デビルサマナー葛葉ライドウ 対 神魔狩りのツクヨミ 作:木下望太郎
個を捨て、己を捨て、帝都と世を護るため、ただ一振りの研ぎ澄まされた刀となる――それが
だが。揺らぐはずのない己が、捨てたはずの自己が。目の前の光景に、ほんのわずか――いや、確かに動揺していた。
目の前の敵――ライドウとそう変わらない齢格好、体にぴたりと合った黒いジャケットを着込み、奇妙な黒い仮面をかぶった男――が真っ直ぐにライドウを指差す。
「
男の手にした
ライドウの傍らでゴウト――黒猫の姿をした従者であり先達者――が声を上げる。
「いかん、来るぞ! こちらも悪魔を――」
返事はせず、ライドウは黒いマントの内側、学生服の胸元へと手を伸ばした。そこに吊るしたホルダーから一本の管を抜き出す。ライドウの魔力を感知したそれは緑の光をこぼしながら、ねじ式のふたをひとりでに開いていく。
管から溢れた、緑の光が放たれる。
「悪魔召喚……『ガシャドクロ』!」
同時、
「
ライドウの持つ管から走った緑の光は、やがて骸骨の形を取る。人間の全身骨格、ただし恐竜の骨格模型のように巨大な姿。ガシャドクロは牙を剥き、刃物のような爪を敵へと振るった。
がしゃどくろは自らとそれら頭骨の、
二体の巨大な
ゴウトが声を上げる。
「何だと……! バカな、あのような悪魔見たこともない……同じ名の、見知らぬ悪魔だと……?」
「何あれ……! 見たこともない神魔だよ、気をつけて! いざよいくん!」
ライドウはマントの裾をさばき、手にしていた刀を構え直した。
「何者だ……君は」
背筋を伸ばした男はマントを
「俺は