コードギアス 戦場のライル B2   作:meitoken

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分配を間違えたため、今回は短いです。


BERSERK-75『皇族と反逆者』

アーネストは航空艦をハドロン砲で一隻撃墜し、更に中華連邦方面から派遣された竜胆を一隻、艦艇部のフロートを美恵が破壊する形で航行不能に追いやった。

 

〈二機の連携、見事だな。〉

 

聞き慣れない声がして、アーネストは敵を見つける。紅蓮タイプの青い機体。ライルが交戦した蒼天というやつだろう。だが、エナジーウィングを装備している。

 

〈『ユーロ・ブリタニア』の機体なら、一応E.U.の私が相手になってやる。〉

 

〈吠え面描かないでよ?〉

 

美恵がライフルで蒼天を撃つ。だが、相手が圧倒的に速い。トレウェリのライフルを持った左腕が一瞬で切り落とされてしまった。

 

〈う、嘘!?〉

 

ハドロン砲で狙うが、左腕の輻射波動砲で逆に受け止めてしまう。

 

「止めた!?」

 

驚愕しかない。あの『ナイトオブテン』を破った紅月カレンが乗る紅蓮と同系統ならば不可能ではない。だが、実際に見ると理解した。

 

性能に差がありすぎる。

 

だが、負けられない。そのまま近づいてきたところを相討ち覚悟で倒そうとした。

 

ソティアテスのハドロン砲を受け止めた左腕で掴まれる。ならばと左手のガトリング砲を構える。至近距離から実弾を浴びせれば蜂の巣になる。だが、敵は旋回して上空へ逃れた。そのまま、ハーケンで両手の火器を破壊され、左手で捕まった。

 

やられる!!

 

輻射波動が来た瞬間、衝撃と共に敵が離れた。トレウェリが体当たりでずらしたのだ。

 

幸い、機体そのものは爆散はしなかった。だが、各部が異常を示している。

 

トレウェリはハーケンで蒼天を狙うが、逆にワイヤーから刀で切り落とされた。展開した右手のルミナススピアも柄から折られて蹴り飛ばされる。

 

「……っ、後退するぞ!」

 

〈は、はい!!〉

 

だが、後退するより先に輻射波動が広範囲で放たれ、ソティアテスの外装と本体が膨張し、一部が爆発してしまった。

 

 

 

クラリスはルルーシュから派遣されたであろうKMF隊を撃破する。元々先帝を殺したルルーシュの命令に加えて、その容疑がかかったライルの増援では士気も上がらないだろう。もしかして、そういう手合いを始末するためにライルを使ったのでは?

 

そんな疑念さえよぎってしまった。とはいえ、立身出世などを目指しても職業軍人。しかも『ナイトオブラウンズ』さえ勝てなかったルルーシュに逆らえるわけがない。ならば、義理立てして少しでも家の没落などを防ぐなり考えた方がいいが、つい先日まで行方不明だったルルーシュに従えるかどうか。

 

割り切りの出来る人間と出来ない人間で差が生じてしまうだろう。それに比べれば、おそらくライルは部下達の安全の保証があるのならば、やる気を出す。自分の私闘に付き合わせている負い目があろうと、元々の部下達は慣れっこだ。差が大きい。

 

「さて……!」

 

後ろからライフルの攻撃があり、よけた。そこにいたのはベディヴィエールだ。

 

「酷いわね、不意打ちだなんて。」

 

〈君ならよけられると思ったから。〉

 

随分と買ってくれているようだ。

 

「うれしいわね……そんなに買ってくれているなんて。」

 

〈無理を承知で言うが、降伏して私の妃になってくれないか?部下達の安全も保証する。〉

 

いきなりこんな場所でプロポーズ?何を血迷ったのか。と、言いたいが……

 

「その心は?」

 

〈君に限らず、バルディーニ将軍や海棠大佐、池田は正直個人的に好きなんだ。出来れば、もう少し話す機会がほしいんだ。〉

 

なるほど……要はヘッドハンティングか。だが……

 

「口説き文句としては0点よ。他の女が着いているのなら我慢したけど、男まで付け加えられちゃ怒るわ。ほしかったら、ブリタニアらしく奪いなさい!!」

 

〈そうするよ!〉

 

ベディヴィエールは槍を連結させて、リーチを伸ばしてローランのミュルグレスに対抗する。同じエナジーウィング型、二機は他の追随を許さないスピードで切り結ぶ。それは、先日の『黒の騎士団』による日本奪還作戦でライルと池田が斬り結んだ時以上だ。もはや別次元の領域に達したこの二機の戦いに横槍を入れることはかなわない。

 

ベディヴィエールがクローで格闘戦を挑むと、ローランは腕のシールドでそれを受け止め、背中のハドロン砲を撃とうとするが、すんでで回避される。次はローランがショートソードに武器を持ち替えると、ベディヴィエールも槍で受け流して柄で殴りつけるが決定打にはならない。

 

まさに一進一退。勝負は一瞬で決まりそうなものだ。

 

 

 

「さすがはクラリス!本当に、殺すのが惜しいよ!!」

 

これほどの逸材は正に『ラウンズ』でもなければあり得ない。これほどの相手と戦える高揚に加え、ライルはパリや蓬莱島で出会ってから彼女への熱を高めていた。

 

「もし、君の父親から結婚を勧められたら、危うかったかもな!!」

 

〈光栄だわ!でも、クソ親父は私をシュナイゼルと結婚させたがってたのよ!〉

 

シュナイゼルと…確かに、特定の女性がいないシュナイゼルなら格好の的だしグレードも最高。加えて、シュナイゼルは28でクラリスは22だったはず。年下がダメならば、シュナイゼルと結婚していただろう。

 

「今、君と兄様の結婚が持ち上がっていたら兄様に抗議していたかもしれない!!」

 

ライルの中で、クラリスは大きな存在になっていた。腐敗したE.U.の中で祖先が選んだ道を守ろうとする彼女の姿勢、外見の美しさ、親のエゴに振り回される境遇……シンパシーに似たものを感じていた。敵であるというのに、我を通そうとするその生き方に惹かれた。祖国奪還がダメでも、侵略者と戦うことだけでも続けようとする浅海……恩人と自分の感情の板挟みになる鈴維……あの三人にも、ライルは惹かれていた。

 

「自分の節操のなさが恨めしいよ!今になって、自分が側にいてほしい女性を全て自分のものにしたいなんて思っているんだ!!君だけでなく、美奈川浅海と楊 鈴維も!!」

 

〈いいわね、その欲深さ!正にE.U.が憎むブリタニア皇族そのもの!でも、今はその欲深さが素敵だわ!!〉

 

 

 

シルヴィオとゼラートの戦いはまだ続く。アルプトラウムが多彩な武装で攻撃するのに対し、ディナダンは単純な機動力と接近戦のKMF。どちらが有利かは一概に決められないが、アルプトラウムの剣を確実に一本ずつ減らしていた。

 

「『侍皇子』と言うからには一撃必殺かと思えば、堅実だな!」

 

〈お前くらいの相手ならこれがちょうどいいよ!〉

 

『マドリードの星』のアマネセールの実働データも流用されているだけあり、何本もの剣がハーケンか、手甲か、或いは普通の手持ちの剣で襲ってくる。とにかく数が多い。

 

こちらは合計で三本。相手は十本。確実に減らしていくしかない。既に四本失い、既に両手に二本の剣を持っている。

 

「もう、二刀流にするのか?」

 

〈生身と同じで、手に刃物を持っていた方がしっくりくるんだ。〉

 

「そうか、貴族の血筋なのか…その様がしっくりくるよ。」

 

〈褒めてもらえてうれしいぞ!〉

 

 

 

ベイリンとモーナットは一進一退の攻防繰り広げていた。どちらも近接戦闘が重視されたKMFで機動力が重視された設計思想。パイロットの腕もほぼ互角であった。

 

〈この前も思ったが、本当にあんた強いね!〉

 

「それはうれしい限りだ!」

 

ここまで卓越したKMFの操縦技術はブリタニアでもそうはいない。いるとすれば、『ラウンズ』やそれに限りなく近い実力者だ。

 

〈にしてもさ、こんなおっさんと切った張ったをするより、もっとかっこいいお兄さんとダンスする方があんたと妹姫様には似合うと思うけど!?〉

 

「余計なお世話というものだ!私は自分より弱い男に興味はない!!」

 

〈あんたといいコーネリアといい、勿体ないにもほどがあるって!!〉

 

外見通り下世話を焼くような男だが、それだけの余裕を漂わせる。こんな状況にもかかわらず。部下達の人望が厚いと言うが、こうした冗談とも本気ともいえないことを言える余裕がその秘密?

 

あのダールトンが少しばかり品が悪くなったようなものか?

 

 

 

ベディヴィエールとローランの戦いは一瞬だった。現時点で最高峰の性能のKMF同士でそれを乗りこなせるパイロット同士であれば、あり得る話だった。

 

ローランの長剣をベディヴィエールが槍でそのまま受け流すだけでなく間合いを詰め、頭部を切り飛ばし、そこから間髪入れずにクローハーケンでエナジーウィングを一基破壊、ブレイドハーケンで長剣を持った右腕を破壊してハドロン砲で両足を吹き飛ばした。

 

「私の勝ちだよ、クラリス。」

 

〈ええ、そうね……このまま連れて帰ってベッドに押し倒してくれる?〉

 

こんな状態でよく…相当惚れ込まれているようだ。

 

「リクエストに沿ってあげたいが、一番殴り合いたい人が来たのでね。」

 

センサーが反応し、振り返るとそこにはずっと戦いたかった男のKMF、蒼天がいた。

 

「遅かったな。」

 

〈ああ、元『ユーロ・ブリタニア』の男と側近の娘に少々手こずってな。〉

 

シルヴィオの元にいるあの二人か……確かに、『四大騎士団』のエース並みの実力を持つあの二人ならたとえ第九世代相当に乗るこの男でも手を焼いたことだろう。

 

 

 

美恵は友軍の海上艦の甲板で気を失っているアーネストに膝枕をしていた。ソティアテスのボディは高周波サイクルで所々膨張し、トレウェリも半壊状態で今は友軍の海上艦に着艦していた。

 

アーネストは既に衛生班が処置を行い、命に別状はないとのことだ。

 

「アーネスト様…よかった。」

 

両親への復讐を果たした今、美恵にとってはアーネストの側で仕えることこそがアイデンティティーだった。もし、あそこでアーネストが死んでいたら生きる気力を失い、今頃は特攻か頭に銃を向けていた自信があった。

 

「愛しています…アーネスト様。」

 

気絶したアーネストの額にキスをして、美恵は空を見上げた。

 

「もう、シュナイゼル殿下でもルルーシュ皇帝でもどっちが勝とうとどうでもいいわ。」

 

 

 

ゲイリーはKMF隊の指揮を執っていた。どちらも、互いにエース機をほぼ失っている。残っているのは互いの最強格のKMFだ。

 

「………殿下の戦いで全て決まるか?」

 

 




大雑把になってしまいましたけど、ソティアテスとトレウェリは池田の蒼天に負けました。

撃墜こそされてないけど、半壊状態。第七と第六で第九相当相手に生き残れば儲けものかもしれません。
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