残響騎士:エコーナイツ - 2059 -   作:九十九 章

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練習・試作を兼ねた短編です。

メインストーリーは、鋭意製作中です。


短編:とある司法巡査の事件簿 其の壱

 

『人間ではなく、機械とエイリアンを愛した変人。ーーーそれが俺の師匠だった。』

 

ーーーとある防衛学校所属の司法巡査

 

 

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少なくとも恐竜に混じり化石として発掘される程度には、古くからこの星に落下し続けている外宇宙由来の寄生体X。

 

つまりは『エイリアン』を、人類は早い頃から『資源化・戦力化』という形で利用する事で、自分達のコミュニティを護り、あるいは拡大し繁栄して来た歴史を持つ。

 

だからこそ、PCや携帯端末が一人一台が当たり前となった現代においても尚、新たな資源活用方が生まれ、商品化されたとしても対して驚きなどしなかった。

 

商品に重大な嘘が吹き込まれていると知るまでは。

 

 

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現代のコンピュータにはほぼ必須とされる演算処理パーツ『GPU』。

高度な3D描写や高性能なAIに必要不可欠な演算パーツである其れは、ハイエンドを目指す程、大きく重くなる宿命を抱えた、酷く高コストな機械製品であり故にこそソレの誕生は市場に衝撃を齎した。

 

 

『生体GPU』。其れは『次世代』のGPUとまで称された、寄生体の神経細胞を基盤とした高性能演算処理パーツである。

 

従来のハイエンドGPUに比べ、平均して約半分程度の小型・軽量化と、省電力化を実現したこの画期的な発明は、同時に細胞保護の都合上必須となる液冷式構造によって、優れた冷却効率を示す製品であった。

 

故に、其処に目をつけた企業によって生体GPUは、機械的安全性による担保。つまりは安全弁兼制御役も兼ねた、排熱処理必須な既存の機械式ハイエンドCPUと統合運用する事が最善であると結論付けられ、又、機械式セーフティーによる商品の安全性の担保を売りとする事で、企業はユーザーへの心理的なハードを下げる事を企画。

生体GPU+既存CPUによる演算核を、あくまで優れた工業製品として製品化する方針を掲げた。

 

結果、演算核は21世紀中盤初期、『次世代演算核』名で新たな演算処理装置として大々的に発表・発売が開始されるに至った。

 

 

発売当初、缶詰の様な形で販売された新型演算核の多くは、発表された性能を確かめんとする一部の熱心なオタク達や動画投稿者に買われていった。

 

既存のPCパーツに変わり繋げられた新型演算核は、彼等有志の手によって何度も処理性能を既存品と比較検証が実施され、圧倒的な性能と利便性に概ね好印象ながらチクリと刺すように小さな懸念点を載せネット上に公開。忽ち情報が拡散され、徐々に他のハイエンドユーザーや企業にも浸透していく事になった。

 

そうして製品の売り上げは徐々に上向き、一年、二年、三年と続いていく事でいつしか企業の新たな看板シリーズとなり、愛用ユーザーに『脳缶』や『ミニスパコン』といった愛称をつけられるようになった”製品”は、社会へ溶け込んでいった。

 

 

だからこそ、演算核が当たり前となりつつあった社会に埋まった者として。俺は当初、師匠が持つ演算核にも大した疑問は持つことなどなかったし、まさかあんな悲劇を巻き起こす厄災の芽を育てているなど、微塵も考えていなかった。

 

 

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スマホ。其れは、現代にとって欠かせない小さな電話・録画機能付きコンピュータであり、肌身離さず持ち歩いている点を持ってすれば、一種のウェアラブルデバイスの様な代物でもある。

 

しかしながら大抵のスマホは、携帯性とコスパの良さを重視したが故に、其の性能はPCには遠く及ばず、又、PCと同等の作業をこなすことも困難を極めた。

 

其処で外回りとデスクワークの両方をさせられていた女性。俺の師匠に当たる女刑事は、一つの策を思い付き実行に移した。

 

其れは『脳缶』と『スマホ』の同期直列化。

 

つまりは、通信同期させた二つの装置を其々、演算特化の『脳缶』と、入出力特化の『スマホ』に役割を分業させ、本来のスマホには出来ない『高性能な自律型AI』の常駐化を測るというものであった。

 

仕事(と趣味)の更なる効率化を達成し、より仕事で楽しようとする。如何にもズボラな師匠らしい実に小さな小さな可愛らしい画策であった。

 

師匠による巧妙に練られた計画は、無事に完成し其の使い勝手の良さと高性能っぷりを遺憾無く発揮した。

お陰で師匠の署内での立場と給料は僅かに押し上げられ、師匠も始めは喜んだと言う。

 

直ぐに更なる量の仕事が上乗せされ、キレ散らかしたそうだが。

 

キレた師匠は勿論、憤懣遣る方無いない内心を面にこそ出さなかった。だが、彼女を影で笑った上司や一部の同僚に対して、彼女は彼等の小さな職務違反の束となったデータを内偵部署に送りつけ、ふと思い出した其の昇進した小さな役職に付随する権利に、「これだ!」とデスクのPCに向き合い、遺憾なく権利を行使した。

 

そうして俺は、学校を通じて彼女の募集要項を目にし『司法巡査』たる『保安官補』。つまりは彼女の助手(アルバイト)という名の程の良い駒として彼女に出逢い、防衛学徒兼特別司法警察官という、歳、性別、性格、全てが異なる彼女のとなりで活動を開始した。

 

 

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刑事モノや探偵モノを観た後の、素朴な疑問。

オフィサー(警察官)やマーシャル、シェリフ(保安官)の違いってなんなの?

巡査部長や刑事、警部補って何?

海外と国内の警察官と麻薬取締官、海上保安官の違いって何なの?

其々の階級・役職の違いと仕事内容は?

そんな所から着想を得た短編でした。

メインストーリーは現在も製作中です。
今回の様な試し読み編は、これからもちょくちょく投稿するつもりですので、お楽しみ頂けたなら『お気に入り登録』の方、宜しくお願いします。

次回投稿は来月16日の同時刻の予定です。
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