雪風の姫と砂の城   作:もちもちゼリーちゃん

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61.「なんつうか、損な性分だね」

 

 風が炎を切り裂き、水弾を土の壁が受け止める。轟音が響き、魔力の光が夜の闇を染め上げる。その表面上の派手さに反して、魔法戦の本質はじりじりとした精神力の削り合いだ。

 互いに攻めきれないまま、俺たちは少しずつ、しかし確かに追い詰められていた。

 

 『アンドバリの指輪』で蘇った死者はふつうの攻撃では倒せない。首を切っても頭を潰しても、秘宝に与えられた水の力が瞬く間に修復してしまう。彼らを再び殺すには、火の魔法で焼き尽くすしかないのだ。

 その弱点に気づいたのは、撃ち合いのなか、偶然にもキュルケが敵のひとりを焼き尽くしたから……ということになっている。もちろんキュルケは、確信を持って敵を焼いた。再生できずに崩れ落ちた敵を見て、俺は「炎が効くぞ!」と白々しく叫んだ。

 キュルケがそのままもうひとり死者を屠ると、敵の動きが変わった。

 全員がキュルケを狙いだしたのだ。

 

 これまでは一応避けたり防いだりする素振(そぶ)りを見せていたタバサの風や才人の剣を完全に無視して、敵はキュルケだけに攻撃を集中させる。防御の魔法も、炎を防ぐ最小限しか唱えない。

 

 こちらも全員でキュルケの援護に回るが、敵の連携は巧みだった。水の精霊の秘宝で蘇った死者たちは、もはや『単なる者』ではない。ひとつの共通した意思を持つ。言葉も、目配せさえも必要としない。お互いがお互いの一部であるかのような完璧な連携。

 しかし個々の練度はこちらが上……というより、タバサとキュルケの実力が圧倒的だった。彼女たちの魔法を止められるのは、アンリエッタとウェールズしかいない。敵の攻撃は才人のデルフリンガーと俺のゴーレムで防ぎ、ルイズの爆発で敵の陣形を乱す。その隙に、タバサの風がキュルケの炎を届かせる。

 そうして敵をひとり削るごとに、戦況は加速度的に俺たちの優位に傾いていく。

 

 このまま行けば、勝てる。アンリエッタを止められる。

 そんな希望を抱いたときにあらわれたのが――、

 

「ああもう、なんなのよこいつら!」

 

 ルイズの爆発が、敵の魔法に紛れて近づいてきたガーゴイルを吹き飛ばす――そう、ガーゴイルだ。ごつごつとした岩の肌。小柄な男性程度の背丈。短い角とお飾りの翼、両手に鋭い爪を備える、悪魔を(かたど)った魔法人形。

 戦いの最中、突如として二十体近くのガーゴイルがあらわれ、俺たちに襲いかかってきたのだ。

 『原作』にはなかった展開。

 だが、その行使者は予想がつく。伝説の虚無の使い魔の一角、『ミョズニトニルン』。クロムウェルの秘書、ミス・シェフィールド。レコンキスタを裏で操っていたガリア王ジョゼフの使い魔だ。

 

 俺が読んでいたのは『8巻』の序盤まで。シェフィールドがミョズニトニルンであるとは明示されていなかった。

 しかし額に光るルーンを持ち、アンドバリの指輪を巧みに扱い、ジョゼフから『美神(ミューズ)』と呼ばれる存在……。

 『原作知識』を思い出してから調べた情報とあわせても、彼女があらゆるマジックアイテムを操る『神の頭脳(ミョズニトニルン)』であることは間違いない。

 そして表向きはクロムウェルを支える秘書である彼女は、アンリエッタの誘拐が失敗に終わると見て、ガーゴイルを寄越したのだ。

 他にも無数の可能性があるはずだが、他の選択肢は思いつかない。深く考える余裕がない。このガーゴイルたちの登場によって、戦況が一気にひっくり返ってしまった。

 

「ねえ、こいつらどっから湧いて来たの!?」

 

 『火球(ファイア・ボール)』でガーゴイルの一体を焼き尽くしたキュルケが叫ぶ。彼女の炎は死者を焼くために温存しなければならないのだが、その余裕さえないのだ。とにかく目の前の敵に対処し続けなければ、俺たちはいまにも殺されてしまう。

 ルイズに飛びかかってきたガーゴイルを砂のゴーレムで縛り上げ……そのガーゴイルを、才人が一振りで両断する……俺は叫んだ。

 

「知るかよ! なんでこんな場面(シーン)で出てくんだよ!」

「役立たずね! なんであんたが知らないのよ!?」

「知らねえんだから仕方ねえだろ!」

 

 びゅう、と冷たい風が吹いた。

 烈風と炎の飛び交う戦場を一瞬で支配したその雪風は残りのガーゴイルを巻き込みながら巨大な渦となり、死者たちに叩きつけられる。

 風のトライアングル・スペル、『氷嵐(アイス・ストーム)』だ。

 キュルケが焦ったように叫んだ。

 

「タバサ! 飛ばしすぎよ! ガーゴイルは倒せても、後が保たないわ!」

「これで終わらせる。できなければ、逃げる」

 

 答えるタバサの顔にも、珍しく焦りの色が浮かんでいた。

 

「雨」

 

 タバサの呟きに、キュルケははっとして空を見上げる。

 気がつくと、空は一面、黒く分厚い雨雲に覆われていた。時間がない。もし雨が降り出したら、水の使い手たるアンリエッタの守りは絶対になる。

 キュルケは俺に探るような視線を寄越し――天まで届きそうな『氷嵐』が(ほど)けた瞬間――身の丈ほどもある『炎球(フレイム・ボール)』を死者たちに放つ。精神力の大半を注ぎ込んだのだろう、強烈な一撃。嵐に切り刻まれた死者たちは再生する間もなく燃え尽きていく。俺も『錬金』製の油を含ませた砂ゴーレムを突撃させて炎を広げるが、水を含んだ烈風が炎を消し飛ばした。ウェールズの風が、アンリエッタの水を運んだのだ。

 

 倒しきれなかった。

 死者のほとんどは灰になったが、肝心のウェールズが残っている。

 ぽつぽつと、頬に雨粒があたる。天高く雷が轟く。雨脚は次第に強くなり、やがて叩きつけるような大雨に変わる。

 アンリエッタが杖を振り、ウェールズと残った僅かな死者に水の鎧を張るのが見える。

 ルイズが悔しそうに呻いた。

 

「タバサの言う通りだわ。逃げましょう」

「なに言ってんだよ、ルイズ」

 

 才人は呆然と呟いた。

 かつて巨大なゴーレムを相手に『敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ』と言い放ったご主人さまに似合わない台詞に、驚きを隠せない様子。

 

「そりゃわたしとあんただけだったら、死んでも姫さまを止めてたわよ。でも、そうじゃないでしょ」

 

 ルイズは感情を押し殺した声で答える。

 

「タバサとキュルケはトリステインの人間じゃないの。姫さまのために死なせるわけにはいかないの。下手したら、ガリアとゲルマニアがトリステインの敵になりかねないわ」

「でも、あいつらほとんどやっつけたじゃねえか。あの石像もタバサの嵐が片付けちまったし、なんとかならねえのか」

 

 才人が唸るように言い返した。デルフリンガーを握る左手には、ルーンが強く輝いている。

 

「ダメよ。もう打つ手がないもの。この雨じゃ、あいつら燃やすなんてできっこないわ」

「でもよ……姫さまをこのまま行かせるなんて……」

 

 才人は(すが)るような目でキュルケを見る。

 キュルケは悲しげに首を振り、それから一瞬だけ俺をにらんだ。

 俺はその視線の意味を考えて……、気づく。

 この状況をひっくり返す、簡単な方法。

 虚無。

 ルイズの新たな虚無魔法、『解除(ディスペル・マジック)』。

 

 キュルケには『原作』におけるこの戦いの顛末をすでに伝えている。

 死者に炎が効くことも、ルイズの『解除』で死者たちを解放できることも。

 キュルケの視線は、いったいいつになったらルイズが虚無を唱えるのかと訴えていたのだ。

 そしてここまで追い詰められてなお、キュルケが俺を問い詰めようともせず、ルイズに解決策を示すのでもなく、ただ俺に瞳を向けるのに留めているのは、俺のせいだ。

 惚れ薬で狂っていた俺が『原作』の流れを守ろうと必死になって、キュルケを脅かしたからだ。

 

 ……『始祖の祈祷書』は必要がなければ読むことができない。十分に追い詰められないと、『解除』の呪文はあらわれないかもしれない。

 キュルケは怪しまれない程度に戦って(でも才人が大怪我しないようにできるだけ敵の数を減らして)、でも全員倒しちゃわないように気をつけて、適当なところで精神力を使い果たして欲しい……そんな無茶苦茶な要求をした俺に、キュルケは当然、反発した。

 俺は続けてキュルケを脅した。

 ルイズがこの戦いで『解除』を身につけなければ、今後どんな影響があるだろう? わからない。見当もつかない。『解除』がどうやって使われるのか、俺も知らない。だけどそのせいで、本来は幸福な結末に至るはずだった未来が変わり、才人もルイズも死ぬかもしれない。トリステインやゲルマニアが滅びるかもしれない。もしそうなったら、キュルケも、キュルケが大切にしている青髪のお友達も、果たしてどんな目に遭うか……。

 

「デルフリンガー!」

 

 俺は叫ぶ。

 

「教えてくれ! なにか解決策はないのか!?」

 

 才人の手で切っ先をアンリエッタたちに向けられているデルフリンガーはのんきに答えた。

 

「あん? なんで俺っちに訊くんだい?」

「お前、伝説の剣だろ! 六千年生きてんだろ! 斬っても死なねえ相手の倒し方、知ってんじゃねえか!?」

 

 ルイズではなくデルフリンガーに叫んだのは、タバサの前で『未来の知識』を語るのが怖かったから。どうしてそんな知識があるのにもっと上手くやれなかったんだと責められるのが、怖かったから。

 タバサがそんなことするはずがない。彼女は誰よりも優しくて聡明で責任感の強い子で、誰かの失敗を罵るようなことはけっしてしないとわかっていながら、俺は心底、彼女に責められるのが怖かった。

 その点、デルフリンガーが虚無の知識を授けるのは『原作』通りだし、ここで俺が伝説の剣に助けを請うのは、そこまで不自然ではないはず。

 咄嗟にそんな判断ができた俺は卑怯な臆病者だ。

 

「んなこと言われてもなあ……なーんかそんな気はすんだけど、どうにも思い出せなくて……」

 

 思い出せない――その言葉に、俺は奇妙なひっかかりを覚える。

 そうだ。俺も思い出せなかった。新たな虚無魔法なんて重要な情報を、キュルケににらまれるまで記憶の底に沈ませていた。

 それは俺がルイズに頼ることを無意識に忌避していたせいか。あるいは惚れ薬の後遺症で頭が上手く働いてないのか。どうでもいい。理屈を考えるのは後だ。

 こう、(つば)のあたりまで出かかってんだけどなあ……と、ぶつぶつ言ってるデルフリンガーを待ちきれず、『始祖の祈祷書』を開けとルイズに命じようとしたちょうどそのとき、伝説の剣は鷹揚に言った。

 

「あ、そうだ」

 

 なんだよ、と俺は叫ぶ。

 

「やっとこさ思い出したせ。いやあ、水の『先住』か。懐かしいねえ……。や、昨日あの湖で会ったばっかりだけど、やっぱり懐かしいもんは懐かしいね」

「あによ、ボロ剣! 策があんならさっさと言いなさいよ! この役立たず!」

 

 しびれを切らしたルイズが怒鳴る。

 

「役立たずはお前さんだよ、嬢ちゃん。せっかくの『担い手』なのに、バカのひとつ覚えで『爆発(エクスプロージョン)』ばっか唱えやがって……」

「け、け、剣のくせに生意気よ! し、沈めるわよ! あんただって、バカみたいに切ることしかできない棒っきれじゃないの!」

「おりゃあ剣だけどしゃべれるし、魔法を吸い込むことだってできらあ。それに、あれだよ……なんつーか、こう……すげえ機能があった気がすんだけど……」

「お前らうるせえ! デルフ、いいからその思い出したことを言いやがれ!」

 

 今度は才人が怒鳴りつけた。

 つくづく似たもの同士の主従だな、と場違いに平和な思考が頭をよぎる。

 

「わーったよ、相棒はせっかちだねえ。そんで嬢ちゃん。『始祖の祈祷書』は持ってんな? よし、そんじゃ読んでみな。ちゃんと探せば、必要な呪文が書いてるはずだぜ」

 

 ルイズは懐から『祈祷書』を取り出し、猛然とページをめくり始める。

 そして……、

 

「……ディスペル・マジック! これでいいのね!?」

「そうだ。『解除』だ。そいつを唱えりゃ、あの悪趣味な指輪で操られた連中をもっかい死なせてやれるはずだ」

 

 ルイズはすぐさま、耳慣れないルーンの詠唱を始めた。

 才人は勇気をもらえるらしいその調(しら)べに、俺は身震いする。怖い。『爆発』だけじゃない。俺は虚無の魔法が怖い。

 タバサもキュルケも平然と……キュルケなんか、むしろ楽しげにルイズの詠唱を聴いているけれど、やはりトライアングルともなると俺とは格が違うのだろうか。

 

「あー、こりゃやべえな。敵さんのが早そうだ」

 

 デルフリンガーが呟いた。

 見ると、アンリエッタとウェールズの前に、雨水を孕んだ巨大な竜巻ができあがりつつある。

 タバサの『氷嵐』が可愛く感じる、天地を震わせる威圧感を持った竜巻。

 王族の血が可能にさせる、それは本来、城壁にでも放つような攻撃。『六乗魔法(ヘクサゴン・スペル)』。

 

「お前がのんきにしてるからだよ。思い出したことをすぐ言わねえから」

 

 才人が諦めたように言った。

 そして、俺たちの……ルイズの前に歩み出て、剣を構えた。

 

「いやあ、どの道、変わんなかったと思うがね。そんで、相棒はちゃーんと仕事をわかってるみたいだね」

「わかりたくなかったよ、ホント」

「そんじゃ、逃げちまったっていいんだぜ?」

 

 才人は答えなかった。

 

「なんつうか、損な性分だね。や、相棒はガンダールヴだから、仕方ねえんだけどね」

 

 デルフリンガーが嘆息する……人間であれば嘆息したのだろうと思わせる音を、刀身からしゃなりと鳴らす。

 その余裕にあふれた態度は、きっと才人があの竜巻に打ち勝つことを確信しているのだろう。

 そして実際、『原作』通りに才人は耐えきるのだろう。

 

 けれども俺は認めなかった。変えたかった。友達があんな災害じみた魔法につっこむところを黙って見ていられるわけがなかった。

 アンリエッタたちの詠唱を妨害すべく、俺は戦場に残ったゴーレムを操る。風に飛ばされないよう、砂に地中を掘り進めさせて、アンリエッタの足下を目指す。

 夜の闇と暴風のなかでも狙いを正確につけるため、ポケットからロッキーを落として感覚共有……ことここに至るまでロッキーを仕舞ったまま戦っていたことに愕然としそうになるが、いま考えるべきことじゃない……地面を介して周囲を探査し、アンリエッタの周辺に感覚を集中。彼女にはこの後みんなを治癒してもらわねばならないから、杖は折れない。とはいえやはり脚の一本くらいは折らせてもらおうと、地面から砂の手を這い出させ――背後から甲高い悲鳴。振り返る。モンモランシー。ガーゴイルに襲われている。どこに隠れていたのか、二体のガーゴイルが、戦いの最中ずっと俺たちの後ろで怯えて動けずにいた彼女に――違う。狙いは彼女じゃない。悪魔を象った石像はモンモランシーを素通りして、まっすぐキュルケと俺に――俺の隣で詠唱を続けているルイズに飛びかかる。

 死者を倒しうる『火』と『虚無』を狙っている。

 

 キュルケに襲いかかろうとしたガーゴイルが炎に包まれる――が、倒れない。この雨の中では、咄嗟に石像を壊せるほどの火力を出せない。焦った顔のタバサが杖を掲げ――がくんと膝をついた。精神力が底を突いたのだ。長い戦いの末に『氷嵐』を放ち、タバサはもはやドット・スペルも唱えられないほど消耗している。しかし石の爪がキュルケを引き裂く直前、水の鞭がガーゴイルを打ち据えた。モンモランシーだ。地面に叩きつけられたガーゴイルに向かって、モンモランシーが悲鳴のような叫びとともに再び水の鞭を振り上げたのを確かめてから、俺はようやく、俺自身の危機を意識する。

 

 ガーゴイルは今や目の前に迫っている。俺のゴーレムはアンリエッタの足下だ。発動の遅い土のスペルでは、どんなに早く詠唱したってもう間に合わない。

 だけど、まあ、それでいい。

 ルイズとガーゴイルの間には俺がいて、時間を稼ぐには十分だ。このガーゴイルはルイズを殺せない。その前にモンモランシーの水か、キュルケの炎が始末してくれる。

 ようするに、こいつは位置取りを間違えた。きっとこのガーゴイルを操っているミョズニトニルンは、王族たちの生み出した竜巻のせいで、ルイズの近くに俺が立っていることを見落としていたのだ。

 

 ミョズニトニルンがどうやって戦場を眺めているのか知らないが、この暴風のなかでは無理からぬこと。俺のロッキーでもなければ――ロッキー? どうしてロッキーは、こいつらの存在を見落とした? 土と石を通して世界を捉える俺の使い魔には、嵐なんか関係ない。たとえこのガーゴイルが空を飛んで近づいてきたのだとしても、地面を打つ雨粒のかたちからガーゴイルを見つけたはず。

 だとしたら、どうして――衝撃。鋭い石の爪が、咄嗟に出した右腕を貫通して胸に突き刺さる。悲鳴。誰があげたんだろう、俺かもしれない。ともかくこいつをルイズのところに行かせちゃいけない、と残った左手で石像を掴もうとして、できない。痛くて動けない。痛い……痛みの存在を意識した瞬間、激痛が全身を貫いた。熱い。痛い。苦しい。痛い。傷ついた自分の体から逃げたくてロッキーの感覚に浸ろうとして……拒否。うるわしい地面の感覚から蹴り出される。薄情なやつ。っていうかそんなことできたのかよ。

 

「……っ、」

 

 突然、傷口が抉られた。腕がおかしなほうを向く。爪が勢いよく引き抜かれ、ぽっかり開いた胸の穴から血が噴き出す。ああ、これは、ガーゴイルが吹き飛ばされたのだ。支えを失った俺の体は倒れていく。

 まだざっくり刺さってたんだから、そのへん、もうちょっと配慮して欲しかったなあ……と俺は思い、烈風に切り刻まれる石像の光景を最後に、視界が暗く閉じていく。

 

 

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