幼馴染が頭ジャスティスな件 作:りりり
どうも、心に消えない傷を負ったDランクのカガチです。
カナリィとの勝負に勝ちましたが炎上しました。幼馴染から軽蔑の目を向けられつつ、インキャ戦法で勝ちました。ちなみにしっかり炎上しました。手を抜きやがったユキノオーが何故か株があがりカガチ株は大下落しました。コイツはマジでボックスで永久保存してやる!って意気込んだのですが母からクーラーが壊れたとのことで今夏はうちでクーラー役に大抜擢されました。
「うぉぉぉぉん!みんなが虐めるぅぅぅっ!もう、やだぁ!」
ベッドの上で枕を口に当てて叫ぶ。異常を感知したのかボールから手持ちの1匹リーフィアが出てくる。
「リー?」
ペロペロと頬を舐めてくる。あー、やっぱポケモンセラピーってあるんや。癒されるぅ。心がぴょんぴょんするんじゃあ。
『ピーンポーン』
ウチのインターホンが鳴る。普段なら母が出るが生憎の買い物に出掛けている。無視してもいいけど宅配なら怒られるよなぁ。重い体を起こし、玄関に向かう。
『ピーンポーン、ピーンポーン、ピン、ピン、ピーンポーン』
連続で鳴らされるインターホン。体が硬直し始める。
『ジャティース、ジャスティース、ジャ、ジャ、ジャスティース』俺の耳にはそう聞こえた。よし、寝てたって事にして無視をしよう。そうしよう。うん、ほら昨日ランク戦で夜ポケモンバトルしてたし、配達員さんだったら御免なさいだけど疲れてるから(震え声
「あら、シロー君。どうしたの?」
「あ、お義母さま!お久しぶりです!風の噂で聞いたのですがカガチが落ち込んでるって聞きまして!」
「そーなのよ!聞いてよ!カガチったら嫌われた、嫌われたって言ってクヨクヨしてるのよ!もう、男の子ならハッキリしないとねぇ……あら、今の時代に合わない価値観かしらぁ」
母の言葉を聞いた俺はすぐさま2階に上がる。えーと、探さないでくださいっと。書き置きを残して2階の窓から飛び降りる準備をする。
「よし、これが自由だ!フライアウェイ!」
「む!ノンジャスティスの気配!確保ォォォ!」
はい、秒で捕まりました。なんですかノンジャスティスって広辞苑に載ってる言葉ですか?
「カガチ!落ち込んでると聞きました!そんな時は訓練です!17番のワイルドゾーンで己の腕を磨きましょう!」
「待って待って!17番⁉︎17番って言いやがりましたか⁉︎死ぬって死ぬよ!本当に!」
「大丈夫です!あのジャスティスに向かって走りましょう!」
「カガチ、今日はカレーだから晩御飯までに帰りなさいね」
「この薄情者ォォォ!」
母が笑顔で手を振っていた。もちろんシロー先輩の特訓は日を跨いだ。
「ん、カガチ遅かったね」
「ムク、もう少し労りの言葉を俺に投げかけるべきでは?」
「カナリィ、どくどく事件」
「はい、私が大変悪ぅございましたー」
「カレーあるよ」
「食べるよ。昨日食い損ねたし」
鍋にあったカレーを温める。……?おかしいな母はいつも残ったカレーはジップロックにまとめてる今回は鍋にそのままだ。
「まぁ、いいか。いただきます」
「……美味しい?」
「美味いよ。……母さん味付け変えたのか?」
「変?」
「いや、美味しい。こっちの方が好きかも」
「そうなんだ、へー!」
耳を真っ赤にしたムクがそう言う。ああ、そう言うことかよ。一丁前に励まそうとするな。顔が熱い。カレー食べてるからだよな。香辛料いい仕事してるよ。
「美味しいよ」
多分だけど俺の言葉は鍋に溶けた。