僕のヒーローアカデミア 継承の黎明   作:伽華 竜魅

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アニオリ回です。
と言っても…アニメ通りってわけとは言えないのでそこのご理解等よろしくお願いします。




合宿前の特別ヒーロー実習!

 

 

 

 

I・アイランド事件からの博士たち直々による、僕の戦闘服(コスチューム)とサポートアイテム改良の件もひと段落付き、日本へと戻って来た。

本来ならもう数日は夏休みで、その後に林間合宿が行われる。

だけど今回、僕たちA組は夏休み前に事前報告された特別ヒーロー実習を行うため、雄英高校へと足を運んでいた。

 

「えぇお前たちも知っての通り、合宿前の生徒状況確認も含めた特別ヒーロー実習を行う。だがそれだけではない。今回は特別。それに伴い(いさみ)学園ヒーロー科の生徒四名が参加することになった」

 

「「「――のっけからの新キャラクター!!!」」」

 

「眼鏡女子だぜ眼鏡女子!! なぁ緑谷ァ!!」

 

峰田くん興奮しすぎ…揺らさないで。

上鳴くんも早々に連絡先貰おうとしてるし…けど相澤先生の一睨みでクラス全体が静まり返った。

 

「自己紹介を」

 

「は、はい……今回の実習に参加させていただく、(いさみ)学園ヒーロー科『赤外可視子』です」

 

「お、同じく『多弾打弾』です。よろしくお願いします」

 

「……『藤見』」

 

二人目まではまともそうだったけど三人目が不良っぽい……てかかっちゃんと目が合った?

え?ここでも問題起きるの?え!?

 

(他校同士の不良は喧嘩するって言うが、起こりそうだな)

 

ま、マジですか…!!!

 

「あと一人いるはずだが……」

 

すると赤外さん…の後ろから一人、蛇の異形型の人…?が顔を出してきた。

そしたら次の瞬間、蛙吹さんとその人が名を呼び合いながら抱き合った。

 

「梅雨ちゃんのお友達?」

 

「な、なんだろう…すごくハラハラするぞ。ネーチャー的に…」

 

(自然界では、アレだな)

 

(なんか、うん。ハラハラするね本当に)

 

「『万偶数』、雄英の奴なんかと仲良くしてんじゃねぇ!!」

 

「――おい今何つった!? 二流以下のクソ学生が!!」

 

ちょ、かっちゃん!?

 

「まずいよ、ダメだって…!」

 

「テメェは黙ってろ!!」

 

「――そういうお前が黙れ」

 

流石に担任である相澤先生には逆らえないのか、押し黙った。

すると予鈴が鳴り出して、実習のために移動することになったんだけど……か、かっちゃんと藤見くんが睨み合ってる。

 

 

——◆——

 

 

更衣室で戦闘服(コスチューム)に着替える。

早速ミッドガントレットの初陣、手首に装着して起動し、腕を覆って補強するように装備される。

 

「あれ緑谷、お前戦闘服(コスチューム)変えたのか?」

 

「マジで!? 轟に続きお前ももう変えたのか!?」

 

「あっ、うん。まだ試作品だけど、データサンプルとかを取りたいからぜひ使ってくれってI・アイランドで貰ったんだ」

 

特に秘密にすることでもないし、オールマイトも相澤先生や根津校長に共有している。

 

「おまっ! I・アイランドで貰ったのかすげぇ!」

 

「やっぱ体育祭一位は違うなァ!」

 

「そ、そうかな…」

 

まぁ、『OFA』のことでなんだけどね……。

 

(気にしなさんな! 自慢しまくればいい!!)

 

いや、そういうのは良くないので……。

 

(腕だけじゃなくて、早く足も追加したいところだね。他の子たちと違って出久くんは普段の靴のままだから)

 

そうですね、それも今I・アイランドで博士たちが造ってくれてるみたいなので、とても楽しみにしてます。

 

(ノートに結構な要望を詰め込んだからね九代目)

 

アハハ…やっぱりノートに書き写していかないとまとまらなかったりするので……っと、戦闘服(コスチューム)に着替え終わった。

変わった点は、上腕から肘当てまでは戦闘服(コスチューム)だけど前腕ミッドガントレットになってる感じかな。

これら二つだけしかないし、あまり壊さないようにもしないと……。

 

「おい緑谷…」

 

「ん? どうしたの峰田く…ん……」

 

峰田くんに戦闘服(コスチューム)を引っ張られて後ろを見れば、(いさみ)学園の人とかっちゃんが睨み合いながら着替えてた。

 

「――不良上がりみたいな奴がトップにいるとはァ…雄英も地に落ちたもんだ」

 

「――ンだとこの陰気野郎がァ…!!」

 

とても近寄りがたい雰囲気で、思わず後退りしてしまう。

 

「と、止めろよ緑谷…」

 

「む、無理だよ…」

 

流石にあれはダメだ!かっちゃんは確かに昔よりはどこかマシになったりもしてるけど、これは流石に…!!!

 

「喧嘩売ってんなら言い値で買ってやんよ!」

 

「この実習で勇学園(おれたち)の方が優れてるってことを証明してやる!」

 

「――かかってこいやァ!!」

 

こ、これはヤバい…!

あ、飯田くんが止めに入った。

やっぱり飯田くん凄い…!!!だけど大丈夫かな…この実習……!

 

 

——◆——

 

 

グラウンドΩに全員が戦闘服(コスチューム)に着替えて集まった。

(いさみ)学園の人達の戦闘服(コスチューム)、やっぱり"個性"を活かしたデザインなのもあるな…後でノートにまとめておこう。

 

「全員集まったな? 今日行う特別ヒーロー実習を担当するのは俺ともう一人――」

 

「――私がァ!!!!!」

 

上から聞こえて見上げれば、太陽が逆光になってるけどそこからあの人が降って来た。

 

「スペシャルゲストのような感じで来たァ!!!!!」

 

あ、今日はスーツなんだ。

 

(特別ヒーロー実習なのと、他校の生徒が来てるからじゃないかな? ヒーローであるけど、教師としているわけでもあるし)

 

なるほど、(いさみ)学園の人達もオールマイトを見たのか興奮してる。

良かった…かっちゃんとのあれがあったけど、本当に根は優しくて僕たちと同じなんだ。

 

「さて、今回の実習だが……全員参加でサバイバル訓練に挑戦してもらう!」

 

サバイバル訓練…?

 

「生徒たちは四人一組で全六チームに分かれ、こちらが指定した任意ポイントから訓練を始めてもらう。訓練の目標はただ一つ、生き残ること! 他チームと連携するも、戦うも良し! とにかく最後まで生き残ったチームの勝利となる!!」

 

「それと他チームとの戦闘に突入した際は雄英お馴染み、この確保テープを相手に巻き付けたら戦闘不能状態にすることができる」

 

ざっくりでシンプルなサバイバル訓練。

だけど行動次第では即敗北にも繋がるし、チーム全体に負担がかかるかもしれない。

 

(思ってたサバイバルと違うな四ノ森さん)

 

(森で生活していた私であれば、そっち方面でのアドバイスもできたが……授業は授業。そこまで凝ってはないだろう)

 

あ、四代目って確か山奥で暮らしていたんでしたっけ?

 

(酷い時代で、私以外は変人だった)

 

(いや四ノ森さんが――)

 

(私以外がだ)

 

あ、アハハハ……。

 

「それじゃあチーム分けを発表していくぞ!」

 

A 緑谷・麗日・芦戸・蛙吹

B 爆豪・切島・障子・八百万

C 轟・葉隠・口田・尾白

D 飯田・常闇・瀬呂・砂藤

E 峰田・耳郎・上鳴・青山

F 藤見・赤外・多弾・万偶数

 

(おぉ、ハーレムだな坊主!!)

 

ハッ!!!!!!

 

(やめましょうよ万縄先輩。九代目がオドオドしてる)

 

や、やめてください…!!

 

「全チーム指定したポイントで待機。五分後に合図無しで訓練を開始する」

 

「みんな生き残れよ!」

 

と、とりあえず指定されたポイントの位置を教えてもらい、それぞれチームで駆け出していった。

 

 

——◆——

 

 

「どんな作戦で行く?」

 

「他チームをやっつけていくしかないんじゃない?」

 

指定されたポイントは森林の中。

僕達は一度腰を下ろして作戦会議をしていた。

 

「いや、それはあまり良くない。僕らのチームは索敵に長けた"個性"持ちはいない」

 

「緑谷の"個性"ならできそうだけどなァ~……」

 

「索敵まではできないかな…ある程度相手の攻撃や危険なものを察知できる術は編み出せたけど」

 

「いや普通にすごないそれ?」

 

『危機感知』はあくまで敵意や害、自身に迫る危険なものを感知する"個性"。

索敵で使えるかって言ったらまだ難しい。

大きすぎる敵意や危険には自身に対してでなくても感知するから、それで場所はわかるけど、まだ完璧に扱えてない。

 

「それにうかつに動けば他のチームに見つかる可能性が高い。仮に先に相手チームを発見出来たとしても、戦闘すれば違うチームにこっちの位置を知らしてしまう。それでチーム間で連携して攻められてもしたら一巻の終わりだ」

 

「じゃあどうすれば……」

 

「――みんな、これがサバイバルだということを忘れてないかしら?」

 

そう、これはサバイバル訓練。

戦闘でも救助でもない。

ルール説明でも、生き残ったチームが勝ちだと言っていた。

 

「あ、そっか! ルールの通り生き残っちゃえばいいんだ」

 

「えぇ。だからうかつに動かずにここで待機していた方がいいと思うわ」

 

「うん、僕もそう思う」

 

「その方が楽ちんやね!」

 

後はこっちに危険などが迫らないよう、常に『危機感知』に意識を集中しておけばいいだろう。

 

「よし! 麗日、うららかなおやつ食べる?」

 

「食べる~!」

 

「余裕出し過ぎなんじゃない?」

 

というかそのオールマイトチップスはどこから出したの!?

あ、僕にも?ありがとう……。

 

「――ッ!」

 

『危機感知』が鳴った。

同時に遠くからの爆発音が聞こえた。

 

「この爆発音…連発する爆発で、火力がそれぞれ違う。多分かっちゃんだ」

 

「わかるの?」

 

「かっちゃんは多分、こういうのでジッとしてられないと思うから」

 

「あ、うん。何んとなくわかるし想像できちゃう」

 

それにこっちに来なくても『危機感知』が鳴り続けてる。

けど爆発音がやんだ。

 

「暴れまくってるわね、爆豪ちゃん」

 

「警戒しておこう。こっちに来る可能性もある」

 

「う、うん!」

 

念のため、いつでも動けるよう『フルカウル』と『黒鞭』を瞬時に発動できるように――

 

「ッ!?」

 

「うぇ、何この音!?」

 

「耳がキーンって…!」

 

僕達でこういった攻撃音を出す人はいなかい…仮にやるとしたら八百万さんの『創造』によるものだけど、本人の性格上そういうのはしないはずだ。

つまり、(いさみ)学園の人たちの"個性"……動いたということか。

もしかしたら衝突もすぐそこかもしれない……ッ?

 

森の奥からピンクの煙幕…いやあれはガスだ。

ガスがこっちに来るように広がっていっていた。

 

「なにあの煙…ガス?」

 

「デクくんのに似てる気がするけど……」

 

「いや、僕の『煙幕』じゃない。近づかないで安全な場所に!!」

 

森はあのガスのようなものが広がってる。

ならそのガスが広がってない岩山の頂上が安全なハズだ。

 

「緑谷」

 

「ッ! 轟くん!!」

 

振り返れば、轟くんたちも同じようにいた。

 

「今は争ってる場合じゃねぇ」

 

「うん」

 

「あのガス、なんだかわかるか? お前の煙じゃねぇのだけは分かるが……」

 

「あれは多分、(いさみ)学園の人の"個性"だと思うけど、効果まではわからない……あっ」

 

ガスを見ながら分析していたら、森の奥から誰かが出て来た。

あれはかっちゃん……えっ、嘘だろ…?

 

(おいおいマジか)

 

(そんな"個性"もあるんスか今の時代)

 

他の皆も続々と出て来た…けど、あの姿は――

 

「――ゾ、ゾンビだァー!!!!!!!!」

 

な、何でゾンビ!?

(いさみ)学園の"個性"によるものか!?

…ッ!かっちゃんたちだけじゃない。

 

(いさみ)学園の人達もいる……三人。

てことはいない最後の一人がこの状況を作り出した張本人なのか!?

 

「フフハハハハハ!!!」

 

笑い声が聞こえて振り向けば、(いさみ)学園の藤見くんがいた。

彼の"個性"か…!

 

「どうだ俺の"個性"は! 雄英なんぞ大したこと――」

 

あっ、後ろ……。

 

「ガァ!!」

 

「――オーマイガー!!」

 

か、かっちゃん……ゾンビになってもしつこい。

 

「あっ、おいまさか……」

 

なっ、嘘だろ!?

 

「映画と同じだ…噛まれたらゾンビになるんだ…!!」

 

(えっ、つまりあれなの? "個性"で出来たガスはウイルスゾンビ的な効果があって、それでゾンビ化した人にも噛まれたらゾンビになるの?)

 

(こいつは結構厄介かもな。本人もあぁなっちまうデメリットはあるが……)

 

「使った本人があれじゃ解く方法も聞き出せないな……だったらだ。緑谷!」

 

「ッ! うん!!」

 

轟くんが反対側のゾンビたちを氷結で拘束していく。僕は正面のかっちゃんたちを『黒鞭』で捕縛した。

 

「なっ!?」

 

だけど『黒鞭』の捕縛を力ずくで破かれた。

 

「嘘でしょ!? 轟と緑谷の拘束をもってしてもだめだなんて!」

 

「映画と同じだ…力が増してる」

 

すると背後から尾白くんと葉隠さんの声が聞こえて振り返れば、噛まれていて、ゾンビになってしまった。

 

「えっと、葉隠はゾンビになってるんだよね?」

 

「多分…」

 

「ッ! くっ…口田まで」

 

口田までいつの間にかゾンビになっていた。

というかゾンビになっても無口だ!

 

「ねぇどうすんの!?」

 

「ここにいても危険だ! とりあえず離れよう!」

 

岩山を滑りながら降りていく。

 

「ケロッ!」

 

「ッ! 梅雨ちゃん!!」

 

「なっ、マズい!!」

 

振り返れば蛙吹さんが転倒していた。

そして傍には既にゾンビがいて、急いで『黒鞭』を伸ばそうとしたけど……あれ?

 

「確か彼女って…」

 

「梅雨ちゃんのお友達の……」

 

万偶数さん……ゾンビになってもなお蛙吹さんのことを…ちょっとホッとした。

 

「私たち、ずっと友だ――」

 

「――ガブッ!」

 

あーっ!!青山くーん!!!!

蛙吹さんまでゾンビになってしまったー!!

 

「ゾ、ゾンビになっても仲良しだ……」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないって!」

 

くっ、どうすれば……このままじゃ。

そう思ってると笑い声が聞こえた。

来てくれたんだ!!

 

「もう大丈夫! 何故って!?」

 

オールマイ――

 

「――私が来ゴファッ!!!!!」

 

……ッ!!!!!!!!!!

 

「「――キャー!! 知らない人がゾンビになってるゥ!!!!!!!!!」」

 

ハッとして皆を落ち着かせようとしたけど、それよりも速く麗日さんと芦戸さんに掴まれて引きずられる形でオールマイトを置き去りにしてしまった。

ちょっと待って!!あの人は、オールマイトだけど説明ができないけどゾンビじゃないんだァ!!!!

 

(ずっとマッスルフォームでいたせいだな)

 

(こりゃあ…フォローできないわ)

 

(俊典ぃ……!)

 

待って!!待って!!このままじゃオールマイトがァ!!!あぁもうしょうがない!

オールマイト、ごめんなさい!!

崖の傍まで来たから、『黒鞭』で三人を掴んで『浮遊』で上昇!!

 

洞穴があったからそこに避難して、轟くんに氷結で塞いでもらった。

これでひとまずは……。

 

「……緑谷、あのゾンビ"個性"、いつまで続くと思う?」

 

「ッ…ガスは晴れてたからいつかは消えると思うけど、未知数だからいつになるかはハッキリ言って分からない……」

 

「で、でも本当に危なかったら先生たちが止めに来てくれるよ」

 

「うんうん!!」

 

だと、いいんだけど……。

 

「あの、デクくん。ゾンビ映画の主人公たちは、どうやってピンチを切り抜けてたん?」

 

「えっと…それが、大体バッドエンドで……」

 

もしくは続編に繋げるために、一度は切り抜けただけになるのもある。

あからさまに勝利して平和になるってオチは基本的にない。

でも、この状況を打破するには……ッ!

 

「来やがった…!」

 

氷結に衝撃が伝わって一撃で罅が入った。

どういう方法かは分からないけど、こっちの位置は常にわかってる感じか…!

 

「チッ、このままだと突破されちまう」

 

こうなったらしょうがない!!

 

「轟くん、炎を出す準備をお願い! 二人は少し離れてて!!」

 

「なるほど、強行突破か」

 

「うん! 【黒鎖】でなら穴を作れるけど時間の問題だ。ならこれ以上下がるよりも前に出たほうがいい!! 僕が脱出経路を作るから、その隙に!!」

 

「でもどうやって!?」

 

「ゾンビはダメージを受けないから、氷と一緒に吹き飛ばしたその隙を狙って脱出する。これしかない!!」

 

『フルカウル』を纏いながら屈伸を繰り返して『発勁』を溜める!

 

「緑谷、何してんの!?」

 

「パワーを溜めてるだけ! ゾンビはダメージがない分肉体が強いから!! 轟くん!!」

 

「あぁ…行くぞ!」

 

ゾンビはダメージを受けないけど、万が一を考えて『フルカウル』とインパクトの瞬間どっちも5%に!『発勁』の蓄積を合わせれば20%ぐらいになるはずだけど、あくまで『発勁』は足!ここじゃ狭いから一気に飛び出すための、ロケットの推進器のように!!

けどゾンビの情報が正しいなら、それすら突破して噛みに来る可能性がある。

 

噛まれやすい部位だけに『黒鞭』を覆って鎧のようにする。

死柄木の『崩壊』対策のように!!

 

(徹底しすぎじゃない?)

 

(いかなる戦場、それがたとえ演習であろうと一つの油断が命取りになる。たとえ演習であろうと、実戦の心構えでいることが大切だ。小僧の選択は間違っていない)

 

『発勁』が溜まった、屈んだまま片手を地に付けて構える。

 

――『ワン・フォー・オール5%』+『発勁』

 

疑似20%は推進力!

放つパワーは『OFA』の純粋な力、5%だけ!!

 

「――今だ!!」

 

轟くんの掛け声とともに『発勁』を放出して、拳を構える!!

 

【――疑似20% スマッシュ!!!】

 

壁を破壊!!

インパクトの瞬間も出来る限り加減はしたけど、それでも吹き飛ばすぐらいには出来たはず!!

 

「みんな、今のうちに――」

 

「――なんだ!? 何が起こったんだァ!?!?!?」

 

「へっ?」

 

思わず振り返るとさっきの衝撃で吹き飛んだみんなが落下している姿があった。

だけど、だけど!!

 

 

「――元に戻ってるゥ!?!?!?!?!?!?!?」

 

 

なんで!?いつ!?いつの間に!?

 

(こりゃあ…訳が分からんな)

 

(ギャグ展開的なのではちょっと面白いっすけどね)

 

「ご、ごめんなさァい!!!!!!!!」

 

どうしようどうしようどうしよう!!!!

 

「――おいクソデクァ!!!!!」

 

今一番聞きたくない声が聞こえて咄嗟に振り返れば、空中でかっちゃんが藤見くんをボコボコにして掴んでる姿があった。

てことは結構前から戻ってたってことですかァ!?!?!?!?

 

「俺とやろうってのか? いいぜ! リベンジマッチだァ!!」

 

「――違ァァァアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

しかも『危機感知』が最大レベルで鳴ったァ!!!

かっちゃん本気だァ!!!!

 

「全力で、ぶっ潰したらァ!!!!!!!!!!」

 

「だーかーらー!! 違うってばァ!!!!!!」

 

思わず片足残していた『発勁』を放出して避けた。

けど…!!

 

「逃げんじゃねェ!!!!!!」

 

「お願いだから話を聞いてェ!!!!!!!」

 

鬼の形相並みの顔をしたかっちゃんが追って来て、そこからもう死の逃走劇が始まった。

ただひたすら、相澤先生が止めに入って来てくれるのを祈って、必死に弁解しながらずっと。

 

 

——◆——

 

 

放課後。

何とか相澤先生が止めに入ってくれたおかげで無事で済んだけど、他の皆と同じ、もしくはそれより少し多めに包帯を身体中に巻くことになった。

流石に林間合宿までには全員包帯は取れるだろうし、疲労も当日には回復しきるとリカバリーガールが言ってたけど、本当にしんどかった…何より怖かった。

 

「み、緑谷少年……」

 

「あ、オールマイト……」

 

マッスルフォームでありながら落ち込んでいて、箱を持ってるオールマイトが仮眠室に来た。

 

「止められなくてごめんね? その…ケーキ……」

 

仮眠室にいるのはオールマイトが話があるって言ってたからだけど、そういうことだったんだ。

しかもちょっといいケーキだこれ………あっ。

 

「――そんなんで済むならもっと計画的にマッスルフォームを使え俊典ィ!!!!!」

 

「ヒィ!!!! お、お師匠ォ!?!?!?!?!?」

 

流石に我慢の限界だったのか、七代目に身体の所有権を奪われる形で変わって、オールマイトに怒鳴り散らかした。

オールマイトももう誰に入れ替わったのか分かるようになり、すぐに七代目とわかってケーキを持ちながら正座し、七代目はお説教を始めた。

 

「私は死んだ後も何回お前に説教をしなくちゃいけないんだこの馬鹿弟子ィ!!!!!!!!」

 

「申し訳ございません!!! ですから何卒!!! 何卒!!!! 十時固めなどの罰だけはご勘弁をォ!!!!!!!!」

 

もう当たり前になった七代目のお説教と、昔なら信じられないけどたまに聞くようになったオールマイトの絶叫を他所に、特別ヒーロー実習は幕を閉じた。

 

 

 

 





林間合宿前に一つでもいいからアニオリをしたいと思った結果、このような結果になりました。

救助訓練は正直どこかで普通の授業として追加できますが、他校との訓練になるとちょっとタイミング的に難しいなァ…と思い、合宿前の特別枠という何ともまぁ言い難い、場合によっては納得しずらい位置になりました…ご了承いただけると幸いです。
アニオリのタイミングも今作でうまく時間軸を合わせてやっていくつもりですので、そちらのご理解もよろしくお願いします。

次回からは合宿にちゃんと入るつもりですので、今後ともよろしくお願いします。

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