六平家のアンジェラさん   作:RK6246

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#14 神奈備本部

 

3年前

六平宅を覆う結界が破壊される

毘灼からの3人が家を破壊

鎧の男が六平国重に致命傷を与える

アンジェラがその男を殺す

6本の妖刀が奪われる

 

これはすべて柴が駆けつけるまでに起きたことである。

 

アンジェラは致命傷を負った国重の呼吸が細かくなるの見ていた

 

(早く病院に)(いや間に合わない)(私が治す)(ダメこの怪我は治せない)(柴はいつ来るの?)(このままじゃ国重が死ぬ)

(国重が死ぬ?)

 

国重の呼吸と相対的にアンジェラの呼吸が荒くなる。

 

(ダメ、図書館で死ねばどうにかなると言うのに!!•••図書館?)

 

アンジェラの図書館は10の階層あり、各階定員5名で構成されていて総紀の階を除いて定員は埋まっている。

 

()()()()()()()()

 

「あ•••」

 

総紀の階は元友人の席だった1名分の空きがある。

 

先日成人祝いとして受け取った刀を召喚し、息が細くなる国重の首につける

 

「•••この刀の初めてが、こんなことなんて•••最悪よ」

「姉•••さん?」

 

刀を振り上げる。狙うは、首

 

「姉さん!!!!」

 

国重の首が切り飛ばされる

 

間を置かずアンジェラの体が光る

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「対刳雲特選部隊萩原幾兎(はぎわらいくと)が右腕を、真智(まち)カザネが左腕を欠損。それ以上の損害はありません」

 

「彼らの報告から『蒼白な少女』、改め『蒼白な彼女』の存在と活動の再開を確認。双城の拠点として使われていた千葉の鏑斗(かぶらと)の廃城で、不自然に何もなかったことから、双城は彼女の手中に納まったと考えられます」

 

「となると刳雲も彼女に回収されたと見るべきか」

 

双城の死後、10日後神奈備本部にて幹部9名の会議が行われた。

 

「更に一昨日、蒼白な彼女から腕を欠損した2人に義手が送られました。簡単な解析によると玄力を流し込むことで本物の腕と遜色のない動きができるみたいです」

「おいおいおい•••。招待状を含む妖術の『才能』、刳雲と契約した双城を手中に納められる『戦闘力』、容姿以外確定した情報が出ない『匿名性』、そして玄力で動く義手を作れる『技術力』。どんだけ先へ行ってんだよ蒼白は」

「それでは今回の議題は彼女をどうするかですか?」

「いやいや、刳雲の命滅契約がどうなるか考えるべきだろ」

 

『命滅契約』、妖刀作刀時六平国重が施したシステム。

一度妖刀の所有者となればその妖刀の力は所有者以外は扱えないというもの。

 

3年前

六平国重死亡と同時期に前刳雲契約者巳坂(みさか)伊武基(いぶき)が殺害されて以降、他妖刀契約者達は神奈備の保護下に置かれた。

 

「残念ながらそれだけではない。特選部隊の報告によると蒼白な彼女と共に『六平千鉱』と名乗り六平国重の息子を自称する男と共に行動していたらしい。そして記録にない7本目の妖刀を所有していた」

「「「「「な?!」」」」」

「付け加えると蒼白な彼女は『六平アンジェラ』と名乗り、血縁はないが娘ではあると言っていたらしい」

「「「「「「はあ?!」」」」」」

 

その報告には報告者を除く、その場にいた6名が驚いた。

 

「おい!蒼白な少女の活動期間は?!」

「推定12月から翌2月上旬の約2ヶ月間!!」

「六平国重が行方をくらましたのは戦後直後!!」

「擁護派あ!!六平宅に結界張ったんだろ?!」

「張ったわ!なんで入れてるんだよ!!」

「鎮まれ、一旦鎮まれ」

 

騒然とした会議に落ち着きを取り戻させる。

 

「•••おい薊、そんで区堂(くどう)。お前ら2人なんで落ち着いてんだ?」

「•••なんのことだか」

「そういやお前ら2人とも六平擁護派だったよな?7本目の妖刀、六平の息子、そんで蒼白。お前らこのこと知ってたんじゃねぇのか?」

「僕は何も知りません」

「•••私も何も知らないさ」

 

18年前六平を匿ったのは六平擁護派の4人。その4人に含まれる区堂と薊は冷静に否定した。

 

「•••それで、今後の方針は?」

「使用可能な妖刀が2本向こうにある。だからこちらも戦力を出し惜しみしない。唯一妖刀に匹敵する『個』、『餓者(がしゃ)炎骨(えんこつ)』懐柔者である緋雪(ひゆき)を送り込む」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

双城の死後18日

 

とある少年は街中を歩いていた。

 

(この間のあいつ•••かっこよかったな)

 

思い出すはほとんど1ヶ月前のあの日。レストランで食事している時に向かいのビルから乱戦が落ちてきた日。

 

3対1の構図で行われていた乱戦、1の方は見覚えのある双城だった。しかし、少年がもったも印象に残っているのはその後登場した黒い服に赤い目、そして顔に傷のある男。

 

(不意打ちで助けて、『そんであとは任せろ』みたいなこと言ってて•••何より)

 

『悪を滅して、弱者を救う』

 

逃避の際傷の男が言っていたこと、そして車で囚われていたであろう子供を救出しようと動いた姿を思い出す。

 

少年には目的があった。その目的の遂行に傷の男がいれば百人力だろうと思った

 

(あいつがいれば•••いや、無理だな。俺あいつのこと何も知らない「•••アダッ」

 

考え事をしながら歩いていたためか、前からの歩行者とぶつかる

 

「あ、すんません!」

 

自分がぶつかった男は何も言わず去っていった。その姿に多少申し訳なさが生まれる。

 

(にしてもすげぇな今の人、全身真っ黒だ)

 

思い出す傷の男以上の黒さが印象に残る

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