 しかし熱線が機龍フィアに当たると熱線が細かく飛散し、機龍フィアにほとんど痛手になってない。

『おーい。なんでオモチャと子供を回収しないんだよ? なんかあったの?』

 熱線を浴びてはいるが、それほどダメージを受けていないため乗ってるツムグは再び通信機に向って初号機とパイロットの回収を催促した。

『ネルフに確認したが、どうやら射出機が変形し、下ろせなくなってるそうだ。今からミュータント部隊がパイロットの保護に向かう。それまでゴジラを引きつけていてくれ。』

『なんだよそれ、欠陥品は、オモチャだけじゃなかったってか? ま、いっか、ゴジラさん、悪いけどちょっと遊んでよ。』

 通信をしている間に熱線はやみ、ゴジラが雄叫びをあげて向かってきたので、機龍フィアは、初号機に近づけさせないように突撃してゴジラと衝突した。

 

 

 

 

「ちょ、ちょっとぉ、なんなのよあの怪獣そっくりのロボット! それに初号機になんか人がよじ登っていくわよ!? なんなのあいつら!?」

「国連と戦略自衛隊から通信! 繋げますか?」

「なんなのよこんな時に! なんでここで国連と戦自が出てくるわけ? ハッ、まさかあのロボットと初号機によじ登ってる奴っらって国連か戦自関係者なわけ!?」

「国連軍や戦自が使徒を瞬殺できるほどのあの兵器を作ったとは考えにくいけど…。あの黒くて放射能をまき散らし口から熱線を吐く化け物…、まさか35年前に死んだとされる、怪獣ゴジラ!? ゴジラは、南極で封印されて南極消滅で死んだとされていたのに生きていたというの!?」

 国連軍と戦略自衛隊から同時に通信が入ったことに喚くミサトと、ゴジラのことを資料でしか見たことがないリツコがあれが本物のゴジラであることを理解したりと司令部は混乱状態だった。

「繋げろ。」

 そこへ鶴の一声。総司令のゲンドウが冬月を連れて司令部に現れてそう命令した。

 通信が繋がる。

『こちら国連軍と戦自の共同司令部。ネルフに告ぐ、今すぐエヴァンゲリオンを退避させろ。もしくはパイロットを下ろした後、エヴァンゲリオンを自爆させるなりして粉々に破壊しろ。』

「んなっ!?」

 あまりの内容に、司令部にいた人間達の声が揃った。

「どういうことよ! エヴァを退避させるどころか、破壊しろですって!? 天下のネルフに向ってなんてこと言うのよ馬鹿じゃないの!? 何の理由があってそんな…。」

『ゴジラは、使徒とエヴァンゲリオンを破壊するために第三新東京に上陸したのだ! エヴァンゲリオンがある限り奴は第三新東京に来るぞ!』

「話にならん。」

 ゲンドウが呆れたと一蹴りした。

『ついさっきゴジラが使徒を殺し、エヴァンゲリオンを破壊しようとしたのを見たはずだ! 理由はまだ不明だが、なぜかゴジラは使徒とエヴァンゲリオンを破壊することに固執している! せっかく復興しつつある日本をゴジラに破壊させる気か、貴様らは!?』

「し、しかしゴジラがエヴァを狙ってここへ来たというのには無理が…。」

 冬月が青い顔をしてゴジラがエヴァを襲う理由に無理があると指摘した。

 ゴジラが多くの街と大都市を破壊してきたのを見て、聞いてきた冬月は、人類を滅ぼさんとしているように破壊活動をするゴジラが破壊活動をするよりもなぜ使徒とエヴァを狙うのか分からなかった。

『ともかく! 今、ミュータント部隊がエヴァンゲリオンのハッチをこじ開けてパイロットの保護をしようとしているところだ! 君らが動かないと言うのなら、パイロットだけでもこちらが避難させ、保護させてもらう! 残ったエヴァンゲリオンのことは知らん!』

「なっ!そんな勝手は許さん! やめさせろ!」

「ミュータント部隊って…、M機関のことかしら?」

 国連軍と戦略自衛隊が初号機の中にいるシンジを保護しようと無理やりエントリープラグを壊そうとしているのにゲンドウが焦って叫び、リツコは、ミュータントと聞いてまずM機関のことを思い浮かべた。

 そうこうしている間に、地響きが何度も起こる。ゴジラと機龍フィアの激しい戦いがネルフ本部の上で行われているからである。

 

 

 

 

「よし! あと少し…、開いた!」

 初号機のハッチとエントリープラグを無理やり壊したミュータント部隊のひとりである尾崎がそう叫んだ。

 ハッチをこじ開け、手動でエントリープラグを射出させ、無理やり扉を開けると、LCLが溢れ出た。

「うわっ、なんだこの液体!?」

「臭っ! 血生臭い!」

 自称ベジタリアンな風間が特に嫌そうに顔を歪めた。

 尾崎がエントリープラグの中に体を入れて、中を確認した。

「大丈夫かい!?」

「……」

 尾崎は、膝を抱えて丸くなって震えているシンジを見つけ、できる限り優しく迅速にエントリープラグから出し、初号機の下へ降りると、近くで待機していた医療チームのもとへ走ってシンジを託した。

 シンジが医療チームのトラックで運ばれていくのを見送った尾崎は、拳を握りしめた。

「どうした、尾崎?」

「…あの子は……。ネルフは、なんて酷いことを。」

 尾崎は、シンジに触れた時に読み取ったシンジの記憶からシンジを初号機に無理やり乗せるよう仕向けたとしか思えないネルフのやり方に怒った。

『椎堂ツムグ! エヴァンゲリオンのパイロットは無事保護した! 今からネオGフォースのメーサータンクと、スーパーX、しらさぎの援護射撃と、ミュータント部隊による白兵戦で援護する! ゴジラを海へ追い返すぞ、いいな!』

「…ラジャー。ゴジラさん。人間の都合をばかり押し付けて申し訳ないけど…、勘弁してね。」

 ネオGフォース司令塔の通信を受けたツムグは、抑えていた機龍フィアの機能を活性化させるためDNAコンピュータにシンクロを開始し、彼の目が黒から黄金に輝き始めた。

 倒れた武装ビルや、倒れてない武装ビルの隙間からメーサータンクがぞろぞろ現れ、砲台をゴジラに向けた。

 そして光線がゴジラの巨体に命中し、ゴジラが苦痛の声を上げた。

 武装ビルの屋上まで登った尾崎率いるミュータント部隊と風間率いるミュータント部隊がバズーカ砲とメーサー銃でゴジラの顔面を集中砲火した。

 怯んだゴジラを、機龍フィアが、相撲を取るように抱き付き、ジェットを噴出して凄まじい速度で地面を抉りながらゴジラを海の方へ押していった。

 しかし踏ん張るゴジラ。

「やっぱり、強くなったんだね、ゴジラさん。こりゃちょっと本気出さなきゃいけないな。」

 ツムグは、ゴジラがセカンドインパクト前より強くなっていることを実感し、素早く機龍フィアのリミッターのひとつを解除した。

 機龍フィアの腹部が開閉し、至近距離で4式絶対零度砲をゴジラの腹に発射した。

 至近距離で回避できずゴジラの体が腹部から体のほとんどが氷で包まれた。

「まだまだ!」

 機龍フィアの拳がゴジラの顎をとらえ、アッパーカットが見事に決まり、ゴジラがふらついた。

 そこを回転した機龍フィアの鋼鉄の尾の一撃がゴジラの胴体に決まり、ゴジラの巨体が宙を舞った。

 この衝撃でゴジラの体に付着していた氷は剥がれたが、ゴジラは、苦しそうに呻きながら起き上がろうとしている。アッパーカットが思いのほか効いたらしい。

 反撃の隙を与えず倒れているゴジラに、スーパーXやしらさぎなどの対怪獣用戦闘機の砲撃が容赦なく降り注ぐ。

 メーサータンクもスーパーXも対怪獣の戦闘機も地球防衛軍が解散された時に、その破壊力から悪用されないように解体されたとされる兵器類だ。だがゴジラが復活した今、こうして現役バリバリで稼働していることから解体されることなくどこかに隠されており、しかも整備もしっかりと行き届いていていつでも戦場に出せる状態であったことが分かる。

「まだまだまだまだ!」

 機龍フィアは、機体の砲門をすべて開いてミサイルやレーザーやその他武装を一斉射撃した。

 もうこれはリンチだ…っと、ネルフにいる誰かがこの戦いを見てそう呟いたとか。

 十数分に及ぶ容赦のない砲撃の嵐がやむ。そして煙が晴れると地面にうつ伏せで横たわるゴジラがいた。

 ゴジラは、ヨロヨロと起き上がる。

 緊張が走る中、ゴジラは、ジッと機龍フィアを見つめていた。

 やがてゴジラは、グルルッと小さく鳴き、背中を向けると、足を引きずりながら東京湾へ姿を消した。

「ごめんね…。ゴジラさん。本当にごめん……。あんたが使徒とエヴァンゲリオンを殺したい理由は分かってるんだ。分かってるんだよ。」

 機龍フィアの中で、ツムグは、俯いてゴジラに向ってそう謝罪した。

 

 

 こうして35年の月日を越えて復活したゴジラとの初戦は、人類側の勝利で終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 




やってしまった…。
ついにやってしまった。エヴァ×ゴジラ。
衝動と勢いって恐ろしいと思った今日この頃。
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