ゆっくりしていってくださいm(_ _)m
轟音と共に、大地が裂けた。
地の底から吹き上がる熱風と共に、黒い巨影が姿を現す。
その名は――超古代怪獣ゴルザ。
太古より地殻に封じられていた地底獣が、再び現代の街へと姿を現したのだ。
舞台は御茶ノ水。
夕日がビル街に差し込みガラスがキラキラと反射する中、鳴り響く咆哮。
地鳴りと共に地面が波打ち、逃げ惑う人々の悲鳴がこだました。
ガラスが砕け、アスファルトが裂け、街は一瞬にして混乱の渦へと沈む。
その絶望の只中――眩い金色の光柱が天へと伸びた。
光の中から姿を現したのは、銀と赤紫の装甲を纏う巨人。
ウルトラマンティガ。
その眼差しには言葉などない。
ただ静かに、しかし確かに――“守る”という意志の光が宿っていた。
ヒロトの意識は、巨人と一体化していた。
彼の心の奥底にあるのは、ただひとつ。
「誰かを守りたい」――それだけだった。
ゴルザが咆哮を上げた瞬間、街全体が震えた。
その一声だけで、ビルの窓ガラスが一斉に割れ、電線が弾け飛ぶ。
熱線が吐き出され、街路樹が一瞬で炎に包まれた。
ティガは腕を交差させ、直撃を受け止める。
だが、爆風が周囲の車を吹き飛ばし、コンクリートが砕け散った。
衝撃の波がティガの体を打ち、足元の地面が大きく沈み込む。
ティガは無言のまま前進する。
マルチタイプ――バランスに優れた姿。
銀と紫の装甲が光を反射し、神聖な輝きを放っていた。
その姿に、避難していた人々の誰もが息を呑む。
誰かがぽつりと呟く。
「……光の巨人……」
地を割るように踏み出したゴルザが、突進してくる。
振り上げた巨大な腕がティガを襲い――直撃。
巨人の体が数十メートルも吹き飛び、ビルの外壁に叩きつけられる。
鉄骨が悲鳴を上げ、瓦礫が雪崩のように崩れる。
だがティガは、膝をつきながらも立ち上がった。
――まだだ。倒れるわけにはいかない。
ヒロトの声なき叫びが、光の奥で震える。
「守らなきゃ……!」
ティガが再び地を蹴る。
掌から連続して放たれる光弾――ハンドスラッシュ
閃光がゴルザの身体を貫くが、その厚い装甲はびくともしない。
反撃の尾撃。
ティガの胴を打ち、巨体が道路に叩きつけられる。
衝撃波が地面を揺らし、粉塵が空を覆う。
ティガは動かない。
その胸のカラータイマーが、青から赤へと変わる。
ピコン……ピコン……
警告音のように点滅する。
時間が、尽きようとしていた。
⸻
その戦いを、ひとりの少女が見つめていた。
――葉月恋。
避難誘導の最中、校舎の屋上に取り残された彼女は、ただ空を見上げていた。
光の巨人が倒れるたびに、胸が締めつけられる。
「……天城くん……?」
思わず漏れたその言葉に、彼女自身がはっと息を呑む。
ティガの瞳に宿る優しさ、苦しみ、そして決意。
それはまるで、先程自分を庇ってくれた天城ヒロトそのものだった。
(あなたは誰を守ろうとしてるの……?)
爆音が響き、ティガが再び吹き飛ばされる。
だが恋はもう、恐怖よりも――その姿に“希望”を感じていた。
彼の戦いは、破壊ではなく、ただ「守るため」の戦いなのだと。
「──頑張ってください」
瞳に映る巨人へそう言うと恋は、胸の前で祈るように手を合わせるのだった。
⸻
粉塵の中で、ティガは立ち上がる。
赤いカラータイマーが、まるで心臓の鼓動のように弱々しく点滅していた。
ヒロトの意識が揺れる。
(どうすれば……勝てる? どうすれば、守れる?)
その問いに応えるように、胸の奥で金色の光が脈打つ。
声なき声が、ティガの魂に語りかける。
――光を信じろ。
ティガの額のクリスタルが強く輝いた。
全身を包む光が膨張し、筋肉が隆起する。
銀と赤の装甲が重厚に変化していく。
ウルトラマンティガ・パワータイプ
その一歩ごとに地面が沈み、空気が震える。
熱気が街全体に広がり、遠くで見ている恋の頬をも撫でた。
「……姿が変わった!?」
恋は目を見開き、呟いた。
⸻
ゴルザが吠える。
しかし今度は、ティガが一歩も退かない。
渾身の右拳――ドガァッ!!
その一撃でゴルザの顔面がのけぞる。
続けざまに左拳、そして肘打ち。
衝撃波が街を走り抜け、周囲の瓦礫が弾け飛んだ。
ティガは跳躍。空中から両拳を叩きつける。
地響きと共に、ゴルザが地面へ倒れ込んだ。
粉塵が晴れる頃、地底獣は怒りの咆哮を残して――
地中深くへと潜り、姿を消した。
ティガは追わない。
ただ、拳を握ったまま静かにその穴を見つめる。
そして、ふっと光に包まれ、静かに――消えた。
街に残るのは、柔らかな金色の光の粒。
⸻
「……なんて力なの……?」
葉月恋は、呆然と空を見上げた。
恐怖よりも、敬意が勝っていた。
黄金の光が降り注ぐ。
そのひと粒ひと粒を、恋は両手で受け止めるように伸ばした。
冷たくも、優しい光。
それが完全に消えるまで、彼女はその場に立ち尽くしていた。
⸻
翌朝。
結ヶ丘女子高等学校の校門前はざわめきに包まれていた。
昨日の事件は、テレビもネットも、街中の話題も――巨人のニュースで持ちきりだ。
「神の化身」「未知の兵器」「破壊者」……。
賛否が入り乱れる報道。
澁谷かのんは、スマホを握りしめたまま小さく呟く。
「……どうして、助けてくれたのにあの巨人を責めるの……?」
隣を歩く嵐千砂都が、優しく笑う。
「でもきっと、あの巨人は悪い人じゃないよ。
かのんちゃんが見てたんでしょ? あの瞳を。」
かのんは小さく頷く。
だが、その表情にはまだ曇りが残っていた。
――そのとき。
「かのんさんっ!」
背後から元気な声。
振り向くと、グレージュのショートボブを揺らす少女――唐可可が駆け寄ってきた。
「おはようございます! 一緒にライブ出ませんかっ?」
「えっ、わ、私が!? ライブに!?」
「そうデス! 昨日、怖いこといっぱいあったので!
かのんさんの歌で、みんなに元気を届けたいデス!」
千砂都が笑顔で頷いた。
「いいね、それ! こんな時こそ、歌の出番だよ!」
かのんは少し戸惑いながらも、
昨日見た“光”の記憶を胸に、静かに頷いた。
「……うん。やってみようかな。」
光が人を救ったように、
今度は自分が“大好きな歌”で、誰かを救いたい。
彼女のまだなもない気持ちが静かに動こうとしていた。
──音楽で結び、未来を開く
そして今、少女たちの“歌”が、
新たな“光”へと繋がろうとしていた。
如何でしたか?
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この作品は、息抜きに書いておりますので皆様も気軽に読んで絡んでくれればと思いますので、よろしくお願いします!
では、次回!
またお会いしましょう〜