護って!いちごちゃん!〜いちごパンティは見えてるか〜   作:ろくさん

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第13章:カフェの告白? いいえアヌス・ソムリエです その3

 

(……お仕置きタイムです!)

 

いちごは怒りに震える手で新品のイチゴパンティ(ポリ袋入り)を掴み取った。 床に手をつきスカートはめくれ上がりパンティ(イチゴ柄)は丸見え。 そして今浴びせられたばかりの奇妙奇天烈な侮辱。 「糖分過多」「門への意識が低い」「甘ったれた精神」。 怒りが沸点を超えカフェの涼しい空気が灼熱地獄のように感じられた。 全身の血が沸騰しそうだ。

 

「な、なんだそれは!? まさか……パンツか!? またか!?」 勇人(はやと)はまだ(くう)を飛んできたポリ(新品)に気を取られ混乱した日本語で叫び呆然としている。 彼はいちごの中で何が起ころうとしているのか全く理解していない。 目の前の少女が自分の「診断」に激怒し神聖なる「履き替えの儀式」――すなわち反撃の狼煙(のろし)――を上げようとしているなど想像もしていないだろう。 彼の常識(アヌス中心)の世界ではありえないことなのだ。

 

(……糖分過多?) (……門への意識が低い?) (……甘ったれた精神?)

 

侮辱の言葉がいちごの怒りの炉をさらに燃え上がらせる。 (……上等じゃない!) (……見せてあげる!) (……私の『イチゴ柄』に込められた!) (……甘ったれてない『決意』と! このカフェの床より冷たい『怒り』を!)

 

いちごは意を決した。 彼女は握りしめたポリ袋を怒りを込めて一瞬で引き裂いた。 ビニール片がお洒落なカフェの床に散らばる。 中から現れたのは汚れなき純白の生地に鮮やかな赤いイチゴが散りばめられた新品の「それ」だった。 店内の間接照明を受けて神々しいまでに白く輝いている。

 

「(……これが私の!)

 

いちごの瞳が赤く燃えているように見えた。 (ここで履き替ええる!) (このアヌスソムリエの目の前で!) (このお洒落カフェの真ん中で!) (ヨウくんのカメラの前で!) (みんなが見てる前で!)

 

羞恥心が鎌首をもたげる。 めくれ上がったスカートの下。 それをさらに脱ぎ捨て裸になる瞬間。 だが勇人のあの自信満々な「診断」顔「甘ったれた精神」という言葉が脳裏をよぎり羞恥心を焼き尽くした。 これは「儀式」なのだ。 怒りを真の力に変えるための神聖な「変身(チェンジ)」なのだ。 私の「好き」と「尊厳」を守るための戦いなのだ。 隠す必要などない!

 

(見てなさい……!)

 

いちごは震える手で。 今まさに晒されている白地に赤イチゴのパンティ。 そのゴム紐に指をかけた。 怒りの形相のままもはや隠すことすら意識せず衆人環視の中。

 

「き、貴様……! まさかここで……!? やめろ! 見るに堪えん!」 勇人がようやく事態を察し顔を引きつらせた。 彼は自分の歪んだ美学に反する光景()を拒絶するように叫ぶ。 周囲の客たちも息を呑み何事かとこちらを注視している。 悲鳴を上げる女性客もいる。

 

「(桃瀬さん! 覚悟を決めろ! 行け! 周囲の視線ごと力に変えろ!)」 ヨウくんの声が骨伝導イヤホンから鋭く響いた。 いちごは頷く。 もう迷わない。

 

彼女は汚されたパンティ(糖分過多で甘ったれたヤツ)を一気に引きずり下ろした。 汗ばんだ肌から布地が離れる感覚。 カフェの冷たいエアコンの風が彼女のあらわになった聖域を撫でる。 完全な「丸出し」の状態。 硬く冷たい床の感触が足裏に伝わった。 周囲の客たちの視線が突き刺さる。 だが今のいちごにはそれすら怒りの燃料だった。

 

「ひ、ひいいい! やはり貴様は醜い! 下品だ!」 勇人は目の前で繰り広げられる信じられない光景に顔面蒼白になり目を逸らそうとする。 だが彼の「ソムリエ」としての探求心()と恐怖がそれを許さない。 彼は指の隙間からその光景を目撃してしまった。

 

(……恥ずかしいなんて感情はもうない!) (こいつへの怒りに比べれば!) (むしろ見せてやるわ! これが私の覚悟よ!)

 

彼女は脱いだパンティ(門への意識が低いヤツ)を憎しみを込めて丸めると。 まだ指の隙間からこちらを見ている勇人の顔面に向かって全力で投げつけた。 「やめろ! 甘い匂いが鼻に!? ぐへあっ!」 勇人は避けきれずパンティ(使用済み・パフェの香り付き?)の直撃を顔面に食らい奇声を上げた。 (※後でヨウくんが「サンプルNo.12(アヌスソムリエ汚染・糖分付着)」として回収する)

 

そして。 新品のイチゴ柄を両手で広げ足を通し。 一気に装着した。

 

清潔な真新しい布地が彼女の火照った肌に吸い付くように触れた。 力が全身にみなぎる感覚。 怒りが「甘ったれていない」決意へと変わる。 装着と同時。 新品のパンティから淡いピンク色の光が溢れ始めた。 それは変身の予兆。エネルギーの高まり。周囲の視線すらエネルギーに変換しているかのようだ。

 

その瞬間。

 

「なっ!?」

 

「うおっ!?」 「ひ、光ってる……!?」

 

いちごの身体が爆発的な光を放った。 さっきまでの淡い光ではない。 カフェ全体を白昼に変える強烈な閃光。 光源はプリティストロベリー。 いや彼女が今まさに装着した「イチゴ柄」のパンティその一点から凄まじいピンク色の光の奔流が溢れ出したのだ。 窓の外の通行人たちも何事かと足を止め驚愕の表情で店内を見つめている。

 

「光!? またか!? 目が! 目があああ!」 「見えない……!」 勇人も他の客たちも強烈すぎる光量に目を焼かれ腕で顔を覆った。 悲鳴と物が倒れる音混乱がカフェを満たす。 グラスが振動でカタカタと鳴り壁にかけられた絵画が傾く。

 

テーブルの上ヨウくんのスマートフォンカメラだけが特殊フィルター(Ver.7・対室内超高輝度対応)越しにその神々しい「変身(換装)」の一部始終を4K HDR画質で記録していた。 スマホが高熱を発しバッテリー残量が急速に減っていく。 (……変身シーケンス突入。生体エネルギー反応計測限界突破。……換装時のパンティ食い込み角度と出力の関係性……心理的要因(健康・精神性への侮辱)によるブースト効果……過去最高値を更新……! スマホ冷却開始!)

 

光の中でいちごの身体が変貌していく。 汚れた制服スカート裂け目のあるコスチューム。 それらが光の粒子となって一度霧散する。 物理法則を超えた現象。 そして再構築される。

 

変身の「核」は今履き替えたばかりのイチゴ柄のパンティ。

 

(……っ!!!)

 

いちごは光の中で信じられない「感覚」に身を捩った。 履いたばかりのパンティが灼熱を帯びる。 まるで溶けた鋼鉄が肌に触れるように。 布地が意思を持ったかのように彼女の身体に合わせて変形し締め付け変異していく。 怒りのエネルギーがパンティを通して物理的な力へと変換される。 「甘ったれた精神」が「鋼鉄の意志」へと変わる。 装着した瞬間から既に変異は始まっていたのだ。

 

「あ……あああっ!」

 

パンティのサイドライン。 その布地がありえないほどの張力で物理的に吊り上げられていく。 腰骨を遥かに越え彼女の脇腹のラインに沿って鋭角的に上へ上へと。 まるで身体の一部が強制的に改造されるような激しい感覚。 皮膚にくい込み血が滲みそうなほどの圧迫感。 だがそれは痛みではなく怒りの増幅装置だった。 「甘ったれてない」証そのもの。

 

「(食い込んで……る……!限界マデ!)」

 

純白のイチゴ柄の布地が彼女の太ももの付け根その柔らかい内側に限界まで深く深く食い込んでいく。 それはもはや「パンティ」というより肌と一体化した「第二の皮膚」であり「怒りの装甲」だった。 極限まで切り詰められた超ハイレグスタイル。 怒りの紋章。 Kawaii(カワイイ)Justice(ジャスティス)の最も鋭利な形態。

 

その変異した「イチゴ柄」を中心(コア)として。 残りのコスチュームが一瞬で再構築された。 光の糸が周囲の光エネルギーを吸収しながら身体に巻き付き形を成していく。 カフェの照明が一瞬電圧低下で明滅した。

 

胸元のリボンは鋭利な刃物のようにシャープな形状に。 スカートはほとんど存在しないかのように短く切り詰められたチュチュに変わりその下から食い込むハイレグのラインが挑戦的に晒されている。 手には肘上までのロンググローブ。 指先からピンク色のスパークが散りパチパチと音を立て周囲の空気を焦がしている。 足は膝上までの鋭いピンヒールのロングブーツ。 お洒落なカフェの床を傷つけることも厭わない鋭さ。 そして頭。 イチゴのカチューシャではなく天を突くように伸びたシャープな「ウサギの耳」。 周囲の人々の恐怖と好奇心の入り混じった感情の波だけを正確に拾い上げている。

 

光が収束していく。 いちごはゆっくりと床から立ち上がった。 パフェの溶けた甘い匂いと床に落ちたパンティ(勇人の顔面直撃)の微かな残り香。 そのカオスな空間の中心に彼女は立っていた。 床に蹲り目を押さえている勇人と怯えきった周囲の客たちを見下ろす。 その姿は怒りをその食い込むハイレグのラインにまで宿した苛烈な「執行者」だった。 お洒落なカフェにはあまりにも不釣り合いな破壊と断罪の女神。

 

「プリティストロベリー・バニー!」

 

その声は静かだった。 だがカフェのざわめきを一瞬で凍りつかせるほどの冷たさと怒りを秘めていた。 さっきまでの必死だった少女の声ではない。

 

「な、なんなんだ……いったい……神か? 悪魔か? 化け物か……?」 勇人は光で焼かれた目をしばたかせながらかろうじていちご(バニー)のシルエットを捉えた。 さっきまでのただの女子高生(パフェ好き)とは明らかに違う。 圧倒的な存在感。 神々しさすら感じる。 だがそれ以上に恐ろしい気迫。 自分の信じてきた「健康理論」「美の基準」が根底から覆されるような絶対的な存在感。 本能が最大級の危険信号(アラート)を発していた。 彼はもう「門」のことなどどうでもよくなっていた。 ただ目の前の存在から逃れたい一心だった。

 

「(……対象『恐慌』状態へ最大レベルで移行。……完璧な変身(データ)だ。……パフェの溶融速度も予測通り。スマホ冷却完了)」 ヨウくんが通信機をそっと閉じた。 カメラは回し続ける。 勇人の恐怖に歪む表情も溶けて床に広がるパフェの残骸も克明に記録している。

 

「あなたの言う『真の美』とやらは……」

 

いちご(バニー)は冷たく勇人(アヌスソムリエ)を見下ろした。 その目は憐れみのかけらもなかった。 まるで価値のないゴミを見るような目だ。

 

「ただの『独りよがり』です。そして何より……醜い」

 

「あ……あ……醜い……だと……?」 勇人は自分の美学を否定され最後のプライドが砕け散るのを感じた。

 

彼は起き上がろうとするが腰が抜けて動けない。 目の前の「バニー」が放つプレッシャーが彼を床に縫い付けている。 白いシャツには彼が投げつけられたパンティ(いちご使用済み)の微かな(パフェの甘い香り?)がついているように見えた。

 

「ひっ!」

 

いちご(バニー)はゆっくりとその男に歩み寄った。 ピンヒールがお洒落なタイル床を打つ硬質な音が響く。 コツコツという音が断罪のカウントダウンのように聞こえた。 一歩近づくごとに勇人の顔から血の気が引いていく。

 

(この男に物理的な『お仕置き』は当然!) (だがそれだけじゃ足りない!) (こいつの武器は『歪んだ知識』と『迷惑な説教(レクチャー)』!) (だったらそれを奪い去り!) (二度と誰も不快にさせられないように!) (その『口』ごと『美しく』黙らせてやる!)

 

いちご(バニー)の狙いは勇人本人。 特に彼の「門」だの「健康」だの「診断」だのを垂れ流したその「口」だった。 彼女はその男の目の前に立つとゆっくりと右足のヒールを高々と振り上げた。 空中で静止するブーツ。 食い込んだハイレグのラインが怒りのエネルギーで脈打っているように見える。 ブーツの先端に怒りのエネルギーがピンク色の破壊光となって収束していく。

 

(私の『イチゴ柄』を糖分過多と言った!) (甘ったれた精神の象徴だと笑った!) (その歪んだ『美学』ごと!) (粉砕(クラッシュ)してあげる!)

 

「さようならあなたの醜い『健康談義(レクチャー)』」

 

「ま、待て! やめろ! 私の知識は! 医学的根拠が……!」 勇人が最後の抵抗()として専門用語らしきものを叫んだ。 だが遅い。 いちご(バニー)の心はもう凍り付いていた。 彼女の辞書に「医学的根拠」という言葉は(今のところ)ない。

 

いちご(バニー)のヒールが勇人の(あご)その一点を目掛けて正確に振り下ろされた。 空気抵抗すら感じさせない速度。 まるで芸術家がノミを振るうようにシャープに。

 

「ストロベリッシュ・バニー……!」

 

「ビューティー・クラッシュ!!」

 

ゴッ!!!! という骨が砕ける音ではなく顎関節が外れる鈍く湿った破壊音が静まり返ったカフェに響き渡る。 勇人の顎がありえない方向に曲がりだらしなく開いた。 「あががががががががっ!!!!」 勇人の絶叫にならない絶叫がカフェ全体を震わせた。 それはもはや人間の声とは思えない断末魔だった。 彼は白目を剥き口から僅かに血の泡を吹き完全に意識を失った。 その表情には恐怖と苦悶そして自らの信条が崩壊する絶望が張り付いていた。 顎が外れたため口がだらしなく開いたままになっている。 それは彼が追い求めた「美」とは最もかけ離れた醜い姿だった。

 

「…………」

 

カフェが死んだように静まり返った。 誰も声を出せない。 目の前で繰り広げられたあまりにも苛烈な「お仕置き」。 恐怖で悲鳴を上げ気を失う女性客。 青ざめて顔を背ける男性客。 店員は腰を抜かしカウンターの陰で震えている。 誰もがその光景に凍り付いていた。 床に散らばった白桃パフェの残骸だけが甘い香りを放っていた。

 

いちご(バニー)は気絶した勇人を見下ろし冷たく言い放った。 「お仕置き完了です」 「二度とその口でデタラメな美学を語らないことですね」

 

そして彼女は周囲の呆然とする人々を一瞥すると。 何事もなかったかのように静かにカフェの出口へと向かって歩き始めた。 床に散らばったガラス片や食器の破片を踏み砕く音だけが響く。

 

ウー、ウー、ウー…… その時ようやく遠くから救急車とパトカーのサイレンが近づいてきた。 (※ヨウくんが傷害事件および威力業務妨害で通報済みだった)

 

「……ふぅ」 いちご(バニー)はその光景を見届けるとカフェの裏口近くのスタッフルーム(無人)で静かに変身を解いた。 (※実際は変身の光と共にハイレグの食い込みが元のパンティのラインに戻りチュチュも元のスカート丈に戻った)

 

そして元のプリティストロベリーの姿に戻ると駆けつけた警察官や救急隊員に(ヨウくんが編集した監視カメラ映像と共に)状況を説明した。 「……正当防衛です。彼が先に襲いかかってきたので」と。 (※一部事実だがかなり脚色されている)

 

数十分後。 カフェの裏口からそっと抜け出した制服姿のいちご。 コスチュームはパフェまみれで悲惨な状態だ。 精神的な疲労はピークを超えていた。 身体が鉛のように重い。 そしてなぜか口の中にまだ白桃パフェの甘さが残っている気がした。 今度こそ本当に甘いものは当分いらないかもしれない。

 

「ぷはー。疲れた……なんかもう本当疲れた……」 いちごはぐったりと近くのバス停のベンチに座り込んだ。

 

「お疲れ桃瀬さん」 ヨウくんがスポーツドリンク(※近くの自販機で買った)を差し出した。 彼の目は興奮で爛々と輝いていた。 新PCの画面には「戦闘データ解析完了」「生体エネルギーパターン記録成功」「心理的トリガーパターン分析完了」「顎関節破壊シミュレーションとの誤差0.03%」の文字が踊っている。

 

「わありがと……」 いちごは力なくドリンクを受け取った。 ヨウくんのもう片方の手には見覚えのあるジップロック(サンプルNo.12)が握られていた。 (※さっきいちごが勇人の顔面に叩きつけたパンティ・パフェの香り付き?)

 

「(……また回収した……! しかもアイツの顔面……!)」

 

「(……アヌスソムリエ汚染(勇人DNA・糖分付着)サンプルか。これも貴重なデータだ。……付着した糖分によるパンティ繊維への影響……変身エネルギーへの転換効率……仮説が完全に実証された……!)」 ヨウくんがボソリと呟いた。

 

「『実証された』言うなー!」

 

いちごはスポーツドリンクのボトルをヨウくんに叩きつけようとして思いとどまった。 (……あ。パソコン新しくなったんだった) (……殴ったらまた弁償させられる……!) (……でも!) 「ねえヨウくん! 私やりすぎちゃったかな……? あの人のアゴ……骨折とかしてないよね……?」 いちごは自分の(ではなくヒール)を不安そうに見つめた。 顎を砕く感触がまだ残っている気がした。 少し後味が悪い。

 

「……いや」 ヨウくんは初めて断言した。 「あれは『お仕置き』として妥当な範囲内だ」 「彼の行為はハラスメントであり精神的DVだ。それ相応の代償(ペナルティ)は必要だ」 彼はメガネの奥で静かに言った。 「君は間違っていない。むしろ顎関節脱臼程度で済んだのは慈悲(じひ)と言える」

 

「(だ、脱臼……やっぱり……でも慈悲……?)」 いちごは少しだけ青ざめたがヨウくんの言葉に救われた気もした。 (……そうだ。私は間違ってない) (……悪いのは全部あいつだ)

 

「さあ帰ろう桃瀬さん」 ヨウくんが立ち上がる。 「今日のデータは過去最高レベルに有益だった。君の『弁償』もこれで完全にチャラだ。むしろ僕から報酬を払うべきかもしれん」

 

「(……え!? 本当!? やったー!)」 いちごは単純なので完全に元気を取り戻した。 「じゃあ明日新しい服買いに行くの付き合ってよ! ヨウくんのおごりで!」

 

「……検討しよう」

 

(……あ) いちごはそこでハッと我に返った。 (……そうだ。あの時……履き替える時……) (光る前……私……全部……)

 

いちごの顔が急速に赤くなっていく。 彼女はもじもじと自分のスカートを押さえながら恐る恐るヨウくんを見上げた。 「……ね、ねえヨウくん……」

 

「なんだ」

 

「……さっきの……その……履き替える……時……」 「……み、見て……た……?」

 

ヨウくんは無表情のまま数秒間黙考した。 そして冷静に分析結果を告げた。 「ああ。記録した」

 

「(……やっぱりぃぃぃぃ!)」

 

「君の『覚悟』が生体エネルギーを最大化するプロセス。非常に興味深いデータが得ら――」

 

「忘れろビーム!!!!」 いちごはスポーツドリンク(中身入り)をヨウくんの顔面に全力で投げつけた。 バシャッ! という派手な音と共にヨウくんがずぶ濡れになる。

 

「……ぐ……冷却……感謝……する……」 ヨウくんはメガネを濡らしながらも親指を立てて沈んでいった。

 

ご近所の平和(とカフェの静寂と勇人の顎)は今日もかろうじて護られたのだった。 いちごの汚れたコスチュームと心の傷そしてヨウくんの貴重な生データと共に。

 

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