朝日が俺の顔を照らし、目が覚めた……なんて事はなく朝日が出るよりも前に起きた。
「おはよう治崎君!」
「……あぁおはよう。」
……寝不足だ。睡眠時間が足りない……
「お前夜中に一度起きてなかったか?寝ぼけててあんまり覚えてないんだが……」
「…あぁ。見ていたのか轟。喉が渇いて目が覚めたんだ。」
「そうだったのか。」
見られていたか。だが寝ぼけてたならよかった。
「よしみんな!今日も張り切っていこう!夜にはレクリエーションもあるらしいからな!」
「「おう!」」
飯田の声とともに全員が動き出した。
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「あのさ治崎君、相談があるんだけどいいかな。」
訓練場に行くまでの道中、緑谷が話しかけてきた。
……一体なんだ?
「どうした?」
「洸汰君の事なんだけど……」
そう前置きをして緑谷は話し始めた。
緑谷の陰嚢を破壊していた洸汰は最近両親を亡くしていたらしい。ヴィランとの戦闘による"名誉の死"だったようだ。世間はその死を讃えた。そりゃそうだ。ヒーローが命をかけて一般人を守った。褒められて然るべき行為だ。だが、その家族はそうは思わない。自分より一般人の方が大切だったのか、なんて考えてしまっただろう。
「そして自分の両親を殺した"ヒーロー"という存在を嫌悪するようになった。という事か。」
「うん……何か僕にしてあげられる事はあるかな……?」
「ないな。全くない。」
「えぇ?!」
緑谷は驚いて声を上げた。だがなぁ……
「俺達が何か口出ししたって意味はない。だって俺達は"ヒーロー"の卵なんだからな。ヒーローの卵がヒーローを肯定したところで何も心に残らない。」
「それはそうだけど…」
「だが、唯一できる事がある。」
「え?」
「いつか洸汰がヒーローに助けを求めた時。そのヒーローが"デク"であれるようにする事だ。
俺にはこんな事しか言えないな。
だが、緑谷はいつの間にか俯いていた顔を上げ俺に目を合わせた。
「っ!うん!ありがとう治崎君!」
「礼には及ばん。」
……こいつはヒーローなんだな。
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今日も終わりが見えなかった訓練をなんとか終わらせ、合宿所近くに集合した。
「今日の訓練お疲れ様!それではそれでは!みんな楽しみにしてたレクリエーション!肝試しの時間だー!!」
「ウェーイ!」
「その前に補習組は今から補習だ。」
「ウェ?」
「思ったより進みが遅くてな。この時間を削る事にした。」
「そんな!相澤先生〜!!」
補習組が縛られて連れ去られていった。
無慈悲すぎる……が仕方ないな。
「それじゃあ今からくじを引いて、ペアを〜〜〜」
ふぅ。
これから、俺は……