人を攫って解体する様子をショーとして配信するサイコパスヴィランの話。

閲覧注意です。救いはないです。耐性ない人は見ない事をお勧めします。

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胸糞注意です。


第一話「第50回目記念配信」

 ……あ、あー。テステス。聞こえてるかなぁ? 全国にどれだけいるか分からない視聴者の諸君。今日も切裂君による人間解体ショーの時間だよ。

 お、今日は視聴者が10万人を超えているみたいだね。半数が警察やヒーロー、公安の皆さんなのが悲しい所だけどまぁそこは仕方ないね。

 それじゃ記念すべき第50回目の被験者はな、な、なんと! 立候補してくれた人になります!

 紹介しましょう! 轟冷音さんです! そう、皆も知っているナンバー2ヒーローのエンデヴァーの娘さんです! 今日はよろしくね!

 

 

-はい、よろしくお願いします

 

 

 うんうん。コミュニケーションが取れるのってすごくいいね。何時もは泣き叫んだりこっちを攻撃しようとしてくる蛮族ばかりだからとても新鮮だよ。

 さて、今日は解体前の雑談を長めにとって視聴者も気になる立候補したとはどういうことなのか? その辺を聞いて行こうと思うよ! だからヒーローの皆さん、そんな怖い顔しないで欲しいな。冷音ちゃんも怖がっちゃうでしょ。

 

 

-大丈夫ですよ。……私は、父さんから失敗作にも慣れない出来損ないと言われて育ってきました。父さんはオールマイトに勝ちたい一心でたくさんの兄さんや姉さんを作ったんです。

 

 

 あー、裏では有名な話だね。個性婚ってやつでしょ?

 

 

-そうです。父さんは母さんが持つ氷の個性と自分の炎の個性を持つ最強の個性の子供が欲しかったんです。そして、私の双子の兄、焦凍兄さんがまさにそうでした。

 

 

 え、確かエンデヴァーって5人くらいいなかった? もしかしてお目当ての個性を持った子供が生まれるまで作るつもりだったの?

 

 

-多分そうだと思います。そして、一緒に生まれてきた私は無個性でした。

 

 

 ありゃ、つまり失敗作以前の出来損ないとはそういうわけね。まるでガチャを引いている感覚だね。

 

 

-父さんはそのつもりは無かったかもしれないですけど多分それに近いと思います。それで、私は焦凍兄さんからも他の兄さん姉さんからも隔離されて育ちました。多分、興味はなかったけど焦凍兄さんに近づく事で悪影響が出る事を危惧したんだと思います。

 

 

 うわぁ、内情を聞いていると本当にヒーローの所業か怪しくなるね。冷音ちゃん、辛かったでしょ?

 

 

-慣れた。と言ってしまった方がいいのかもしれません。途中から何にも感じなくなりましたから。父さんにかまって欲しいという気持ちも、いつも焦凍兄さんばかりを可愛がって私には見向きもしなかった母さんも、ほとんど記憶にない他の姉や兄もどうでもいいです。

 

 

 うーん。心が壊れちゃってるねぇ。あれ? そうなると今回立候補したのってエンデヴァーへの復讐とかじゃないよね?

 

 

-はい。私はもう生きる事に疲れちゃったんです。クラスメイトは無個性だと馬鹿にしてくる事。焦凍兄さんと比べてくる事。顔だけは良いと私を襲ってきた先輩。私、これまでの人生で楽しい思い出がないんですよ。だから自殺しようも思ったんですけどこの配信の事を知って、自殺するよりもいいかもしれないって思ったんです。

 

 

 自分が言うのもなんだけどやばいね。かわいそうに思えてくるよ。

 

 

-それに、こうして配信されれば父さんも母さんも見てくれるかなって思って。

 

 

 あー、成程ね。どれどれ……。お! エンデヴァーは見ているみたいだよ。うわ、凄い怒ってるよ。サイドキックの人たちに抑えられてるけどそうじゃなかったらパソコンに突っ込みそうな勢いだね。

 

 

-そうなんですか? 少し、うれしいかもしれないです。

 

 

 うんうん。大切……と言って良いのか分からないけどここまでして漸く家族に見てもらえた君は本当に不幸としか言いようがないね。

 よし! それじゃこちらから提案しようか。実はね、痛みはないけど意識をギリギリまで保った状態で解体できる薬を開発したんだよ。これを使えば家族の様子を最後まで見れるけどやってみる? 普通なら問答無用で使用するけど初めての立候補者だし使わずにこちらの薬を使っても良いよ? こちらはね、心地よい気分に包まれながら眠る事が出来る麻酔薬だよ。使用すると余程の事がない限り目覚められない劇物だけど解体するなら別に問題は無いしね。どうする?

 

 

-なら、自分の最後を見届けたいです。

 

 

 ……冷音ちゃん。本当に思っていたけど狂ってるね。そんなことを言われてしまったらなら俺も最高の最後になるように努力させてもらうよ。それじゃ、雑談はここまでにして、解体ショーと行こうか。

 

 

 

 

 

 ……どう? 意識ははっきりしているのに感覚すら感じなくなったでしょ?

 

 

-はい。まるで自分の体じゃないみたいです。

 

 

 薬がきちんと効いているようで安心したよ。それじゃ始めようか。最初は……右腕からだね。

 

 

 

 

 

 冷音ちゃんって最初見た時から思ってたけどすごくスタイル良いよね。

 

 

-そうで、すか?

 

 

 うん。ほら、お腹なんて全然脂肪ないじゃん? 普通の人って大なり小なり余分な脂肪があるもんだけどそういったものが全くないんだよね。

 おりょ? 内臓脂肪も少ないね。綺麗なピンク色をしていて可愛いよ。

 

 

-それ、は、良かった、です……。

 

 

 あ、そろそろ喋るのもきついかな? 安心してよ。次は頭を開いて脳に直接装置を埋め込めば機械を通して会話は出来るからね。

 

 

 

 

 

 そろそろ限界かな。見える? 冷音ちゃんの心拍数が少しずつ小さくなっているよ。

 

 

-ミエマス。ワタシハモウスグシヌンデスネ?

 

 

 そうだね。冷音ちゃんとのお別れは凄く辛いよ。涙が出てきちゃうほどに。

 俺ってさ、見ての通りサイコパスじゃん? 解体する人にここまで感情移入できたことが初めてで戸惑っちゃってるんだよね。

 

 

-ワタシヲオモッテクレルノハウレシイデス。

 

 

 あはは。そう言われたのは初めてかもしれない。うん、決めたよ。普通ならお得意様に肉体は全て卸すんだけど君は止めておくよ。俺の個性を使えば永久保存が出来るからね。

 側は綺麗に戻して剥製みたいにして飾ってあげる。継ぎはぎになるかもしれないけどそこは腕の見せ所だな。中身はホルマリン漬けみたいに飾ってあげるよ。ここまで綺麗な臓器や肉を隠すのはナンセンスだからね。

 

 

-スコシヒイチャウケドホメテクレルノハウレシイデスヨ。

 

 

 ……そっか。冷音ちゃん、本当に碌な人生を歩んで来れなかったんだね。きちんと大切に扱うって約束するよ。

 それじゃ、最後の挨拶をしてくれるかい? 実はね、今君の家族全員が配信を見てくれているんだ。エンデヴァーもお母さんもお兄さんもお姉さんも、焦凍兄さんも皆ね。

 

 

-ソウナンデスカ? ナラサイゴノアイサツシナイトイケナイデスネ。

 

 

-……父さん、母さん、冬美姉さん、夏雄兄さん、そして焦凍兄さん。こんな最後を迎える事になってしまってごめんなさい。行けない事だってわかっていながら私はここにいます。父さん、失敗作にすらなれない出来損ないでごめんなさい。母さん、焦凍兄さん見たいに可愛い子供じゃなくてごめんなさい。冬美姉さん、夏雄兄さん。本当の家族のように一緒に居られなくてごめんなさい。

 

 

-……そして、焦凍兄さん。ダメな双子のいもう、とでごめんなさい。むかし、一緒に言ったヒーローになる、ユメ。かなえられなくて、ごめんなさい。でも、しょうと兄さんはすごく、強くて、かっこよくて、自慢のに、さんだから、り、ぱな、ひいろにな、れるて、しんじ、てます。てんごく、で、KAつや、くお、MITEMASUK……ら……。

 

 

-みんな、ごめんね……。

 

 

 

 

 

 ……すごく満足そうに逝ったな。轟冷音さん。来世は幸があらん事を……。

 さて、今日の配信はここまでだよ。被験者が被験者だけに湿っぽい感じになっちゃったね。でも大丈夫! 次の配信では明るく笑えるような配信にする事を約束するからね!

 ……アハハ。エンデヴァーに焦凍君。そんな形相で睨まなくてもいいじゃないか。君の家族は満足して死んだんだよ? 君たちでは成し遂げられなかった幸せにさ。それを祝ってあげないでどうするのさ?

 ……あ? 返せ? 何言ってんの? 冷音ちゃんは君たちが捨てたようなものじゃないか! 知っているかい? 冷音ちゃんを配信に呼ぶのに何回会ったか。20回だよ? それもこの異空間ではなく、現実の世界で。それも君たちの家の近くで! なんで気づかないのさ。それはつまり君たちは冷音ちゃんを普段から見ていないってことだよ。家族なのに! 何をしているのかを把握できていなかったんだよ!

 配信されて初めて知るなんて家族として可笑しいでしょ? まぁ、おかげで最高の配信が出来たことには感謝しているけどね。

 言い訳は聞きたくないね。何を言ったところで現実を見れば一目瞭然。君たちは冷音ちゃんに興味がなかったんだよ。いい加減認めなよ。醜いよ?

 ……おっと。視聴者のみんな、ごめんね! 放ったらかしにしちゃって! さて、気を取り直して次の配信は一週間後、被験者はそうだなぁ……。冷音ちゃんみたいな若い女の子にしようかな! 次も雑談が出来る相手だといいな!

 

 

 それじゃ皆! また来週!

 




切裂
人を解体することが大好きな生粋のサイコパス。更にその様子を配信するなど常軌を逸している。加えて、配信を遮ったり閲覧制限をかけられた際には報復として権力者や金持ちの子供を攫って解体した為に止める事が出来ない。
個性のせいでヒーローや警察も捕まえる事が難しく、手をこまねいている事しか出来ない。現時点で犠牲者は300人は超えているとされている。
その一方で一部ではファンがつく等危険な奴らが集まっている。
解体する対象はその時の気分で大幅に変わるのも捕まえられない事に拍車をかけている。

個性【異空間】
・異空間を作り出せる。大きさや部屋数は自由自在。一度作り出した空間は本人の意思で消すことが可能。その際に異空間にある人や者は消滅する。
・異空間は現実世界とつなげる事が出来るが本人の努力によって電子の世界にもつなげる事が出来、ハッキングなども可能となっている(本編で切裂がエンデヴァーや焦凍の様子を確認できたのもこれのおかげ)
・異空間は本人及び許可した者しか出入りが出来ないが無機物はその限りではない。

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