複数の男性とパパ活をしている女子大生が、パパ同士を決闘させてみた。その後、パパ活をめぐる環境は大きく変わっていくのだった。

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パパ活バトル

パパ活バトル。

元々とある女子大生が複数人同時進行でパパ活をしており、そのうちの二人と間違って同じ日に会う約束をしてしまい、面倒だからとその日のデート権をかけて喧嘩させた事に端を発する。

その喧嘩自体は素人同士の殴り合いだった為、側から見ればいい歳をした大人がみっともないと顔を背けたくなる様な内容だったが、男達も意中の女の子を振り向かせようと必死だったから、当事者達には何か胸を打つものであったのだろう、勝負が終わるや否や、勝者と女子大生は食事の予約をキャンセルしてホテルに直行した。

結論を言えば、やたらと盛り上がった。

女子大生の方は、男が自分をめぐって争うと言うシチュエーションに興奮したのと、強い男に抱かれるという快感に酔った。男の方は喧嘩で勝ったことで自信が沸いて、いつもより大胆になった。喧嘩の際に出た脳内物質の影響もあるのだろう。

お互いが、経験もした事がない様な激しい夜を過ごせたのだ。

女子大生はこの行為に夢中になった。

事あるごとに、自分がストックしている「パパ」同士を喧嘩させた。パパの方も、女子大生への独占欲もあったし、何より勝てば漏れなくエッチが出来ると言う事で本気で戦った。そのうち、女子大生は財力よりも腕っぷしの強さをパパに求めるようになった。

 

しかし、それにも限度がある。

自分のストックしているパパ同士の対戦だけでは勝敗が偏る為、マンネリ化してきたのだ。

それに自らが侍らせている男達の強さを他人に自慢したいと言う気持ちも生まれていた。

そこで同じ様にパパ活をしている同じ大学の友達に声をかけた。

お互いのパパ同士を喧嘩させないか?と。

パパ活をする様な人間の周りには同様の人間が集まる。

女子大生があまりにも自分のパパは強いと自慢することへの反感、そして、その女子大生が語る喧嘩の後の激しい夜への興味。

この2つの感情に抗えられなかった女子大生の友人の一人が喧嘩を買う。

その友人に計算が無かった訳ではない。

友人のパパにボクシング経験者がいたのだ。

普段からそのパパは「素人には負けない」と言っていた。

友人は明らかに自分が有利である事を隠して、女子大生に賭けを持ちかける。

「喧嘩になってもいいけど、勝った方が駅前のフレンチレストランを奢ってもらうって条件ならいいよ」

女子大生は迷う事なく了承する。

どうせフレンチレストランの代金を支払うのはパパだし、あの激しい夜への渇望が遥かに上回ったのだ。

 

かくして女子大生とその友人のパパ同士の決闘が始まる。

友人は自分のパパがあっさり圧勝して終わると楽観していたが、女子大生も自分のパパ達の中から選りすぐりのパパを連れてきており、勝負はなかなかつかなかった。一進一退の攻防戦の中、男達は互いの女の為に戦った。その想いが下心からくるものであっても、一心に自分を求めて戦う姿に、友人は目を離せ無くなっていた。パパが戦いの中で発する咆哮のような声の中に自分の名前が出る度に、胸がキュンと締め付けられる様な感情が生まれた。

「頑張って」

「負けないで!」

知らず知らずの間に友人は自らのパパに声が枯れるほどの声援を贈っていた。

勝負は辛勝という感じではあったが友人のパパが勝った。

しかし、最早勝敗などどうでも良く、友人は女子大生の存在など忘れて、勝敗がつくや否や、傷つき肩で息をしているパパの元に行きギュッと抱きしめた後、パパの手を取り、そのままホテルに急いだ。一刻も早く、自分を求める彼の気持ちに応えたいと言う一心だった。

そして、女子大生の言っていたような、いやその言葉から想像していた以上の熱い夜を過ごした。

 

こうして、女子大生の友人もパパ同士を戦わせると言う行為にハマり、友人達を片っ端から勧誘して回った。

はじめはなかなか対戦相手が見つからなかったが、元々パパ活などと言う違法行為スレスレの事をやっている倫理観より自分の欲望を優先させる輩ばかりだったので、少しずつその輪は広がったいった。その中でパパ同士を戦わせる行為を「パパ活バトル」と呼ぶようになる。

 

この状況に警察より先にヤクザが動く。

日本では決闘は違法なのだ。

その時すでにパパ活ファイトで逮捕される者も出ていた。

ヤクザはパパ活バトルを私的な決闘ではなく、公式の試合として行える場を作った。もちろん観客に勝敗を賭けさせて儲ける為だ。

そして、ヤクザ主催である事はあえて言わずに、パパ活バトル界隈で強いと評判になっていたカップル達に声を掛ける。

数多くのファイトをこなし、新たな刺激を求めていたカップルはファイトマネーも出るという事もあり、初回で20組が集まった。

 

闇の決闘など以前からやっていた事、今更素人同士の殴り合いなんて大した事はないだろう。

ヤクザへの付き合いで観には来たが、観客の大半はあまり期待はしていなかった。

しかし、その試合を観て驚く。

これまでの闇試合と違い、戦っている者だけではなく、セカンドである彼らのパートナーも一緒になって戦っているのだ。

もちろん、パートナーが直接リングに上がって戦う訳ではない。

「今よ!回し蹴り!」

「危ない!回避!からの背負い投げ!」

パートナーが的確な指示を送り、それに選手が合わせて戦う。

身も心も繋がった者同士の密な連携がそこにあった。

そして、試合が始まって数分後、ファイティングスタイルがボクシングと見られる男に、柔道を主体とした男が苦戦しだす。近づこうとするとジャブで牽制され、掴もうとすると軽いステップで距離を空けられる。ボクサーの男が上半身裸なのも更に掴みにくい要因となった。それを見てセカンドの女性が、

「このままじゃ不利ね!柔太郎戻って!」

と選手を下がらせる。そして、観客がスタッフだと思っていた人の方に向かって、

「テクニックタイプにはパワーで勝負よ!雷電!キミに決めた!」

と宣言する。

するとそのスタッフと思われていた人はパーカーを脱ぎ、柔道家の男と入れ替わりでリングに上がる。体重120キロは有ると見られるその男は、ボクサーのジャブによる牽制をモノともせずその巨体で突進して体当たり。ボクサーはコーナーに頭をぶつけ気絶してリングの外に倒れ込む。

観客はその様子に唖然とするが、その時、主催者からこの大会は3対3のチーム戦で有る事を明かされる。

 

観客はただ素人殴り合いを観に来た訳ではない。

賭けに来ているのだ。

渡された資料にはセコンドの女と1人目の選手しか掲載されていない。

これでは誰に賭ければいいか分からないではないかと観客は騒然となるが、主催者側から

「当大会は女性がパパ活相手を連れて参加しています。女性が自ら集めたパパを、いくつもの決闘を経て育て、絆を深め合った。そんなパパを引き連れて参加しています。その事を踏まえた上で皆さん、ゲームをお楽しみ下さい。」

と補足が入る。

そこで、観客はセカンドの女こそがこのゲームの鍵を握っていたのだと知る。パパ活バトルの流行で強いパパの需要は上がっている。その中でもちゃんと強者を揃えられる手腕を持つ女か否かを見抜いて賭けなければならない。

その奥深さに観客はのめり込んでいった。

 

その後、第二回、第三回と開催されるうち、マスコミがかぎつけ、公的にも問題になり始める。

ヤクザの資金源になっているのはマズイと、公的機関が新たに設立され、公営のギャンブルとして開催が決まる。

そして、その大会で優勝した女性はパパ活マスターとして人々の賞賛を浴びるのであった。終わり

 


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