勝利の女神:NIKKE[DAEMON X MACHINA] 作:ちしかんn号機
最新話どうぞ!
〔アニスSIDE〕
クロガネ様の家である前哨基地観光が本格化してきた。
今は迎えに来てくれた職員であり人間のアッシュとブロッサムが乗る車両で最初の観光場所に向かっている所ね。
「うわ! 見てください2人とも。見たことある野菜とか動物が沢山いますよ!」
ネオンが眼鏡を輝かせながら窓を見た。
私とラピもネオンが言う光景をみると圧巻だった。
画像や映像でしか見たことない農場や畜産施設。
更に、食用の牛や豚、鶏などが沢山いた。
「これって、昔に放送していた地上のドキュメンタリーにあった農場よね。まさか現実にあるなんてね」
「ええ。アークでも何度か人工太陽に似せた施設を使った農業がおこなわれていたけど、結局どれも失敗してパーフェクトに置き換わっていたもの」
「そして、数年前に前哨基地で農業が可能になって生の食材が供給可能になったニュースが来た時は相当トレンドになっていたわね」
「ええ。アークの上流階級や中央政府の高官達がその利権を得ようと裏で奔走したって噂が絶えないほどに」
そんな会話をしていると、アッシュが話に入って来た。
「確かにそんな干渉もあったな」
「そうね兄さん。まあ、どれもクロガネさんやレイヴンが色々とやってくれたおかげで、前哨基地が全ての権利をもってくれてくれたからね」
やっぱり、クロガネ様はそういう裏事情にも深く関わっているのね。
それにコマンドセンターにいるあの白髪長髪のレイヴンって人もか…。
「中央政府の暗部やアウターリムの干渉もあったの?」
「あったぜラピさん。それもウチの専門部隊やクロガネさん、レイヴンが対処したがな」
「前哨基地にも人間の部隊があるのですね」
「もちろんよ。ラプチャーと戦う[ニホンヘ]、対アーク及びアウターリム専門部隊の[ファイアウォール]とかね」
「まあ、俺達表向きの職員に関しては[ファイアウォール]が誰かとか不明だけどな。噂じゃクロガネさんが更生館から指導と更生をした奴が居るって噂されているくらいだ。まあ、ホントなんだろうけど。俺達はクロガネさんやレイヴンさんに救われて、こうして不利益を被ってない以上はそこに関しては文句は言わないけどな」
「不安にならないの?更生館出身の存在が居るってだけで」
「最初は不安だけど、ぶっちゃけるとこの前哨基地においてクロガネさん、レイヴンさん、そしてこの2人を絶対とする[ニホンヘ]を裏切るなんて知れば知るほど在り得ない話だな」
「全員ラプチャーと一般的な兵力を持つニケ以上にラプチャーと戦えるし、そもそもここに住んでいる皆は全員返し切れない恩をもらっているからね。一人だけ裏切った人がいたけど……」
「ブロッサム。アイツの事はよせ」
「そうだったね。皆、さっき言った事は忘れて頂戴」
クロガネ様達を裏切った人?
普通なら裏切るなんて相当な理由が無い限りは無理だと思うけど…。
まあ、昔のマスタングならやりかねないけど。
普通にやってる事ヤバいってかんじがしたし、そもそもたまに見る目とか普通じゃないって感じだったしね。
「さ、ついたぜ」
アッシュの言葉と同時に車両が停車。
前に座る2人が下りると同時に私達も車両を降りた。
「うわぁ」
「これは…」
「凄いですね」
私達の目の前に広がったのは地下とは思えないほどの農業と畜産の光景だった。
アークとは全く違くて、地下とは思えないまさに自然といった感じ。
「ここが天然の食材…まあ、人が育てている以上は天然って言うのは変だけどよ」
「でも生の食材なのは間違いないわね。ほら行きましょ」
私達はアッシュとブロッサムの案内で農場を進んでいく。
「人間やニケ、ドローンやロボット。色んな存在が働いているのね」
「そうですね~。しかも農場の上にある光。地上に行ったときの太陽に似た温かさを感じますね」
「アッシュ。この農場の上にある光は人工太陽なの?」
ラピがアッシュにそう聞いた。
「ああ。詳しい技術は俺やブロッサムは知らないけど、クロガネさんと農業に関する技術者とか集まってできた農業専用の人工太陽だ」
「これが出来たおかげで殆どの農作物を生産できるように出来たからね。あ、これ5個貰っていい?」
「大丈夫ですよー」
ブロッサムが農作物を見ている量産型ニケの答えを聞くと、近くに実っている農作物5つを収穫して私達とアッシュに分けた。
これはトマトよね?
「私が一番好きな前哨基地で育ったトマトよ。美味しいから食べて!」
ブロッサムがそういうと、アッシュはトマトにかぶりついた。
「うん。やっぱり生の野菜は美味いな。ほら、皆も食べてみてくれ」
私達は目を合わせてブロッサムから貰ったトマトにかぶりついた。
「!? 美味しい!」
「美味しいわね」
「トマト風味のパーフェクトと似ていますが、これは本物のトマトって感じがしますね! しかも物凄くフルーティーです!」
ネオンが言う通り物凄く美味しいトマトね!
パーフェクトのトマトよりも物凄く甘いけど、ちゃんとトマトって感じも損なってないわ!
野菜でこんなに甘くて惜しいとなるとダイエットや体系維持には最強じゃない!?
「美味しいでしょ! ただ生の食材を再三するだけじゃなくて人類が地上で生活していた頃の美味しい農作物を作っているのよ!」
「前哨基地にいる皆はこれを安く買えるし、それを使った料理とか食堂で食えるから最高なんだよな。ま、アークだと高級食材扱いのままだけどよ」
「これを食べれるなんて最高ですね!」
「前哨基地という最前線に住む者たちだからこその特権よね」
「こんな感じだと前哨基地に来たがるアーク市民とかいそうよね」
私がそう呟くとアッシュが答える。
「まあ、実際に移り住みたいって事はあったけど、今いる前哨基地にいるほとんどの人間は全員アウターリム出身だし、ラプチャーが定期的に侵攻してきたり、ニケとかの差別禁止とか、何かあればアークから見放されるとかの制約で居ないけどな」
「だよね」
アッシュの言葉で私は納得した。
例え食が美味しくてもアッシュがいった事はアークの市民にとっては嫌なのは明白よね。
あ、それでも―――
「アウターリムの住人はどうなの?」
「そこが一番厳しいな。まずエンターヘブン出身は絶対に入れないし、ミストとかヤバい薬やっていた奴は当たり前。それに[OOOOOO]と関係ある奴たブラックネットに入り浸っている奴は入れない。それに前哨基地は慈善事業じゃない」
「うん。私達が前哨基地に入れたけどちゃんとそれなりに前哨基地にいる能力とかあるからよね。そもそも前哨基地に入る絶対条件は[アーク]と[アウターリム]双方に居場所が無く、前哨基地においてちゃんと働ける能力や体力があるか其の見込みがあるかだからね」
「下手な慈善はむしろ内部崩壊を招くからな」
そう語る2人の言葉はどことなく重かった。
あくまで、クロガネ様も厳しいところはちゃんと厳しいことはわかっている。
[カウンターズ]としての業務に関しては、ちゃんと及第点まではやり直す様にちゃんと言うしね。
私も何度かちゃんと怒られたのが懐かしいわ。
そんなこんなで私達は2人の案内の元、農場の観光を続けた。
何度か農場で働いている人の訛りが凄くて何言っているかはわからないけど、ちゃんと仕事に誇りをもって働いているのはわかった。
そんな誇りのある仕事っぷりに、私ももっと早くクロガネ様に合えれば前の立場と変わっていたのかもと思いながら観光を続けた。