幼い頃、兵藤一誠の家に一人の少女?が暮らすことになるが、その少女は……
そう、あれは俺の事兵藤一誠が8歳の頃の夏だった。
俺が、この日の事を忘れる事は恐らく生涯無いだろう……勿論、悪い意味で。
「イッセー、ちょっと来てくれ」
「お父さん、何か僕に用事なの?」
言われるがままに、幼い俺は親父に呼ばれ居間へと走っていく。
そして、居間に入ると其処には親父とお袋と、親父の後ろに隠れている少女が居た。
「実はなイッセー、今日から家に家族が一人増える事になった」
「ふふふ、良かったわね。母さんもうれしいわ」
お互いに微笑み合う両親。
「お父さん、お母さん。家族が増えるの?」
「ああ、そうだ。早速紹介しよう」
親父は一旦言葉を切ると、自分の後ろに隠れている子供に「さあ、恥ずかしがらずに
出ておいで。家の息子に自己紹介をしよう」と優しく声を掛け、背中を押してやる。
そんな親父に押されたのか、後ろから恥じらいながら隠れていた少女が前に出てきた。
年齢は多分、自分と同じ位だろう。
白髪に近いピンクブロンドの髪をおかっぱにしており、大きくキラキラしている眼が印象的
な美少女だった。
「う……は、はじめまして。グゥって言います、こ………これから、よろしくお願いします!」
少し頬を染め、もじもじと恥かしそうに自己紹介をする美少女。
そんな彼女を見て、一誠は思わず可愛い子だなと思ってしまう。
「こ、こちらこそ! 僕は兵藤一誠です! 気軽にイッセーって呼んでくれると
うれしいです! これから、よろしく!」
そんな少女に、一誠は安心させるように少し照れながらも一誠は笑顔で
少女に自己紹介をした。
この時の俺は、これから始まる美少女グゥとの生活を楽しみにしていた。
しかし……今、もしこの時の自分に戻れたり、助言が出来るのなら切実に言ってやりたい。
―――待て!! 早まるな!! 騙されるな俺!! それは罠だ!!!
と。
~次の日~
「朝よ、起きなさいイッセー」
「……はぁい」
母親に叩き起こされ、再び閉じそうになる瞼を頑張って開きながら居間へと
向かって行く。
そう言えば、昨日から新しい家族が出来たよね。
可愛い子だし、これから仲良くしていく為にも最初の挨拶は肝心だよね。
半分寝惚けている頭でそんな事を考えながら、居間へと入るとテーブルの椅子に
座っているピンクブロンドの髪の女の子を見つけて、近づき……
「おはようグゥちゃん、昨日はよくねむ「ん?」れ――――」
一誠の挨拶に反応したのか、一誠の方に振り向いた少女を見た途端、それまでの
眠気等完全に吹っ飛んで、全力でその場を離脱し、台所で朝食の準備をしている
であろう母の所に駆け込んだ。
「か、かかかかか母さん! あの居間に居る子は誰!?」
半ば混乱した状態で母に詰め寄る一誠。
それも仕方ないことだろ、何故なら先程居間に居たのは昨日出会ったあの可愛らしい
少女ではなく、髪の色と髪型だけ同じの三白眼で、一見軟体で柔らかそうな見かけの
何かわけの分からない見た事も無い生物〔注:ポクテです〕を丸ごと口に入れている
少女?だったのだから。
そんな半ば混乱している息子の様子を気に留める事もなく、朝食を作る手を止めずに答える。
「誰って、お父さんは仕事に行った後だからグゥちゃんでしょ?
ほら、昨日紹介したじゃない」
変な子ねぇと頬に片手を当てる母。
「いやいやいや、別人だから! 全く別人だから! ちょっと来てよ母さん!」
「はぁ、全く仕方ない子ねぇ」
半ば無理やり、母親の手を引っ張り今へと連れて行く。
するとそこにはやはり、昨日紹介されたグゥちゃんと髪の色と髪型だけ同じで
それ以外は似ても似つかない、三白眼の軟体少女?がいた。
先程と違うのは、口に食えていた未確認生物がなくなっている所だろう。
一誠は、その少女?を指差して母親に告げる。
「ほら、昨日のグゥちゃんとは全く別人でしょ!」
しかしそんな一誠に対する母の反応は、彼が思っていたのと全く反対だった。
「何言ってるのイッセー、この子はグゥちゃんでしょ? 昨日ちゃんと紹介したじゃない」
「は……い………え……?」
イマ、オカアサマハナントイッタ? キノウショウカイシタ? グゥチャン?
予想外過ぎる返答に、完全に凍ってしまう一誠。
しかし、そんな一誠とは裏腹に母はまるで当たり前の様にグゥに話しかけていた。
少なくても、この母親は昨日の美少女=目の前に居る軟体少女?と認識しているらしい。
「ごめんねグゥちゃん? この子まだ寝惚けてるみたいだから気を悪くしないでね?」
「ああ、気にすることは無いぞ」
「ほんと、グゥちゃんはいい子ねぇ」
そんな会話を交わして、母親は再び台所に戻り……それからたっぷり数分経過した頃
漸く、一誠は再起動するやいなや、グゥに詰め寄った。
「いや、本当に君だれだよ!?」
「昨日グゥは自己紹介したばかりだろう、まさかもう忘れたのか……。
はぁ、やれやれ……その年でボケてしまうとは……」
「いやいやいやボケてないから?!?!?! それに、昨日と別人じゃん!?」
「別人……(キャハ☆)これの事か?」
一瞬にして、三白眼から昨日出会った美少女の顔にチェンジを果たすグゥ。
その速さは、正に目にも留まらぬ速さであった。
「そうそう、それだよ!?」
「これは昨日親父殿から『いいかい? 自己紹介の時は最初のイメージが重要なんだよ?
最初のイメージさえ良ければいいんだ』と言われたからこの顔にしておいただけだ」
そう言うと、又もや一瞬で元の三白眼の顔に戻してしまうグゥ。
そして、彼女は口元にニヤリと笑みを浮かべた。
「まあ、これからこのグゥに誠心誠意尽くすがいいイッセー」
「いやだよ!? 何で僕がグゥに尽くさなくちゃいけないんだーーー!?」
その日の朝早く、少年の叫び声がご近所に響き、そしてその声の主である
一人の少年が、母親にミッチリと説教を受けたのであった。
~おまけ~
「そう言えば、さっき口に咥えていた生物って何なんだ?
見た事無い生き物だったけど……」
「ん? さっき……ああ、ポクテの事か」
「ポクテ?」
「正式名称は『のんでポクテ』といってな。ジャングルに生息している生き物よ」
「へぇ、さっき丸ごと口に入れてたみたいだけど?」
「うむ、あれは結構うまくてな……イッセーも食ってみるか? 今出してやる」
「へぇ~、グゥの口から次々と出てくるその生き物がポクテ……って待て待てまてぇぇぇぇ!?
何で口から、次々とそんな生き物が出てくるんだ!? お前の腹の中はどうなってる!?
って、うわぁぁぁぁ、なんか人の手まで出てきた!?」
おわれ
という事で、こちらでは初めまして。
にじファン閉鎖により此方に移転してきた紅鷲と申します。
とりあえず、実験的な意味合いも含めて過去に執筆してUSBに眠っていたハイスクールD×Dと
懐かしきハレのちグゥの短編を投稿しました。
とはいっても、ハレのちグゥ自体がかなり昔の作品の為グゥの口調がかなりおかしく
なっております。とりあえず、家に眠っている筈のハレのちグゥを探すかなぁ……。
因みにですが、このイッセーは原作よりエロ度が半減しており、その分ツッコミ度が
10倍位になってたりしますw それでも、エロ度が無くならないのはさすがイッセーw
そして、この後にハイスクールD×D本編へと繋がる訳ですが……グゥの存在によって
確実に原作ブレイク☆になりそうだと思うのは私だけでしょうか?
ってか、私がこの続きを書くとしたら確実に原作ブレイク☆となりますw
一応、これは短編なので現時点では連載の予定はありませんが、短編の続編と言う形
で次話を投稿する可能性はありそうです。
もっとも、他のSSが優先となるので、執筆は生き抜きとなりそうですが。
さて、それでは今回はこの辺りで