護って!いちごちゃん!〜いちごパンティは見えてるか〜 作:ろくさん
(……お仕置きタイムです!)
いちごは怒りに震える手で新品のイチゴパンティ(ポリ袋入り)を掴み取った。 床に手をつきムースまみれの手袋。 ワインで汚れたコスチューム。 めくれ上がったスカートの下で晒されたパンティ。 そして今浴びせられたばかりの性的で下劣な侮辱。 怒りが沸点を超え思考が灼けつくように熱い。
「……ほう。イチゴ柄か。見かけによらず中は随分と『甘酸っぱい』んだな」 中居の下卑た言葉が会場に響く。 彼はまだいちごが反撃できないと高を括り嘲笑を浮かべていた。 周囲の社員たちも固唾を飲んでいる。 誰も助けない。誰も止めない。
(……甘酸っぱい?) (……デザート?)
(ふざけるな……!) いちごの怒りが臨界点を突破した。 羞恥心などもう欠片も残っていない。 あるのはこの男への殺意にも似た純粋な憤怒だけだ。
(ここで!) (こいつの目の前で!) (変身してやる!) (そしてその腐った性根ごと叩き潰す!)
いちごは意を決した。 彼女は握りしめたポリ袋を怒りを込めて一瞬で引き裂いた。 ビニール片が飛び散る。 中から現れたのは汚れなき純白の生地に鮮やかな赤いイチゴが散りばめられた新品の「それ」だった。 シャンデリアの光を受けて神々しいまでに白く輝いている。
「(……これが私の!)
いちごの瞳が赤く燃えているように見えた。 彼女は床についたまま震える手で。 今まさに晒されている白地に小粒赤イチゴのパンティ。 そのゴム紐に指をかけた。
「おいおいマジかよ……ここで脱ぐ気か?」 中居が面白そうに目を細める。 他の客たちも息を呑む。 変身のための光が放たれるより早く。
「(見せてやるわよ!)」
いちごは怒りのままに汚されたパンティを一気に引きずり下ろした。 汗とワインとムースで湿った布地が肌から離れる。 一瞬の完全な「丸出し」の状態。 高級ホテルの冷たい絨毯の感触が直接肌に伝わった。
(……恥ずかしくなんてない!) (こいつへの怒りに比べれば!)
彼女は脱いだパンティ(甘酸っぱいデザートなヤツ)を憎しみを込めて丸めると。 まだ嘲笑を浮かべている中居の顔面に全力で投げつけた。 「ぶへあっ!?」 中居は避けきれずパンティ(使用済み・ムース付き)の直撃を顔面に食らい奇声を上げた。 甘ったるい匂いが鼻をつく。
その隙に。 新品のイチゴ柄を両手で広げ足を通し。 一気に装着した。
清潔な真新しい布地が彼女の火照った肌に吸い付くように触れた。 怒りのエネルギーがその一点から全身へと流れ込む。
その瞬間。
「なっ!?」
「うおっ!?」 「ま、眩しい……!」
いちごの身体が爆発的な光を放った。 シャンデリアの光が霞むほどの強烈な閃光。 光源はプリティストロベリー。 いや彼女が今まさに装着した「イチゴ柄」のパンティその一点から凄まじいピンク色の光の奔流が溢れ出したのだ。 会場全体がピンク色の光に染め上げられる。
「目が! 目があああ!」 「光が強すぎる!」 中居も他の客たちも強烈すぎる光量に目を焼かれ腕で顔を覆った。 悲鳴と混乱が会場を満たす。
物陰でヨウくんの
光の中でいちごの身体が変貌していく。 ワインとソースで汚れたコスチュームが光の粒子となって一度霧散する。 物理法則を超えた現象。 そして再構築される。
変身の「核」は今履き替えたばかりのイチゴ柄のパンティ。
(……っ!!!)
いちごは光の中で信じられない「感覚」に身を捩った。 履いたばかりのパンティが灼熱を帯びる。 まるで溶けた金属が肌に触れるように。 布地が意思を持ったかのように彼女の身体に合わせて変形し締め付け変異していく。 怒りのエネルギーがパンティを通して物理的な力へと変換される。
「あ……あああっ!」
パンティのサイドライン。 その布地がありえないほどの張力で物理的に吊り上げられていく。 腰骨を遥かに越え彼女の脇腹のラインに沿って鋭角的に上へ上へと。 まるで拷問器具のように皮膚にくい込み激痛に近い圧迫感を与える。 だがそれは痛みではなく怒りの増幅装置だった。
「(食い込んで……る……!深ク!)
純白のイチゴ柄の布地が彼女の太ももの付け根その柔らかい内側に限界まで深く深く食い込んでいく。 それはもはや「パンティ」というより肌と一体化した「第二の皮膚」であり「怒りの装甲」だった。 極限まで切り詰められた超ハイレグスタイル。 怒りの紋章。
その変異した「イチゴ柄」を
胸元のリボンは鋭利な刃物のようにシャープな形状に。 スカートはほとんど存在しないかのように短く切り詰められたチュチュに変わりその下から食い込むハイレグのラインが挑戦的に晒されている。 手には肘上までのロンググローブ。 指先からピンク色のスパークが散っている。 足は膝上までの鋭いピンヒールのロングブーツ。 床に散乱したガラス片を踏み砕いても傷一つつかない。 そして頭。 イチゴのカチューシャではなく天を突くように伸びたシャープな「ウサギの耳」。 周囲の人々の恐怖に満ちた心臓の鼓動だけを正確に拾い上げている。
光が収束していく。 いちごはゆっくりと床から立ち上がった。 ムースまみれだった手袋もワインのシミも完全に消え去っている。 彼女は床に蹲り目を押さえている中居と怯えきった周囲の人々を見下ろした。 その姿は怒りをその食い込むハイレグのラインにまで宿した苛烈な「執行者」だった。 高級ホテルの華やかな宴会場にはあまりにも不釣り合いな破壊と断罪の女神。
「プリティストロベリー・バニー!!」
その声は地獄の底から響くように低く冷たくそして怒りに満ちていた。 さっきまでの必死だった少女の声ではない。
「な、なんなんだ……いったい……悪魔……悪魔だ……」 中居は光で焼かれた目をしばたかせながらかろうじていちご(バニー)のシルエットを捉えた。 さっきまでのただのバイト
「(……対象『恐慌』状態へ最大レベルで移行。……完璧な
「あなたの言う『特別レッスン』は……」
いちご(バニー)は冷たく
「地獄で受けるがいい」
「あ……あ……」
中居は起き上がろうとするが腰が抜けて動けない。 目の前の「バニー」が放つプレッシャーが彼を絨毯の上に縫い付けている。 床に散らばった高級料理の残骸と彼の
「ひっ!」
いちご(バニー)はゆっくりとその男に歩み寄った。 ピンヒールが砕けたガラス片を踏み砕く硬質な音が響く。 ジャリッジャリッという音が断罪の足音のように聞こえた。
(この男に物理的な『お仕置き』は当然!) (だがそれだけじゃ足りない!) (こいつの武器は『権力』と『セクハラ(汚れた手)』!) (だったらそれを奪い去り!) (二度と誰も傷つけられないように!) (その『手』ごとへし折ってやる!)
いちご(バニー)の狙いは中居本人。 特に彼が女性社員やいちごに触れたその「両手」だった。 彼女はその男の目の前に立つとゆっくりと右足のヒールを高々と振り上げた。 空中で静止するブーツ。 食い込んだハイレグのラインが怒りのエネルギーで脈打っているように見える。 ブーツの先端に怒りのエネルギーがピンク色の破壊光となって収束していく。
(私の『イチゴ柄』を甘酸っぱいと言った!) (デザートみたいだと笑った!) (その汚れた舌と目で!) (二度と誰も見下させない!)
「さようならあなたの汚れた『
「ま、待て! やめ……! 金なら! 金ならいくらでも……!」 中居が初めて恐怖に歪んだ声で命乞いをした。 だが遅い。 いちご(バニー)の心はもう凍り付いていた。
いちご(バニー)のヒールが中居が床についたままの右手首その一点を目掛けて正確に振り下ろされた。 空気抵抗すら感じさせない速度。 まるで断頭台の刃のように。
「ストロベリッシュ・バニー……!」
「セクハラ・パニッシュメント!!」
ゴキッ!!!! という骨が砕ける生々しい鈍い破壊音が静まり返った宴会場に響き渡る。 中居の右手首がありえない角度に折れ曲がった。 「ぎゃあああああああああああああっ!!!!」 中居の絶叫が会場全体を震わせた。 それはもはや人間の声とは思えない獣のような叫びだった。
だがいちご(バニー)は止まらない。 彼女は即座に左足のヒールを振り上げた。 狙いは中居の残った左手首。
「や、やめ……!」
ゴキッ!!!! 再び骨が砕ける鈍い音。 そしてさらに凄まじい絶叫。 中居の両手首は完全に破壊された。 彼は痛みと恐怖で意識を失いかけたが失うことすら許されない。 ただ床の上でのたうち回り絶叫し続けるだけだった。
「…………」
会場が死んだように静まり返った。 誰も声を出せない。 目の前で繰り広げられたあまりにも苛烈な「お仕置き」。 恐怖で腰を抜かす女性社員。 青ざめて顔を背ける男性社員。 誰もがその光景に凍り付いていた。
いちご(バニー)はのたうち回る中居を見下ろし冷たく言い放った。 「お仕置き完了です」 「二度とその汚い手で誰にも触れないことですね」
そして彼女は周囲の呆然とする人々を一瞥すると。 何事もなかったかのように静かに厨房へと続くドアに向かって歩き始めた。 床に散らばったガラス片を踏み砕く音だけが響く。
ウー、ウー、ウー…… その時ようやく遠くから救急車とパトカーのサイレンが近づいてきた。 (※ヨウくんが傷害事件および器物損壊で通報済みだった)
「……ふぅ」 いちご(バニー)はその光景を見届けると厨房の資材置き場で静かに変身を解いた。 (※実際は変身の光と共にハイレグの食い込みが元のパンティのラインに戻りチュチュも元のスカート丈に戻った)
そして元のプリティストロベリーの姿に戻ると駆けつけた警察官や救急隊員に(ヨウくんが編集した監視カメラ映像と共に)状況を説明した。 「……正当防衛です」と。
数十分後。 ホテルの従業員用出口からそっと抜け出した制服姿のいちご。 コスチュームはワインとムースで汚れたままだ。 精神的な疲労はピークを超えていた。 身体が鉛のように重い。
「ぷはー。疲れた……なんかもう色々最悪」 いちごはぐったりと近くのバス停のベンチに座り込んだ。
「お疲れ桃瀬さん」 ヨウくんがスポーツドリンクを差し出した。 彼の目は興奮で爛々と輝いていた。 新PCの画面には「戦闘データ解析完了」「生体エネルギーパターン記録成功」の文字が踊っている。
「わありがと……」 いちごは力なくドリンクを受け取った。 ヨウくんのもう片方の手には見覚えのあるジップロック(サンプルNo.11)が握られていた。 (※さっきいちごが中居の顔面に叩きつけたパンティ・ムース付き)
「(……また回収した……! しかもアイツの顔面……!)」
「(……セクハラ
「『要解析』言うなー!」
いちごはスポーツドリンクのボトルをヨウくんに叩きつけようとして思いとどまった。 (……あ。パソコン新しくなったんだった) (……殴ったらまた弁償させられる……!) (……でも!) 「ねえヨウくん! 私やりすぎちゃったかな……? あの人の手……」 いちごは自分の手を不安そうに見つめた。 骨を砕く感触がまだ残っている気がした。
「……いや」 ヨウくんは初めて断言した。 「あれは『お仕置き』として妥当な範囲内だ」 「セクハラは魂への攻撃だ。それ相応の
「……そっか」 いちごは少しだけ救われた気がした。 (……そうだ。私は間違ってない) (……悪いのは全部あいつだ)
「さあ帰ろう桃瀬さん」 ヨウくんが立ち上がる。 「今日のデータは非常に
「(……やっぱりそれが目的……!)」
ご近所の