今日から本格的に授業が開始される。午前の授業はまぁ普通の内容だったな。授業のレベルは普通にアホみたいに高かったけど。
午後の授業はみんなソワソワしてる。当然だろう初めてのヒーロー科の授業だし、オールマイトが直接教えてくれるんだから。教室に入ってきた時、一瞬びっくりした。なんかオールマイトと一緒に7人くらい入ってきたかと思ったけど気のせいだったみたい。
シルバーエイジのコスチュームに沸き立つクラスメイトを抑え、場所の移動と着替えの指示を出すオールマイト。教室横のロッカーが展開し、それぞれの出席番号が割り振られたトランクケースが出てくる。
更衣室で要望通りの仕上がりに満足しつつ、着替えてグラウンドへと向かう。俺のコスチュームは身体の変質を阻害しない為上半身は伸縮式の形状記憶金属で作られた通信機デバイスのネックレスと下半身は足の可動域を阻害しないダボッとしたカンフーパンツ。とりあえずこれだけにして今後必要に応じてガジェットを足していくデザインとなっている。
グラウンドに着くとみんなのコスチュームが視界に入る。要望が少ないとぴっちりスーツとかになるらしい。ボディラインが丸見えで少し気まずい·····
ん?と言うことはワンチャン切奈も·····?他所の男に切奈のボディライン見られるとか普通に気分悪いな??なんかポンチョとか、羽織るように言った方がいいか·····?いやでも、なんな束縛っぽくてキモイ気もする·····むむむむ
そう悩ませていると声がかかる。
「おー!怪魔くんシンプルでいいね!ごつい身体だから似合ってるよ!!」
明るい声で声をかけてくれたのは手袋とブーツしか身に付けていない裸の葉隠さん。色々隠さずに明るく駆け寄ってくる。
裸·····?
「ドゥエェェ!?葉隠さん何で裸ァ!!??」
その声に何故かしばらく疑問符を浮かべていた葉隠さんは、俺がここまで取り乱す理由が、たった今分かったような顔をして叫ぶ。
「え!!??ウソウソ!?怪魔くん見えてるの!?」
顔を赤くしてその場に蹲る葉隠さん。見えてるって何が!?いや、見えてるのはそうなんだけど!?
俺も慌てて謝る。
「ごめんごめんごめん!いやそれよりも女子!!!囲ってあげて!俺、目を瞑る的な機能がなくて!!!!360°全部見えちゃってるの!!!」
自身の高スペックをここまで恨む事になったのは思わなかった·····!!
切奈ごめんなさい!!!
葉隠さんごめんなさい!!!
そんな混乱を聞きつけて、オールマイト先生がやってきて葉隠さんにマントを被せてあげていた。
「なるほどな·····であれば、葉隠少女はとりあえず、今回の訓練中は私のマントを羽織っていなさい。後でコスチュームの改善案を出そう」
とりあえず何とかなりそうで助かった·····でもあとでもう一度葉隠さんに謝らないとな。
·····でも嫌われたかもしれないし、話しかけない方がいいのか??あと、切奈にも正直に話して土下座しないとな。
そんなことを悶々と考えている内に、いつの間にかみんな揃っていて、オールマイト先生が授業の説明に入っていた。
おっと、流石に切り替えなきゃね·····今回の授業は屋内での戦闘訓練。拠点を攻めるヒーローチームと拠点を守るヴィランチームで別れるらしい。チームはくじで決める即席で、対戦チームもくじ引き。今回は俺と葉隠さんが組まれた場合は、引き直しを行ってくれるらしい。
くじの結果、俺の相方は紫の玉のような髪を持つ背の低い男子、峰田実くん。対戦相手は、轟焦凍くんと常闇踏陰くんがヴィランチームでこちらがヒーローチームとなる。
ヴィランチームが準備してる間、こちらは暇なので個性の把握なども兼ねて交流を深めようと話しかける。
「改めて怪魔 獣兵衛だよ。よろしくね個性は適応進化、結構色々やれるから、峰田くんの個性も教えてくれる?」
そういうと峰田くんはわざとらしく溜息をつき首を横に振る
「いや……ね?そんな話はいいんスよ。もっとさ、大事な話があんだろうよ、怪魔ぁ」
……?はて、なんだろうか。不思議そうに峰田くんの方を向けば、峰田くんはくわっ!っと目を見開きこちらに詰め寄る
「どうだったんだよ」
「なにが?」
「だからぁ!!おめーが目に焼き付けた葉隠ッパイはどうだったって聞いてんだよぉ!?こっちとら浮いた制服のシルエットで生殺しにされてんだ!せめて感想を共有するのが、漢の仁義ってもんだろぉがよぉ!そうだろ怪魔ぁ!」
「何ほざいとんだダボハゼ」
ハァハァと息を荒らげ、興奮して詰め寄る峰田くん、いや峰田のバカを俺は冷めた目で見る。これが誇りある雄英高校ヒーロー科の生徒の姿か·····?
「お前だってそんな事言いながら今日帰ったら思い出して絶対××××するだろうが!!そんな事ないとは言わせないぞ怪魔ぁ!!お前は同じ苦しみを共有してる同士だって見りゃわかる!な?だから後生だよぉ怪魔ぁ!せめてちk「オイ、いい加減ライン超えやぞ」·····ッス」
ズイ、と怒気を込めて顔を寄せれば峰田はしお·····と萎びる。俺がサラッと非モテ認定されるのはまぁ、いいよ。実際モテては無いから。
でも、それを起こした本人の俺が言うのもなんか変な話ではあるけど、不慮の事故で葉隠さんは傷付いてるかもしれないからね。 そういうのは良くないよ。
「さ、切り替えて集中しよう。んで、峰田の個性は?」
「もぎもぎ。オイラ以外には超くっつく。1度くっついたらオイラでも剥がせないし最長1時間くらいくっついてる。罠に使えないことも無いけど、今回はヒーロー側として向かうから相手に投げるくらいだな」
「·····なるほどね。一撃で状況を傾けうる個性だね。そうなると俺が相手してる隙をついて投げてくれるか?」
「おうよ、けどよ怪魔ぁオイラのモギモギがくっついたら授業どころじゃねぇぞ?」
「あー、それに関しては、細かい砂をまぶしたら掴んでも大丈夫だと思うんだけどどう?」
「たぶんイケる。あくまで掴めるようになるだけだけだけどな」
「それでいい」
ある程度作戦が纏まった時、タイミングよくスタートの合図が流れる。俺達はまず正面からは入らず、屋上からの侵入を選択した。大きく一息で飛び越え音を消すように着地し、爪を使って扉の鍵部分を缶切りのように静かにこじ開ける。
最上階は全ての照明が割られており、かなり暗い。俺は視界で情報を得てないから、峯田談だが。
峯田を肩に乗せながらゆっくり進んでいると、暗がりから影のようなものが伸びてきた!?
「っとぉ!?」
「チィ!フセイダカ!」
常闇くんにそっくりな影。繋がってることを見るともうバレたかな·····とはいえ相手取るにはまず確認しなきゃ行けないことがある
「·····影くん、君常闇くんにフィードバックとかあるタイプ?」
「ナイ·····ガ、ダトシタラ俺ヲ消セル気デ居ルノカ?舐メルナ!!!!!」
そういうと速度のギアを1段階あげて襲いかかってくる。が
「じゃあいいか」
「g·····」
尾をしならせ死角から貫く。それにより影くんは霧散した。
「じゃあ行こっか」
そう顔を向けると、峯田はビクッとしながら答える。
「ふ、普通確認取れたからって一撃で潰すか·····?怖ぇよ」
「え、でもあれは個性だし·····そうかなぁ?ま、いいやじゃああの影くんが伸びてた方向に向かって進もうか」
「え、こんな暗い中で見えたのかよ!?」
「いや、見えたって表現は·····まぁいいや。向こうにも気づかれてると思うから気をつけて進もう」
「男の肩に乗るのも気に入らねぇぜオイラは·····」
とかなんとかボヤきながら進んでいると大きく開けた場所に出る
その刹那、俺と峯田に莫大な冷気が押し寄せる。大気の温度変化を角で察知していた為、それは読めていた。峯田を通路に放り投げて俺はこのまま受ける。
お、ちべた。
目の前にはもうひとりの対戦相手、轟くんと部屋の隅に立つ常闇くんだった。
「全身凍らせた。俺の勝ちだ·····もうひとり、見ただろ?勝ち目ねぇから投降しろ。凍らせたあと溶かすのも手間だろ」
そう言いつつも、轟くんは俺に手をかざし続け残心。抜け目ないなぁ。
油断したところ突いたろうかと思ったが、んー、もう少しじっとしてたら峯田が投降して負けになりそうだしな·····動くか。
力任せに氷を砕いて、横から轟くんの首を掴み地面に叩きつける。咄嗟に動こうとする常闇くんの首筋に尾の先を突きつける。そのまま轟くんは俺の腕を凍らせて反撃してきたけど、生憎その程度じゃ俺の皮膚には霜焼けにもならない。しばらく冷気を送り込んでいたものの、少し首を強く締め付けて告げる。
「降参する?」
「ッ·····ああ」「投降しよう·····」
「じゃ峯田、テープつけて」
「お、おう·····強よすぎだろ·····」
峯田が轟くんと常闇くんの手にテープを巻き付けたところで俺達の勝利となった。
そして講評の時間。戻ってきた俺たちをオールマイト先生とクラスメイト達が迎え入れてくれる。
「おつかれ!みんなナイスファイト!今回のMVPは怪魔少年だな!ただ、1つだけ注意がある!何かわかる人!?」
そう言うと八百万さんが手を挙げ話し出す。
「はい。今回確かにしっかりとした打ち合わせや屋上からの侵入、冷静でハッキリした投降勧告。どれも素晴らしいとは思いますが一点、常闇さんの個性の件ですわ。これは訓練ですから、聞いたり信用して、即座に致命的な攻撃をしましたが、実践ではそれを断定することは極めて難しく、個性であろうと非致死性の攻撃で様子を見るべきでしたわ!」
「お、OK!(また全部言われた·····)、八百万少女の正解だ!フィードバックがある個性もあるしね!実戦をしっかり考慮して訓練していこう!」
そうオールマイトが締められ、戦闘訓練は終了した·····ぐうの音も出ねぇ。八百万さんすごいな·····確かに実戦を想定しなきゃいけないもんな·····これから気をつけよ。
さて、他のチームの戦闘を見つつ、レポートの宿題が出たところで授業は終了。放課後、さっきの授業の反省会をするって誘ってくれたのを断腸の思いで断りつつ、校門へ向かうため教室を出る。
·····今よりここを死地と定める
理由は簡単。切奈に葉隠さんの裸を見てしまった事を土下座するためだ。誠実に全てを話して謝ろう。昨日少し不安だということを話してくれたそばからコレだ。どう言った理由でももう少し俺が気をつけるべきだったのは間違いないから。
そう。決意を定めて廊下を歩いていると「怪魔くん!」と声がかかる。そこには葉隠さんがいた。
「えっ葉隠さん·····その、改めてごめんね。理由はどうあれ傷付けてしまったよね」
「え!?ううん!むしろこっちこそゴメン!色んな個性があるんだもん、透明を見破る個性を想定できてれば防げた事故だし!むしろ、怪魔くんにこれ以上気にしないでって言いに来たの!」
そう言ってへにゃりと眉を下げて彼女も謝る·····ええ子や·····ゴホン
「わかった。これ以上謝るのも逆に気を使わせるしね。これから俺も気をつけるよ。悪いけど急いでるから、またあした葉隠さん」
「うん!また明日ね怪魔くん!」
そう別れて、切奈が待つ校門へと向かう。
あ、もう来てる。切奈はこちらを見るとニコリと笑って手を振る。
「何、いきなり話って。改まるような内容なん?」
「あ、うん。まぁね·····謝んないといけない事があってさ」
「ちょ、本当に何さ怖いって」
「その·····切奈·····ごめん!俺、事故でクラスメイトの女子の裸を見てしまったんだ!」
「·····え?」
フリーズする切奈に向かって事の顛末を話し始める。そして説明をし終わったあとで、改めて切奈に謝罪をしつつ黙ったままの切奈に顔を向ける。
「·····はぁぁぁぁぁぁ·····何それ·····緊張した私がバカみたいじゃん·····」
そう言って特大ため息を吐いた切奈はひょいと尻尾に座り、切り離した腕で俺の後頭部をはたく。
「そんな事で別れ話くらいの空気感だすなよ有り得ないって信じてるけどさ、本当にそうかと思ったじゃん」
そう言い、プイと顔を逸らす切奈。可愛いが罪悪感がすごい·····!
「う、ごめん·····いやでも·····昨日ちょっとだけ不安みたいな話をしてくれた次の日だったし·····その辺はしっかりとケジメつけないと·····さ?埋め合わせはするよ。なんでも奢る」
「当然だよね。さ!出発しよ!まずはスタバ!」
そうして切奈と放課後デートへと向かった。一通り切奈に付き合ったとこで、駅へと向かい歩き出す。
「ね、そんでさ」
「なんすか切奈さん」
「今日の事故が初めて直で女の子の裸みたの?」
「ブッッッ·····ゴホッゴホッ···············」
「聞いてんだけど」
「ッス。まぁ、初めてだようん。でも「それは分かってるからいいよ」」
「ふーん·····やっぱり改めて分かっててもムカつくなぁ·····ね、獣兵衛。今日はなんでも言うこと聞くって言ったよね?」
「え、俺奢r「言ったよね?」はい!言いました!」
「よろしい。じゃあ着いてきてね」
そう言って尾を降りて切奈が向かった先はネオンの照看板がある西洋建築の立派なお城的休憩施設だった·····いや、いやいやいやいや
「ちょっ切奈?切奈さん??ちょっとそれはまずいッス」
「何が?」
「いや、何がって·····何もかもでしょ!?俺が今回は悪かったけど、まだ高一なったばっかだし、焦ったりしちゃ「そういうんじゃないよ」·····」
「あのね、獣兵衛。別に今日のことがあったからだけじゃ無い。いや、当然さ獣兵衛の初めての内容の数パーでもぶんどられたのがバカムカつくってのはあるけど、それだけじゃないから」
そう言って切奈は俺の目の前に立つ。両手で俺の顔を包み込みズイと寄せる。
「言ってた雄英合格のご褒美。その為にイロイロ準備したんだよ?タイミング見てたんだ·····「けど」それとも·····」
反論を遮るように切奈は顔を赤くしながらボタンの一つだけを外しシャツを開く。そこにはパープルのレースの下着がちらりと顔を覗かせていた。
「そういう事、私としたくないの?」
そう、蕩けるように囁かれて·····俺は·····
「ね?獣兵衛·····来て·····」
「えっ、何そのサイズ。ちょ、ちょっと1回待って獣兵衛、獣兵衛!?あっ」
「じゅーべえのばか、あほ、きちく、けだもの·····でも嬉しい·····これからもよろしくね?」
真の男になりました。
男へとワンランク上になった獣兵衛くんでした。迷ったんですけどこのイベント自体は早めに消化。もっとレベルアップしていくイチャイチャを書いていきます!このssは本編で二次創作するのが本題ではないので。次回USJ前半とかになるかな?もしかしたら1話で完結するかも·····?まぁ気仲間にお待ちください。前書きにも書きましたが励みになりますので、何卒感想、評価よろしくお願いします!