マッド(ドS?)な主人公のちょっと過激な原作救済   作:くうねるところの音楼

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続かない……と思いますが、精一杯頑張るのでどうかよろしくお願いします!
あ、酷評ください。参考というか、勉強になりますので。
因みに作者はオリハルコン並みのハートです。とはいっても、あまり強い酷評は見る人によっては不愉快になるので、活動報告の方に酷評感想用の場所を用意いたしましたので、よろしければそちらへお願いいたします。


転生初日!
神様転生 in リリカルなのは!


 3513.06.28 ??.??/神ノ間某所

 

「……これはまた……はぁ。下界は物騒になったものだな。昔はまだほかの異世界から楽園とされていた地球も堕ちればこの程度か」

「どうなさいました? 〇〇〇様」

「んぁ? あー、お前か、ルシファー。ま、ちょっとな。今回の患者は重症ってだけだ」

「……患者? またあなたは……もっと神としての自覚を持ってください。大体、今の地球の人間だったものを助けてなんになるって言うんですか」

「ま、なんにもなんねぇけどよ。只の暇つぶしだ」

「もう今更あなたに何を言っても手遅れのような気もしますが、今回でその愚行はやめてください」

「わぁったわぁった。気をつけるよ」

「分かればいいんです。それで? 今回は私も手伝いましょうか?」

「……ツンデレめ」

「あ?」

「……あぁ、手伝ってくれるとありがてぇな、女神さま」

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 目が覚めたら完全無欠の異世界でした――――ってか? ハッ、笑えねぇ冗談だ。

 たしかオレは、あの時死んだはずだ。なのにこうして生きてるってこたァ……ま、十中八九転生か。前々から結構規格外だとか言われてたが、ここに来て漸くその意味がわかったな。オレだけが特別ってより、その特別の中の一人だったってだけなんだろうけどな。

 

 にしても、ここは住宅街か? それにしちゃ人気がねぇな……。

 あまり高いビルはねぇし、あるとしても三~四回建てのマンション程度。

 ……あまり都市部じゃねぇってことか。

 取り敢えず散策すっか――――ん? あぁ、その前に“アレ”がちゃんと使えるか確認しなきゃな。

 

「直死の魔眼」

 

 ……よし、出来た。ちゃんと視えてる。って、あれ? おかしいな。なんで空間にまでツギハギが出来てるんだ? 空気や何かはモノじゃなかったはずだが……まぁ、いいか。今考えても答えは出ねぇだろうし。

 当初の予定通り散策しよう。そうだな……今目の前に見えてる公園にでも行ってみっか。

 楽しそうな、予感がするしな。

 

 

 

 夕暮れ時、とある公園の中で少女が一人ベンチに座っていた。

 周りの友達は帰ったのだろうか、本当にたった一人ぽつんと座っていた。

 徐々に傾いて見えなくなっていく太陽に照らされた顔は浮かなく、まるで悲しみを耐えてるように歪んでいた。いや、歪んでるだけではなく、うっすらとだが涙も浮かんでいる。

 それも仕方ないことか。少女の親はとある仕事中に負傷し、入院しているのだから。

 そして、家族は今父親がいないせいでどことなく荒んでおり、姉と兄は剣術の修行を、母は父と経営している店の仕事に追われている。今の少女の心境に気付けるものは家族にはいなかった。

 

 少女は今日決心するはずだった。家族に迷惑をかけないように良い子になろうと。だってそうすれば、もしかしたら父親も帰ってきてくれるかも知れないのだから。迷惑をかけない……それは、我が儘を言わない、親の前では泣かないと、普通の子供が決心するようなことではなかったが、幸か不幸かこの少女の精神は周りより少しばかり成長が早かったのだ。だから決心できた。出来るはずだった。いや、“原作”では決心しているのだから、出来ないわけがない。だが、一人の乱入者によってその決心が出来なくなってしまった。

 

 少女が決心しようとちょうどその時、公園に入ってくる人影が見えた。少女は反射的にその人影の方を見る。

 入ってきたのは少女より少し年上程度の少年だった。外見では少年だとは分からなかったが、雰囲気がそうだと感じさせた。

 腰まで届くような長い髪は艶々の漆黒で、身体付きはどちらかと言うと華奢だ。だが顔は、見たものが目を離せなくなるだろう綺麗な顔は、愉悦に歪んでいた。

 それに対し少女は本能で危機を察し身を固くする。恐らくそのことに気付いているであろう少年はそんなことを気にしないというふうに少女に歩み寄り、目の前に立った。

 口元を三日月型に歪め、目は何処か獲物を見てるかのように鋭く少女を見る。

 そして、少年が口を開いた。

 

「あぁ、いいね、お前のその表情。実にそそられる。ただ解せないのが、その顔をさせている根本的な要因はオレ以外の誰何にあるってことだな」

 

 そう言って少年はまた少女の顔を見る。

 そしてまた口を開いた。

 

「ほら、話してみろよ。話してみたら少しはスッキリするかも知れないぜ? 何より、オレ以外の奴が要因で出来たその顔を見てるのはすごく腹立たしいからな」

 

 その言葉を聞いた瞬間、自分でも分からないが、何故か口を開いて今まで悩んでいたことを打ち明けていた。

 

 

 

 はぁ……魅了の魔眼が想像以上に効いたな。ま、そのほうがオレとしてはちょうどいいからいいんだけどな。

 ……この少女――――本人曰くなのはの話を要約すると、父親が瀕死の重傷を追って、母は仕事に追われ、兄と姉は剣術に明け暮れるようになった……と。

 そして、今ちょうど“良い子”になるという決心しようとしていたらしい。そのことを話している時に恨みがましい目で見られたが、知らないよそんなこと。オレは楽しそうだから話しかけただけなんだからな。

 にしても……あぁ、そうか。こいつは自分から壊れようとしてたらしい。ま、そう考えれば今オレが来てちょうど良かったというべきか。壊れた人間なんて虐め甲斐がないし、何より見てて気持ち悪い。同族嫌悪だ。

 あぁ、そう言いえば。オレの趣味って誰かを虐めて楽しむことなんだよな。そのせいで友達っツーか、親友って言える奴が数人しかいなかったからな。しかも全員キワモノ。アーパー吸血鬼に殺人貴、空に蛇に黒猫と白猫。そして魔術師姉妹。あぁ、たしか混沌なんかもいたな。ま、その程度。

 っと、オレのことは置いといて。

 そうだな……今コイツを助けて、その後友達になったら虐め倒そう。うんそうしよう。

 そうなるとコイツにかける言葉なんだが……オレは誰かを助けたことなんてないからなぁ。結局あいつらは自分で乗り越えてるわけだし。だからこう言う相談に乗るってのは苦手なんだが……今後の自分の娯楽のため、頑張るか。

 

「ど、どうしたの……?」

「ん? あぁー……ちょっと考え事してただけだ。そうだな……普通に甘えればいいんじゃないか?」

 

 言って、自分がこんな臭いセリフを吐いてる事に苦笑する。

 あぁ、全く。オレのキャラじゃないよこんなの。これは……そう、殺人貴とか、そういうのがすればいいんだ。どちらかといえば空に似てるオレがすることじゃない。

 

「え?」

「え、じゃないよ。甘えればいいんじゃないかって言ってるんだ。子供は親に迷惑を掛けて良いんだ。逆に、心配をかけない子供は不気味に映る。だから普通に甘えればいい。

 ほら、オマエの……なのはのお母さん達は、我が儘を言って困らせたとしても、決して嫌な顔はしなかったんだろう? 憶測だけどな」

「う、うん……でも、今まではそうかもしれないけど、今はお母さんもみんな、忙しいから……だから、甘えちゃダメだって――――」

「それはなのはが勝手に思ってること。お母さんの気持ちは分かんないだろ? 一回、向き合って話し合ってみろ。分かり合えるかも知れない、怒られるかもしれない泣かれるかもしれない、でも一歩前進できる。不安だったら、オレも一緒に行ってやるぞ?」

「――――」

 

 絶句、これが今のこいつの状況を表す最適な言葉なんだろうなーなんて考えながら、思考が停止しているであろうなのはを急かす。

 待たせるのは良いけど、待たされるのは嫌いなんだ。

 

「ほら、どうする? 向き合ってみるか、自分の憶測だけで殻に閉じこもるか……選択はオマエ次第だ」

「……だいじょうぶ、かな……? 迷惑じゃないかな?」

「だからそれを今確かめに行くんだろ? ほら、行くなら行く。グズグズするな」

「……えっと……一緒に、きてもらって……いいかな……?」

「ん、じゃあ今から行くか。立てるか?」

「うん!」

 

 改めて思うが、やっぱり直死の魔眼より魅了の魔眼の方が有効活用が出来る。

 さて、オレに何が出来るかなんてわからないが、適当にやっていくか。

 あぁ言った手前、何もしないなんてできないしな。

 

 転生初日、良い遊び道具が見つかった。




 ……さて、酷評、お願いします。あ、だからといってよかったよ~っていう感想がいらないというわけじゃないですよ?(チラチラ

 書いて個人的な事を言うと、ネタは思いつくけど言葉に出来なくてイライラしますね。何十話も書いてる作者様方には尊敬の念しか浮かびません。
 次回は12月13日にはだそうと思います。よろしくお願いします。

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