特定人類絶対守護 ベリアル   作:ぶ千切れた尻尾

15 / 17
番外編1

 

 

ウルトラ銀河伝説を未履修の方にはなんのこっちゃわからん内容かもしれません、読み飛ばしていただいてOKです(できるだけわかる様にはしていますが)

 

修正箇所がございます。弊小説のウルトラマン世界で流れる年月を加味し直しましたところ、ベリアルの投獄期間は二万年ではなく……少なくとも3から4万年以上であるとの結論に達しまして、公式様からの情報ではございませんが、勝手ながらこれまでのお話を含め、ベリアルの投獄期間を大幅に変更させていただいております。

また、ベリアルとウルトラの父が友人や同期に似た関係性であるという点から、彼も同じ程度の年齢であると考えています。公式の情報では16万〜15万歳との記載が御座いますが、初登場時に於いての年齢であると仮定し、その時代から描写的にも数万年経過している様ですので、本小説ではそう定義させて頂きます。

 

長い長い前置きをしてしまいまして申し訳ございません。どうぞお楽しみください。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「違うんだ!ベリアルは──ッ、私の友であるあの男は!あんな事をしでかす様な者ではなかった!」

 

「落ち着いてくださいっ隊長!!我々もその気持ちは痛い程に理解しております!ですが……ッ、ベリアルさんは我々を打ち払って星のコアを簒奪せんとして──!!」

 

「離せ、離してくれッ!私は奴の元に()かねばならないっ!!」

 

「今の冷静でない貴方を行かせる訳には行きません!どうかご理解をっ」

「止まってくださいっ」

 

ここはM78星雲にあるとある星、『光の国』──超常の力を持った大いなる種族の住まう土地である。そしてその中でも都市部、いや……『宇宙警備隊』が集う本部がある場所だ。

 

時は“ベリアル”が叛逆を起こし、そして破壊の限りを尽くした(のち)に“キング”の御手により堅牢なる宇宙牢獄へと封印され、そして数刻(しばらく)経った頃の──

 

「ベリアル部隊長の暴虐を見なかった筈は無いでしょう!いえ、貴方こそ(じき)に邪悪な力でその身を侵されたことを忘れたとは言わせない!!」

 

「我々宇宙警備隊はベリアル部隊ちょ──否、奴の手によって壊滅状態!街の中心部であるプラズマスパークタワー周辺も酷い有様です!」

 

「更に──ベリアル部隊長が反旗を翻す直前の任務に同行した部下二名は」

 

「彼らは()()()()()()()()宿()()()()()()()()()()()()()()()と同種のエネルギーの影響で昏睡状態……!!」

 

「容態は危うく、意識どころか命まで危ぶまれています──……ッ」

 

「ぐぅうッ……」

 

宇宙警備隊の隊長である、ウルトラの(ケン)。彼はベリアルに打ちのめされ、重傷を負っていた。そして“ベリアルが裏切った”という客観的現実を受け入れることができず、必死にベリアルの居る宇宙牢獄へ飛び立とうとしていた。

 

がしかし、そのベリアルは今や光の国という組織──国家の転覆を目論んだ最悪の犯罪者。そんな人物の元親友など、どれだけ権力や地位があろうと……

 

(いや)、権力や地位があるからこそ犯罪者に対して何をしでかすかわからず、そう易々と会わせられるものではなかった。

 

警備隊隊員達の中でも比較的に無事で済んだ者は、重傷であるケンを必死に引き止める。重傷であるはずの──否。重傷といえども、“実力主義の警備隊”隊長であるケンを抑えるのは困難で、今にも押し合いの拮抗が崩れて飛び出されてしまいそうであった。

 

「何かのッ……!何かの間違いである筈なんだ!ベリアルが!光の国を裏切るなどと──ッ」

 

「何度同じ話を聞くおつもりですか!」

 

「今尚ベリアルは宇宙牢獄の中で、その拘束から逃れようと暴れているという報告が上がっているのです!」

 

「これ以上、無理を通すおつもりであらばッ──いくら隊長といえど……!!」

 

レイブラッドが宿ったベリアルは、その宿主の意志など意に介さず、その身体で暴虐の限りを尽くそうと暴れてまわる。

 

レイブラッドは()()()()()()最悪の犯罪者──いかにウルトラマン達であろうと、()()()()()()()()()エネルギーは判別することもできない。故に、それはベリアルがどうやってか、何がしかの方法で得た新たな力としてしか捉えられていなかった。

 

ウルトラの父──ケンは、どうしても親友の元へは行けないという事を悟った。

 

友の、悪辣と憎悪に満ちた相貌がどうしても忘れられない。

 

嫉妬を顕すかの様な黒い身体、悪意の刃の如く鋭く変形した爪──……それらは()()()()()()()()()()かの様にケンには思えた。思えてしまった。

 

(嗚呼、ベリアルよ……私を、私達を恨んでいたか。妬んでいたのか。すまなかった……!何がお前をそうさせたのか!何がお前を狂わせたのか!)

 

ケンは声無き声で慟哭する。膝を折り、天を見上げ、肩を震わせて泣くように全身を捩った。

 

「ベリアル──……ッ!」

 

(頼む、お願いだ、なあベリアルよ。嘘だと、これは夢であると告げてくれ!違うだろう?なあ、昨日まで、笑い合っていたではないか────)

 

ベリアルからの声など還らない。ベリアルは今堅く暗い地獄の監獄に居るのだから。──いくら声を張ろうが、呼びかけようが、……誰一人としても知る余地のないことではあるが……もう二度とその想いが届かない事を知る者は居ない。

 

 

 

 

 

 

 

──何万年の月日が流れてゆく中で、ケンは何度か……いや、幾度(いくたび)もベリアルとの接触を図れないかと願った。

 

しかしそれが逆に部下の隊員達の懸念や恐れを生み、多くの隊員達の総意によって、敢えなくケンは降格処分を余儀なくされてしまった。

 

光の国に警備隊はあるが、司法や行政は存在しない。故に警備隊の隊長は光の国の実質的なトップとして扱われる。そんな立場の人物が、犯罪者を解放しようと動いている──その実情や動き方は知らずとも、その事実は実際に市民達を怯えさせていたのだ。多くの部下から懇願され……ケンは、降りざるを得なかった。

 

一般隊員とまでは言われないものの、総隊長ではなくなり──更にケンは宇宙牢獄の警備の任務にも割り当てられることが許されなくなってしまった。

 

これでは、側に近寄る事さえ叶わない──

 

今度こそ、ケンもマリーももうベリアルには絶対に会えないことを確信してしまった。ケンは隊長を優秀な成績であった“ゾフィー”という隊員に託し、警備隊の長の座を去った。

 

ケンや、ベリアルを知る者はその想いを抱え込んで苦しんだ。ベリアルは無愛想で乱雑な人物ではあったが、部下思いで不器用な優しさを持ち、そして確かに慕われていたからだ。

 

ケン達は務めて忘れようと試みた。ベリアルの投獄された宇宙牢獄に刑期はない。ベリアルは死なぬ限り永遠に出てくることは無いのだから。

 

 

 

 

 

ケンは、長らく想い合っていたマリーと共に警備隊に従事し、そして間に授かっていた自らの子を育て上げる。“タロウ”と名付けられたその子どもはすくすくと鍛えられ、一角の戦士として数えられる程にまで成長した。

 

タロウだけでなく、ゾフィーを筆頭として若い世代の戦士達は順調に生まれていった。そして特に優秀な戦士達の総称や称号として、「ウルトラ兄弟」という名も生まれた。

 

彼らは光の国に包まれる前の姿によく似た星、地球を──彼ら一人一人が、幾度となく救った。

 

地球は宇宙全体で見ても豊かな資源を持つ星であり、そしてそういった星々の中では──その豊かさを狙う脅威に立ち向かう力が極端に無かったからだ。

 

ある者は地球人たる彼らを命を賭して守り抜き、ある者は一人の地球人を心から愛し──その身を削って救ってきた。

 

若かった戦士達が更に経験を重ね、所謂ベテランとなる頃には──更に更に新たな若い戦士達が育つ。気鋭に満ちた戦士達ばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、運命の日は訪れる。

 

 

 

 

「──戻りました」

 

「ご苦労だった、メビウス。

……マイナスエネルギーの影響で、怪獣達が各エリアで凶暴性を増している」

 

「悪い予感がするな……」

 

「数々の星々で、同じ事態が発生している。ジャックや80(エイティ)A(エース)も調査に向かった」

 

ウルトラ警備隊の面々は、各地に出現した怪獣達の対処に奔走していた。だが普段の姿や種族の平均と比較すると、その怪獣達は明らかに強く、また凶暴性が目立っていた。

 

「早急に原因を知る必要がある。発生地帯には規則性があり、作為的な意図を感じるのだ……まだ勘でしかないがな」

 

「あらゆる怪獣達が凶暴化したら、今の戦力でも苦戦は免れません」

 

「まさかとは思うが──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙牢獄──強固な物質や鉱物で構成された、絶対の檻の星。常に警備隊による監視体制が敷かれており、ベリアルが封印されてから数万年の時を経て今尚……その警備は解かれていなかった。

 

下手人はザラブ星人の男であった。ザラブ星人は“凶悪”の名を冠する宇宙人として知られ、例に漏れずその男も卑劣な罪を塗り重ねている、宇宙に数多存在する最悪の犯罪者達の一人であった。

 

ザラブ星人は特殊能力を多数持つ。その中でも彼らの特徴として挙げられるのが──変身能力である。侵略対象によく似た姿へと変幻し、仲間を装って結束を乱し、滅ぼす。

 

犯罪者たるザラブ星人が宇宙牢獄という監視体制の元にある孤星に近づけたのは、変身能力を有していたからだ。

 

しかしそれだけでは本来、ザラブ星人は宇宙牢獄に辿り着く事は決してあり得なかった。故に──ザラブ星人は負のエネルギーたるマイナスエネルギーを警備隊の観測地点付近各地に散布。幾多の怪獣達を暴走させ、目眩しとした。

 

監視が手薄になり、監獄の監視が少人数体制になり、仲間の姿を偽り、そうして──牢獄の扉を粉砕する時間を得た。

 

 

「誰だ!」

「そこを動くな!ヤァッ!」

「ふんッ」

 

ザラブ星人偽る偽ウルトラマンが手にした「ギガバトルナイザー」を振るえば、けたたましい音と共に蒼電が走って警備隊を爆撃する。

 

「ぐわぁあぁああッ!!」「うわぁぁあぁあッ!!」

 

そして即座に辺りにはアラームが喚き鳴り響き、侵入者の存在と緊急事態の発生を知らしめる。

 

本来であればザラブ星人は、一人で複数人のウルトラ戦士を相手取れる程の実力を持った宇宙人ではなかった。しかし、彼が偶然“炎の谷”で手にした「ギガバトルナイザー」は、禁断の扉を開かせるだけの力を彼に授けてしまった。

 

「グフっワっハッハッハ……流石に強烈だな」

 

破られた監獄の蓋。開いた大穴にザラブ星人は足を踏み入れる。アラームは未だ鳴り響いているが、警備隊が現れる様子は無かった。

 

赤熱する鉱石が冷え固まったかの様な内壁の空間。おどろおどろしい臭気と、むせ返る様な熱気がザラブ星人の肌を焦がす。歩き続けて赤い闇が晴れる頃、そこには壁に埋め込まれたベリアルの姿があった。

 

数万年の長きに渡り封印された、暗黒のウルトラ戦士よ。今、この私の手で──蘇らせてやるぞッ!!ハァッ

 

ジジ……ゴガァアァアアン!!

 

ベリアルを押し込めていた檻の壁が爆ぜる。その身を咬む様に喰らい付いていた硬い鉱物は弾け飛び、赫く赫く轟轟と揺らぐ超熱の磔台から背中を剥がす。

 

 

 

 

 

「ぅ──ぐ──ォアアァアァアアッッ!!ハァッ、あァァッ!」

 

 

 

「ベリアル!……ウルトラマンベリアル!光の国が産んだ最凶最悪のウルトラマンッ──私と共に、この宇宙を支配するのだ!」

 

「…………!!」

 

「貴様が投獄される前に、レイブラッドによって生み出され、貴様に与えられる筈だった──ギガバトルナイザーだ!……受け取れッ」

 

「コレ、はァッ……」

 

ベリアルはもぎ取るようにザラブ星人の手からギガバトルナイザーを奪った。間違えようのない邪悪なエネルギー、それは確かにレイブラッドの因子であった。

 

「ついにやったぞッ!これで、宇宙は我々のものだッ!!」

黙りやがれェえぇええッ!!

 

「ぐふぅおっ?!?!」

 

「おォォオオオォオ──!!」

 

 

「──う゛ぐわ゛ぁ゛ア゛ア゛ア゛ッ!!」

 

 

 

……ザラブ星人は爆散して死んだ。跡形もなく、チリ一つ残さずに。断末魔を叫びながら、自らが解放した戦士の手によって。

 

「クソッ……!ふざ、けるなァア……ッ!!なぜ、今になって俺にィッ──」

 

ドゴォン!!ズドォオン──!!

 

「!?」

 

ベリアルの佇む場所の周囲に、数本の光線が飛来した。それは足元や壁に激突し、激しく爆炎を舞わせる。

 

 

「これ、はァ……宇宙警備隊!」

 

動くなッ、ベリアル!

()っ──」

 

牢獄に戻るんだ!!

 

「ッ────…………」

 

ベリアルが見上げた先には、ウルトラマンタロウ──親友であったケンとマリーの面影を感じる一人のウルトラ戦士が浮いていた。……ベリアルはその戦士の顔を、過去に少しだけ見た事があった。

 

(見てくれ、ベリアル。ついに生まれたんだ……私達の息子だ)

 

(この子の名前は、タロウ。ウルトラマンタロウです)

 

(──へぇ、いい名前じゃねェか。よく見りゃ中々の面構えをしてやがる……おめでとう)

 

(ありがとう、友よ────)

 

 

「デカく、なりやがって……」

 

ベリアル!武器を手放せ!投降するんだッ

 

「フッ、疲れたんだよ。も…少しだけ待ってくれや……」

 

ベリアルはギガバトルナイザーの銃口を自らの胸元に当てがった。ギガバトルナイザーが醜く光を纏う。

 

!?

 

「あばよ。──……すまな、かった」

 

BzZzZZzzZZZZZ!!!

ヂュドォオオン……!!

 

放たれた雷撃はその身体を正確に貫き、背後の壁にも大きな傷を刻みつける。

 

「カハッ……!」

 

「なっ……どうし、なぜ」

 

「独り──で──いる──…のは、ガフッ……ゲホッ。寂し──くて……な」

 

「……!?」

 

 

 

 

 

どう。

 

ベリアルの大柄な体躯がその冷たく固い地に伏せる。カラータイマーが砕け、既に目の光も消えている。その身を抱え込むこともなく、ただ脱力して寝転がっているだけのような様子で。

 

タロウは絶句した。手のひらをわなわなと震わせ、その容姿に似合わない、恐る恐るといった格好で暗い地上に降り立ち、ひたり、ひたり、歩みを進めた。

 

困惑に染まってしまった十人(あまり)の部下は、部隊長たるタロウの後を追ってすぐに降りる。彼らには何故脱獄犯が突然に自殺してしまったかが分からない。

 

タロウも──ベリアルのことを良く知らない。自らの父や母から又聞きでどの様な人物かを聞き……そんな時、決まって両親は深く沈み込む。時には涙さえ流し、何かを悔いる様に語るのだ。

 

父と同年代に近い宇宙警備隊のベテランの人にも話を聞いたことがある。だが、彼らはあまりベリアルという一人のウルトラマンについて語りたくない様子だった。

 

それを、タロウは「慕っていた相手の、突然の裏切りを信じられない」という感情だと受け取った。彼らは皆、正義感に溢れた素晴らしき戦士達であったからだ。

 

タロウは父がベリアルに手を差し伸べんとした所為でその(おさ)としての役割を追われたことを知っていた。

 

とても悲しいことだと──

 

思っていた。ベテランの戦士達にも、(ケン)と同じ様にベリアルへの橋を繋ごうとし……降格処分を受けたり、引退してしまった者が数多くいた。

 

だが、若き戦士達の中には、同情こそすれど、国を崩そうとした大犯罪者に何故温情を保てるのかと……理解を示す事のできない者も多かった。

 

老いた者も、若き者も、皆一様に善良だ。価値観がどうだこうだというものではなく、当時を知るか否かの違いでしかなかった。

 

ベリアルは──このウルトラマンは、本当に最悪の犯罪者であったのか。

 

ベリアルに対してタロウが毅然とした態度であり続けたのは感情に正義を乱すまいと──正しくあろうとしていたからなのに。

 

妙に力の篭らない腕でベリアルの身体を掬い上げる。脈もない。熱も感じられない。

 

 

肺が、心臓が動悸を燻らせる。自らや、何かわからない何かの大事なものが音を立てて軋んでいるような──

 

タロウはベリアルの遺体を抱えて飛んだ。

一心不乱に飛んだ。

 

父の親友を抱えて、飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ばかな……ベリアルが……死んだ?」

「……信じられません」

 

「肉体の損傷は軽微なものでした。的確に、綺麗に急所を撃ち抜いていたのみでした……しかし」

 

「ならば、ならば生き返らせることができるだろう。そうなんだろうっ」

 

「私も手伝います。銀十字軍(医療部隊)に勤めています」

 

「…………」

 

「なぜ、答えないっ」

 

「……………………」

 

「……ああ、あぁあ、やめろ!やめてくれ!嘘だろう、そんなわけがない!なあ、ウルトラマンヒカリよ、我が光の国の技術はあの頃から飛躍的に──進化したではないか!嗚呼(アア)ァ……」

 

「あなたっ、落ち着いてください」

 

「嘘なんだろう、そうに違いない。ッハハハ、ベリアルよ……なあ、釈放の日が決まっていたんだろう?……お前も随分人が悪くなったなあ……

 

 言って……

 

 くれ、たら……ッ

 

 迎えに行ったというのにッ……

 あ あ あ あ あぁぁあぁ……」

 

「あなた……」

 

光の国の医療技術は既に、命無き者に命を還すことができる領域に居る──いや、居た。

 

ベリアルというウルトラマンは魂が二人分有って、まるで攪拌されたかの様に綺麗に混ざり合っていたから、イレギュラーであっただけで……

 

死によって別世界から来た魂が、更なる次の死によってまた別の世界に渡っただけの話だ。

 

置いて行かれた身体に意志など存在しない。し得ない。どれだけ身体を癒そうと、命の根源を注ぎ込もうと、傷も絵も無い額縁でしかない。

 

「解析された映像から……ベリアル()()()からの最後のお言葉を」

「今は待っ──」「聞かせてくれ」

 

「あばよ、悪かった……と」

 

ヒカリは言葉を包み隠した。孤独や……寂しがっていたこと……今のケンに伝えられるはずがない。さもなくば、完全に狂ってしまわれることだろう。

 

現在、ヒカリは知らない。察し始めてはいるが、知らない。

 

データの豊富に集まった光の国の解析技術によって、それは明晰に知らしめられる。

 

ベリアルの身を覆い隠していた邪悪な力が──更なる大犯罪者の力であり、当時のベリアルに自由意志は認められなかった(操られていた)ということ。

 

ベリアルが死んだ事でレイブラッドの残滓が失われたことによって目覚めた、昏倒していた当時のベリアルの部下によって真実が語られる(彼らを救ったのはベリアル)ということ。

 

そして──はるか昔にレイブラッドの洗脳効果は消え去り、ベリアルは既に最悪の犯罪者ではなくなって、意志を取り戻していたということに……

 

 

 

 

 

 

 

to be continued(つづく)




もうちょっとだけ
でも
また今度
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。