この青春塩辛い 作:アタッカー型キョジオーン
Switch2は無いです
「〜〜♪」
「今日はポケモンの新作ZAの発売日〜♪初日で買えて良かった〜」
手さげカバンに「ポケモン」と呼ばれるキャラクターが描かれたパッケージを入れ、早足で家に向かっている少年がいた
「今回はなんの要素があるのか…。XYの続編だから……メガシンカが増えるだろうな〜〜!」
「我が相棒のキョジオーンのメガシンカ!メガキョジオーン!!」
「…なんて出るわけないか、早すぎるもんな」
妄想を溢し、未来あるその少年は楽しみにし、そんな独り言は周囲の人々の声にかき消される。
だが
キキッーーーーー!!
何かと何かが強く擦り切れる音、金属と弾力のある何かが強く衝突する音
そして騒がしかった声は静寂へと変わる
〜〜〜〜〜〜〜…………
え〜っと……なにこの暗い場所。体は動かし辛いし、なんか砂っぽいのが周りにあるし!!どうなってんだヨォ!!!
暗い世界でその意識は浮上した
「……か」
なんか声聞こえたよな?だれかいるの〜??!
意識のみの状態で叫んでもなにも起こらない
ただ、反応は無く、砂が当たる感覚のみ
「…だれか…」
聞こえてきたのは何かが助けを乞う声だった
暗い世界にあった意識は何事もなかったように浮き上がり、その
なんかやばそうだな
その「いわ」の巨人が歩んだ方には、目は虚で、水色だった髪はボロボロ。頭の上部には天使の様な円があったが、すぐにでも割れてしまいそうに見えた
先程までは何かを発していたであろうが、今はそのような体力も無いように見える
「………」
明らか干からびて死にそうになってるよな……どうすれば…
そんな時、脳裏に一つの「わざ」が浮かび上がる
《あまごい》
「いわ」の巨人が腕を掲げ、天に何かを祈るように見えたその動作は「奇跡」を起こした
砂が風を切る音しか聞こえないこの場所に
水が地に落ちる音が流れた
「いわ」の巨人は両手の平で器の形を作り、目の前の存在に差し出した
目の前の存在は力を振り絞り、その水で喉を潤した
そして…
「…塩辛い……」
塩辛いぃ?そんな手汗酷く無いやろがい!!!あと塩辛い言いながら飲むな!!溢すだろ!!あ、飲み終わった?ならよし
「ありがとう。それで…あなた……は…」
目の前の少女は感謝を伝え「いわ」の巨人へ目線を上げた時、出そうと思った言葉が止まった
どしたん?急に黙って、話聞こか?
「い…!」
い?
「岩が喋ってるー!!!」
んだとゴラァ!!…俺の体岩ぁぁぁ!?!?
雨が降る夜、砂の平原で二つの叫び声が聞こえた
〜〜〜〜〜〜
はい。こんばんわ
ご帰宅しようとしてたら突然意識が消え、変なところに飛んでいた私です
まぁまだ気絶して病院ならわかりますよ??
なんで砂漠で!しかも!人間の体じゃないんですかぁぁぁ!?
少年の意識をもつ「いわ」の巨人…いや、キョジオーンはこんらんしていた
まぁいいですよ。キョジオーンの体になれたので私は満足です。ここがどこなのかわからないままだけどな!!!
…この抱えてるこの子もよくわかんないけどな
「…すー…すー…」
キョジオーンはその大きな腕のなかに先程まで倒れていた少女を抱えている
少女は叫び声をあげた後、今まで疲労なのか、それとも助かって安心したのか、衝撃的な光景に気絶したのかはわからないが、すやすやと寝ている
助けたのは良いんだけどさ。この子をどこに連れて行けばいいんです??
周りは砂だらけだし、人は見当たらないしで、どうすればええんや…
キョジオーンは目的が曖昧なまま歩き続けた。いつか進展があるだろうと楽観的な希望を持って……
〜〜〜〜〜〜
「お前、ユメ先輩に何をした!ユメ先輩をどうするつもりだ!!!」
進展はあった
…最悪な形で。ピンク髪でショートヘアの幼なげな印象を持つ少女に散弾銃を向けられ、水色の髪の少女を抱えた状態で…
やっっっばい。俺はどうすればいいんです??話を聞く限りこの子はコイツの先輩なんだろう。俺はお前の先輩を助けたんだぞ!!そんな悪い事なんて……
謎の岩の巨人がボロボロになった自分の先輩を抱え、夜の住宅街を徘徊している
………やばい奴やんけ!!!!あかん!弁明できねぇ!土下座か?土下座すればいけるか?!いやでも絶対妙な動きをしたら殺される…!
「………」
………
静寂があった
「…ん…?」
静寂を破ったのは目を覚ました少女だった。何事も無かったかのようにゆっくりと目を開け、周りの状況を確認していた
「…ホシノちゃん?」
「ユメ先輩!!」
ユメがピンク髪の少女を認識した瞬間、その少女はユメに駆け寄っていった
その様子を見たキョジオーンはユメをゆっくりと降ろした
「ユメ先輩…!どこ言ってたんですか!」
「…ホシノちゃん……」
「本当に心配してたんですよ……!!」
「…ごめんね」
ホシノは涙を堪えながら今までの心配と怒りをぶつけていた。それに対しユメは隅から隅まで聞き取り、受け止めていた
いやーー良かった。これで解決ですね!ほな俺は帰りますね〜
「どこに行こうとしてるんですか?」
ゑ?
「お前にはユメ先輩に何をしようとしたのか白状してもらうからな」
ホシノは目の前にいる岩の巨人に目を鋭くし、にらみつけた
すると
「ま、まってホシノちゃん!」
「なんですか先輩、コイツは先輩を攫おうとしてたんですよ。なんで止める必要が…「この人(人?)は攫おうとしてないよ!助けてくれたんだよ!」…はい?」
「本当ですか?それは」
せやぞ!俺は断じて悪い塩じゃない!!人助け大好きな塩だよ!だから殺さないで!
ユメのセリフを聞き、疑問に思ったホシノはキョジオーンに問いかける。キョジオーンは頷き、敵意を見せないようにゆっくりと座り込んだ
2mは越えるであろう巨大が膝を抱え込むように座る姿に、空気が少し緩んだ
「…まぁ一旦はユメ先輩を信じます」
よっしゃぁぁぁ!!!
「ただ貴方ではなく『ユメ先輩を』ですからね。それは忘れないでください」
…はい
心なしか、その大きな体が小さく見えた。ホシノがユメを連れ、帰ろうとしていると
「あ、そうだ!」
「なんですかユメ先輩。絡でもない事言わないでくださいよ」
「あのね!この人をアビドス高校に連れて行かない?」
「はい?」
はい?
「何言ってるんですかぁぁ?!?!」
もしかしてこの人やばい人だな?(歓喜)
途中で2mは越える巨体と描写してましたが、本来のキョジオーンは1.8mです。だから多分オヤブン個体なんでしょう。知らんけど