護って!いちごちゃん!〜いちごパンティは見えてるか〜 作:ろくさん
「(待ってなさい中居! あなたのその汚らわしい手ごとへし折ってやる!)」
いちごは怒りに燃えながら厨房へと続く重いドアを押し開けた。 中は一転して戦場のような喧騒だった。 皿のぶつかる音怒号のような指示飛び交う熱気と湯気。 だが今は誰もアルバイトの
『(左奥だ桃瀬さん! 資材置き場の陰! 急げ!)』 ヨウくんの的確な指示が飛ぶ。 いちごは料理人たちの間をすり抜け油で滑りやすい床に足を取られそうになりながらも目的の場所へとたどり着いた。 薄暗い資材置き場。 小麦粉の袋や調味料の缶が積み上げられている。 ここなら確かに人目はない。
いちごは汗ばんだ手でホテルの
怒りがふつふつと湧き上がり身体が熱くなる。 カバン(ヨウくん配置済み)から取り出した純白の
(私の
変身完了。 いちごは資材置き場の薄闇の中で一度深く息を吸い込んだ。 怒りを制御し冷静さを取り戻す。 相手はただの酔っ払いかもしれない。 だがその行為は断じて許されるものではない。 そしてあの怯えていた女性社員のためにも。
いちごは再び厨房を駆け抜け宴会場へと続くドアの前に立った。 ドアの向こうからはまだ中居の怒鳴り声と会場のざわめきが聞こえてくる。 いちごはドアノブに手をかけ勢いよく開け放った。
バァン! ドアが壁に叩きつけられる大きな音。 会場中の視線が一斉にドアに集中した。 音楽が再び止まる。
そこに立っていたのはさっきまでの怯えたアルバイト少女ではない。
「「「…………!?」」」 会場全体が息を呑んだ。 何が起こったのか理解できない者。 突然の
床に転がっていた中居も怒鳴るのをやめ呆然といちご(プリティストロベリー)を見上げていた。 「……は? な、なんだ……? また貴様か……?」 彼はまだ目の前の少女がさっき突き飛ばしたバイトと同じ人物だと気づいていない。 あるいは理解を拒絶している。 「なんだその格好は! 余興か!? ふざけるな!」
いちごは答えない。 ただ静かに中居に向かって歩き始めた。 コツコツとピンクのショートブーツが赤い絨毯を踏む。 その足取りには迷いも怯えもない。 怒りと決意だけがあった。
「ひっ……! く、来るな!」 中居は尻餅をついたまま後ずさろうとする。 いちごから放たれる尋常ではないプレッシャーに本能的な恐怖を感じたのだ。 酒の酔いも一気に醒めていく。
「け、警備員! 警備員は何をしている!」 中居が会場の隅に立つ黒服の男たちに向かって叫んだ。 警備員たちが戸惑いながらもいちごの前に立ちはだかろうとする。
だが。 「(動くな)」 彼らの耳元のインカムから低い声が響いた。 ヨウくんが既に会場の警備システム(無線含む)を
「な、なぜ動かん!」 中居がさらに叫ぶ。 だが誰も彼を助けに来ない。 彼は完全に孤立した。
いちごはついに中居の目の前に立った。 その怒りに燃える瞳で見下ろす。 中居は恐怖で顔を引きつらせていた。
「……セクハラは犯罪です」 いちごは静かにしかし強い口調で言った。 「あなたは
「わ、私は……! 黒金興産の専務だぞ!」 中居は最後のプライド(?)で虚勢を張った。 「たかがコスプレ女が……! 社長の甥である私に逆らう気か!」
「社長の甥だから何ですか」 いちごは冷たく言い放った。 「悪いことをしたら謝る。それが当たり前でしょう」 「あなたは謝罪どころか反省すらしていない」
そしていちごはビシッと決めポーズを取った。 会場の空気が張り詰める。 その完璧なシルエットに人々は魅入られていた。
「愛と正義の! プリティストロベリー!」
「あなたのその汚らわしい手を!」 いちごが中居を指差す。 「そしてその歪んだ心を!」
「お仕置きです!」
「ひいいい!」 中居は短い悲鳴を上げ完全に戦意を喪失した。 彼は床を
(逃がさない!) いちごは中居の足首を掴もうと手を伸ばした。 だが中居は必死だった。 近くにあったテーブルクロスを掴み力任せに引き剥がした。
ガシャーン! テーブルの上のグラスや皿料理が一気に床に落下し派手な音を立てて砕け散る。 シャンパンやワインソースが絨毯の上に飛び散った。
「きゃっ!」 いちごは咄嗟に後ずさったが避けきれない。 飛び散った赤ワインの
「(……また汚れた……!)」 いちごは顔をしかめた。 だが今はそれどころではない。 中居がその混乱に乗じて立ち上がり逃げようとしている。
「待ちなさい!」 いちごは中居の背中に向かって飛びかかった。 だが中居も必死だ。 近くにあったウェイター用のワゴン(食後のデザート満載)をいちごに向かって突き飛ばしてきた。
「うわっ!」 いちごはワゴンを避けようと横に跳んだ。 ワゴンは床に散乱した料理やグラスの上を走り派手に横転した。 ケーキやフルーツムースが絨毯の上に無惨にぶちまけられる。
いちごは着地に失敗し床に散らばった
「……うわああ……最悪……! ベトベトする……)」 いちごは涙目になった。 手袋がピンク色のムースまみれだ。 そして不幸は続く。 体勢を崩したことでスカートが大きくめくれ上がってしまったのだ。
「「「…………」」」 会場の紳士淑女たちが息を呑む。 ヨウくんのカメラ(複数アングル)がその瞬間を完璧に捉えている。
いちごのスカートの下。 そこには彼女が今日履いていた白地に小粒の赤イチゴが散りばめられた純白のパンティが。 床に手をついた無理な体勢のためわずかに食い込みそのラインを露わにしていた。
「(……み、見られた……!)」 いちごは顔から火が出るほど赤面した。 慌ててスカートを押さえようとするがムースまみれの手が滑る。
その光景を見ていた中居。 彼は逃げるのをやめ振り返った。 恐怖は消え失せ代わりに下卑た好奇心と嘲りがその目に浮かんでいた。 彼は床に手をつきスカートを押さえようと身悶えるいちごの姿そのパンティをじっくりと眺めた。 そしてニヤリと笑うと口を開いた。
「……ほう。イチゴ柄か」 その声には明らかな嘲りが含まれていた。 彼はわざとらしく感心したように手を叩いた。
「へぇ。見かけによらず中は随分と『甘酸っぱい』んだな」 彼は粘つくような視線でいちごのパンティ(イチゴ)を舐め回すように見た。 「まるでデザートみたいだ」
(…………) (…………甘酸っぱい?) (…………デザート?)
いちごの頭の中で中居の下品な言葉が反響した。 これはいつもの「子供っぽい」「ダサい」という罵倒とは違う。 もっと直接的で性的な侮辱。 彼女の「好き」と「正義」の
(……この) (……このド変態がああああああっ!!!!)
いちごのアホ毛が怒りで限界まで逆立った。 彼女の全身から凄まじいピンク色のオーラが立ち上る。 床に散らばった料理のソースがその熱量でジュッと音を立てて蒸発した。 会場のシャンデリアが不安定に明滅し始める。
「(……来た! トリガー成立! しかも性的な侮辱! これは過去最高のブーストが!)」 物陰のヨウくんが新PCの処理能力を限界まで引き上げながら記録していた。 彼の目も興奮で充血している。
「ヨウくんっ!!!!」
いちごの絶叫が高級ホテルの宴会場に響き渡った。
その声に応えヨウくんが物陰から飛び出してきた。 彼の手にいつもの銀色のポリ袋が握られていた。
「プリティストロベリーッ!」 ヨウくんが叫ぶ。
「新しい! イチゴパンティだよッ!!」
銀色のポリ
「……な、なんだアレ……!? まさかパンティか!?」 中居が空飛ぶポリ袋を見て呆然としている。
いちごはそのポリ